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2. 4 結 論

第 1章 に お い て 明 ら か と な っ た 間 一 樹 種 間 の テ ル ベ ン 類 の 化 学 組 成 に お け る 伺 体 的 変 動 に つ い て , 個 体 変 動 が 生 じ る 原 菌 の 2大 要 因 で あ る 遺 伝 因 子 と 環 境 因 子 の , 環 境 因 子 の 点 、 か ら 考 察 し た 。 そ こ で テ ル ベ ン 類 の 変 動 要 国 と , エ デ レ ン が 樹 木 か ら 放 散 さ れ る 要 閣 と が 類 叫 す る こ と か

ら, ガ ス 状 植 物 ホ ル モ ン で あ る エ チ レ ン に 着 目 し , エ チ レ ン が テ ル ベ ン 類 の 化 学 組 成 に 影 響 者 与 え る と 推 定 し た 。 そ の 推 定 に 基 づ い て , エ チ レ ン に よ る ヒ ノ キ 幼 留 か ら 放 散 さ れ る テ ル ベ ン 類 の 化 学 組 成 の 変 化 を 究 明 し た 結 果 , エ チ レ ン を ヒ ノ キ 幼 苗 が 生 育 す る 環 境 大 気 中 に , lOOOppm 混 入 す る こ と に よ っ て , テ ル ベ ン 放 散 量 が 変 化 し た 。 放 散 量 変 化 は , 試 料 に よ っ て 異 な り , サ ピ ネ ン が 多 量 に 放 散 さ れ た も の と , テ ル ピ ノ レ ン が 多 量 に 放 散 さ れ た も の と が 見 ら れ た 。 また, 5 .0 % 濃 度 の エ ス レ ル を 葉 国 に 全 面 散 布 処 理 す る こ と に よ っ て , ボ ル ニ ル ア セ テ ー ト の 放 散 量 が 増 加 し , αー ピ ネ ン の 放 散 翠 が 減 少 し た 。 エ チ レ ン を 気 中 に 混 入 し た 場 合 と , エ ス レ ル 処 理 し た 場 合 の テ ル ベ

ン 放 散 量 の 変 動 が 異 な っ た こ と か ら , 補 木 が 他 の 生 物 か ら 放 出 さ れ た エ チ レ ン を 感 知 す る こ と に よ り , 防 御 反 応 と し て テ ル ベ ン 類 の 化 学 組 成 を 変 動 さ せ る , す な わ ち 樹 木 間 相 互 作 用 を 示 す こ と が 示 唆 さ れ た 。

3章 エ チ レ ン ガ ス に よ る ヒ ノ キ 幼 苗 か ら 放 散 さ れ る テ ル ベ ン 類 の 変 動 形 態 ( 加 藤 ら 1 9 9 4 )

3 . 1

緒 言

第 2章 に お い て , ヒ ノ キ の 幼 苗 が 生 育 す る ガ ラ ス ハ ウ ス 内 に , エ チ レ ン を 混 入 さ せ る こ と に よ り , ヒ ノ キ 幼 芭 か ら 放 散 さ れ る サ ピ ネ ン お よ び テ ル ピ ノ レ ン の 放 散 量 が , 大 き く 変 化 し , ま た エ ス レ ル 処 理 に よ る テ ル ベ ン 成 分 の 放 散 量 変 化 と 大 き く 異 な っ た こ と か ら , エ チ レ ン に よ る テ ル ベ ン 成 分 の 放 散 最 変 化 は , 樹 木 の 防 御 作 用 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 こ れ ら の 変 化 を さ ら に 的 確 に 把 握 す る ため, 本 章 で は S試 料 ( 2 7本 ) の ヒ ノ キ の 幼 直 ? を 用 い て , エ チ レ ン に よ る ヒ ノ キ 幼 苗 か ら 放 散 さ れ る テ ル ベ ン 類 の 放 散 量 と 放 散 害lj 合 の 変 化 お よ び , エ チ レ ン の 作 用 の 発 現 開 始 時 期 と 持 続 時 間 を さ ら に 検 討 し た 。

3. 2 実 験 方 法

ヒ ノ キ の 幼 苗 ( 3年生, 樹 高 : 35~ 4 7 cm ) を 3本 植 え た ポ ッ ト を ガ ラ ス ハ ウ ス ( 8 0

×

67

×

4 4 cm, 温 疫 : 23℃

〈土 . 50 ℃ ) , 湿 度 : 8 0 % (土 5% ) ' 照 明 時 期 : 6時 ~ 226 寺)

