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A   Q U A U  

こ れ ら を 用 い て 、 F‑G‑T契 約 モ デ ル に お け る 最 適 契 約 の も と で の 期 待 社 会 厚 生 EW を計算すると、

〈1 + λ )  2 S 2 [ν8 1 + (1  ‑ ν )  8 2] 2 

2 [ ( ν +  2νλ λ)θ 1+ (1  ‑ν)(1 + 2λ)θ 2 ]  と な る 。 一 方 、 中 央 集 権 型 モ デ ル で の 最 適 生 産 量 は (16),(18)より、

EW車 = ( 19) 

‑ ‑

v d   (1  + λ )  s 8 1θ2 

(1  ‑ ν ) θ 1  + ( ν + λ ) θ 2 

で 表 さ れ る 。 中 央 集 権 型 モ デ ル に お け る 最 適 契 約 の も と で の 期 待 社 会 厚 生

E W *

車は、

(1  + λ )2S2θ1θ 2 

EW車車 =  (20) 

2 [ (1  ‑ ν ) θ 1  + ( ν + λ ) θ 2 ] 

さて、

E W *

E W

車車の比較をするため、 そ の 差 を 計 算 し て 整 理 す る と 、

(1  + λ )2s2(1  ‑ ν )  (θ 2 θ1) [ν 2θ1 +  ( 1 ‑ ν )  (11  +λ)θ 2 ]  2 [ ( ν +  2νλ λ)8 1 + (1‑ν)(1 + 2λ)θ 2 ] ( (1  ‑ ν )  8 1 + ( ν + λ ) θ 2 ]  を得る。 81 θ2, 1を 考 慮 に 入 れ る と 、 こ の 差 は 明 ら か に 正 と な る 。 以 上 の ご と よ り 、 我 々 は 次 の 命 題 を 得 る 。

命 題 6 不 完 備 情 報 の 場 合 、 費 用 関 数 が (18)で 与 え ら て い る と き に は 、 F‑G‑T契 約 モ デ ル に お け る 最 適 契 約 は 、 期 待 社 会 厚 生 の 観 点 か ら み る と 中 央 集 権 型 モ デ ル

‑37 ‑

に お け る 最 適 契 約 よ り も 望 ま し い 。

1) こ こ で は あ く ま で も 単 純 化 の た め に 固 定 費 用 を 0と し て い る の で あ り 、 0以 外 の 値 で あ る と し て も 、 以 下 の 分 析 に は 影 響 を 与 え な い 。

2) こ の 場 合 、 最 大 化 1階 の 条 件 に よ っ て 、 最 大 値 の 存 在 が 保 証 さ れ る 。 何 故 な ら 、 問 題 [1']の 目 的 関 数 を bで 微 分 し て 整 理 す る と 、

dW(y(b

θ) 

θ)/db 

(dy(b

θ)/db)[p  ‑ (1+λ)ψy(y(b

θ) 

θ) ] 

(dy(b

θ)/db)[p  ‑ (1+λ) b  ] 

となり、

dy(b

e  )/db  >  0

を 考 慮 す る と 、

dW(y(b

,)

θ)/db

b

p / 1 + λ

よ り も 小 さ い と き に は 正 、 逆 に 大 き い と き に は 負 と な る か ら で あ る 。

3)完 備 情 報 の 場 合 に は 、 第4節 で 明 か に さ れ る よ う に 、 政 府 が 報 酬 の み な ら ず 公 共 財 生 産 に 関 し て も 意 志 決 定 を す る 場 合 の 最 適 契 約 ( フ ァ ー ス ト ・ ベ ス ト 契 約 )

と 問 題 [1 ] の 解 と し て 与 え ら れ る 契 約 は 社 会 厚 生 上 同 等 に な る 。 つ ま り 、 フ ァ ー ス ト ・ ベ ス ト 契 約 を

F‑G‑T

契 約 モ デ ル で 実 現 す る た め の ボ ー ナ ス が

p/(l+λ)

