81
④ 測定
誘導結合プラズマ発光分析装置を用いて、測定用試験溶液を直接ネブライ ザーで吸入噴霧して、アルゴンプラズマに導入して 257.610 nm における発 光強度を測定する。あらかじめ作成した検量線から測定用試験溶液中の濃度
(C μg/mL)を求める。
⑤ 計算
試料中のマンガン含量 (mg/100 g) =C × V × D W × 10 C:検量線から求めたマンガンの濃度(μg/mL) V:定容量(mL)
D:希釈倍数
W:試料採取量(g)
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後、500 ℃の電気炉中で灰化する。放冷後、灰に塩酸(1+1)3 mL を 加え、水浴上又はホットプレート上で蒸発乾固する。さらに、1%塩酸20 mL を加え、時計皿で覆い30 分間ホットプレート上(150~200 ℃)で加 温した後、ろ紙を用いて、全量フラスコ中にろ過する。水で洗い込む操作 を繰り返し、ろ紙及びビーカーを数回洗浄する。残渣があれば、ろ紙とと もに元のビーカーに入れ、ホットプレート上で乾燥させ、同様に灰化、塩 酸乾固を行う。塩酸(1+1)2mL及び少量の水を加えて加温溶解した後、
先の全量フラスコにろ過する。ろ液及び洗液を合わせ、硝酸溶液で定容し
(V mL)、試験溶液とする。
b. マイクロ波分解法
試料 0.1~1g をあらかじめ希硝酸で洗浄したマイクロ波分解容器に採 り(W g)、硝酸5mL 及び過酸化水素1mL を加えて密封した後、次表の 条件でマイクロ波分解を行う。放冷後、分解液に酢酸1mL を添加し、ろ 紙を用いてろ過し、イオン交換水を加えて50 mLに定容する(V mL)。
表 マイクロ波分解条件例
Stage 時間(分) 温度(℃) 強度(W)
1 0 0 0
2 2 70 1,000
3 5 50 0
4 20 200 1,000
5 30 200 1,000
ただし、最終溶液50 mL中に、内標準溶液(インジウム0.2 μg/mL)を
500 μLを含むように調製する。
④ 測定
モリブデン測定用標準溶液について、内標準物質とのイオンカウント比を
ICP-MS を用い求め、標準溶液の濃度により検量線を作成する。同様に、試
験溶液を測定し、あらかじめ作成した検量線から試験溶液中の濃度(C ng/mL) を求める。このとき、濃度の高い試験溶液については、適当な濃度に希釈(希 釈倍数:D)した後測定する。
<ICP-MS測定条件例>
機種:NexION 300D(パーキンエルマー株式会社)
導入速度:0.4 mL/分 プラズマ条件:
RFパワー 1.6 kW
プラズマガス 18 L/分(アルゴン)
キャリアガス 1.2 L/分(アルゴン)
メイクアップガス 1.02 L/分(アルゴン)
83 ネブライザー:標準ネブライザー
測定質量数:モリブデン98(内標:インジウム115) ガスモード:ノンガスモード
⑤ 計算
試料中のモリブデン含量 (µg/100 g) =C × F × V × D W × 10 C:検量線から求めたモリブデンの濃度(ng/mL) F:標準溶液のファクター
V:定容量(mL) D:希釈倍数
W:試料採取量(g) [注]
1) 下限値は、機器により適宜変更する。
[参考文献]
1) 日本食品標準成分表2010、文部科学省科学技術学術審議会資源調査 分科会、全国官報販売協同組合、2010
(2) 誘導結合プラズマ発光分析法
① 装置及び器具
・誘導結合プラズマ発光分析装置:一般的な全ての誘導結合プラズマ発光分 析装置を用いることができる。
・マイクロ波試料分解装置:最大試料1g分解が可能な容器を処理でき、内 部温度センサーや圧力センサー等を装備し、温度コントロールが可能なも の(Milestone社製ETHOS1同等品)
② 試薬
・塩酸:原子吸光分析用
・硝酸:金属濃度 100 ppt以下の超高純度試薬(関東化学株式会社 Ultrapur-100超高純度試薬、同等以上のもの)
・酢酸:原子吸光分析用
・過酸化水素:特級
上記試薬については、同等以上のグレードのものを使用する。
・モリブデン標準溶液:市販の原子吸光分析用標準溶液を1%塩酸で希釈し、
検量線作成用として10~2,000 ng/mLの標準溶液を調製する。ポリエチレ ンあるいはポリプロピレン瓶に保存する。測光方式の違いや感度により、
標準溶液の濃度を適宜調整する。
③ 試験溶液の調製
試験溶液の調製に当たっては、以下に記す方法のどちらかを用いて行う。
a. 乾式灰化法
試料1~10 gをビーカーに精密に量り(W g)、電熱器上で予備灰化した
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後、500 ℃の電気炉中で灰化する。放冷後、灰に塩酸(1+1)3mLを加 え、水浴上又はホットプレート上で蒸発乾固する。さらに、1%塩酸20 mL を加え、時計皿で覆い30分間ホットプレート上(150~200 ℃)で加温し た後、ろ紙を用いて、全量フラスコ中にろ過する。水で洗い込む操作を繰 り返し、ろ紙及びビーカーを数回洗浄する。残渣があれば、ろ紙とともに 元のビーカーに入れ、ホットプレート上で乾燥させ、同様に灰化、塩酸乾 固を行う。塩酸(1+1)2mL及び少量の水を加えて加温溶解した後、先 の全量フラスコにろ過する。ろ液及び洗液を合わせ、水で定容し(V mL)、 試験溶液とする。
試験溶液中の塩濃度が高い場合は、発光強度の低下が認められるので、
1%塩酸又は硝酸(1+9)で希釈するか(希釈倍数:D)標準溶液の元素 組成を試験溶液と近似させる必要がある。
b. マイクロ波分解法
試料 0.1~1g をあらかじめ希硝酸で洗浄したマイクロ波分解容器に採 り(W g)、硝酸5mL 及び過酸化水素1mL を加えて密封した後、次表の 条件でマイクロ波分解を行う。放冷後、分解液に酢酸1mL を添加し、ろ 紙を用いてろ過し、イオン交換水を加えて50 mLに定容する(V mL)。
試験溶液中の塩濃度が高い場合は、発光強度の低下が認められるので、
1%塩酸又は硝酸(1+9)で希釈するか(希釈倍数:D)標準溶液の元素 組成を試験溶液と近似させる必要がある。
表 マイクロ波分解条件例
Stage 時間(分) 温度(℃) 強度(W)
1 0 0 0
2 2 70 1,000
3 5 50 0
4 20 200 1,000
5 30 200 1,000
④ 測定
誘導結合プラズマ発光分析装置を用いて、測定用試験溶液を直接ネブライ ザーで吸入噴霧し、試験溶液の発光強度を測定し、あらかじめ作成した検量 線から測定用試験溶液中の濃度(C ng/mL)を求める。
<ICP-AES測定条件例>
機種:iCAP 7400(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)
試料導入ポンプ回転数:50 回転/分 RFパワー:1150 W
プラズマガス:12 L/分(アルゴン)
補助ガス:0.5 L/分(アルゴン)
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ネブライザーガス:0.5 L/分(アルゴン)
ネブライザー:標準ネブライザー 測光方式:同軸モード
測定波長:202.03 nm
⑤ 計算
試料中のモリブデン含量 (µg/100 g) =C × F × V × D W × 10 C:検量線から求めたモリブデンの濃度(ng/mL) F:標準溶液のファクター
V:定容量(mL) D:希釈倍数
W:試料採取量(g)