中 に 置 き , 密 閉 し て 12時 間 放 置 し , 翌 日 の 9時 に TENA X法 に よ り 無 処 理 時 の ガ ラ ス ハ ウ ス 内 の 大 気 を 捕 集 ( 3 0 0翻!/

min, 2hr )し, 1 2特 に エ チ レ ン を ガ ラ ス ハ ウ ス 中 に 1%濃

49

度 に な る よ う に 混 入 し て , 同 様 に 大 気 を 捕 集 し た 。 型 自 の 9時 ま で 1 9時 間 放 置 し た 後 , 再 び 大 気 を 捕 集 し た 。 ヱ チ レ ン の 作 用 発 現 開 始 時 期 の 測 定 で は , エ チ レ ン 混 入 ま で は 開 様 に 大 気 を 掠 集 し , エ チ レ ン を 混 入 し た 直 後 お よ び , 翌 日 の 0時, 3時, 6時, 9時 に 大 気 を 捕 集 し た 。 また, エ

チ レ ン の 作 用 の 持 続 時 開 の 測 定 で は , エ チ レ ン を 混 入 す る'4 2' 1目 前 の 1 2時 に 大 気 を 捕 集 し , エ チ レ ン を 混 入 し た 直 後 お よ び ,1 , 52 , 10 日 後 の 1 2時 に 随 時 大 気 の 捕 集 を 行 っ た 。 捕 集 し た 大 気 は 随 時 , ガ ス ク ロ マ ト グ ラ フ ( G C) 分 析 ( Shimadzu GC-14A,DB -官AX(30m

×

0.25mm i.d.),

60~ 70 2℃/min,70 ~ 245 5℃/min, He: 1.7ml/min, 5 1 : 1 ) に 供 し た 。

3 . 3

’ 結 果 と 考 察

3. 3. 1 エ チ レ ン ガ ス に よ る テ ル ベ ン 放 散 罷 の 変 動 形 態

ヒ ノ キ の 幼 苗 が 生 育 す る ガ ラ ス ハ ウ ス 中 に , エ チ レ ン を 12混 入 す る こ と に よ っ て , 9試 料 の う ち の 8試料で, ヒ ノ キ 幼 苗 か ら 放 散 さ れ る サ ピ ネ ン の 放 散 量 が 増 加 し , 5試 料 で テ ル ピ ノ レ ン の 放 散 量 が 増 加 し た ( Fig.3-1 ~ 3-9 )。

サ ピ ネ ン の 放 散 量 が 増 加 し た 試 料 に は , エ テ レ ン 混 入 誼 後 か ら 増 加 し , 21 時 間 後 に さ ら に 増 加 し た も の が 3試料,

エ チ レ ン 混 入 直 後 に 増 加 し , 2 1時 間 後 に は 一 定 の も の が 3試料, エ チ レ ン 混 入 車 後 に は 増 加 せ ず , 2 1時 間 後 に 増 加

し た も の が 2試 料 見 ら れ た 。 テ ル ピ ノ レ ン の 放 散 童 が 大 き く 増 加 し た の は , 5試 料 と も , エ チ レ ン 混 入 か ら 2 1時 間 後 に 測 定 し た 時 で あ っ た 。

エ チ レ ン を 混 入 す る こ と に よ っ て 変 化 し た , ヒ ノ キ 幼 苗 か ら 放 散 さ れ る サ ピ ネ ン と テ ル ピ ノ レ ン の 2成 分 を 合 わ せ て 考 え る と , エ チ レ ン 混 入 に よ っ て サ ピ ネ ン の 放 散 量 が 増 加 し た も の ( Type 1) , テ ル ピ ノ レ ン の 故 散 量 が 増 加 し た も の (Type 2) , サ ピ ネ ン と テ ノ レ ピ ノ レ ン の 両 成 分 が 増 加 し た も の ( Type 3)の 3タ イ プ が 見 ら れ た 。

Type l(Fig.3-3,3-5,3-6,3-9 ) で は エ チ レ ン 混 入 車 後 に サ ピ ネ ン の 放 散 量 だ け が 増 加 し , 2 1持 間 後 に も ミ ル セ ン , dー リ モ ネ ン , テ ル ピ ノ レ ン で 若 干 の 増 加 は 見 ら れ る も の の, サ ピ ネ ン だ け が 大 き く 増 加 し た 。 Type 2(Fig.3-l,3