と な る こ と か ら 、 こ の 値 が シ ャ ド ー ・ プ ラ イ ス と 呼 ば れ る 。 よ り 詳 細 な 説 明 は

Fre‑

i x a s

Guesnerie  a n d   Tirole  (1985)

を 参 照 せ よ 。

4) 費 用 関 数 ψを 特 定 化 せ ず に 、 厚 生 比 較 を お こ な う こ と は 困 難 な よ う に 思 わ れ る 。

( 参 考 文 献 )

C o o p e r

R .   (1984)

O n   Allocative  Distortions  i n   Problems  o f  

Self‑Selection

," 

R  AND  Journal  o f   Economic s

, 

1 5 : 5 6 8 ' " ' ‑ ' 5 7 7 .  

Freixas,X.,R.Guesnerie  and J.Tirole  (1985), Planning  under  Inco

plete

Infor

ation and  the  Ratchet  Effect," R eview  of  Econo

ic Studies, 

52: 173'"'‑'  191. 

三浦 功 (1990),r最 適 生 産 ・ 報 酬 シ ス テ ム の 分 析 J 九 州 大 学 『 経 済 論 究J,78号 :113'"'‑'127.

‑39  ‑

第 3 重量 自

E

三 元 経 主 友 1 莫沼畏週多忍糸勺弓壬ラ=='"J

< 7 : ) づ ヨ r

本斤

本 章 で は 、 前 章 に お い て 定 式 化 さ れ た

F ‑ G ‑ T

契 約 モ デ ル を 修 正 し 、 政 府 が 作 成 し た 複 数 の 報 酬 計 画 を 企 業 が 自 由 に 選 択 で き る モ デ ル 〈 自 己 選 抜1期 間 契 約 モ デ ル ) を 構 築 す る 。 そ し て そ の モ デ ル の 特 性 を い く つ か の 視 点 か ら 分 析 す る 。

1 . 線 形 報 酬 計 画 の 場 合 の 自 己 選 抜 1期 間 契 約 モ デ ル

政 府 は 企 業 に 対 し て 二 組 の 報 酬 計 画 か ら な る 契 約 メ ニ ュ ー rl={(al,b1),(a2,  b2)}  (al,a2は 固 定 報 酬 を 、 b, b 2は ボ ー ナ ス を そ れ ぞ れ 表 す ) を 提 示 す る も の と

し よ う 。 そ の 時 政 府 は 生 産 性 の 低 い 企 業 に は 報 酬 計 画 (al,b1)を 生 産 性 の 高 い 企 業 に は 報 酬 計 画 (a2,b2)を そ れ ぞ れ 選 択 さ せ る よ う に 契 約 メ ニ ュ ー を 作 る も の と し よ う 。 も し こ れ が 可 能 な ら ば 、 企 業 の 報 酬 計 画 の 選 択 行 動 よ り 政 府 は 企 業 の 生 産 技 術 に 対 す る タ イ プ を 知 る こ と が 出 来 る 。 自 己 選 抜 1期 間 契 約 モ デ ル に お げ る 政 府 と 企 業 と の 間 の 生 産 契 約 の 時 間 的 顛 序 は 、 次 の 通 り で あ る 。 ま ず 初 め に 政 府 は 報 酬 メ ニ ュ ー を 企 業 に 提 示 す る 。 ご れ に 対 し て 企 業 は 、 報 酬 計 画 お よ び 生 産 量 を 決 め る 。 政 府 は 企 業 が 選 択 し た 報 酬 計 画 に 沿 い 、 企 業 の 実 際 の 生 産 量 に 対 し て 報 酬 を 支払う。

政府はrl

箆示する1タイプの企業は

(al. b1)を選択して Y1(b1)を生産する

図 1

政府は報酬a1+ b1Y1(b1)  を企業に与える

時間

ま ず 、 政 府 が 企 業 の 生 産 技 術 に 関 し て 完 備 情 報 を 持 っ て い る 場 合 を 考 え て み よ う 。 そ の 場 合 、 政 府 は 二 組 の 報 酬 計 画 を 同 じ も の に す る の で 、 自 己 選 抜 1期 間 契 約 モ デ ル は 事 実 上

