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不燃・粗大ごみ処理施設の機械設備計画

第6章 基本計画の策定

第7節 不燃・粗大ごみ処理施設の機械設備計画

計量設備や電気設備等、ごみ焼却処理施設と共通して検討可能な設備については、前節 までに示した計画と同様であるが、不燃・粗大ごみ処理施設のみに該当する設備において は、本節にて検討する。

7.1 受入供給設備

受入供給設備の方式には、直接投入方式やヤード方式、ダンピングボックス方式、ピ ットアンドクレーン方式が考えられる。各方式の概要について表 6-38に示す。

表 6-38 受入供給方式

受入方式 参考図 主な特徴

直接投入方式

機器を配置するためのスペー スが必要ないため、比較的コ ンパクトな配置ができる。ま た、機器類の保守、点検が必 要ない。

ヤード方式

直接投入方式の特徴に加え、

目視による不適物又は危険物 除去、更に手作業による資源 物の回収が可能となる。

ダンピング ボックス方式

受入ヤード方式にみられた、

不適物又は危険物の除去及び 資源物の回収に加え、ホッパ へ自動的にごみを投入するこ とが可能である。

ピットアンド クレーン方式

大きな貯留容量(20t/日以上)

を 確 保 す る こ と が 可 能 な た め、多量のごみが搬入される 場合にも対応可能である。ま た、ごみクレーンによりごみ を自動的に供給できる。

出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領に加筆修正

受入ヤード

6-58

これらの方式について、次の観点から最適な方式を検討する。

 ごみの安心・安全な処理に向け、不適物や危険物の除去が可能な方式とする。

 保守点検が容易になるよう設計で工夫する。

 20t/日以上に適した方式とする。

以上の点から、受入供給設備の方式は、施設規模から既設同様にピットアンドクレー ン方式(ごみ供給後手選別工程を入れる)が適当と考えられる。ただし、施設規模が 20t/日付近にあるため、ヤード方式も視野に入れた計画とする。

6-59 7.2 破砕設備

(1) 破砕機の分類

不燃・粗大ごみの破砕方式は、その構造により次図のとおり分類される。

図 6-16 破砕機の分類 出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領

(2) 破砕機の適用性

各破砕機の適用性は、次のとおりである。なお、切断機については、不燃・粗大ご み処理施設では採用しないため除外することとする。破砕処理における基本フロー は、低速回転破砕機の後に高速回転破砕機での処理とする。

表 6-39 破砕機の適用性

機種 型式

処理対象ごみ

特記事項 不燃性

粗大ごみ 不燃ごみ プラス チック類 低速

回転 破砕機

単軸式 △ △ ○

(軟性)

軟性物、延性物の処理に適 している。

多軸式 △ △ ○

(軟性)

可 燃 性 粗 大 の 処 理 に 適 し ている。

高 速 回 転 破 砕 機

横 型

スイングハンマ式 ○ ○ △ じゅうたん、マットレス、

タ イ ヤ 等 の 軟 性 物 や プ ラ スチック、フィルム等の延 性物は処理が困難である。

リングハンマ式 ○ ○ △ 堅

スイングハンマ式 ○ ○ △ 横型スイングハンマ式、リ ン グ ハ ン マ 式 と 同 様 で あ リンググラインダ式 ○ ○ △ る。

凡例:○ 適、△ 一部不適

出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領

縦型切断式

スイングハンマ式 リングハンマ式 スイングハンマ式 横型

単軸式 多軸式 破砕機

切断機

低速回転破砕機

高速回転破砕機

横型

リンググラインダ式 横型切断式

6-60

(3) 破砕機の概要 1) 低速回転破砕機

低速回転破砕機は、回転軸により単軸式と多軸式に分類される。単軸式は、低速 回転する回転刃と固定刃の間でのせん断作用により破砕を行い、多軸式は低速回転 する回転刃間のせん断作用により破砕を行う。一般的には、軟質物や延性物など比 較的幅広いごみに適用できるが、刃に引っかからないものや、非常に硬いごみ(コ ンクリート類、がれき、鋳物塊など)の破砕は困難である。高速回転破砕機と比較 すると、爆発の危険が少なく、粗破砕を行うために導入される場合が多い。

