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一 62‑

ドキュメント内 仏教福祉 No.10 (ページ 68-72)

本稿ではカタカナで﹁スピリチュアル﹂

( 2)  

と表記する

﹁スピリチュアリティ﹂も訳さずにカタカナで表記する︒

また筆者が基礎とするのは初期仏教であり︑本論におい

ては

いかなる宗派においても︑また宗派の枠を越えて

議論できるような材料を提供したい︒

先行研究

まずスピリチュアルペイン/ケアについての国内での

代表的な論者として︑窪寺俊之︑村田久行︑そして河正

子の論考を簡単に紹介する︒次に︑今後これらの﹁メイ

ンストリーム﹂に対抗していくであろう論者として︑大

下大園︑井上ウィマラそして伊藤向車の論考を紹介す

窪寺俊之﹀︿ る

国内の第一人者と言うべき窪寺は︑﹃スピリチュアル

( 3)  

以下のように定義している︒ケア学序説﹄

の冒

頭で

スピリチュアルケアとは︑肉体的苦痛︑精神的苦

痛︑社会的苦痛の緩和と並んで︑患者の

QOL

を高

めるには不可欠なケアで︑特に死の危機に直面して

人生の意味︑苦難の意味︑死後の問題などが問われ

始め

たと

き︑

その解決を人聞を越えた超越者や︑内

面の究極的自己に出会う中に見つけ出せるようにす

るケアである︒日常生活では︑知性・理性など合理

性が重視される傾向にあるが︑スピリチュアルケア

は︑日常生活では忘れられていた目に見えない世界

学的概念に基づいている印象が否めず︑日本的という点

においては限界があるように思える

︒ ﹁

超越者﹂﹁内的自

(5 ) 

己﹂という上向超越

・内 向超越(図二)だけでは︑日本

1危鍋によって盟関曹に現れる 2危機と,.人生磨支えてい仕土台

が酬亀町宮る体厳 3 暫稼珊組問反応そ示~(不安

怨倫副担感忽ど}

ペインの中島ま,.省学的 宗較 的問Hいをもっ{人生の.除目 的死後の笠命男質感広ど) 5ペインの解澗を求めるととが

必I!と悠る

1 rスピリチュアリテイ」と「スピリチュアルペインJの関係(窪寺) 教 歴 ず 対 ウ 介 論 提 補 で て 羅 ル 人 的 史 、 人 ン ケ す で 起 完 に い で ケ の 建 的 自 援 セ ア る も し す 、 た き ア ス 造 も 然 助 リ の 。 そ て る 窪 筆 な の ピ 物 し ・ に ン 方 の お ( 構 寺 者 い 構 リ な く 芸 限 グ 法 図 り 旦 造 理 は と 造 チ

ど は 術 定 的 を を 、 図 論 、 感 を ユ に 宗 ・ せ な カ 紹 本 を を す じ 網 ア

べインの解測を必痩(ニー ズ)としている状思 2ベインの解消こ,.鍵..."与も

の(自己d汐りや究鍾的広包 の(自分のゆ)1ζ求める 3組息霊的認ものや突極的忽もの

との出会い(発見気づき 幡 町

1生命保存の性質

, 

~べての人の生得的性信 3その佐賀{率五感心理的 狸"を超える('"り悠ど}

「外的他者(超越者)への関心j 9完全忽自由

8超超者との一裁帰一 7自己献身 6慣じる(自己控企) 5.1買得欲求 4超越者への知的願望 3憧領(慣れ) 2聞待 1超越吾への関b

4 二 入

自己由生きる憲昧 目的画値の潔究 自己の人生との実存的出会い

自己の人生の豊富 尭盟、浬化の壇古い

1自己白人生への聞凸 2自己の人生への疑問 3自己と由緒園、苦悩葛輯 4自己の生の束"からの解依

願望、期間 5自 己 の 生 白 目 的 、 意 隊 晒

圃 へ の 媛 問 探 求 6輿の自己の尭見 7自己の生の承認、豊富 B自己の申に永遣の尭見 9永 遭 真 理 充実に生きる

タスキルに焦点が当

てら

れ︑

「内的自己への間心j J

外的他者と内的自己への関心の度合い(窪寺) よるケアを含 んでいるに点 は

ス ピ リ

チュアリティ

理解の広さ・

深さを感じさ

せる︒ケア提

者の教育に

つい

ては

︑ ス

‑ 63 

2

キルよりもメ

ビハ│ラ僧やチャプレンな

どのスピリチュアルケア専門職養成が意

識されている

︿村田久行﹀

現在︑看護師等医療者に浸透しつつある﹁村田理論﹂

は︑

﹃臨

林看

護﹄

OO

四年六月の特集に詳しくまとめ

られている︒

村田はスピリチュアルケアを端的に﹁生き

る意味への援助﹂と表現し

スピ

リチュアルペインの構

( 7)  