F ‑ G ‑ T

契 約 モ デ ル と 同 等 に な る 。 従 っ て 自 己 選 抜

1

期 間 契 約 モ デ ル に お げ る 最 適 契 約 は 、 第2章2節 の 命 題 1で 与 え ら れ る 。 つ ぎ に 、 不 完 備 情 報 の 場 合 を考えよう。(}1タ イ プ の 企 業 が 報 酬 計 画 (al,b1)に 対 し て 最 適 生 産 を 行 う も の と

すると、 こ の 場 合 の 期 待 社 会 厚 生 は

EW = ν[PY1(b1)一 ψ1(Yl(b1)) λ(al+ b1Yl(b1))] 

+ (1 ‑ ν)[PY2(b2) ψ2(Y2(b2)) λ(a2+ b2Y2(b2))]  (但し、 Yl(b1) = Argmax  al  + b1y ‑ψl(y)  (i  = 1,2))  と 書 け る 。 さ て 、 政 府 が 作 成 す る 契 約 メ ニ ュ ー は 、 次 の 問 題 の 解 と な る も の で あ る。

問題[1 ]  M a x  EW 

s.t.  al + b1Yl(bt) ψ1(Yl(b1)) 孟

o ( 

1)  a2 + b2Y2(b2) ψ2(Y2(b2)) ~ 0  (2)  al + b1Yl(b1) ‑ψ1(Yl(b1)) 

注 a2+ b2Yl(b2) ψ1(Yl(b2)) (3)  a2 + b2Y2(b2) ψ2(Y2(b2))

注 al + b1Y2(b1) ψ2(Y2(b1)) (4) 

制 約 条 件 (1),(2)は 、 そ れ ぞ れ 生 産 性 の 低 い 企 業 と 高 い 企 業 の 参 加 条 件 で あ り 、 制 約 条 件(3),(4)は 、 自 己 選 抜 条 件 を 表 し て い る 。 問 題 [1 ] を 解 く 前 に 、 制 約 条 件 (1)‑‑‑(4)か ら 直 援 得 ら れ る 性 質 を 補 題 1か ら 補 題3に ま と め て お く 。

補 題1参 加 条 件 (1 ) , 自 己 選 抜 条 件 (4)を 仮 定 す る と き 、 参 加 条 件 (2)は 厳 密 な 不 等 号 で 成 立 す る 。

(証明) 自 己 選 抜 条 件 (4)及 び 参 加 条 件 (1)より、

a2 + b2Y2(b2) ψ2(Y2(b2))

注 at + btY2(b1) ψ2(Y2(b1))

ミ b1Y2(b1) ψ2(Y2(bt)) b1Yl(b1) + ψ 1(Yl(b1))  と な る 。 こ こ で 、 関 数 α(bt)

α(bt) = b1Y2(bt) ψ2(Y2(bt)) btYt(bt) +ψ1(Yl(b1))  と 定 義 す る 。 こ の と き 、 明 ら か に α(0)= 0で あ り 、 前 章 の (5)式 よ り

dα(bt)/dbt =  Y2(b1) ‑ Yt(b1) 

を 得 る 。 前 章 の 補 題 1より、 dα(bt)/dbt

0が 成 り 立 つ 。 従 っ て α(bt)

0とな

‑41  ‑

る。ゆえに、

a2 + b2Y2(b2) ψ2(Y2(b2))

0  が い え る 。 ( 証 明 終 )

補題2自 己 選 抜 条 件 (3),(4)が 満 た さ れ て い る と き a 1 ~ a2  か っ b2 孟 b1 

(証明) 自 己 選 抜 条 件 (3),(4)を 辺 々 加 え 整 理 す る と b2[Y2(b2) ‑Yl(b2)]  +ψ1(Yl(b2)) ψ2(Y2(b2))

