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小野 昌美1,2、三木 伸泰1,2、堀 智勝3、川俣 貴一4

1東京クリニック.内分泌代謝内科、2森山脳神経センター病院.間脳下垂体セ ンター、3同.脳神経外科、4東京女子医科大学.脳神経外科

非機能性下垂体腫瘍が多い成人発症と異なり、小児期発症下垂体腫瘍の中では Prolactinoma(PRLoma)が最多を占める。成人発症のPRLomaの第一義的治 療はCabergoline.(CAB).による薬物療法であるが、若年発症の本剤の有効性と 安全性は未確立である。若年発症PRLomaの大多数は高浸潤性の大型腺腫で、

ドパミン作動薬抵抗性である。そのため、伝統的に手術が行われてきたが、術 後には終生の下垂体機能低下症、特に成人期には不妊症が深刻な問題となる。

我々は20歳未満に発症した若年PRLomaを対象にCAB. 治療の前向き臨床研 究を行い、有効性、安全性を検証し、究極の治療目標である寛解・治癒につ いて検討した。対象は116症例(女性95、男性21)で、治療期間は平均61ヶ 月である。手術とBC併用の先行治療歴症例が54%を占めたが、PRL正常化例 は皆無であった。大型腺腫が78%を占め、男性は全例が直径2cm以上の巨大 腺腫、女性も73%が1~2.cm以上の大型腺腫で、大多数が高度海綿静脈洞に 浸潤していた。CAB治療後のPRL累積正常化率は、緩やかに上昇し2年後に は90%に達した。PRLの正常化または最大抑制効果の達成に要したCAB用量 は、週3~9mgの高用量を必要とした症例が60%を占めたが、心弁膜症を含 む有害事象はなく、服薬中断、脱落症例もなかった。性腺機能低下症は、PRL 非正常化例も含む95%で回復した。平均5年間のCAB治療後に服薬中止した 90例中86例(96%)で寛解・治癒を誘導できた。挙児達成は女性44例、男性 7例で認めた。以上の成績より、若年発症PRLomaでCABの高い有効性と安 全性を確認した。若年発症PRLomaでも、成人発症と同様に、第一義的治療 はCABを選択すべきである。

中野 さつき1,2,3、佐藤 武志1、本田 美紗1、石井 智弘1、 狩野 元宏2、亀山 香織3、黒田 達夫2、長谷川 奉延1

1慶應義塾大学.医学部.小児科、2慶應義塾大学.医学部.小児外科、3慶應義塾 大学.医学部.病理診断科

【背景】CASR 遺伝子はCa感知受容体をコードする。生殖細胞系列のCASR 遺伝子機能喪失変異は家族性低Ca尿性高Ca血症(FHH)1型の原因となり、

FHH1型の副甲状腺は過形成または腺腫となる。副甲状腺過形成または腫瘍に CASR遺伝子の体細胞変異を認めた報告はない。【症例】9歳女児、胃腸炎を契 機に受診し、血清Ca.13.5.mg/dL,.IP.3.0.mg/dL,.iCa.1.80.mmol/L,.intact-PTH.

156.pg/mL、頸部超音波検査で甲状腺左葉下極に約1cm大の副甲状腺腫大を 認めた。99mTc-MIBI.シンチグラフィーでは甲状腺左葉下極付近に結節状の 集積を認めた。以上から副甲状腺過形成または腫瘍による原発性副甲状腺機 能亢進症と診断した。尿中Ca/Cr比.0.48と高値、%TRP.91.4%と正常であっ た。10歳1か月時に甲状腺左葉下極の副甲状腺摘出術を行った。病理像で薄い 皮膜を有する腫瘍に副甲状腺主細胞の増殖を認め、副甲状腺腺腫と診断した。

術後、血清Ca濃度および尿中Ca/Cr比は正常化した。副甲状腺腺腫由来DNA でCASR 遺伝子にFHH1型の既報変異(c.220A>G,.p.Met74Val)をヘテロ接合性 に認めた。末梢血由来DNAでは同変異を認めなかった。【考察】本症例は副 甲状腺腺腫にCASR 遺伝子体細胞変異を認めた初めての報告である。術後に低 Ca尿症を認めなかったことは、生殖細胞変異がないことを支持する。FHH1 型で副甲状腺腺腫を認めることから、CASR 遺伝子の体細胞変異が本症例の副 甲状腺腺腫の原因と考える。【結論】CASR 遺伝子の副甲状腺体細胞変異は原 発性副甲状腺機能亢進症の原因となる。

