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ー 現

ドキュメント内 教化研究 No.07 (ページ 38-47)

代 浄 土 宗 の 問 題 点 の 把 握 と 整 理

│ │

梶村昇先生を代表とする本プロジェクトが︑大きく

つの柱から構成されていることはすでに述べてきた︒す

なわち

﹃ 新

・百四十五箇条問答

﹄ ﹃

新・法然上人法語集

i消息編

1﹄ ﹃

論文集﹄がそれである︒いずれ出版してそ

の成果を聞いたいと希望しているがその概要について

は本号掲載︑太田研究助手の﹁研究ノート﹂に詳述され

ているので︑まずはそちらを参照されたい︒

さ て

その三つの柱のうち︑中心的な役割を担うのが

梶村研究代表提言による﹃新・百四十五箇条問答﹄

の作

成である︒この問答集作成の目的は﹁今日︑浄土宗の教

えをいかに徹底・具体化するか﹂にあるが︑問題設定を

必要とするこのプランは︑本プロジェクトのサブテlマ

ネ 由

栄 輝 山

である﹁現代浄土宗の問題点の把握と整理﹂を同時に果

たし得るものと思われた︒研究班では各自問題意識の赴

くままに問答の凡例を作成しそれらを教師各位に提示

2 8  

して宗内の関心を高め︑広く質問を指摘して項くことと

した

︒周知の通り平成七年四月号から七月号まで

﹃ 宗

報﹄

紙面において︑第一回﹁愚痴の念仏﹂(四月)︑第二回﹁凡

夫と他力

﹂(

五月

)︑第三回﹁

{家

と宗

﹂(六月)︑第四回

﹁お墓について﹂(七月)と各月ごとにテl

マを

設定して

凡例を掲載し︑関連する具体的な問題︑ご意見を期待す

ることとなった︒実際幾つかのご高見を項戴し︑

ま た 浄

青会など機会を得ては︑真撃なご意見を少なからず項戴

してきたが︑残念ながら大きな反響を巻き起こすまでに

は至らなかった︒

したがって︑研究班では独自に問答集 の目次立てをプランニングすることとなった︒目次内容 については前掲太田師の論文を参照されたい︒

また︑この間︑問答の体裁について

一回一回に試行

錯誤を重ね

﹁問・答・解説・典拠﹂の形式から

可ア

にそって関連(あるいは派生︑誘導)する問答を繰り返 す一連の問答に対し解説・典拠を付す形式が︑時によっ

て効果的であることを確認した︒

作成上の問題について述べるならば

回答の典拠とな

る経典や法然上人のお言葉の意図を正確に把握しなけれ ばならないことが挙げられる︒どういう事かというと︑

例えば凡例にあ

った

﹁お

墓﹂

(﹃

宗 報

﹄平成七年七月号)

であ

るが

︑ お墓について積極的に肯定する﹁典拠﹂を法 然上人のお言葉から見出すことができなかった︒しかし

﹁なぜお墓参りをする

のか

﹂﹁

土宗としての意味付け﹂

は絶対に必要である︒そこで釈尊の所説を典拠としたの

であるが

ともかくは釈尊の所説と宗祖上人の所説の整 合性を図る必要が生じた︒そして結果的には

片や墓石

に対して否定的な宗祖のお言葉︑片や積極的に支持する 釈尊のお言葉とが対比して提示されこととなってしまっ た︒無論︑宗祖のお言葉が︑あるいは釈尊の教えが︑文 脈のどこに位置していたのか︑誰に対して述べたものか その意図はどこにあったのか︑また時代背景はどうだつ たのか︑などを確かめた上で引用すべきであった︒この 点について﹁経典等の切り売り﹂とのご批判を頂戴した のは当然であろう︒この点は︑後の問答作成に限らず︑

