( m g j l )
b)下 層
図‑5.7COD分布の計算結果
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a)上 層
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b)下 層
図
‑5.8
T‑P分布の計算結果‑ ‑ ‑
第 6章 結
圭日間.d.、本 論 文 で は , 水 工 学 ・ 環 境 水 理 学 が 対 象 と す る 自 然 水 域 に 多 く 見 ら れ る 水 平 方 向 の 空 間 ス ケ ー ル に 比 べ て 鉛 直 方 向 の ス ケ ー ル が 非 常 に 小 さ い 平 面 的 な 水 域 に お い て , 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り 流 動 ・ 拡 散 場 の 高 精 度 予 測 を 可 能 と す る こ と を 目 的 と し て , 平 面 2次 元 流 動 ・ 拡 散 モ デ ル の 高 精 度 化 を 試 み た .
以 下 に , 各 章 で 得 ら れ た 主 な 知 見 を 要 約 し て 本 論 文 の 結 論 と す る .
第 1章 で は , 平 面 的 流 れ 場 ・ 拡 散 場 の 計 算 法 の 高 精 度 化 の 必 要 性 に つ い て 論 じ , 既 往 の研究,本論文の構成・内容を示した.
第
2
章 で は,k‑E乱 流 モ デ ル 中 の 各 物 理 量 に 開 水 路 乱 流 場 に お け る 半 経 験 的 な 鉛 直 分 布 形 を 仮 定 し , 平 面 2次 元 k‑ε乱 流 モ デ ル の 修 正 を 行 っ た . ま た 修 正 さ れ た 平 面 2次 元 k‑E乱 流 モ デ ル を 適 用 し て 平 面 的 流 れ 場 の 再 現 計 算 を 行 い 修 正 モ デ ル の チ ュ ー ニ ングを試みた.
そ の 結 果 , 次 の 結 論 が 得 ら れ た .
1.各物理量の鉛直構造として,流速分布に対数分布則を,渦動粘性係数に放物線分布 形 を , 乱 れ エ ネ ル ギ ー と そ の 散 逸 率 に 禰 津 に よ る 半 経 験 式 を 仮 定 し ,
3
次 元 の k‑ε
乱 流 モ デ ル の 基 礎 式 に 水 深 平 均 操 作 を 行 う こ と に よ り , 修 正 さ れ た 平 面
2
次 元 k‑ε 乱 流 モ デ ル の 導 出 を 行 っ た . 修 正 型 平 面2
次 元 k‑ε乱 流 モ デ ル は 基 礎 方 程 式 中 の 各 項 に 補 正 係 数 を 乗 じ る 形 で 表 現 さ れ て お り , 各 補 正 係 数 の 算 定 式 が 導 出 さ れ た .ま た , 底 面 か ら の 乱 れ の production項のモデル定数についても同様に修正を行い,
算 定 式 が 導 出 さ れ た . そ の 結 果 , 従 来 よ り 広 く 利 用 さ れ て い る 標 準 型 の Rastogiand Rodiモ デ ル は 修 正 の 必 要 性 が あ る こ と が 明 確 に な っ た .
2.開水路に cavityを 設 置 し た 平 面 的 な 流 れ 場 に お い て 修 正 さ れ た 平 面
2
次 元 k‑ε乱 流 モ デ ル を 適 用 し て 流 れ の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 な い , モ デ ル の 最 適 化 を 行 っ た . そ の 結 果 , 標 準 型 の Rastogiand Rodiモ デ ル に よ る 計 算 結 果 に 比 べ , 修 正 型 に よ る 結 果 の 方 が 飛 躍 的 に 改 善 さ れ る こ と が 分 か っ た .鉛 直 構 造 に similarityが 期 待 さ れ る 平 面 的 な 流 れ 場 に 対 し て , 修 正 さ れ た 平 面
2
次 元k ‑ E
乱 流 モ デ ル を 適 用 す る こ と で , 従 来 の 標 準 型 モ デ ル を 用 い た 場 合 よ り 高 精 度 な 流 れ の 計 算 が 可 能 と な り , 適 用 性 が 高 い こ と が 明 ら か と な っ た .第
3
章 で は , 閉 鎖 性 内 湾 の 潮 流 場 に お い て 拡 散 能 が 海 水 交 換 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 基 礎 的 な 情 報 を 提 示 す る こ と を 目 的 と し モ デ ル 湾 に お け る 平 面2
次 元 粒 子 追 跡 計 算 に より影響評価を試みた.
そ の 結 果 , 以 下 の 結 論 が 得 ら れ た .
l.拡散能が強いほど湾口部の海水交換率は大きく見積もられ そ の 影 響 の 度 合 い は
拡 散 に よ る 空 間 ス ケ ー ル ( 拡 散 幅 ) と 潮 流 に よ る 海 水 粒 子 の 移 動 の 空 間 ス ケ ー ル (tidal excursion)の比に依存している.また,拡散能の非等方性は海水交換率には あまり影響を与えない.