-4)では, エ チ レ ン 混 入 百 後 に サ ピ ネ ン , ミ ル セ ン が 若 干 増加し, 2 1時 間 後 に テ ル ゼ ノ レ ン が 非 常 に 大 き く 増 加 し た。 ミ ル セ ン に も 若 干 の 増 加 が 見 ら れ た 。 Type 3(Fig.3 -2,3-7,3-8 )では, サ ピ ネ ン が エ チ レ ン 混 入 寵 後 か ら 2 1時 間 後 ま で 増 加 を 続 け , ミルセン, テ ル ピ ノ レ ン が 2 1時 間 後 に 増 加 し , エ チ レ ン を 混 入 す る こ と に よ っ て , サ ピ ネ ン, も し く は テ ル ピ ノ レ ン の 放 散 量 に 大 き な 変 化 が 見 ら れた。 Type 2の よ う に テ ル ピ ノ レ ン の 放 散 量 の 大 き な 変 化 が 見 ら れ る も の と , そ う で な い も の と が 見 ら れ る の は ,

ど の よ う な 要 因 に よ る の か , 非 常 に 興 味 深 い 問 題 で あ る 。 次 に こ れ ら エ テ レ ン 混 入 に よ る そ ノ テ ル ベ ン 放 散 量 の 変 化 を 主 要 成 分 で あ る サ ピ ネ ン , ミルセン, dー リ モ ネ ン ,

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γ ー テ ル ピ ネ ン , p-シメン, テ ル ピ ノ レ ン に つ い て 検 討 し た ( Fig.3-10 ~ 3-15 )。 サ ゼ ネ ン の 放 散 量 ( Fig.3-10)

で は , 試 料 Aを除き, エ チ レ ン を 混 入 し て か ら 2 1 時 間 後 に は , 処 理 前 よ り 放 散 量 が 増 加 し た 。 試 料 Aに お い て も , エ チ レ ン 混 入 直 後 に は 放 散 量 の 増 加 が 見 ら れ た 。 前 述 の よ

うに, サ ピ ネ ン の 放 散 量 は エ チ レ ン 混 入 に よ っ て 大 き く 増 加 し た 。 ミ ル セ ン の 放 散 量 ( Fig.3-11 ) に お い て も , 試 料 Aを 除 い た 8試 料 で エ チ レ ン 混 入 に よ る 放 散 量 の 増 加 が 克 ら れ た 。 特 に , 試 料 Gに お い て 顕 著 な 放 散 量 の 増 加 が 見 ら れ た 。 d- リ モ ネ ン の 放 散 量 ( Fig.3-12 ) に お い て は , エ チ レ ン 混 入 に よ る 放 散 量 の 増 加 が 見 ら れ た の は , 試 料 Cお よ び Gだけで, 残 り の 7試 料 に は 顕 著 な 変 化 は 見 ら れ な か っ た 。 γ ー テ ル ピ ネ ン の 放 散 量 ( Fig.3-13 )では, 試 料, CB E, F, G, で 若 干 の 増 加 が 克 ら れ た が , 他 の 4試 料 に は 変 化 が 見 ら れ な か っ た 。 p- シ メ ン の 放 散 量 ( Fig.3 -1 4 )では, 試 料 Cにのみ, 放 散 量 の 増 加 が 見 ら れ た 。 テ ル ピ ノ レ ン の 放 散 量 ( Fig.3-15 )では, 前 述 の よ う に エ チ レ ン 混 入 か ら 2 1時 間 後 に 5試 料 で 顕 著 な 放 散 量 の 増 加 が 見 ら れ た 。 特 に 試 料 Dに お い て , 顕 著 な 増 加 が 見 ら れ た 。

Table 3-li こ, エ チ レ ン 混 入 に よ る , ヒ ノ キ 幼 苗 か ら 放 散 さ れ る サ ピ ネ ン お よ び テ ル ピ ノ レ ン の 放 散 割 合 を 示 す 。 こ の 放 散 割 合 は , ヒ ノ キ 幼 苗 か ら 故 散 さ れ る テ ル ベ ン 類 の 主 要 成 分 S種, サ ピ ネ ン , ミ ル セ ン , dーリモネン, γー テ ル ゼ ネ ン , p-シメン, テ ル ピ ノ レ ン , ボ ル ニ ル ア セ テ ート, テ ル ピ ネ ン ー4-オール, テ ル ピ ニ ノ レ ア セ テ ー ト を ,

