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1 ヶ月間のベビーマッサージは自律神経活動からみて母児間に快情動をもたらすのか?

○田中弥生 能町しのぶ 渡邊浩子

滋賀医科大学医学部看護学科

Ⅰ 緒言

 産後 3 ヶ月頃は児の夜泣きや生活リズムの不確立などで育児ストレスを感じやすく、母子相互作用が阻害 されやすい時期である。母児の相互作用を促進する 1 つとして、ベビーマッサージが 1990 年代より行われて いる。ベビーマッサージは実施する母親、マッサージを受ける児に副交感神経優位によるリラックスをもた らすことが明らかになっている(奥村ら ,2011)。しかし、ベビーマッサージの皮膚刺激による快情動を母児 間で評価した報告は少ない。そこで、本研究の目的は、1 ヶ月間実施したマッサージが母児間に及ぼす快情 動を自律神経活動から明らかにすることである。   

Ⅱ 方法

  1 .  研究デザイン:1 ヶ月間の縦断的介入研究

  2 .  期間・対象:2011 年 4 月〜 2012 月 9 月。正期産、単胎、出生時体重 2500g 以上の児を分娩し、産後 3 ヶ月時点で経過が順調な母子のペア 32 組。

  3 .  介入方法:母親が児に 1 ヶ月間、毎日、約 20 分間のマッサージを実施。

  4 .  データ収集:収集時期はベビーマッサージ教室において、マッサージ初回(産後 3 ヶ月時)と 1 ヶ 月後(産後 5 ヶ月時)である。心拍数、心拍変動はマッサージ後にポータブル心拍変動測定器

(CMH3.0 型、トライテック社)を用いて 5 分間測定。唾液アミラーゼは、唾液アミラーゼモニターを 用いて測定。唾液コルチゾールは、Cortisol EIA Kit, Expanded High Sensitivity Salivary を用いて測 定した。

  5 .  分析方法:心拍変動は解析プログラム(心拍変動解析ソフトウェア V3.0、トライテック社)を用い て、周波数 0.04‑0.15Hz を low  frequency:LF  、0.15‑0.5Hz を high  frequency:HF として周波数解析 を行った。データの分析は統計ソフト PASW Statistics20 を用いた。

  6 .  倫理的配慮:本研究は滋賀医科大学倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号 22‑151)。

Ⅲ 結果

 マッサージ初回(産後 3 ヶ月時)において、母児の唾液アミラーゼ値、唾液コルチゾール値、心拍数、

HF、LF/HF 比に相関はみられなかった。しかし、1 ヶ月後(産後 5 ヶ月時)の母児の唾液アミラーゼ値は、

弱い正の相関が見られた(r=0.368 P<0.001)。その他の測定項目である唾液コルチゾール値、心拍数、HF、

LF/HF 比に母児間の相関はみられなかった。

Ⅳ 考察

 本研究の結果から、1 ヶ月間マッサージを続けることは、自律神経活動から母児間に快情動をもたらすこ とが明らかになった。これは、マッサージ中の母親から児への語りかけや児からの喜びの反応などによりポ ジティブフイードバックが促進され、母児双方に快情動がもたらされていたと言える。唾液アミラーゼ値は 瞬時の快情動を評価できることから、唾液アミラーゼ値のみ母児に相関がみられた。

Ⅴ 結論

 1 ヶ月間のベビーマッサージは自律神経活動から評価した結果、母子間に快情動をもたらす可能性が示唆 された。

一 般 演 題

(ポスター)

一般演題︵ポスター︶

一般演題︵ポスター︶

5月2日(木)10:00 〜 10:30 ポスター会場(金沢21世紀美術館)

一般演題(ポスター)妊産褥婦の身体的ケア

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