孟 b1[Y2(b1)‑Yl(b1)]  +ψ1(Yl(b1)) ψ2(Y2(b1)) こ こ で 関 数 α(b)を

α(b) 

b[Y2(b) ‑ Yl(b)]  +ψl(Yl(b)) ψ2(Y2(b))

と定義すると、 α(b)が 単 調 増 加 関 数 と な る こ と が 補 題 1の 証 明 よ り わ か る 。

α(b2) 孟 α(bt)な の でb2 注 b1と な る 。 次 にa1 ~ a2を 示 そ う 。 自 己 選 抜 条 件 (3 )より、

a 1ミ a2+ b2Yl(b2) ψ1(Yl(b2)) ‑ b1Yl(b1) +ψt(Yl(b1))  こ こ で 関 数 β(b)を

β(b) 

bYl(b) ψl(Yt(b))

と定義すると、 β(0) 

0で あ り 前 章 の(5)式 よ り dβ(b)/db 

Yl(b) 

を得る。既に、 b~ 1が 示 さ れ て い る の で

b2Yl(b2) ‑ψ1(Yl(b2))  ‑ b1Yl(bt) +ψl(Yl(bt)) O と な り 、 結 局a1 孟 a2が 成 り 立 つ 。 ( 証 明 終 )

補 題3 al 

a2  か つ b1 

b2  で あ る こ と と 自 己 選 抜 条 件(3),(4)が 等 号 で 成 り 立 つ こ と は 同 値 で あ る 。

( 証 明 ) 十 分 条 件 は 自 明 な の で 必 要 条 件 の み を 示 す 。 自 己 選 抜 条 件 (3),(4)が 等 号 で 成 り 立 つ こ と を 仮 定 す る 。

al  + btYl(b1)  ψ1(Yl(b1)) = a2  + b2Yl(b2)  a2  + b2Y2(b2) ψ2(Y2(b2)) = al  + btY2(b1) 

ψ1(Yl(b2))  ψ2(Y2(b1)) 

b2[Y2(b2)  ‑ Yl(b2)]  +ψ1(Yl(b2)) ψ2(Y2(b2))

=  b1(Y2(b1) ‑ Yl(b1)]  +ψ1(Y1(b1)) ψ2(Y2(b1)) と な る 。 関 数 α (b)を

α(b) =  b(Y2(b)  ‑ Yl(b)]  +ψl(Yl(b)) ψ2(Y2(b)) と定義すると、 α(b)は 単 調 増 加 関 数 な の で 1対1写 像 と な る 。 よ っ て 、

α(b2)  = α ( b1) 

が 成 り 立 っ て い る の で 、 b= b 2を 得 る 。 こ の と き 、 もちろん、 a= a 2となる。

〈 証 明 終 )

補 題

3

よ り 、 自 己 選 抜

1

期 間 契 約 モ デ ル は

F‑G‑T

契 約 モ デ ル の 自 然 な 拡 張 で あ る こ と が わ か る 。 問 題 [1 ] の 解 と 制 約 条 件 と の 関 係 は 次 の 補 題 で 示 さ れ る 。

補 題4問 題 [1 ] の 解 に 関 し て 、 参 加 条 件 (1)は 等 号 で 成 り 立 つ 。

(証明) 問 題 [1 ] の 解 と な る 契 約 メ ニ ュ ー rl= {(al,b1),(a2,b2)} に対して、

a1  + b1Yl(b1) ψl(Yl(bt) )

0  で あ る と し よ う 。 こ こ で 二 つ の 固 定 報 酬 引 ,a

2

を、

a 1'= ‑b1Yl(b1) +ψ1(Yl(b1)) 

a2  = a2  ‑ al  ‑ b1Yl(b1) +ψ1(Yl(b1)) 

