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(1) 原子吸光光度法

① 装置及び器具

・原子吸光光度計

・電気炉:熱電対温度計付きのもので500±10 ℃に設定できるものを用いる。

・ホットプレート

・水浴

② 試薬

・塩酸:原子吸光分析用

・塩酸(1+1):塩酸1容に対し水1容を加え混和する。

・1%塩酸:塩酸を水で希釈して用いる。

・亜鉛標準溶液:市販の原子吸光分析用標準溶液を1%塩酸で希釈して用い る。

③ 試験溶液の調製

試料1~10 gをビーカーに精密に量り(W g)、電熱器上で予備灰化した後、

500 ℃の電気炉中で灰化する。放冷後、灰に塩酸(1+1)3mLを加え、水 浴上で蒸発乾固する。さらに、1%塩酸 20 mLを加え、時計皿で覆い30 分 間ホットプレート上(150~200 ℃)で加温した後、ろ紙を用いて、全量フラ スコ中にろ過する。水で洗い込む操作を繰り返し、ろ紙及びビーカーを数回 洗浄する。残渣があれば、ろ紙とともに元のビーカーに入れ、ホットプレー ト上で乾燥させ、同様に灰化、塩酸乾固を行う。塩酸(1+1)2 mL 及び 少量の水を加えて加温溶解した後、先の全量フラスコにろ過する。ろ液及び 洗液を合わせ、水で定容(V mL)し、試験溶液とする。

④ 測定

原子吸光光度計を用いて、試験溶液の吸光度を測定し、あらかじめ作成し た検量線から試験溶液中の濃度(C μg/mL)を求める。このとき、濃度の高 い試験溶液については、1%塩酸を用いて、適当な濃度に希釈した後測定す る(希釈倍数:D)。

<原子吸光測定条件例>

フレーム:空気‐アセチレン 測定波長:213.8 nm

⑤ 計算

試料中の亜鉛含量 (mg/100 g) =C × V × D W × 10 C:検量線から求めた亜鉛の濃度(μg/mL)

52 V:定容量(mL)

D:希釈倍数

W:試料採取量(g)

(2) キレート抽出-原子吸光光度法

① 装置及び器具

・原子吸光光度計

・電気炉:熱電対温度計付きのもので500±10 ℃に設定できるものを用いる。

・ホットプレート

・水浴

② 試薬

・25 w/v%クエン酸二アンモニウム溶液:クエン酸二アンモニウム(原子吸

光分析用)25 gを水に溶かして100 mLとする。

・10 w/v%ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(DDTC)溶液:DDTC(原 子吸光分析用)10 gを水に溶かして100 mLとする。この溶液は用時調製 する。

・40 w/v%硫酸アンモニウム溶液:硫酸アンモニウム(原子吸光分析用)40 g

を水に溶かして100 mLとする。

・ブロムチモールブルー指示薬:0.1 w/v%エタノール溶液。

・塩酸、アンモニア水:原子吸光分析用

・塩酸(1+1):塩酸1容に対し水1容を加え混和する。

・1%塩酸:塩酸を水で希釈して用いる。

・メチルイソブチルケトン(MIBK):特級

・亜鉛標準溶液:市販の原子吸光分析用標準溶液を1%塩酸で希釈して用い る。

③ 試験溶液の調製

試料1~10 gをビーカーに精密に量り(W g)、電熱器上で予備灰化した後、

500 ℃の電気炉中で灰化する。放冷後、灰に塩酸(1+1)3 mLを加え、水 浴上で蒸発乾固する。さらに、1%塩酸 20 mLを加え、時計皿で覆い30 分 間ホットプレート上(150~200 ℃)で加温した後、ろ紙を用いて、全量フラ スコ中にろ過する。水で洗い込む操作を繰り返し、ろ紙及びビーカーを数回 洗浄する。残渣があれば、ろ紙とともに元のビーカーに入れ、ホットプレー ト上で乾燥させ、同様に灰化、塩酸乾固を行う。塩酸(1+1)2 mL 及び 少量の水を加えて加温溶解した後、先の全量フラスコにろ過する。ろ液及び 洗液を合わせ、水で定容(V mL)し、必要に応じて水で適宜希釈して(希釈 倍数:D)試験溶液とする。

