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第二種監視化学物質に関する措置

第四章 第二種特定化学物質に関する規制等

第一節 第二種監視化学物質に関する措置

本節は 「難分解性かつ高蓄積性」ではないものの 「人への長期毒性を有する疑い(人への長期、 、 毒性を有する場合を含む。)」がある化学物質として三大臣が指定するものである第二種監視化学物 質について、製造数量等の届出の義務(第二十三条 、有害性調査指示(第二十四条)及び第二種監) 視化学物質が取り消される場合(第二十五条)を定めている。

第二種監視化学物質については 「難分解性かつ蓄積性」の性状を有しないため、第一種特定化学、 物質に該当する可能性はないが、当該化学物質が人への長期毒性を有していることが慢性毒性試験等 により確認されれば、第二種特定化学物質として指定され、その製造等の数量に係る制限を受ける可 能性がある。

第二種監視化学物質は、環境中への排出量が相当程度の規模に達するまでは環境汚染を通じて人の 健康に係る被害を生ずるおそれはなく、環境中への排出量が増大するに従って、仮に人の健康への長 期毒性を有することが後に確認されれば、環境汚染を通じて人の健康に係る被害を生ずる可能性が増 大するという関係にある。したがって、第二種監視化学物質に指定されたことをもって直ちに製造等 の数量を規制する必要はないが、当該化学物質が環境汚染を通じて人の健康に係る被害を生ずること を未然に防止するためには、当該第二種監視化学物質による環境汚染の状況を監視しておく必要があ る。この場合、ある化学物質が実際にどれだけ環境を汚染しているかを環境モニタリング等によって 常に把握することは実態上困難であるため、当該第二種監視化学物質の製造数量又は輸入数量の実績 及びその用途等を届出させることにより、当該化学物質による環境汚染の状況を科学的に推定し、ス クリーニング毒性試験によって判明している毒性から人の健康に対するリスクを推定して、必要に応 じて有害性調査指示を行うこととなる。

なお、本節以外においても、第二種監視化学物質については、その定義等に関する規定は第二条及 び第四条に、第二種監視化学物質を製造・使用等する者に対する主務大臣の指導・助言に関する規定 は第三十条に規定されている。

○第二十三条(製造数量等の届出)

(製造数量等の届出)

第二十三条 第二種監視化学物質を製造し、又は輸入した者は、経済産業省令で定めるところに(1) (2)

より、第二種監視化学物質ごとに、毎年度、前年度の製造数量又は輸入数量その他経済産業省(3)

令で定める事項を経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、試験研究のため第二種監 視化学物質を製造し、又は輸入したときは、この限りでない。

2 経済産業大臣は、第二種監視化学物質ごとに、毎年度、前項の届出に係る前年度の製造数量(4)

及び輸入数量を合計した数量を公表しなければならない。ただし、一の第二種監視化学物質に(5)

つきその製造数量及び輸入数量を合計した数量が経済産業省令で定める数量に満たないとき は、この限りでない。

(昭六一:本条追加 平十五:本条改正、 )

【趣 旨】

本条は、①第二種監視化学物質を製造・輸入した者は、毎年度、経済産業大臣宛てに、製造・輸入 実績数量等の届出を行わなければならないこと、②経済産業大臣は、届出に係る前年度の製造・輸入 数量の合計数量(一定数量未満の場合を除く )を公表することを定めている。。

【改正経緯】

昭和六十一年改正により「指定化学物質 (現行の「第二種監視化学物質 )に関する制度が創設」 」 されたことに伴い、本条が追加された。

また、平成十五年改正により、第一種及び第三種監視化学物質が創設されたことに伴い、指定化学 物質の名称を「第二種監視化学物質」と改める改正が行われた。

【用語解説】

(1 「第二種監視化学物質を製造し、又は輸入した者は……届け出なければならない」)

第二種監視化学物質は、環境中への排出量が相当程度の規模に達するまでは環境汚染を通じ て人の健康に係る被害を生ずるおそれはなく、環境中への排出量が増大するに従って、環境汚 染を通じて人の健康に係る被害を生ずる可能性が増大するという関係にある。したがって、第 二種監視化学物質として指定されたことのみをもって規制する必要はないが、当該第二種監視

、 化学物質が環境を汚染することにより人の健康に係る被害を生ずることを未然に防止するため 当該第二種監視化学物質による環境の汚染状況を監視しておく必要がある。この場合、ある第 二種監視化学物質が実際にどれだけ環境を汚染しているかを常に把握することは実態上困難で あるため、当該第二種監視化学物質の製造数量又は輸入数量の実績及びその用途等の届出をさ