と 定 義 し て 別 の 契 約 メ ニ ュ ー rf=  { (a /1 , b 1 ) , (a 2 , b 2) } を 作 る 。 こ の と き 、 a

a2は そ れ ぞ れ

a

, 

2を 同 額 分 小 さ く し た も の な の で 契 約 メ ニ ュ ー

r 1

は 、 自 己 選 抜 条 件 (3),(4)を 共 に 満 た す 。 ま た 、

a1  + b1Y1(b1) ψ1(Yl(b1)) = 0  と な る の で 、 補 題 1より

a2  + b2Y2(b2) ψ2(Y2(b2)) > 0 

よ っ て 、 契 約 メ ニ ュ ー r1(は 参 加 条 件 (1),(2)を 満 た す 。 さ ら に 契 約 メ ニ ュ ー と し て rl/~ 用いたときの期待社会厚生は rl を用いるときよりも大きくなる。この事実は 契 約 メ ニ ュ ー rlが 問 題 [1 ] の 解 で あ る こ と に 矛 盾 す る 。 従 っ て 、

al  + b1Yl(bt) ψ1(Yl(b1)) = 0  ( 証 明 終 )

補 題5問 題 [1 ] の 解 に 関 し て 、 自 己 選 抜 条 件 (4)は等号で成り立つ。

‑ 43  ‑

( 証 明 ) 問 題 [1 ] の 解 と な る 契 約 メ ニ ュ ー r1={(a1,b1),(a2,b2)} に対して、

a2 + b2Y2(b2) ψ2(Y2(b2))

al  + b1Y2(b1) ψ2(Y2(b1)) で あ る と し よ う 。 こ こ で 固 定 報 酬 め を 、

a2 = al  + b1Y2(b1) ψ2(Y2(b1)) b2Y2(b2) +ψ2(Y2(b2)) 

と 定 義 し て 別 の 契 約 メ ニ ュ ーr

1

1

=  { 

(a , b , (a 

, b } を 作 る 。 こ の と き 補 題4より al + b1Yl(b1) ψ1(Yl(b1))

と な り 、 固 定 報 酬a

b

の 定 義 よ り ai + b2Y2(b2) ψ2(Y2(b2))

b1[Y2(b1) ‑Yl(b1)]  +ψ1(Yl(b1)) ψ2(Y2(b1))

が 成 り 立 つ 。 よ っ て 、 契 約 メ ニ ュ ーrl'は 参 加 条 件 (1),(2)を 満 た す 。 ま たa2

a2  なので、

al  + b1Yl(b1) ψ1(Yl(b1))

a2  + b2Yl(b2) ψ1(Yl(b2))

a~ + b2Y2(b2) ψ2(Y2(b2))= al  + b1Y2(b1) ψ2(Y2(b1))

と な り 、 契 約 メ ニ ュ ー r11は 自 己 選 抜 条 件(3),(4)も 満 た す 。 さ ら に 契 約 メ ニ ュ ー と して rfを 用 い た と き の 期 待 社 会 厚 生 は r1を 用 い る と き よ り も 大 き く な る 。 こ の 事 実 は 契 約 メ ニ ュ ーr1が 問 題 [1 ] の 解 で あ る こ と に 矛 盾 す る 。 従 っ て 、

a2  + b2Y2(b2) ψ2(Y2(b2))= al  + b1Y2(b1) ψ2(Y2(b1)) ( 証 明 終 )

補 題5は 、 生 産 性 の 高 い 企 業 に と っ て 問 題 [1 

1

の 解 と な る 二 組 の 報 酬 計 画 が 同 額 の 利 潤 を も た ら す こ と を 意 味 す る 。

さ て 、 問 題 [1 ] の 解 法 に 移 ろ う 。 補 題 1, 4, 5よ り 、 問 題 [1 ] は 次 の よ う に 書 き 直 す ことができる。

