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ワールドカフェ

ドキュメント内 2012_JK_WB (ページ 81-85)

KJ法

7.   ワールドカフェ

7.2   ワールドカフェ

ブラウンとアイザックス(2007)は、著書『ワールド・カフェ』の中で次のよう に述べています。

職場やコミュニティ、家庭においては、大切な質問についての会話を通じてのみ、思 いやりのあるコミュニティや、協働学習、全力を投じた行動を進化させる能力が発揮 されるのだということが私の強い信念でした。……私たちの未来についての物語やイ メージは、会話を通して浮かび上がってくるのです。

これを身近に表現すると、よいアイデアは、カフェにいるような、くつろいだ雰 囲気の中で会話をしているときに生まれる、ということです。私たちは、学校の 教室で勉強をしたり、あるいは、会社の会議室でミーティングをします。しかし ながら、教室や会議室のような形式的な場では、なかなかよいアイデアが出てこ ないことを、私たちは今までの経験からよく知っています。

よいアイデアはどこで生まれるかというと、廊下で立ち話しをしているときや、

喫茶店でたわいない話しをしているときに、「あっ、それいいね」とアイデアが 浮かんだりするものです。このように、よいアイデアは、くつろぎの雰囲気の中 の会話から生まれます。このことに私たちは気が付いたのです。ならば、それを 取り入れましょう、というのがワールドカフェの考えかたです。

⼤大切切な会話をホストするための原理理

ワールドカフェは、ホストとゲストから構成されます。規模としては、少人数の ものから数百人規模の大きなものまであります。そのような設定の中で意味のあ

る会話をしていきましょう、というのです。実際には、以下の7つの原理に基づ いて、話し合いの場をデザインします。大切な会話をホストするための原理を紹 介しましょう。

• コンテクストを設定する

• もてなしの空間を創造する

• 大切な質問を探求する

• 全員の貢献を促す

• 多様な視点をつなげる

• 洞察に耳を澄ます

• 集合的な発見を共有する

1つ目は、コンテクストを設定します。どのような状況でこのワールドカフェを 開くのか、ということを設定します。2つ目は、全体としてもてなしの空間を創 造します。飲み物やお菓子を用意して、カフェのようなもてなしの空間をつくる のです。3つ目は、大切な質問を探求します。全体としてこういう質問をみんな で考えていきましょうと共有するのです。

4つ目は、全員の貢献を促します。大切な質問に対してなんらかの貢献をしてい こうと共通の認識を持つようにします。5つ目は、多様な視点をつなげます。参 加者のそれぞれ違った立場の多様な視点をつなげてみることが大事です。6つ目 は、洞察に耳を澄まします。会話を中心に展開していくので、相手の言っている ことはどういうことなのか耳を傾けます。

7つ目は、集合的な発見を共有します。ワールドカフェは、大人数でやる場合が 多いので、誰が何を発見したかではなく、みんなで大切な質問に対してどのよう な答えがあり得るのか、ということを共有することが大事です。このように、み んなで解決していこうとする空間をつくります。これらが7つの原理をつかった ワールドカフェのやりかたです。

カフェのエチケット

ホストやゲストは、ワールドカフェの会場でどのようにふるまえばよいか案内し ましょう。ワールドカフェのエチケットとして次の5つが挙げられます。

• 遊んでください! いたずらがきをしてください! 絵を描いてください

• あなたの考えと経験に基づいて貢献しましょう

• 理解するためによく聴きましょう

• アイデアをつなげましょう

• パターンや洞察、深い質問にともに耳を澄ませましょう

遊んでください!  いたずらがきをしてください!  絵を描いてください

ワールドカフェは、別に教室でも会議室でもないので遊んでよいのです。カフェ のテーブルには大きな紙が用意されているので、そこにいたずら書きをしたり、

絵を描いたりするのです。心地よいリラックスした雰囲気の中、話しをしたり手 を動かしたり、参加者はそのような行為をすることで、よいアイデアが浮かんで きたりするのです。

あなたの考えと経験に基づいて貢献しましょう

掲げられた問題は、どこかに正解があるという問題ではないのです。おそらく正 解はないかもしれません。いろいろと試行錯誤しながら解決していく問題である ことが多いので、自分の考えと経験に基づいて貢献しようとすればよいのです。

それが正解ではないかもしれませんが、それを出すことによって全体のアイデア を構成するために貢献できているのです。

理理解するためによく聴きましょう

洞察を得るために、会話をよく聴きましょう。相手は一体、今どういうことが言 いたいのか、ということをよく聴いてください。それが分かったら、あなたの考 えと経験に基づいて自分なりの貢献をしてください。たとえば、アイデアを拡張 するとか、あるいは、反論する、根拠を見つける、具体例を出す、いろいろな貢 献のしかたがあります。

アイデアをつなげましょう

ワールドカフェで会話を重視するのは、アイデアをつなげるためです。相手が 言ったことに対して、プラスアルファをして返してみましょう。相手はそれにさ らにプラスアルファをして何かを返します。このようなやり取りをすることでよ いアイデアが生まれます。ワールドカフェが会話を重視する意味は、このような ところにあります。

パターンや洞洞察、深い質問にともに⽿耳を澄ませましょう

ホストとゲストは、みんなで大切な質問に集中しながら、対話することを楽しみ ましょう。その対話の中にある新しいパターンを探したり、相手の洞察や深い質 問にいっしょになって耳を傾けます。このような行為をしながら、大切な質問に 対する答えをみんなで探していこうとすればよいのです。

ワールドカフェの実践例例

実際のワールドカフェの様子を見てみましょう。テーブルに着いて数人が会話を しています。くつろぎのある雰囲気の中、ポスターが貼ってある前に1人のホス トがいます。ホストはある問題を提示し、ゲストの人たちとポスターを見ながら 談話をしています。テーブルの中央には大きな用紙が置いてあり、よいアイデア が生まれたらそこに書き留めたり、絵を描いたりしながら進めています。このよ うに書きながら会話を進めていくと、思いもよらぬよいアイデアが浮かび上がっ てくるのです。

■ホームワーク

「これからの教育(学校、企業、あるいは社会の)をどうしたらよいか」という ことについて、自分の主張をまとめてください。

■⽂文献紹介

ブラウン、アイザックス『ワールド・カフェ』ヒューマンバリュー,   2007

ワールドカフェの考え方と方法について詳しく書いた本。

「結果を管理するのではなく、手段を管理すべきだという ことです。手段とは製造過程にある結果なのです」「全体 性とは、多くの異なる角度からシステムを見ることができ て、はじめて出現するのです」

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