れてしまうという、全く相反する結果が得られていることになる。そこで本章 では1,3,5‑トリエステル系のコンホメーション特性、及び反転の有無に関して再 検討を行った。
一般的に、水酸基を有したカリツクスアレーンでは環状の分子内水素結合帯 を形成するために、 X線結晶構造解析において"cone"構 造 が 支 配 的 で あ る こ と が 明らかとなっている8)。溶液中での検討に関しでも、 lH‑NルRを用いた測定にお いて、この結果と矛盾しない二組の二重線が室温で観測されている。しかしな がらこの系では、固定されていない系(あくまでも安定コンホメーション)で あるため、可one"‑"cone"間の環反転が起きている3)0 1H‑NMRの測定に要する時間 (タイムスケール)よりも速く反転していれば、結果的にそれぞ、れのプロトン
のシグナルは平均化されて観測注れることになる。このことを利用すると、反 転の速度を温度変化という形で意図的に操作することで、それぞれの形態を解 析することが可能となる。実際に燕置換のカリックス[4]アレーンの場合には、
図3‑2のようにスペクトルが大きく変化する。このようなスペクトルの融合現象 (コアレッセンス)を観測することで反転の速度、 エ ネ ル ギ 一 等 の 解 析 も 可 能 である。
以上を踏まえると、化合物III‑1に お い てlH‑NMRス ペ ク ト ル が‑700Cから700C までほとんど温度依存性がないという結果は、単に反転の速度がlH‑NMRのタイ ム ス ケ ー ル よ り も 遅 い だ け で あ る と い う 可 能 性 が 考 え ら れ る 。 そ こ で 、 よ り 広 い温度領域でのlH‑NMR測定、及び、2ひEXSY(exchangespec甘oscopy)測 定9)等によ
り反転の明確な証拠を得ることを試みた。
3・2 実験
3・2‑I 化 合 物 の 合 成
I ,3,5‑トリメチルー2,4,6‑トリー tert‑ブチルカリックス[6]アレーン(III‑1)の 合 成 1,3,5‑トリメチルー2,4,6‑トリーte汀ーブチルカリックス [6Jアレーン(II1‑1)の合成 は速報7)で の み 報 告 さ れ て い た の で 、 基 本 的 に は そ れ7)に 従 い 、 詳 細 な 条 件 は 以 下の通りである3
1,3,5‑トリメチル体200mg (0.20 mmol)をTHF30ml、DMF3mlの 混 合 溶 媒 に 加 熱溶解させ、水素化ナトリウム(60%) 35.5 mg、 ブ ロ モ 酢 酸 tert‑フーチル 0.17mlを 加え、 5時 間 室 温 で 撹 持 し た 。 氷 浴 で 冷 し な が ら 1N塩酸、クロロホルムを加え、
有機相を分取し水で 3回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧 留去し、ヘキサンで処理することにより白色固体(収率 45%)を得た。更にろ液を、
メタノールで処理することにより白色固体(収率 37%)を得た。
経:収率 82%; lH‑NMRの 帰 属 は 参 考 文 献9)に同じ
3‑2‑2 測定
3‑2‑2‑I 温 度 可 変'H‑NMR測 定
温度可変 lH-NルIRi~IJ 定は、 JEOL社製の JNM-GSX-400 を用いて行った。化合物
の 熱 分 解 を 考 慮 し 、 室 温 よ り 高 温 側 の 測 定 は 低 い 温 度 の 点 よ り 昇 温 す る こ と で
測定した。
‑40 ‑
3‑2‑2・2 2D‑EXSY(Exchange spectroscopy) 1 H‑NMR測 定
2D‑EXSY(Exchange spectroscopy) 'H‑NMR測定は、新海包接認識フ。ロジェクト研 究員中嶋和昭氏に依頼した。Bruker社裂のARX‑300(NOESYTP[Time Proportional Phase IncrementJ)を用いて行った。てm(mixing time) : 200msec.。
3‑3 'H‑NMRに よ る コ ン ホ メ ー シ ョ ン の 検 討
先に述べたように、p‑terιブ チ ル カ リ ッ ク ス[6Jア レ ー ン ヘ キ サtert‑ブ チ ル 体 に ついてはそのコンホメーションが固定されていないことを述べた。ところが、
Ungaroらは化合物111‑1で、は、コンホメーションが川cone"構 造 に 固 定 さ れ て い る と 報告した。その根拠となったのは温度変化を行なった'H‑NMR測定である。すな わち、‑70C
C
から700C
の'H‑N i'vlRi~1J定において架橋メチレンプロトンは互いにカッ プリングしたl組 の 鋭 い 二 重 線 で 観iMIJさ れ た こ と に よ る も の で あ る 。 し か し な が ら、 tert‑7‑チル基よりも明らかに立体障害が小さいメチル基の導入により、コン ホメーションが固定されているというのは非常に考えにくく、単に"cone"構 造 が エネルギ一的に安定化していることによる反転速度の減少が原因で、ー700Cから 700C'H‑NMR測 定 に よ り 観 測 で き な か っ た も の と 推 察 さ れ る 。 そ こ で ま ず 、 遣 い な が ら も コ ン ホ メ ー シ ョ ン 異 性 が 存 在 す る こ と を を 確 認 す る た め に'H̲NルRに より温度依存性 (昇 温 測 定)を評価した。図3‑3に示すように、これらの'H‑NMR昇温測定により、架橋メチレン部分のダ ブルダブレットは広幅化が確認され、融合温度にこそ達してはいないものの、反 転が依然、 'H‑NMRの タ イ ム ス ケ ー ル に 近 い 速 度 で 起 こ っ て い る こ と が 示 唆 さ れ
z、
1,‑
。
‑41 ‑
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。 e o = = ArCH ArOCH
2Ar
2
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