造理解を基礎に置いている︒

村田

は︑

まず終末期がん患者の抱えるスピリチュアルペイ

ンを﹁自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛﹂と

定義し︑その構造を人間存在の時間存在︑関係存在︑

自律存在の三次元から明らかにした︒そしてこのス

ピリチュアルペインの構造解明を基礎として︑援助

プロセスの枠組みに従ったスピリチュアルアセスメ

ントとケアの方法を開発(中略)そして︑臨床現場

で の 実 践 と フ ィ ー ド

パックを繰り返してき

村 田 理 論 に 基 づ く 人 間 存 在 を 支 える三本の柱(小;事)

た︒村田理論に基づい

て小津竹俊が明解な図

( を凶 ( 三旦提

。示 時 し

間 存 在 関

1ρ 

る 係存在

・自律存在の三

要素を人間存在を支え

る三本の柱として喰え

3

ておりスピリチュア ルペインの所在とケアの方向性もイメージしやすい︒

(9 ) 

この図について小潔は次のように説明している︒

村田理論では︑﹁安定した﹂人の存在は︑水に浮

かぶ水平な平面であると考える︒

そし

て︑

・こ

の平

を支えているのが︑三つの柱(時間存在︑関係存在

自律存在)

であ

︒この三つの柱が太く安定してい

るとき︑人の存在である平面を水平に保つことがで

きる

︒過去の経験から将来へ向けて今を生きようと

する時間存在の柱︑大切な人との関係性から強く生

‑ 64‑

きょうとする関係存在の柱︑そして自己決定できる

自由が与えられている自律存在の柱が︑人間という

存在の基礎となって存在そのものを安定する(ここ

では平面が安定した水平である)力となっている︒こ

の各存在の柱が太くしっかりしていれば︑多少の揺

れが生じても平面が傾いて水につかる心配はない︒

もし

いずれかの柱が折れてしまったら(ぺイン)︑

の柱を補修するかもしくは他の柱を強化する

(ケ

ア)

いうアプローチも事例と共に提示されている︒

村田理論の問題点はスピリチユアリティの要素の中

で実存性を強調しすぎるあまり︑超越性が弱いというこ

とである︒ケアの実際を紹介する中で﹁死をも超えた﹂

という表現が何度も見受けられるものの︑宗教性を排除

しようとするあまり︑超越性までもそぎ落とされてし

まったように見受けられる︒

またケア提供者の教育については︑死生観を含んだ

自己覚知にも触れてはいるものの︑全般的にスキルに焦

点が当てられている︒そのスキルは︑消極的傾聴に限定

されている︒スピリチュアルケアに関与する医療者全般

をケア提供者として意識している︒

︿河正子﹀

文献レビューに基づいて︑スピリチュアリティの基本

(

ω )  

構造を考察している︒特に次の点が興味深い︒

個人が探求する対象として超越的なもの︑他者/

環境事象︑内的自己があり︑これらの対象への方向

性と統合のレベルを包括して検討することにより 個人のスピリチユアリティの特徴を理解する一

つの

視点となり得ると示唆された︒

ところが︑圏内のがん患者へのインタビュー調査を通し

て︑欧米の文献レビューから得られた示唆とは異なる結

果が提示されている︒それは︑﹁﹁内的自己﹂だけでなく︑

﹁外

的な

/物理的な存在としての自己﹂の位置づけがあ

ること︑﹁超越した存在﹂との関係があげられていない

()こと﹂である︒また﹁自分以外の﹁他者との関係﹂

域に含まれたものは︑家族や周囲の人であり︑自然や杜

()会のような大きなシステムは含まれなかった﹂︒

河は﹁理想や期待の現実とのギャップ﹂に注目して︑

このギャップによる苦痛をスピリチュアルぺインの主要

な一

因 と し て 捉 え て い る

そしてその対応として︑

ギャップの統合を方向性としたスピリチュアルケアを模

索している︒スピリチュアリティの概念構造を図式化し(U) (図四)︑以下のように解説している︒

スピリチュアリティを構成している要素の主要な

ものの一つに︑神・自己・コミュニティなどと自身

の 領

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