表 6-40 低速回転破砕機の概要

単軸式 多軸式

概略図

構造

回 転軸周 面に 何枚か の刃 を持つ 回 転刃を回転することによって、固定 刃 との間 で次 々とせ ん断 作用を 行 う。

並 行し て設け られ た回転 軸相 互の 回転刃で、被破砕物をせん断する。

各軸の回転数を変化させて、せん断 効果を向上させることは可能。

特徴

軟質物、延性物の処理や細破砕処理 に使用する場合が多く、多量の処理 や 複雑な 形状 のごみ 処理 には適 さ ないことがある。

軟質物、延性物を含めた比較的広い 範囲のごみに適用できるため、粗破 砕として使用する場合がある。

また、複雑な形状のごみでも、ある 程度の範囲まで処理可能である。

主な破砕対象物

・可燃性粗大ごみ

・プラスチック類

・軟質物、延性物

同左

騒音 中 中

振動 中 中

爆発、火災等

の危険性 中 中

メンテナンス性

低速のため、破損した刃の部分では 破砕が行われず、破砕にむらができ る。よって、刃が多いため、部分交 換等の機会が多くなる。

低速のため、破損した刃の部分では 破砕が行われず、破砕にむらができ る。よって、刃が非常に多いため、

部分交換等の機会が多くなる。

出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領に加筆修正

このうち低速回転破砕機は、軟質物、延性物のほか、複雑な形状のごみにも対応可 能な、多軸式を選定することが望ましい。

6-61 2) 高速回転破砕機

高速回転破砕機は、ロータ軸の設置方向により、横型と竪型に分類され、高速回転 するロータに、ハンマ状のものを取り付け、これとケーシングに固定した衝突壁やバ ーとの間で、ごみを衝撃、せん断又はすりつぶし作用により破砕する。低速回転破砕 機では処理が不向きなコンクリート類、がれき、鋳物塊などの破砕も可能であり、大 容量処理にも適している。以下に、横型及び竪型のスイングハンマ式の概要を示す。

なお、前述のリングハンマ式、リンググラインダ式は、下表概略図のスイングハンマ の代わりに、リング状のハンマまたはグラインダを採用したものである。

表 6-41 高速回転破砕機の概要

横型(スイングハンマ式の場合) 竪型(スイングハンマ式の場合)

概略図

構造

ロータの外周にスイング式のハンマ を取り付け、遠心力で開くハンマに より、衝撃、せん断作用により破砕 する。

縦軸方向に回転するロータの周囲に 多数のスイングハンマを取り付け、

遠心力で開き出すハンマにより、衝 撃、せん断作用を行わせ破砕する。

特徴

軟質・延性物の繊維製品、マットレ ス等は比較的破砕し難いが、大型化 が可能であり、ごみの供給を連続し て行え大容量処理が可能である。

同左

主な破砕対象物

・可燃性粗大ごみ

・不燃性粗大ごみ

・金属塊、コンクリート塊

・硬質プラスチック

同左

騒音 大 大

振動 大 横型より小

爆発、火災等の

危険性 大 大

メンテナンス性

油圧開閉装置により内部メンテナン スが可能な機種が多く、比較的容易 である。

油圧開閉装置による自動化とはいか ないが、大型人孔の設置によりメン テナンスは容易となる。

出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領に加筆修正

高速回転破砕機は、メリット・デメリットが各メーカーにより様々であり、本計画 において方式は指定しないものとする。

6-62 7.3 選別設備

可能な限り資源回収を図ることを念頭に、不燃・粗大ごみからの選別対象は、可燃物、

不燃物、鉄類、アルミ類の 4 種選別方式とし、各対象の選別機の特徴について整理する。

(1) 磁力選別機

磁力選別機は、永久磁石又は電磁石の磁力によって鉄類を吸着させて、選別するも のである。主な方式には、ベルトコンベヤ上部に磁石を吊り下げ吸着する吊下ベル ト方式、回転するドラムに磁石を組み込み上部又は下部から処理物を通過させ吸着 させるドラム方式、ベルトコンベヤの先端(ヘッドプーリ)に磁石を組み込んだプ ーリ方式がある。

図 6-17 吊下ベルト方式 出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領

図 6-18 ドラム方式 出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領

6-63 図 6-19 プーリ方式 出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領

このうち、ドラム方式やプーリ方式はカン類の選別には採用される場合があるが、

不燃ごみからの磁性物の回収率や純度が劣る。よって、不燃ごみへの適用性が高く回 収率や純度が確保できる吊下ベルト方式を基本とする。

6-64

(2) アルミ選別機

アルミ選別機は、破砕物の中から非鉄金属類(主にアルミニウム)を分離する際に 用いる設備である。選別の原理は、電磁的な誘導作用によってアルミニウム内に渦 電流を発生させ、電磁的に感応しないほかの物質と感応するアルミ類を分離する。

主な方式として、永久磁石回転式やリニアモータ式がある。

図 6-20 永久磁石回転式 出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領

図 6-21 リニアモータ式

このうちアルミ選別機は、アルミ類の選別精度や維持管理性などが優れる永久磁石 回転式を基本とする。