• 検索結果がありません。

一U 一

ドキュメント内 13  頭塔 の調査    第 (ページ 40-46)

一一︼

‑129‑

  1(S K14 炭層

) 2(S K14 

炭層)

3(S K14 炭層

) 4(S K14 

炭層)

5(S K14 炭層

) 5(S K14)

6(S K14 炭層・ 下層)

7(S K14炭層 とS G20下層が接合)

8(S K12) 9(S K14)

10(S K23)

S G20下 11、 12、 13、 14、 15、 6279‑C 16(3棠)、 17、  18、  19、 6664̲D、 664■G

S G20上層 20、 21、 22、 21と同籠か (2点)、

6276A、 軒丸型式不明 (5点)

23、 24、 25、  26、  27、 28、 29、

66411、 666311、 66631    5(2点)、 13、 14、 6276A、 6234A b、

字丈軒丸 (2点)、 薬師寺報告56と同籠か (2点)、興福寺食堂報告38と同地か(1点)、

巴文 (3点)、 軒丸型式不明 (5点)

9(3点

)、 10(1点)、 16(2点)、 6663、

6641‑G、 6664‑D、 薬師寺報告236と同 疱、薬師寺報告264と同籠、薬師寺報告275

と同絶、軒平型式不明 (2点)

42  37 

表12  第223‑3次調査出土軒瓦一覧

師寺初 出 の瓦 で、全 体 の文 様構 成 は不 明。26は 報 告 285に 類 似 す るが、 異 疱 で あ る。上 外 区 に寺 の刻 印 を押 す。27は報 告270と同抱 で あ ろ う。 28は 報 告344と 同抱 で あ る。 ただ し、右 端 の唐 草 と右 外 区 との間 の間隔 が、 28で は狭 くな って お り、

28は報 告344の絶 の両 端 を切 り縮 め た ものか。 29は 薬 師 寺 初 出 の瓦 で、 同 施 と思 わ れ る ものが、興 福 寺 (瓦又 資 料

)に

あ る。

軒 平 瓦 の顎 の変 遷

 

層 位 的 に は、土 墳→S G20下層 →S G20上層 の順 で あ り、 こ の順 で 出土 した軒平 瓦 の顎 の変遷 をみてみ よ う。 まず、S K14e s K12出土 の6・

7・ 8・ 10はいず れ も、顎部 と平 瓦部 凸面 との段差 が1.5cm前後 あ り、 深 い段 顎 と な って い る (顎 I)。 次 に、S G20下層 の16・ 17・ 18はいず れ も、 顎 部 と平 瓦 部 凸面 との段 差 が0.5cm程度 で あ り、浅 い段 顎 で あ る (顎 Ⅱ)。 た だ し、 顎 Ⅱの 中 に は明瞭 な段顎 (16・ 18)と 不 明瞭 な段 顎 (17)と を含 む。 最 後 に、S G10上層 の23・ 26・ 28・ 29では、丸 み を もった曲線 顎 (顎Ⅲ

)と

な って い る。 た だ、 曲線 顎 とは言 って も、0.2〜0.3cm程度 の段 差 は残 って い る ものが多 い(23・

26 

28)。

以上 の よ うにS K14。 S K12→ S G20下層 →S G20上層 出上 の軒 平 瓦 は、 顎 I

→ 顎 Ⅱ→顎 Ⅲの変遷 をた どる ことが、大筋 にお いて認 め られ る。 これ を同一 抱 の 時 間 の経 過 か ら再 確 認 して み よ う。顎Iの10の

(I段

)は

、抱 の下 外 区 の線 を太 く彫 り直 した もの にな る (Ⅱ段 階

)と

顎 Ⅱに変 化 して い る。17の瓦 は、 抱 傷

i■=岳F、 ̲,. '

 24

5

図71 S G20上層出土軒瓦

(1/4)

10(I段)

17(II段 階)

10(II段 階)

図72 同疱例 による顎の変遷

=

17(Ⅲ段階)

‑131‑

図73 層位 による顎 の変遷

の最 も少 な い ものが興福寺食堂・ 五重塔 で出土

(I段

)し

て お り、顎 Iの形 態 を示 す。本 調 査 区SG20下層 出上 の17は、興 福 寺北 円堂 1975年 出土 例 と同 じ く、唐 草文 右 第

3単

位 の左 側 に抱 傷 が 出現 す る段 階 と思 われ るが (Ⅱ段 階)、 顎 Ⅱの形 態 に変 化 す る。 そ して、瓦 当面全 体 に抱割 れが生 じた もの (Ⅲ段 階

)で

は、 顎 Ⅲ とな って お り、 この瓦 で はわず か の段差 も持 たず丸 みを もった曲線顎 とな って い る。

以上 に よ って、基 本 的 な流 れ と して、平 安 後 期 の軒 平 瓦 が、深 い段 顎 か ら浅 い 段 顎 へ、 そ して丸 み を もった曲線 顎 へ と変 遷 した ことを確 認 した。 これ は1978年