問 題 [1/]  M a x  EW 

5.t.  al  + b1Yl(b1) ψ1(Yl(b1)) =  0  (5)  al  + b1Yl(b1) ψ1(Yl(b1))

i

ミ a2 + b2Y1(b2) ψ1(Yl(b2)) (6)  a2  + b2Y2(b2) ψ2(Y2(b2))

制 約 粂 件 (5),(7)を 用 い る こ と に よ り 、 期 待 社 会 厚 生 EWか ら 固 定 報 酬

a

2を 消 去 で き る 。 い ま 、 制 約 条 件 (6)を 無 視 し て EWを 最 大 化 す る こ と を 考 え よ う 。

問 題 (f'] 

M a x  

b 1 b 2  ν(PY1(b1) (1+λ)ψ1(Yl(b1))]  + (1  ‑ v) ( PY 

ψ2(Y2(b2)) λ(ψ2(Y2(b2)) +ψ1(Yl(b1))  ‑ b1Yl(b1)  + b1Y2(b1) ψ2(Y2(b1)))]

最 大 化 1階 の 条 件 よ り 、

b~ = s ‑

b~ = s 

λ(1 ‑ ν )   /.>IC" 

[Y2(b~) ー Yl(b~)]

(1  +λ)ν 

3Yl(b~)

δb 

(8) 

(9)  この

b

,fb~ を制約条件 (5) , (7) に代入すると aí , a2 が得られる。こうして得られた 契 約 メ ニ ュ ー が 制 約 条 件 (6)を 満 た し て い る こ と は 、 容 易 に 確 か め ら れ る 1)。我々 は 、 次 の 命 題 を 得 る 。

命 題1不 完 備 情 報 の 場 合 、 自 己 選 抜 1期 間 契 約 モ デ ル に お け る 最 適 契 約 は 、 (5), 

( 7 )

( 8 )

( 9 )

で 与 え ら れ 、 最 適 ボ ー ナ ス に 関 し て 次 の こ と が 言 え る 。

(A) 生 産 性 の 低 い 企 業 に 選 択 さ せ る ボ ー ナ ス biは 、 公 共 財 の シ ャ ド ー ・ プ ラ イ ス sよりも小さい。

(8) 生産性の高い企業に選択させるボーナス b~ は、公共財のシャドー・プライス sに等しい。

命題 1よ り 、 最 適 契 約 と な る 契 約 メ ニ ュ ー は 分 灘 メ ニ ュ ー と な っ て い る こ と が た だ ち に わ か る 。 ま た 不 完 備 情 報 の 場 合 、 分 経 メ ニ ュ ー で あ る こ と は 、 自 己 選 抜 1期 間 契 約 が F‑G‑T契 約 よ り も 期 待 社 会 厚 生 の 観 点 、 か ら 望 ま し い こ と を 意 味 す る 。

2.一 般 化 さ れ た 自 己 選 抜1期 間 契 約 モ デ ル

Cooper  (1984)は エ ー ジ ェ ン ト の 選 好 に 関 す る タ イ プ が 厳 散 的 で あ る 場 合 の プ リ

‑45  ‑

ンシパ ル ・ エ ー ジ ェ ン ト 問 題 を 、 自 己 選 抜 モ デ ル に よ っ て 考 察 し て い る 。 エ ージ ェ ン ト の 選 好 が 単一交 差 性 の 条 件 を 満 た す 時 、 自 己 選 抜 条 件 を 表 す 制 約 式 の 数 が 近 隣 条 件 よ り 減 ら す こ と が 出 来 る と い う の がCooper (1984)の 分 析 の 重 要 な ポ イ ン

ト に な っ て い る 。 本 節 で は 、 こ の Cooperの 手 法 を 利 用 し て 第1節 で 定 式 化 し た 自 己 選抜1期 間 契 約 モ デ ル を 企 業 の 生 産 技 術 に 対 す る タ イ プ が n種 類 の 場 合 に 拡 張 す る 。

2. 1 モ デ ル

企業の生産技術に対するタイプを θ1ε[~ ,θ](i=1,2,'"  ,n)で 表 す 。 な お 、 添 え 字 の 大 き い も の ほ ど 高 い 生 産 性 を 表 す も の と し よ う 。 さ ら に 、

