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井戸の構造とその時期

ドキュメント内 西条藩陣屋跡 (ページ 99-102)

第5章  まとめ

第3節  井戸の構造とその時期

1 井戸の構造

 SE1の構造について検討する。構造を把握する上で着目した点 は掘方埋土の単位、桶の接合部分、掘方の規模の3点である。

 まずは裏込め土の単位についてであるが、裏込め土は3層に分層 でき、それぞれの層の上面が桶と桶の接合部分より若干下位に位 置する。掘方埋土が桶上面レベルよりも低い位置で一旦停止して いる理由は、上段の桶を設置し、接合部に漆喰を塗る作業が必要 だったからだと推定できる。また、井戸掘方が井戸本体の約3倍の 規模をもつ理由についても、井戸側の桶を積み上げていく作業の スペースが必要であったからであろう。

 以上の点から、井戸の構築過程の模式的に復元してみる(図

図65 井戸構築過程模式図

第1段階

第3段階

第2段階

西暦

代表的な器種・文様 年代

磁器なし

砂目積み

皿:内面蛇の目釉剥ぎ

高台無釉碗

蛇の目高台皿 1637(窯場の整理統合) イゲ縁皿

碗:網目文(丸みをもった網目) 碗:見込み荒磯文

碗:口縁部外面「四方襷文」

皿:蛇の目凹型高台 筒形碗

高台の低い腰張丸碗 碗:外面青磁 朝顔形碗

小広東碗 年代

1777(磁器焼成に成功) 広東碗

端反碗

端反碗:口縁部内面「雷文」

1831(大下田1号窯跡

:天保二年の紀年銘資料)

西暦 肥前系磁器・陶器

肥前磁器

時期区分 時期区分

砥部焼磁器

砥部焼磁器

代表的な碗の存続幅

Ⅳ期 1期

2期 1600

1850

Ⅰ期

1630

1710

1790 1750 1740 1730

Ⅴ期 1610

1620

1640

1650

Ⅲ期 1660

1760 1720 1700 1690 1680 1670

1870 1860 1840 1830 1820 1810 1800 1780 1770

前期

後期

Ⅱ期

Ⅰ期

表 11 出土陶磁器編年対応表

京焼陶器 西暦

時期区分 代表的な器種・文様 年代

肥前磁器なし 志野

肥前磁器なし 織部

初期伊万里

断面三角形碗・皿

長吉谷窯 1657(明暦の大火)

二重圏線

柿右衛門B窯 1682(八百屋お七の大火) JB-1-d

コンニャク判・型紙摺り JB-1-d小

1703(水戸様火事) 1707(宝永の大噴火) くらわんか

1725(火災) 蛇の目凹型高台

青磁染付 筒形碗

小丸椀

「八」の字

1769(墨書資料) 小広東碗

広東碗 1782(屋敷改変)

1792(火災)

瀬戸・美濃磁器

端反碗

湯呑碗 1824(火災)

幅広高台 瀬戸・美濃磁器型皿

木型打込・篆書文 小杯

西暦 1600

1610

1620

1630

1640

1650

1660

1670

1680

1690

1700

1710

1720

1730

1740

1750

1760

1770

1780

1790

1800

1810

1820 第Ⅰ期

時期区分

第1段階

第1小期

第Ⅱ期a

第2小期

第3小期

第4小期

第Ⅱ期b 第2段階

第5小期

第6小期

第7小期

第3段階

第8小期

第Ⅲ期

第9小期

第10小期

第11小期

a期

Ⅱ期

a期

b期

a期

b期

b期 a期

Ⅶ期

d期 c期 b期 a期

a期

b期 b期

東大編年 時期区分

瀬戸・美濃系陶器

1830

1840

1850

1860

1870

65)。第1段階は断面逆ハの字状の掘方の掘削を行い、下段の結桶を設置する。その後、結桶の上 面付近まで裏込め土で埋める。続いて、中段の桶を設置し、下段と中段の桶の接合部分に漆喰を 貼り付け、中段桶上面まで裏込め土で埋める(第2段階)。第3段階も第2段階と同じ工程である。

2 井戸の存続期間と廃絶時期について

 井戸の存続時期については、出土遺物の様相からみると裏込め土の第2層から出土した段重の 蓋(137)と端反碗の蓋を根拠にすると、少なくとも18世紀末から19世紀中葉までの時期は想定可能 である。

 一方で、廃絶時期については、幕末期頃の陣屋跡を復元した図面には、今回検出した位置に井 戸はないことと、SK23との切り合い関係から復元図よりも新しい段階のものと考えられる。

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