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交通施設被害 道路(高速道路、一般道路)

番号 区分 項目

7号線から内側への通行については、緊急自動車・自衛隊車両等 以外の車両が規制される。

・ 交通規制が実施されない区間で渋滞が発生する。道路の被害に より各地で通行に支障がある状況の中、自らの車両やタクシー で帰宅しようとする交通や、帰宅できない者を車で迎えに行こ うとする交通、首都高速道路をはじめとする規制区間からの車 両の流入等が発生し、都区部で平均走行速度5km/h未満の深刻 な渋滞となるほか、多摩地区や周辺県においても渋滞が発生す る 25

・ 多くの人が徒歩で移動することから、道路上に歩行者があふれ る、右左折が難しくなる等により渋滞が助長される。

・ 道路被害による通行困難や渋滞に伴って車両を放置して避難す る者が発生し、放置された車両が交通を妨げる。

[高速道路]

・ 首都高速道路及びその他の高速道路では、都内で約480箇所、

一都三県で約620 箇所の軽微な被害 26が発生する。道路管理者 は、発災後直ちに状況把握・安全確認のため点検を開始する。

このため、一般車両の高速道路への流入が規制される。

・ 首都高速道路を走行する車両は、直近出口等へ誘導されるが、

誘導完了まで半日を要する。

・ 少なくとも震度6 強以上 のエリア(宮野木JCT以西、外環道以 南、中央道調布IC以東、東名道横浜町田 IC以北等)において は、一部の箇所で応急修復を要する被害や、近隣の延焼火災の 危険のため不通となる。これにより、東北・甲信越方面と関西 方面を結ぶ高速道路交通は、一時圏央道や北関東道を用いた迂 回を要する。

1 日 後 の 状況

・ 高速道路及び主要な一般道について、点検による状況把握に基 づき、緊急交通路の指定がなされ、災害対策基本法に基づく交 通規制が実施される。道路交通法に基づく規制が行われていた

25 東日本大震災においては、東京都区部において16時台~23 時台の平均速度が

6.2km/h となり、平均速度15km/h を下回る渋滞が翌朝6 時まで継続した。ま

た、多摩地区や周辺県においても平均速度 10kmを下回る渋滞が発生した。(国 土交通省「交通状況の把握と渋滞対策」「東日本大震災を踏まえた今後の対応 について」を参考)ここでは、道路被害の発生等を考慮し、より厳しい渋滞を 想定している。

26 「兵庫県南部地震における道路橋の被災に関する調査報告書」によると、震度 6強エリアでの昭和 55年よりも後の基準に準拠した橋脚の被害率は、大被害で 0%、中小被害で16.3%である。

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路線は引き続き規制されるほか、警視庁・各県警が指定する必 要な路線が追加で規制される。

・ 高速道路は大きな被害がないことが確認され、必要な応急修復 を行ったのち、緊急交通路として緊急通行車両等のみ通行が可 能となる 27。高速道路を用いた物資・人員の緊急輸送が実施さ れる。

・ 直轄国道等は、特に重要な路線について啓開され 、緊急交通路 として緊急通行車両等のみ通行が可能となるが、一般車両の流 入を完全に防ぐことはできない。周辺のその他道路における発 災直後からの渋滞も継続している ため、高速道路以外における 物資・人員の緊急輸送は限定的となる。

・ 放置車両により渋滞が悪化する。

・ 延焼火災が継続している街区に隣接している道路は、通行不能 が継続する。

・ 郊外の被害が軽微な地域を含め、広域的な停電の影響で信号な どの交通管制に支障が生じ、手信号による対応が行われる。

3 日 後 の 状況

・ 高速道路及び国道、都県道等の主要な道路は、一部で不通区間 が残るが、緊急輸送道路の啓開が概成 28し、交通規制により緊 急通行車両等のみ通行が可能となる。

・ 地盤変位等による大変形や火災による損傷が生じた橋梁は通行 不能のままである。

・ 規制対象外の道路においては、発災直後からの深刻な渋滞状況 は解消する。ただし、公共交通機関の停止に伴い、長距離の移 動には車両が用いられることから、首都圏全体では慢性的な渋 滞が継続する 29

・ 停電が継続する地域においては、交通管制の支障も継続する。

・ 緊急通行車両として標章発行の対象となる車両が徐々に拡大 30

27平成 16年の首都直下地震の被害想定を前提に、高速道路及び特に重要な緊急輸 送道路は24時間以内、全ての緊急輸送道路を3日以内に啓開することが目標と されている。

28 東日本大震災では、3月 14日時点で直轄国道のうち 95%程度が復旧した。

29 阪神・淡路大震災においては国道2号線等の幹線道路に車両が集中し、交通規 制の効果も限定的であったことから、発災後数時間後から数か月にわたって慢性 的な交通渋滞が発生した(熊谷ら、2005「災害時の道路交通」予防時報)。また、

