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できるだけ早く抗HIV薬を服用する(ただし、何か食べてからの服用が望ましい)。 TDF/FTC(ツルバダ)1錠、DRV(プリジスタナイーブ)2錠、RTV(ノービア)1錠

初回内服の24時間後、TDF/FTC(ツルバダ)1錠、DRV(プリジスタナイー ブ)2錠、RTV(ノービア)1錠を再度服用する。

責任者 連絡先

藤本勝也 PHS 82323、遠藤知之 PHS 82331、近藤健 PHS 87045

夜間などで、上記医師が不在時は12-2NS(内線5795、5796) に血液内科当番医師を問い 合わせたうえで連絡する。

*公務災害の申請手続きがあるので、責任者の指示を受けた後、速やかに病院総務課労務管 理係(内線5616)まで申し出てください。

陽 性 陰 性

Y E S

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N O N O

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針刺し・切創及び皮膚・粘膜曝露時の対応 182

針刺し後フローチャート説明

⒈ 可能な限り早期にHIV抗体、HBs抗原、HCV抗体をチェックする。

 同時に血清1mlを‐20℃以下(可能なら‐80℃)で保管する。以後は、HIV抗体に ついて、1カ月後、3カ月後、6カ月後に検査する。HCVとの重複感染例では12ヶ月 後にもHIV抗体検査を行う。

⒉ 標準的な薬剤の服用方法を以下に示す。この3剤は薬剤部調剤室に保管されている。

1 TDF/FTC(ツルバダ錠:300/200mg)1錠 /1X、食後 2 DRV(プリジスタナイーブ錠:400mg)2錠 /1X、食後 3 RTV( ノービア錠:100mg) 1錠 /1X、食後

 針刺し後の有効な予防のためには第1回目の服用が最も大事である。したがって、第 1回目には必ず3剤を服用する。また、できるだけ速やかに(少なくとも1~2時間以内)

第1回目を服用する。ただし、DRVは食後に内服すると約30%血中濃度が上昇するため、

基本的には何か食べてからの内服が勧められる。菓子パン1個またはおにぎり1個程度 でも充分と考えられるが、食べるものがないときは、空腹時であっても抗HIV薬を服用 することを優先させる。時間的余裕がなく、責任者と相談できないときには服用につき 自己決定を行う。服用する場合の投与期間は、1カ月とする。各薬剤の注意事項を以下 に示す。

 TDF/FTC:腎機能障害(Ccr<50ml/min)がある場合、TDFの減量が必要となる。

またTDF自体による腎障害の副作用も報告されているため、腎疾患、腎機能障害を有す る場合にはTDFの使用は避け、他剤への変更を考慮すべきである。またTDF、FTCは 共に抗HBV活性を有す薬剤であり、6ヶ月以上 FTC を投与された慢性B型肝炎患者に おいて、FTC中止後に23%で肝炎が悪化したとの報告がある。1カ月以内の短期服用 後における肝炎悪化の報告はないが注意は必要である。むしろ感染リスクが低いと考え られる場合には、慢性B型肝炎またはHBVキャリアの方はTDF/FTCの服用は避ける 方がよいと考えられる。

 DRV+RTV:下痢が出現する可能性があるが、症状のひどい場合にはロペミンなどの 止痢薬を併用する。また、10%程度に皮疹が出現するため、皮膚に異常をきたした場合 はすぐに連絡する。投与前に肝機能異常が認められる場合は、肝機能をさらに悪化させ る可能性がある。また、RTVのCYP3A4の阻害作用により他の薬剤濃度を上昇させる ため、以下の薬剤を使用している場合はその薬剤を中止するか、DRV+RTVの服用は避 ける。また下記薬剤以外にも用量の調整が必要な薬剤があるため、併用薬剤のある場合 には内服前に必ず責任者に相談し、内服の可否、用量調整の必要性を確認する。

  併用禁忌薬剤:抗不整脈薬(アンカロン、硫酸キニジン、タンボコール、プロノン、

ベプリコール)、抗高血圧薬(カルブロック)、睡眠薬(ハルシオン、ドルミカム、ユー ロジン、メンドン、ベノジール、ダルメート)、向精神薬(オーラップ、ロナセン、セル シン、ホリゾン)、片頭痛治療薬(カフェルゴット、クリアミン、ジヒデルゴット、レルパッ クスなど)、勃起不全治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス)、血管拡張薬(レバチオ、