100 と し て 表 し た も の で あ る 。 エ チ レ ン 混 入 に よ る サ ピ ネ ン の 放 散 割 合 の 変 化 を 見 る と , エ チ レ ン 混 入 車 後 に は 放 散 割 合 に 大 き な 変 化 は な く , 28 自 に 9試 料 中 7試 料 で 割 合 が 減 少 し た 。 しかし, 2日 目 の 放 散 量 は 9試 料 中 7試 料 で 増 加 し て い る 。 また, テ ル ピ ノ レ ン の 放 散 割 合 の 変 化 を 見

ると, エ チ レ ン 混 入 直 後 に は ほ と ん ど 変 化 は 見 ら れ ず , 28 自 に 5試 料 で . 22 ~ 1 0 . 0倍 の 放 散 割 合 の 増 加 が 見 ら れ た 。

モ ノ テ ル ベ ン 類 は , 3- ヒ ド ロ キ シ メ チ ル ー3ー グ ル タ リ ル CoA ( HMG -むo A) か ら メ バ ロ ン 酸 , ゲ ラ ニ ル ピ ロ リ ン 酸 ( Gp p) を 経 て 生 合 成 さ れ る 〈 大 石 1990 )が, そ の 生 合 成 量 を 調 節 し て い る の は , 主 と し て HMG-Co Aの 還 元 を 触 媒 す る HMG-Co Aレ ダ ク タ ー ゼ の 活 性 度 で あ ろ う ( 井 上 ら 1976 ) と 言 わ れ て お り , また, GP Pか ら 各 種 モ ノ テ ル ベ ン へ の 変 換 は , モ ノ テ ル ベ ン シ ク ラ ー ゼ に よ っ て 行 わ れ て い る ( Lewinsoh nら 1 9 9 1 )。 モ ノ テ ル ベ ン シ ク ラ ー ゼ は , メ バ ロ ン 識 経 路 に お け る 他 の 生 成 物 か ら テ ル ベ ン に 炭 素 を 流 用 す る 働 き を 持 つ 分 岐 酵 素 で あ る た め , テ ル ベ ン 生 合 成 に お い て 非 常 に 重 要 な 役 割 を 担 う 。 ま た , 樹 木 の モ ノ テ ル ベ ン シ ク ラ ー ゼ 活 性 の 程 度 に よ っ て , さ ま ざ ま な そ ノ テ ル ベ ン の 異 性 体 の 相 対 量 が 決 定 さ れ る ( Savag eら 1 9 9 1 )。 こ れ ら の こ と か ら , エ チ レ ン 混 入 後 2日 目 の サ ピ ネ ン の 放 散 割 合 の 減 少 と 放 散 量 の 増 加 お よ び 2日 自 の テ ル ピ ノ レ ン の 放 散 割 合 の 増 加 は , こ れ ら の 変 化 が 生 合 成 に よ る も の で あ る と す れ ば , エ チ レ ン も し く は , エ チ レ ン の 代 謝 物 質 が , MG-Co Aレ ダ ク タ ー ゼ の 活 性 お よ び テ ル ピ

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ノ レ ン の 合 成 を 触 媒 す る 酵 素 の 活 性 を 促 進 す る こ と に よ る と 推 察 さ れ る 。 また, サ ピ ネ ン は ヱ チ レ ン 混 入 車 後 に 放 散 量 の 増 加 が 9試 料 中 7試 料 に 見 ら れ た の に 対 し , テ ル ピ ノ レ ン の 放 散 量 の 増 加 は , 翌 日 に し か 見 ら れ な か っ た 。 こ の サ ピ ネ ン と テ ル ピ ノ レ ン の 放 散 量 変 化 の 時 間 的 差 異 は, エ テ レ ン と そ の 代 言 語 物 質 で あ る エ チ レ ン オ キ サ イ ド に 対 す る サ ピ ネ ン 合 成 酵 素 と テ ル ピ ノ レ ン 合 成 酵 素 の 反 応 の 差 異 に よ る も の と 推 定 さ れ る 。

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