、 。

せることにより 当該第二種監視化学物質の環境汚染の状況を推定することとしたものである 製造数量又は輸入数量を届け出させるにあたり、予定数量又は実績数量のいずれを届け出さ せるのかが議論となったが、予定数量と実績数量に乖離が生じた場合には、正確な情報に基づ く対応が困難となることや、化学工業の実態からみて、一年で製造数量又は輸入数量が急増す

、 。

る事態は一般的には想定されないこと等から 実績数量を届け出させることとしたものである なお 「製造し、又は輸入した者」とし、届出義務者を事業者に限定しなかったのは、化学物、 質の場合、業としての製造ではなく一回限りの製造というケースはほとんど考えられないが、

輸入の場合は、輸入業者以外の者が、一回限りとはいえ大量に輸入するという事態も十分考え られることから、こうした輸入業者以外の者による一回限りの輸入についても届出の対象とす べきであると判断したためである。

(2 「経済産業省令で定めるところにより」)

届出に係る手続に関する具体的な事項について、経済産業省令に委任する旨を定めたもので ある。具体的には、届け出るべき時期、届出書の様式等が想定されている。

(3 「その他経済産業省令で定める事項」)

第二種監視化学物質が環境中にどれだけの量が排出されているかを推定するために必要な事 項を経済産業省令に委任する旨を定めたものである。具体的には、用途別出荷数量等が定めら れている。

第二種監視化学物質による環境汚染状況を推定するためには、用途別使用量に関する情 特に、

報が不可欠である。用途別使用量に関する正確な情報を得るためには、当該第二種監視化学物 質を使用する者に用途ごとの使用量を届け出させればよいとも考えられるが、第二種監視化学 物質の普及状況によっては、使用者の数が膨大なものになることも考えられ、また、使用者の 大半が一般消費者である場合もありうることを考えると、使用者にその使用量の届出義務を課 すことは、現実的ではない。また、当該第二種監視化学物質による環境汚染が、既に得られて いる有害性データから定量的に予測されるリスク管理の目標値に達した、又は近くその状況に

。 至ることが確実と見込まれる時に有害性調査の指示又は規制措置を講ずることを想定している このようなことを勘案すれば、用途別使用量に関し個々の使用者の使用状況まで含めた詳細な 情報まで求める必要はないと考えられる。第二種監視化学物質による環境汚染状況を推定する に当たっては、当該化学物質を製造し、又は輸入した者(通常は数社程度)に製造数量、輸入 数量、用途等を届け出させれば十分であると判断されたものである。

(4 「経済産業大臣は……公表しなければならない 」) 。

、 、 、

第二種監視化学物質は その環境汚染の状況によっては 有害性の調査の指示が行われたり 規制措置が講じられるというものである 第二種監視化学物質の製造又は輸入を行っている個々。

、 、 の事業者にしてみれば当該第二種監視化学物質が全体としてどれだけ製造又は輸入され また その環境汚染がどのようになっているかについての情報を有さないのが通常であろうから、何 の情報も与えられなければある日突然有害性調査を指示され、費用負担を強いられたり、又は 規制措置により事業活動を制限されたりすることとなり、極めて不安定な状態に置かれること となる。また、事前に当該化学物質の環境汚染の状況に関する情報が得られれば、有害性調査 の指示や更なる規制が行われないようそれぞれの事業者が自主的に環境汚染を防止するための 努力を行うことも考えられるが、何の情報も得られないとこのような努力を行う機会さえも奪 われてしまうこととなる。このような理由から、第二種監視化学物質の環境汚染状況を示す指 標となる製造数量及び輸入数量を合計した数量を公表することにより、事業者に有害性の調査 の指示又は規制措置のタイミングについて予見性を与えるとともに、自主的に汚染防止のため の努力を行う機会を与えることとしたものである。

(5 「ただし、一の第二種監視化学物質につき……この限りではない 」) 。

第二種監視化学物質は、製造又は輸入の数量が相当程度の規模に達するまでは、環境汚染を 通じて人の健康に係る被害を生ずるおそれはなく、極めて少量の製造又は輸入しか行われてお らず問題を起こすおそれがないものまで公表する必要はないと考えられる。また、製造、輸入 が極めて少量のときは、一社のみが製造又は輸入している場合が多いと考えられ、環境汚染を 起こすおそれがないにもかかわらずすべてを公表することは、企業秘密の保護の観点からみて も問題が多い。そのため 「経済産業省令で定める数量」として、環境汚染を通じて人の健康に、 係る被害が生じるおそれがあるとは考えられない程度の数量であり、企業秘密の保護等にも配 慮して公表の必要性がないと考えられるものを定めることとしている。

【罰 則】

本条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三十万円以下の罰金に処せられ る(第四十五条第二号 。また、法人については三十万円以下の罰金に処せられる(第四十六条第三) 号 。)