アドシルカ)、抗真菌薬(ブイフェンド)、子宮収縮薬(メテルギン)、NSAID(フルカム、

フェルデン等)、抗結核薬(リファブチン)

⒊ 対象者が女性の場合、妊娠に注意する。妊婦に投与した場合の安全性、特に妊娠初期 での胎児への安全性は確認されていない。従って、妊婦が服用を決意するには十分な自 己決定が不可欠である。(HIV感染の危険性(感染リスクは0.3~0.5%)と、母子への 薬の危険性の比較衡量)。

  対象者が妊娠していなかった場合にも、針刺し後は予防薬服用の有無にかかわらず、

感染していないことがほぼ確定できる針刺し後3カ月目の検査結果がわかるまでは、相 手及び妊娠した場合の胎児への感染回避の目的から避妊する。さらに、予防薬を服用す る対象者に対しては少なくとも薬剤服用中は、妊娠した場合の胎児への薬剤の影響を避 けるために避妊が必要である。

針刺し・切創及び皮膚・粘膜曝露時の対応 183

針刺し・切創及び皮膚・粘膜曝露発生時の連絡体制

2

 HIV感染の可能性のある針刺し・切創及び皮膚・粘膜曝露が発生した場合には、針刺し後フロー チャートに従って対応した後、以下の連絡体制・手順に従う。

1 HIV感染症対策委員会(以下「委員会」とする)が担当する。

2 被災職員は所属の長を通じ、委員会に連絡する。

3 委員会は、当該職員及び公務災害担当の総務課職員掛(以下「担当掛」とする)に、委員 会の指定する受診科及び担当医師を通知する。

4 当該職員は、担当掛に申し出て公務災害の受付手続きを行った後、受診科において担当医 師の診察を受ける。

5 担当医師は、当該職員のカルテを作成し、すみやかに当該職員の診察及び検査等を行い、

針刺し事故も含む医療行為によるHIV感染の危険性の低さ、抗HIV薬投与の必要性と予防 効果、HIV抗体検査の意義・必要性、今後のフォローアップ体制などについての正確な情 報を提供し当該職員の不安の軽減をはかる。

6 さらに、抗HIV薬の予防投与について、その感染予防効果、副作用等について十分に説 明する。以後副作用等の出現に注意しながら経過を観察する。

7 担当医師は、当該職員に検査結果を伝えるとともに、以後1、3、6ヵ月後にHIV抗体 検査を実施して経過を観察する。

8 この間、プライバシーの保護、当該職員の精神的援助にも十分に配慮し、必要があればカ ウンセリングや精神科医の援助を考慮する。

9 さらに、HIV抗体陽性となった場合は、新たな公務災害の対象となるため、担当掛に連絡、

公務災害認定の申請をし、担当掛は公務災害認定申請の手続きを行う。

10) 担当医師、担当掛をはじめとする関係者は当該職員のプライバシーの保護と必要に応じた 健康管理が実施されるように十分配慮する。

* 委員会が指定する担当医師と連絡先

氏 名 役 職 診療科等 医 局 連絡先

藤 本 勝 也 助 教 血液内科  7214 PHS 82323 遠 藤 知 之 助 教 血液内科  7214 PHS 82331 近 藤   健 講 師 血液内科  7214 PHS 87045

*上記担当医師の一人に必ず連絡をとる。

*夜間などで、上記医師が不在時は12-2NS(内線5795、5796)に血液内科当番医師を問い合 わせたうえで連絡する。

*総務課職員掛(  5616)

針刺し・切創及び皮膚・粘膜曝露時の対応 184

HIV に感染している職員への対応

3

 HIVは通常の日常生活では感染の可能性がないため、感染職員本人にとって業務に支障があ る症状がない限り、通常の業務に従事することは差し支えない。しかし、必要に応じて適切な指 導を行うとともに、従事する業務の範囲など、業務上の指導を行うものとする。

HIV曝露発生時の対応略図

被 災 職 員

曝 露 発 生

担 当 掛

担 当 掛 受   診

最 終 受 診

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