④ 測定

試験溶液の適当量を正確に分液漏斗にとり、25 w/v%クエン酸二アンモニ

ウム溶液10 mLを加えた後、ブロムチモールブルー指示薬を用いてアンモニ

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ア水で中和し、40 w/v%硫酸アンモニウム溶液10 mL及び水を加えて約100 mLとする。10 w/v%DDTC溶液

注1)10 mLを加え、5分間放置後、MIBK 10 mL を正確に加え5分間振とうする。静置後、MIBK 層をとり原子吸光光度 計を用いて吸光度を測定し、同様に操作して作成した検量線から試験溶液中

の濃度(C μg/mL)を求め、試料中の含量を算出する。

<原子吸光測定条件例>

フレーム:空気‐アセチレン 測定波長:213.8 nm

⑤ 計算

試料中の亜鉛含量 (mg/100 g) =C × V × D W × 10 C:検量線から求めた亜鉛の濃度(μg/mL) V:定容量(mL)

D:希釈倍数

W:試料採取量(g) [注]

1) ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC、原子吸光分 析用)を用いることもできる。

(3) 誘導結合プラズマ発光分析法

① 装置及び器具

・誘導結合プラズマ発光分析装置:一般的な全ての誘導結合プラズマ発光分 析装置を用いることができる。

・電気炉:熱電対温度計付きのもので500±10 ℃に設定できるものを用いる。

・ホットプレート

・水浴

② 試薬

・塩酸:原子吸光分析用

・塩酸(1+1):塩酸1容に対し水1容を加え混和する。

・1%塩酸:塩酸を水で希釈して用いる。

・亜鉛標準溶液:市販の原子吸光分析用標準溶液を1%塩酸で希釈して、検 量線作成用の0.5、5.0 ppmの濃度の標準溶液を調製する。ポリエチレン又 はポリプロピレン瓶に保存する。

③ 試験溶液の調製

試料1~10 gをビーカーに精密に量り(W g)、電熱器上で予備灰化した後、

500 ℃の電気炉中で灰化する。放冷後、灰に塩酸(1+1)3 mLを加え、水 浴上で蒸発乾固する。さらに、1%塩酸 20 mLを加え、時計皿で覆い30 分 間ホットプレート上(150~200 ℃)で加温した後、ろ紙を用いて、全量フラ スコ中にろ過する。水で洗い込む操作を繰り返し、ろ紙及びビーカーを数回

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洗浄する。残渣があれば、ろ紙とともに元のビーカーに入れ、ホットプレー ト上で乾燥させ、同様に灰化、塩酸乾固を行う。塩酸(1+1)2 mL 及び 少量の水を加えて加温溶解した後、先の全量フラスコにろ過する。ろ液及び 洗液を合わせ、水で定容(V mL)し、試験溶液とする。

試験溶液中の塩濃度が高い場合は、発光強度の低下が認められるので、希 釈するか(希釈倍数:D)標準溶液の元素組成を試験溶液と近似させる必要 がある。

④ 測定

誘導結合プラズマ発光分析装置を用いて、測定用試験溶液を直接ネブライ ザーで吸入噴霧して、アルゴンプラズマに導入して 213.856 nm における発 光強度を測定する。あらかじめ作成した検量線から測定用試験溶液中の濃度

(C μg/mL)を求める。

⑤ 計算

試料中の亜鉛含量 (mg/100 g) =C × V × D W × 10 C:検量線から求めた亜鉛の濃度(μg/mL) V:定容量(mL)

D:希釈倍数

W:試料採取量(g)