θ1 θ2 ・・・ θn 

で あ る と し よ う 。 政 府 は 当 該 企 業 が θiタ イ プ で あ る こ と を 確 率 ν1で 予 想 す る も の と し よ う 。 さ ら に こ の ν1が 次 の 条 件 を 満 た す も の と 仮 定 し よ う 。

く 条 件 1> (monotonic  hazard  rate  property) 

νt/ν1は iの 減 少 関 数 。

く条件 1>は 、 一 様 分 布 、 ポ ア ソ ン 分 布 等 の 数 多 く の 理 論 確 率 分 布 が 満 た し て い る 2)。 費 用 関 数 ψ は 、 前 章 の く 仮 定 1> '"'‑く仮定4>に 加 え 、 次 の 条 件 を も 満 た す も のとしよう。

く 仮 定5> ψ yyθ O

さ て 、 政 府 が 用 い る 契 約 メ ニ ュ ー r2は 口 組 の 線 形 報 酬 計 画 か ら 成 る も の と し よ う 。 r2  = {(a1,b1),(a2,b2),・・・, Ca n , bコ)} 

ここで、 al(i=1,2," ',n)は 固 定 報 酬 を 、 biCi=1,2,'" ,n)は ボ ー ナ ス を 表 し て い る 。 政 府 は こ の 契 約 メ ニ ュ ー r2を θ1タ イ プ の 企 業 に 報 酬 計 画 (al,b1)を 選 択 さ せ る よ う に 作 成 す る も の と し よ う 。 こ の と き 期 待 社 会 厚 生

E W

は 次 の よ う に 定 式 化 さ れる。

EW = Lν1 [PY1(b1) ψ1(Yl(b1)) λ(al + b1Yl(b1))]  (10)  こ こ で 企 業 の 生 産 に 関 し 、 次 の 仮 定 を す る 。

く 条 件2> 任 意 の ボ ー ナ ス bに関して、

Yl+1(b)  ‑ Yl(b)  Yl+2(b)  ‑ Y1+1(b) 

(11) 

3Y1(b) 

︑ . ︐

E hU一 ︐ .

︑ ︑ 一

‑且‑+ 一

LU

θ3

(i = 1,2,・・・,n‑2)

こ の 条 件 は 企 業 の タ イ プ ( }1と ボ ー ナ ス bと の 関 の 限 界 代 替 率 の 逓 減 を 表 す も の で あ る が こ の こ と を 以 下 に お い て 詳 し く 調 べ て み る 。 ま ず 、 く 条 件2>は 通 常 の 限 界 代 替 率 の 逓 減 の 条 件 と 次 の2点 に お い て 異 な る こ と を 指 摘 し て お く 。 第1は 、 タ イプ()1が 経 費 支 変 数 と な っ て い る こ と で あ る 。 後 で タ イ プ が 連 続 的 で あ る 場 合 を 考 察 す る 。 第2は(11)に お げ る Y.1(b)が 企 業 の 利 潤 最 大 化 行 動 の 結 果 と し て 得 ら れ る 点 で あ る 。 さ て 、 く 条 件2>の 意 味 を 図 形 的 に 解 釈 し て み る 。 Yl(b)の 定 義 か ら

=ψ~(Y1(b))

dY1(b)/db  = 1/ψ

(Y1(b))

で あ る 。 図 2は 、 任 意 に 与 え ら れ た ボ ー ナ スbと()1, (}  1+1, (}  1+2の 三 つ の タ イ プ の 企 業 の 生 産 量 と の 間 の 関 係 を 表 し て い る @