第二の柱

﹃新・法然上人法語集﹄の編纂においても充分 留意すべき点として取り上げられた︒何故なら

一々

の 法語それぞれは︑上述のような条件のもとに述べられた ものであろうから︑その設定条件を理解しない限り︑﹁切 り売り﹂を﹁継ぎ接ぎ

して教化の現場に持ち込んでし まう危険性を懸念しなければならないからである︒

次に第二の柱はこの

﹃法語集﹄である︒これは﹃問答

集﹄を作成する際︑典拠を索引するに当たっての補助的 な役割を担ってプランニングされたが︑先に懸念された 問題をクリアーするためには

﹃ 新

・問答﹄作成の前提と

して準備しておくべきものであり︑﹃法語集﹄

完成

の後

﹃新・

問答

﹄に着手した方がより良い順序であった︒し

かしながらこの﹃法語集﹄については︑教化の現場にお

いて最も求められている資料の一つと考え︑早急に出版

できるよう準備を進めている︒昨年度の報告の通り︑上

人のお言葉の中でも最も対機的な側面を顕していると思

われる﹁消息編﹂から編纂を進め︑声に出して読んだ場

A口の読み易さもある程度意識した校訂を施し︑

れ﹂

に現

代語訳を付した︒また後学に役立つよう宗祖上人が引用

した経論などについては︑﹃浄土宗聖典﹄や﹃浄土宗全書﹄

の掲載箇所を明示し︑語句の解説もなるべく現代語訳の

中で消化するよう努めた︒さらに索引項目も細かに指示

している︒またその目次立ても﹃新・

問答

﹄のそれと対

照でるよう検討し︑有機的なつながりが生じるよう図つ

た︒

最後の﹃論文集﹄は研究メンバー個々の研究の集成で

あって︑昨年度それぞれが取り組む方向性が示され︑本

年においてその研究内容をまとめていただいた︒ 今日︑社会において︑あるいは個人の内証において宗

義を具現化しようとする場合︑一々の宗義の普遍性と対

機を前提とした有限性の二者をいかに見極めるかが非常

に大きな意味を持っていると指摘できよう︒そのために

も﹃法語集﹄をプランニングしたのと同様︑宗義に関す

る基礎的な資料が︑﹁切り売り﹂の﹁継ぎ接ぎ﹂がないよ

うな形式を以て全教師に提供できるよう︑継続していく

必要

があ

る︒

30 

一 一 一 、

浄土宗典籍

• 版木の研究

浄土宗寺院所蔵文献類調査整理研究│

[目

的]

浄土宗寺院において

その寺の住職さえ自坊に何が所 蔵されているのか知らないまま︑また︑什物帳で所蔵し ていることは知っ

ていても蔵の中にあ

って一度も見たこ

とがないまま︑徽や虫食いによ

って損傷していく文献類 は多い︒

また中には︑本堂や庫裏の新築

・改築などで

その寺院所蔵の文献類が廃品として処分されたりする例 もある︒

しかしこれらの中には貴重な文献類が存在する のである︒ よっ て︑これらの文献類を調査整理し︑各所蔵寺院に その存在価値を認識してもらい︑保存し後世に伝えてい くことがこのプロジェクト研究の目的である

真 道 内

[これまでの経過]

本プロジェクトは平成五年十月より計画され︑平成六 年四月より調査研究活動に入

った︒

まず

既存の情報を

調査整理するため︑浄土宗宗務庁の許可を得︑﹃浄土宗寺 院名鑑

掲載の全浄土宗寺院のデータ及び昭和四十

三年

の浄土宗宗勢調査記載の寺院什物(掛け軸

・古文書・記

録等)を︑浄土宗総合研究所分室のパソコンに全て入力 した︒これによりどの寺院にどのような文献があるかが 前もって把握できることにな

った︒(データ漏れを防ぐた めこれらは厳重に分室で保管している) 次に平成六年九月に

﹃ 宗 報﹄にアンケート︹﹁浄土宗典

籍・版木の研究﹂へのご協力のお願い││お寺の古文書

古書籍の保存状況をお知らせ下さい││︺を載せ回答

のあった寺院のうち﹁整理に急を要する﹂とした五箇寺

を調査し︑このうち二箇寺はほぼ終了した︒またこれと

平行して

︑﹃

国寺院名鑑

﹄ ﹃

増上寺史料集

﹄ ﹃

浄土宗全書﹄

等に掲載の浄土宗寺院所蔵文献類をパソコンに入力し

﹂れは現在も続行中である︒

[調査方法]

調査依頼のあった寺院での調査は以下の手順をとる︒ 保管現状の記録(写真などで記録する)︒

‑全文献類の大まかな分類・並べかえ︒

上記分類に基づき︑通番(仮番号)を付した付婆を

全文献類に挟む︒

‑番号順にパソコンに入力(データベース化)︒但し場

合によってはカlドでとることもある︒この時︑書

名・著者・編者・奥付等を記録︒必要あれば順番の

並べかえも行う︒ ‑再度の並べかえ︒

通番(正式なもの・目録番号)をパソコ

ン入

力︒

‑所蔵者の許可が得られれば通番ラベルを添付︒

‑保管場所に目録番号順に収蔵︒

‑防虫剤を置く︒

O

所蔵寺院の許可を得て︑重要文献は写真・マイクロフ

ィルムに撮り︑調査研究する︒

O

調査対象寺院の文献類は悉皆調査を原則とし︑簡易自

録を作成し所蔵寺院に渡すことでその寺院の調査を

3 2  

応の終了とする︒

[平成八年三月現在までの欄査状況]

現在までに調査した寺院︑また現在調査中の寺院の調

査状況は以下の通りである︒(寺院名などは所蔵者の管理

上のこともありここでは伏せておく

京都教区古書籍五六七点調査終了簡易目録作成中

新潟教区古書籍六六八点貰繋版大蔵経

古文書

調

査はぽ終了簡易目録作成中

静岡教区

古書籍約五

OO

点大蔵経一部調査はぽ終 了

簡易目録作成中

大阪教区

古書籍約四

000

大蔵経

巻子本

古 文 書

調査中

岐阜教区古書籍約二七五点

古 文 書

調査中

[今 後の 実施

計画]

﹂のプロジェクトは長期にわたる継続・人員・費用が

必要であり一応平成十四年三月終了の予定である︒平

成八年度も

﹃ 宗 報﹄にアンケートを載せ︑調査依頼の回

答をよせた寺院を調査する︒また調査終了の寺院につい

てはその結果及び研究成果を所蔵寺院の許可を得て︑何

らかの形で発表する予定である︒

﹂のプロジェクトは往々学者が行う学問的関心のある

一部調査とならないよう

一寺

院文献類全調査を基本と

し︑対象寺院に調査した文献の簡易目録を渡して︑喜ば

れる結果となるよう努力してすすめていきたい︒

ドキュメント内 教化研究 No.07 (ページ 38-47)

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