震災前後で居住地の変化していない自動車利用者の通勤所要時間は発災から1 週間後で2倍弱を要した(岸野ら、1996「震災後の交通行動に関する考察」)。

ここでは、幹線道路の規制は一定程度機能するが、その他の道路において慢性的 な渋滞が継続すると想定している。

30東日本大震災では、緊急通行車両確認標章の交付対象が徐々に拡大された。ま

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され、民間企業の活動再開等に向けた動きが本格化する。

1 週 間 後 の状況

・ 交通の状況に応じて、高速道路及び直轄国道等の主要路線の一 部で交通規制が解除される。

・ 地盤変位等による大変形や火災による損傷が生じた橋梁の一部 は、仮橋により緊急交通路として緊急通行車両等のみ通行可能 となる。

・ 停電が継続する地域においては、交通管制の支障も継続する。

計画停電となる地域においては、該当する日・時間帯において 信号機が滅灯した交差点においては、警察官等による交通整理 が行われる。

・ 市区町村道や生活道路においては、道路管理者や周辺住民によ る道路啓開が徐々に行われる。

1 か 月 後 の状況

・ 高速道路は一般車両を含めて通行可能となる 31

・ 直轄国道等は、一部区間で交通規制が継続する。

・ 停電がほぼ解消し、被害が軽微な地域の交通管制はほぼ回復す る。

・ 市区町村道や生活道路においては、道路管理者や周辺住民によ る道路啓開が継続する。

【更に厳しい被害様相】

○人的・物的資源の不足

・ 職員自身が多数被災するとともに、管路の資材や他地域からの応援要員が不 足するほか、燃料不足、運搬車両不足、工事車両不足により、復旧が進まな い。

・ 多くの建設会社自体の被災や、他地域からの応援要員の不足により、道路啓 開に時間がかかる。

○より厳しいハザードの発生

・ 市街地延焼火災の影響により一部の鋼桁が損傷し通行不能となる。

・ 高速道路直下で大きな地盤変位が発生し、高速道路の高架に大変形が生じた 場合等には、3か月以上通行不能となる。

○より厳しい環境下での被害発生

・ 高速道路や幹線道路で渋滞が発生している時間帯に発災した場合、膨大な数 の滞留車両・放置車両が発生し道路啓開や交通規制の実施までに時間がかか ず政府の緊急輸送に協力する自動車や医薬品・食料品・燃料・建設機材等を輸 送する自動車、ついで高速バス・霊柩車、現金輸送車、地震保険調査車両等に 拡大され、3月22 日には大型車が標章なしで通行可能となった。

31東日本大震災では、3 月24 日に東北道・磐越道、4 月1日に常磐道(原発規制 区間を除く)の交通規制が解除された。

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り、高速道路の仮復旧に1 週間以上を要する等、緊急輸送の開始が遅れる。

○被害拡大をもたらすその他の事象の発生

・ 標高ゼロメートル以下の地域の一部で堤防の決壊等により浸水した場合、排 水されるまでの長期間道路交通が寸断する。

・ 大規模交通事故が発生した場合、道路補修等に 2 か月程度を要し通行に支障 が生じる 32

・ 橋梁・トンネル等で非構造部材の被害が多発する。

(相模トラフ沿いの大規模な地震が発生した場合)

・ 都心部のほか神奈川県・千葉県南部等広い範囲で震度 6 強~7 の強い揺れに より橋梁の被害・道路閉塞等が多発し、被災地に向かう主要な国道等の啓開 まで1~2日程度を要する。

・ 神奈川県・千葉県南部の沿岸では浸水被害が発生し、被災地に向かう主要な 路線の啓開まで 3日程度を要する。

・ 東名高速道路は御殿場IC以東において広範囲に震度6強~7の強い揺れを受 け、被災と点検のため 3日程度通行できない。

・ 震度6 強等の強い余震が頻発することにより、道路の啓開作業が遅れ、高速道 路の仮復旧に1週間以上を要する。

・ 長周期地震動等により大規模な橋梁に大変形が生じ、3 か月以上通行不能とな る。

■主な防災・減災対策

○予防対策

・ 道路構造物(橋梁・橋脚等)の耐震化

・ 沿道の建物の耐震化・不燃化

・ 無電柱化の推進

○応急・復旧対策

・ 優先順位を考慮した交通規制の実施

・ 被災を想定した道路啓開のための備え(建設会社との協定締結、実行動の想 定)33

・ 建設機材・要員の配分量を考慮した、道路啓開とライフライン・インフラと の復旧のための優先順位の設定

・ TEC-FORCEによる技術の支援対策

・ 地盤沈下時の排水対策の検討

・ 早期復旧技術の開発

322008 年の首都高速道路タンクローリー横転事故では、事故発生後全面開通まで 73 日を要した。

33国土交通省は各地域で緊急仮復旧(啓開)の計画を検討中。

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