O-S1-3

CRPCに対するEnzalutamide投与後血中アンド ロゲン濃度上昇と効果についての探索的研究 宮澤 慶行、大津 晃、周東 孝浩、関根 芳岳、小池 秀和、

柴田 康博、鈴木 和浩 群馬大学.医学部.泌尿器科

【背景】去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対するEnzalutamide.(ENZ)の治療効果、予 後予測に有用なマーカーは明確になっていない。我々はエンザルタミド投与後の 血中アンドロゲン変化と予後の関係について検討探索的検討を行った。【方法】

当院と関連施設で行った前向き臨床研究に参加したCRPC104例のうち、投与前、

投与後3ヶ月の血中アンドロゲン濃度を測定可能であった67例を対象とした。去 勢後のアンドロゲン濃度は微量でありliquid.chromatography-mass.spectrometry.

(LC-MS/MS)法で測定した。本研究は群馬大学倫理審査委員会にて審査され、

承 認 さ れ た.(登 録 番 号1177)。【 結 果】Testosterone.(T)、dihydrotestosterone.

(DHT)、androstenedione.(A-dione)、dehydroepiandrosterone.sulfate.(DHEA-S) の治療前血中濃度はそれぞれ56.8.pg/ml、7.8.pg/ml、253.5.pg/ml、502.2.pg/ml であった。T、DHT、A-dione、DHEA-SのENZ投与3ヶ月後の増加率はそれぞ れ55.5.%、49.5.%、25.8.%、24.9.%であり、T、.DHT、A-dioneの血中濃度は有意 に上昇していた.(p.<.0.05)。Cox回帰分析にてPSA無増悪生存期間.(PSA-PFS)と 全生存率.(OS)の予測因子の解析を既知の治療前因子とT濃度の変化率を含め解析 した結果、Hb値(≧12.5.g/dl.vs..<12.5.g/dl)、T増加率.(<55.5.%.vs.≧55.5.%) がPSA-PFSの有意な予測因子であった.(p<.0.05)。また、PS(0.vs..1-2)、Hb値.

(≧.12.5.g/dl.vs.<12.5.g/dl)、T増加率(<55.5%.vs.≧55.5%)がOSの有意な予測 因子であった.(p<0.05)。【結語】ENZ投与後の血中アンドロゲン濃度のbiologyが 明らかになった。投与3ヶ月後のT上昇が効果予測、予後予測に有用なマーカー となる可能性が示唆された。

O-S1-5

27年間の大分市学童期生活習慣病予防検診に基づ く小学5年生の体型、血清脂質の評価

前田 美和子、前田 知己、井原 健二 大分大学.医学部.小児科

【背景】小児期の肥満と血清脂質は成人期の肥満・血清脂質や生活習慣病との 関連があると報告されている。日本人の小児期の体格や血清脂質についての 長期間の観察研究は少ない。【目的】大分市学童期生活習慣病予防検診のデー タを用い、小学5年生の27年間の体格と血液検査結果の変化を明らかにする。

結果をもとに小児期からの生活習慣病予防対策を考察する。【方法】1991年か ら2017年の27年間の大分市の小学5年生の身長、体重、肥満度、TC、TG、

HDL-C、non-HDL-C、GPTの長期的な傾向を評価するため回帰分析を行っ た。暦年を独立変数、各項目の95、50、5パーセントタイル値を従属変数とし た。加重最小二乗法、二次線形重み付き最小二乗法、非線形加重最小二乗法を 用い項目ごとに最適な手法を検討した。また、肥満傾向児の割合の年次推移を 検討した。【結果】総受診者は男児58699人、女児56864人。肥満度以外は二次 線形重み付き最小二乗法が最適な手法であった。特にTC、TG、non-HDL-C は男女とも有意な傾向があり、TCとTGは2001年、non-HDL-Cは2005年を ピークとした二次式に適合した変化を認めた。また、肥満度50%以上の高度 肥満児の割合は増加傾向を示した。【考察】血清脂質は2001年、2005年をピー クとして増加し、その後は緩やかな減少に転じた。これらの変化は日本人の食 生活の変化、大分市の健康づくり対策を反映した結果と推察された。一方、大 分市の高度肥満児は増加傾向であり、肥満傾向児への早期注意喚起や特に高度 肥満児への積極的な介入・指導が必要である。