ボーナス

ψ

2

Yl(b)  Yl+1(b)  Yl+2(b)  生産量

図2

2

において、 Yl+1(b) ‑ Yl(b)は

AC

を、

Yt(b)/δb

AC/BC

を 意 味 す る 。 ょ っ

‑ 47  ‑

て、(11 )式の左辺は BCと な る 。 同 様 に し て (11 ) 式 の 右 辺 は DEと な る の で 、 結 局

< 条 件 2>は

BC 

DE 

を 意 味 す る こ と に な る 。 次 に タ イ プ が 連 続 的 で あ る 場 合 を 考 え て み る 。 こ こ で は タ イ プ が 閉 区 間 [fttθ]で 表 さ れ て い る も の と す る 。

e

e '  (

θθ')を こ の 閉 区 間 に 属 す る 任 意 の 二 つ の タ イ プ と す る 。 こ の 時 、 く 条 件2>は

aYx(b)  δ x   θY8(b) 

と 表 さ れ る 。 便 宜 上 、

yx(b) 

X=θ  δ X   IX=8' 

( 12) 

y&(b) 

( 但 し

yx(b) 

= 叩 a

by  ‑ ψ ( y )  

ψx(・)= ψ X (・tx) 

y X (b)1 

a

Yil(b) 

‑‑‑‑ と す る と (12)は、 δx  (=9 3θ 

O 1i  qU j

/'

¥ 

ι

.. 噌L 陰 関 数 の 定 理 か ら δ

Ye 

(b)  ψY@ 

δθ  ψYY 

よって

ayθ(b)  3θ 

ψYB

aYe(b) 

θ b  一

こ れ ら を 用 い て (13 ) の 左 辺 を 計 算 す る と /δYLl(b) 

δ l ν   I 

a

θ 

¥  a 

Ya(b) 

l ψ y θ l  

ψ 1 ‑YθY ¥  1 ψ   VJ Yθθ 

yy  ( 

従 っ て (13 ) は 次 の 条 件 と 同 等 に な る 。

ψY(j Yψyθ ψY(;θψyy

o

(14) 

つ ま り 、 タ イ プ が 連 続 的 で あ る 場 合 の 限 界 代 答 率 の 逓 減 の 条 件 は 、 費 用 関 数 ψ に 対 し て (14)の 条 件 を 課 す こ と に な る 。 例 え ば 費 用 関 数 が ψ(y,())  = y2/2()の と きには、 (14)の 条 件 が 満 た さ れ る こ と が 容 易 に 確 認 で き る 。 ( 三 浦 (1990b)を 参 照 。 )

さ て 、 政 府 が 作 る 契 約 メ ニ ュ ー は は 、 次 の 問 題 の 解 と な る も の で あ る 。

問 題 [2] Max  EW 

S.t.  al  + b1Yl(b1) ψ1(Yl(b1)) ~

0  ( 1 5 )  

al + b1Yl(b1) ψ1(Yl(b1))

ミ~ aJ + bJY1(bJ) ψl(Yl(bJ))

( 1 6 )  

(i,j= 1,2,・・・,n)

制 約 条 件

( 1 5 )

( 1 6 )

は 、 そ れ ぞ れ θiタ イ プ の 企 業 の 参 加 条 件 と 自 己 選 抜 条 件 を 表 し て い る 。

2.2  最 適 契 約 の 導 出

本 節 で は 問 題 [2 ] を 解 く こ と が 目 的 で あ る が 、 そ の た め に は 以 下 で 与 え ら れ る 補 題6‑‑13が 必 要 と な る 。

補 題6 任 意 の ボ ー ナ ス bに 対 し て 、

Yl+1(b)  ‑ Yl(b)  > 0  (i 

1,2,・・ ・,n‑1)

補 題7 契 約 メ ニ ュ ー r2が 自 己 選 抜 条 件

( 1 6 )

を 満 た す 時 、 (A)  al孟a2ミ..• ~ a

(B)  bl~五 b~ .・・孟 bn

補 題6,7は そ れ ぞ れ 前 章 の 補 題 1及 び 本 章 の 補 題 2の 一 般 化 で あ り 、 証 明 も そ れ ら

一49‑

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