5. ファシリテーション・グラフィック
5.3 ファシリテーション・グラフィックの⽅方法
ファシリテーション・グラフィックの⽅方法
それでは、どのようにグラフィックを作成すればいいのか、方法論についてみて いきましょう。ファシリテーション・グラフィックの基本的な方法には、次の4 つがあります。
1. 発言を要約する
2. 議論のポイントを強調する 3. ポイント同士の関係を示す 4. 図解ツールを使って構造化する
第一に、発言を要約することです。一人の人が話しだすと長い時間がかかってし まう場合もありますから、「それは要するにどういうことか」ということを要約 する力が求められます。
このときに、発言者の言葉はなるべくそのまま活かすことが望ましいです。発言 者の意図が反映したグラフィックが作成されることで、グラフィック自体が生き 生きしてくるというメリットがあります。
第二に、議論のポイントを強調する必要があります。話の流れの中で、重要だと 思うことは色を変えたりするなど工夫をすると、「議論の中で、いま何がポイン トなのか」ということを掴みやすくなります。
第三に、ポイント同士の関係を示す工夫が必要です。ポイント同士をグループ化 したり、矢印で結んだりして協調関係・対立関係・因果関係などを示します。こ のような工夫をすることにより、話の全体像がどういうふうになっているのか、
話し合いの参加者がつかみやすくなるというメリットがあります。
いままで、要約・強調・ポイントどうしのまとめというグラフィック作成のポイ ントをみてきました。それらを活かしてグラフィックを作成します。
グラフィックが伝わりやすいものであるには、図解ツールを使って構造的なグラ フィックを作成する必要があります。
• ツリー
• サークル
• チャート/フロー
• マトリクス
図解ツール1:ツリー
ツリーは、項目を分類したり階層化して表したりするときに向いています。
左側が一般的な図解の例です。右側はBBSやメールなどテキストで表現しなけれ ばならないときの例です。行頭の記号は自由に変えることができます。同じ階層 の項目を表すときには行の先頭の位置を揃えます。
図解ツール2:サークル
サークルは、項目を分類するときに向いています。
サークルは、文化人類学者の川喜田二郎が考案したKJ法に近い方法です。項目を たくさん洗い出し、似ているものを近づけて配置します。最後にグループにまと め、ラベルをつけます。ツリーとの違いは、階層が1階層で終わることです。
図解ツール3:チャート/フロー
チャート/フローは、手順を記述するときに向いています。
テキストで表現する場合は、分岐をYes/Noで表現します。
図解ツール4:マトリクス
マトリクスは、2つの軸によって項目を分類するときに向いています。
発散と収束
話し合いには、発散と収束の2つのモードがあります。
「発散する」モードでは、多様な意見や情報ができるだけたくさん出ることを促 進するデザインを利用し、話し合う中心的な議題から様々な意見を引き出しま す。
一方「収束する」モードでは、多様な意見や情報があるときに、そこから新しい 切り口や概念を見つけ出すことを目指します。
発散と収束は、混在していることもありますし、同時に起こっていることもあり ます。
発散と収束をグラフィック化する方法の代表的なものが、マインドマップとKJ法 です。マインドマップは発散にあったデザインであり、KJ法は収束にあったデザ インといえます。
マインドマップ
マインドマップは、この4つの図解ツールのうち1つ目のツリー型で書き下すこ とができます。マインドマップを書くときは、発想を広げるために中心コンセプ トから放射状にいろいろなアイデアをつなげていきます。しかし、それぞれのア イデアはすべて中心コンセプトから枝分かれしたものです。したがって、完成し たマインドマップはどんな複雑なものであってもツリー型に書き直すことができ るのです。