―‑132‑―

に上原真人が「古代末期 にお ける瓦生産体制 の変革」『古代研究』13・ 14で述 べ た「平瓦部が厚手で段顎 を有 す る製品」が古 く、「薄手 の平瓦部か ら瓦 当 に向 け て緩 やか に厚 みを増す製品」が新 しい とす る説 を、基本的には、層位 的 に立 証 し た もので あ り、上記論文 は、南都 の瓦 の分析 において も高 く評価で きよ う。 そ し て、今回の出土例 は、それを さ ら´

に細分 させ る可能性 を示す資料 と して貴重 で あ る。ただ、 これですべてが解釈 で きる訳で はない。以下 に問題点 を列記 し、 ひ き つづ き興福寺等 の出土例 を再検討 したい。

まず、上原真人が指摘す るよ うに法金 剛院境 内 出上 の瓦 が興 福寺 食 堂 と同抱

(法金剛院報告第56区‑26。 39。 40。

41)で

あ る こ とが注 目され、 さ らに興 福寺 大湯屋 と同抱例 (法金剛院報告56図‑29・

42)が

あ る。興福寺大 湯屋 は天 治 元年 (1124)6月 焼失、8月 に復興 に着手 し、再度 の焼失 は大治四年 (1129)で 、翌大治 五年 に再建 を始 めた ことが知 られ る。一方、法金剛院の瓦葺建物であ る塔・ 経蔵 は長承三年 (1134)7月 に立柱上棟 が行 われ、保延二年 (■

36)に

供 養 され て い る。 したが って、 これ らの同抱瓦が12世紀前半 の中葉 頃 に製作 された可 能 性 は き わめて高 いようである。 これ らの軒平瓦 は「薄手 の平瓦部か ら瓦当に向 けて緩 や か に厚 みを増す製品」であ る。

ところが、平瓦部が薄手 の瓦 は、興福寺で多量 に出土するが、薬師寺・ 西大寺・

法隆寺等 で はきわめて少 ない。 したが って、各寺院 の瓦屋 ごとに製作技 法 が少 し ずつ異 な る可能性 は捨 て きれないので あ る。

た とえば、平安後期 の法隆寺 の軒平瓦の中には折 り曲げ手法 による製 品が存 在 す るが、 この手法 による もの は薬 師寺 にはな く、興福寺 で も法隆寺 と同疱 か と思 われ る資料 にその可能性 を指摘 で きるだけである。

今回判 明 した薬 師寺 の軒平 瓦 にお ける顎I→顎 Ⅱ→顎 Ⅲの変遷 は他寺 院 に も適 用 で きるで あろ うか。興福寺 において は、顎 Iの 形態、つ ま り深 い段顎 の軒 平 瓦 を永承再建時以降、治暦三年 (1067)の 中金堂・ 講堂再建 までの11世紀 中葉 か ら 11世紀後半 の中頃 まで と し、平瓦部 が薄 い顎 Ⅲに近 い形態 の ものを12世紀 段 階 に お くことは可能である。 しか し、いままで に発掘 で出上 した平安後期 の興福 寺 の

―‑133‑一

軒 平 瓦 で顎 I・ 顎 Ⅱの形 態 の ものが比 較 的少 な く、平 瓦部 が薄 い顎 Ⅲ に近 い形 態 の ものが多 い ことを いか に解 すべ きで あ ろ うか。興福寺 の堂宇 は11世紀 中葉 か ら 11世 紀 末 まで焼失 。再建 を繰 り返 して い る。承暦二年 (1078)の五 重 塔 。西 金 堂 再 建 や康 和 五 年 (1103)の中金 堂 。講 堂 再 建 の瓦 を どれ に比定 した らよ い の で あ ろ うか。発 掘 資料 で は顎 I・ 顎 Ⅱ は少 な いが、今 後 の発 掘 で増加 す るの で あ ろ う か。 そ れ と も、平瓦部 が薄 い顎 Ⅲ に近 い形 態 の ものが、興福寺 で は11世紀 末 又 は 後 半 頃 まで遡 るので あ ろ うか。今 後検 討 を要 す る課題 で あ る。

次 に薬 師寺 か ら出土 した顎 I・ 顎 Ⅱの形 態 を もつ軒 平 瓦 で他 寺 との同抱 例 を求 め る と、6・ 10・ 16な ど は顎 I・ 顎 Ⅱの形 態 を示 して い るが、7と 同抱 の 西 大 寺 例 や薬 師寺報告258と同施 の西 大 寺 例 で は顎 Ⅲの形 態 で あ る。 ま た顎 Ⅲ を もつ23と 同拒 と思 わ れ る興 福 寺例 は直線 顎 で あ る し、28の よ うに両 端 を切 り縮 め た もの が わず か に段 差 を残 し、 それ よ り古 い と考 え られ る両端 を切 り縮 めて いな い もの が ゆ るやか な丸 みを もち段差 が ない とい う資料 もあ る。今後、 ほ とん どすべ て の 瓦 が抱 傷進行 の経過 によ り、顎 I→顎 Ⅱ→ 顎 Ⅲ と変 化 す る と言 い切 ることはで きず、