2.湾内水の長期的な交換能力に対して 拡 散 能 が 強 い 場 合 に は 平 均 滞 留 時 間 が 小 さ く (海水交換が大きく)評価される.また,横方向の拡散能が比較的大きい非等 方的な場合は滞留時間が小さく評価される.
3.海水交換能力の正確な評価のためには 高精度な拡散能の見積もりが不可欠である ことが確認された.
第
4
章では,閉鎖性内湾における平面2
次元拡散シミュレーションのための場所毎の 分散係数を代表流速と代表長さによりモデル化し,普遍関数表示することを試みた.得られた主な結果は次の通りである.
1.分散係数を代表流速スケールと代表長さスケールの積に比例するとしてモデル化を 行 い , 代 表 流 速 と し て 場 所 毎 の 潮 流 最 大 流 速 を , 代 表 長 さ と し て 場 所 毎 の 平 均 水 深 を 用 い た . 博 多 湾 ・ 有 明 海 ・ 鹿 児 島 湾 ・ 伊 勢 湾 ・ 東 京 湾 ・ 大 村 湾 の 6つの湾を 対 象 に し て 潮 流 ・ 水 質 拡 散 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 な い 各 湾 に お け る 比 例 定 数 の 最適値を求めた.その結果 各湾に固有の値をとることが明らかとなった.
2.モデル中の比例定数を各湾で決定される成層度パラメータと吹送流パラメータによ り関数表示できることが明らかとなった.
3.年平均された分散係数は等方性が強いことが分かった.
これらの結果,本モデルを用いることにより境界条件としての流れや濃度の情報が与 えられるだけで 閉鎖性内湾における平面
2
次元モデルによる拡散シミュレーションが 自動的かつ高精度に行なえることになった.第5章では,第 4章で、提案された閉鎖性内湾における平面 2次元拡散シミュレーショ ンのための分散係数の評価法を博多湾の水質予測シミュレーションに適用し,その汎用 性について検討を試みた.
主な結果は以下の通りである.
1.平面2次元拡散シミュレーションのための分散係数の評価法を物質循環2層モデル に 組 み 込 み , 博 多 湾 に お け る 水 質 予 測jシ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 っ た . 水 質 シ ミ ュ レーションの結果は実測結果と精度良く一致しており,モデルの有効性が確認さ れた.
2.拡散能の局所的変化が水質の分布特性に敏感に影響を与えていたことから,局所的 な 拡 散 係 数 の 精 度 良 い 評 価 が 高 精 度 な 水 質 予 測 に と っ て 非 常 に 重 要 で あ る こ と が 確認された.
第6章では,各章で得られた知見を総括し,結論とした.
謝 辞
本研究は,九州大学工学部建設都市工学科小松利光教授の御指導の下に行われたもの です.本研究の遂行と本論文の執筆にあたり,終始温かい御指導,ならびに御援助をい ただきました.また,常々水理学・環境水理学・計算水理学などの研究・学問分野のみ ならず,多岐に渡る分野について御教示いただきました.ここに記し,改めて深甚なる 感謝の意を表します.
九州大学工学部船舶海洋システム工学科貴島勝郎教授,建設都市工学科神野健二教授 には,本論文をとりまとめるにあたり貴重な御助言をいただきました.ここに,深く感 謝いたします.
九州大学工学部水工土木学科椿東一郎名誉教授には,本研究を行う上で多数の非常に 貴重な御助言をいただきました.ここに記し,心より感謝の意を表します.更に,九州 大学工学部建設都市工学科中村由行助教授には,有益な御教示と御支援をいただきまし た.ここに,改めて感謝の意を表します.
また,佐賀大学理工学部土木工学科大串浩一郎助教授と山口大学工学部社会建設工学 科朝位孝二講師には,著者が学部生の時代から数値計算法と拡散シミュレーションにつ いて様々な議論をしていただき,有益な御意見と御助言を数多くいただきました.更 に,九州大学大学院総合理工学研究科大気海洋環境システム学専攻松永信博助教授,同 杉原裕司助手には,著者が学生の時分から流体力学,特に乱流に関して数多くの御教示 をいただくとともに 研究者としてあるべき姿について教えていただいたように思いま す.ここに記し,感謝を申し上げます.
九州大学工学部建設都市工学科環境流体力学研究室(旧応用水理学研究室)のスタッ フ,ならびに学生の皆様には,著者が学生の頃から助手として本論文を執筆するまでの 期間,公私にわたり多くの御支援と御協力をいただきました.柴田敏彦技官,ならびに 藤田和夫技官には,いつも著者の無理難題に快く応えて下さいました.田中純子秘書に は,常に温かい励ましの言葉をかけていただきました.また,共にゼミなどで勉強して きた安達貴浩君 岡田知也君や,共に研究を遂行してくれた鞠承浜氏(現韓国海洋大学 校講師) ,押川英夫君,小橋乃子君をはじめ多くの先輩,同輩,後輩諸氏に御援助をい ただきました.ここに厚く感謝致します.
最後に,著者が大学院博士後期課程に進学するわがままを許してくれ,精神的,物質 的に援助し続けてくれた両親と妹夫婦に深く感謝の意を表します.