O-S2-1

類もやもや病を合併したバセドウ病の臨床像 三松 貴子、蛭間 真梨乃、渡邊 奈津子、吉村 蘭、三倉 健太朗、

鈴木 愛、木下 綾、星山 綾子、鈴木 菜美、松本 雅子、

吉原 愛、吉村 弘、杉野 公則、伊藤 公一 伊藤病院

【目的】バセドウ病(GD)はもやもや病との関連が報告されており基礎疾患に 合併したもやもや病は類もやもや病と定義される。類もやもや病を合併した GDの臨床像を検討する。【対象と方法】(1)2005年~2017年に初診未治療GD 患者における頻度を診療録より算出した。(2)2005年~2019年の全患者から類 もやもや病を検索し臨床像を検討した。【結果】(1)初診未治療GD患者19716 例中、新規に類もやもや病と診断されたのは4例(0.02% )であった。男女比 1:3、類もやもや病診断時の年齢中央値32歳(24-56歳)、甲状腺機能は顕性亢 進症(OH)2例、潜在性亢進症(SH)1例、正常(Eu)1例だった。(2)全患者中62例 のもやもや病を認め、合併する甲状腺疾患はGD.40例(64.5% )、橋本病.11例 (17.8%)、甲状腺腫瘍10例(16.1% )、その他1例(1.6% )だった。類もやもや病 40例における診断時期はGDに先行.3例、同時.9例、経過中.21例、不明.7例 であった。診断時の甲状腺機能が確認できた21例のうちOHが9例、SHが4 例、Eu.6例、潜在性低下症2例だった。【考察】本検討のGDにおける類もや もや病の頻度0.02%と一般(0.003-0.01%)と比し高い可能性が示唆された。機能 亢進症ではホルモン値の是正が類もやもや病に有効であるとされている。今 回、約60%はOH又はSHの時期に診断されており速やかな甲状腺機能のコン トロールを行った。一方で、約40%でEuや低下時に診断をうけていた。GD では甲状腺機能にかかわらずもやもや病が発症、進行しやすい可能性があるた め継続的な配慮を要すと考えられた。【結語】初診未治療GDの0.02%に類も やもや病をみとめた。診断時機能はOH.42%、SHが19%、Eu.29%、潜在性 低下症9%だった。

O-S2-2

NASHにおけるクッパー細胞鉄代謝の病態生理学 的意義

金森 耀平1、田中 都1、伊藤 美智子1,2,3、越智 梢1、伊藤 綾香1、 日高 勲4、坂井田 功4、小川 佳宏5、菅波 孝祥1

1名古屋大学.環境医学研究所.分子代謝医学分野、2東京医科歯科大学.生体材 料工学研究所.バイオエレクトロニクス分野、3神奈川県立産業技術研究所、

4山口大学大学院.医学系研究科.消化器内科学、5九州大学大学院.医学研究院.

病態制御内科学分野

過栄養に端を発した脂肪肝が進行すると、炎症と線維化を伴う非アルコール 性脂肪肝炎(NASH)を発症する。NASHでは、クッパー細胞が肝実質細胞の 細胞死に応答してCD11c陽性に形質転換し、炎症・線維化促進因子を産生し て、脂肪肝からNASHに進展するが、形質転換の機序には不明点が多い。一 方、鉄代謝異常がNASH発症の引き金として指摘されているものの、詳細は 不明である。本研究では、NASHにおけるクッパー細胞鉄代謝がNASHの病 態形成に及ぼす意義ならびに機序を明らかにすることを目的とした。磁気細胞 分離装置を利用し、NASHモデルマウスにおけるクッパー細胞を細胞内鉄含量 に基づき分類(Fe-hi、Fe-lo)すると、Fe-hiクッパー細胞がCD11c陽性であ り、炎症・線維化促進因子を高発現することから、細胞内の鉄蓄積がNASH におけるクッパー細胞の形質転換を誘導することを見出した。鉄がクッパー細 胞の形質転換を誘導する分子機構として、鉄によるリソソームの機能障害が 転写因子MiT/TFEファミリーを活性化することで、CD11cならびに炎症・線 維化促進因子の発現を誘導することを示した。実際、NASHモデルマウスな らびにヒトNASHでは、死細胞に近接するCD11c陽性クッパー細胞において、

MiT/TFEファミリーの活性化が認められた。本研究により、NASHと鉄代謝 の関係の実態が明らかになり、新たな病態メカニズムの解明に資すると期待さ れる。

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