む しろそ の中 に顎形態 のバ ラエテ ィを考 え た方 が よいだ ろ う。 このバ ラエ テ ィの あ り方 は、一 つ の瓦屋 内で の工人 差 の場 合 と、疱型 が移動 して他寺 の瓦屋 で の技 法 的 な差 が生 じる場 合 とが あ り うる。

次 に直線 顎 の軒 平 瓦 9であ るが、 これ はS K14出上 で あ るが、顎 Iの段 階 よ り や や新 しくな る可能性 もあ る。 これ と同絶 の薬 師寺 での軒平瓦 は顎 Ⅱ又 は顎 Ⅲ の ものが多 い。 また、S G20上層 か ら も直線 顎 の24が 出上 して い る。直線 顎 の形 態 を もつ ものが、顎 I・ ⅡoⅢ とどの よ うなか か わ りを もつか、 これ も検 討 を要 す る。

 

以 上 の よ うに、薬 師寺 で は大 勢 と して顎 I→顎 コ→ 顎 Ⅲ の変 遷 を示 して い るが、基 本 的 には製作技 法 は変化 して いな いよ うで あ る。顎 Iは顎 は りつ け の 手 法 が明 瞭 で あ り、 いず れ も平 瓦部 は厚手 で あ り、凹凸 のあ る板状 にひ ろげ た粘 土 を三 枚 程 度 合 わせ る。顎 Ⅱで は、顎 部 を含 んで粘土 を貼 りつ ける ことに変 わ り は な く、顎 Ⅲで も顎部 に粘土 を薄 く貼 りつ けて い る。平安前 。中期 の瓦 と顎 Iと の 関係 、顎 Ⅲの瓦 と鎌 倉 の瓦 との関係 も今後 の検討課題 で あ る。

‑134‑―

(山崎信 二)

C.木

製 品・ 石製 品・ 土製 品等

木製 品 は、S G20整地 土 か ら下 駄1点と部 材 1点 、S K12か ら棒 状 品 1点 な どが 出土 した。 また、S K12・ 14か らはモ モの種子 な どが 出上 した。下 駄 は小 判 形 の 平面 形 を呈 す る小 型 の連歯 下駄 で、半哉 す る。板 目材 の木 表 を台 の上面 と し、 前 壷 は中央 に、後 壷 は歯 の内側 に穿 孔 されて い る。全長17.3cm。 石 製 品 はS K12か ら大型 砥 石 が1点出土。土 製 品 は、S K12・ 17・ 23か ら窯壁 片 、S G20か ら建 物 の壁 上 の ほか、鋳 造 な い し鍛 冶 に関連 す る炉 壁 片 や輔 羽 口 あ る い は窯 壁 が 出土 。 その ほか に鉱 滓 も出上 して い る。冶金 関連 の遺 物 は池 内堆 積 土 層 中 にのみ含 まれ る。輪 羽 口 に は基 部 片 が あ り、残 存 す る長 さ1lcm、 ラ ッパ状 に開 く基 部 の 直 径 が 9.5cm(内型6.4cm)、 先 端 の直径7〜8cm(内径2.7cm)であ る。輪 羽 日 と して は一 般 的 な形 態 で あ る。

ま とめ

(小池伸 彦)

薬 師寺北門 を入 ってす ぐ東 の一郭 は、11世紀代 には狭い範囲 に炭土壊が処々あっ た。 この土墳 は、近 くに恒常的 に火を焚 く施設 があ った ことを示す。輔羽 口や鉱 滓 は出土 してお らず、鍛冶関係 で はない。土 師窯 の可能性 もな くはないが、焼 け 歪 んだ土器 は瓦器椀 (完形

)が

1点出土 したのみで、決定 で きない。 いず れ に し て も生産 に関わ る区域 ない しは厨房的な区域 であ った と推定 され る。

池 の造成 は11世紀末 ない しは12世紀初頭 頃であ る。処 々に石 を置 き、 出島が あ るな ど、単 な る溜池 で はな く観賞用の池であ った と推 測 で きる。おそ ら く、池 の 北 に建物 を設 けた子院 の形成 があ ったので あろ う。薬師寺 の子院 と して は、 た と えば、東北院が元永元年 (1118)、 喜多院が承安

5年

(1175)に 登場 す るが、今 回 発掘 した子院名 はわか らない。この子院 は、池 の焼土層 か らみて、12世紀末頃 に火 災 にあ ったよ うで、池 自体 もこの時期 には機能 を停止 して しま う。(毛利光俊 彦)

1)横

田賢次郎・ 森田勉「大宰府 出土の輸入中国陶磁器 について」『九州歴史資料館 研究論集』41978

2)川越俊―

 

「大和地方出上の瓦器をめ ぐる二、三の問題J『文化財論叢』 1983

3)菅

原正明

 

「畿内における土釜の製作 と流通」『文化財論叢』 1983

4)森

田勉

 

「東幡系中世須恵器生産の成立 と展開」隣申戸市立博物館研究紀要』3 1986

ドキュメント内 13  頭塔 の調査    第 (ページ 40-46)

関連したドキュメント