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られた. これらの値はコハク酸化されていないウシ皮膚コラーゲン(CSC)についての 実測値( 九=41 .6+0.7 oC, ムH =31 .2+0.8Jg-1) (図4・2 b) および報告されている

値(Komsa-Penkovaetαl. 1996) に近いことから, コハク酸による修飾の影響は小さい と考えられる. ま た, 根津らはポリアクリノレ酸との相互作用においてCSCと SCSC の問に本質的な差のないことを示し, コハク酸修飾の影響が深刻でないことを述べて し\る(Nezu& Winník 2000) .

一方, HEMAが共存すると, その濃度が増加するにつれてピーク位置, ピーク面積 はともに濃度に依存して変化した. HEMA濃度が低い領域では, SCSCの変性温度九 は4 0.3士0.8 oCから濃度とともに単調に低下してい った. 20 0/0で最低温度 36.9 +

0.5 oCに達した後, 九は増加に転じ , HEMA濃度80 0/0では九は67.7+1.2 oCに達し た(図4 - 3 a) . 変性エンタルピ一変化ムHも九と同様な濃度依存性を示し3 極小が HEMA濃度20 0/0 に現れた. しかし依存の仕方は九に比べて非常に急峻で、あり, はじ

め40.3 +0.8 J g-lであった値が , HEMA濃度200/0では3.2 +0. 7 J g-1に低下し, 800/0で は39 .9 + 0.6 J g-1まで回復した(図4-3 b) .

SCSC変性挙動のHEMA濃度依存性は,第3章で示されたBDC,BTC変性のHEMA 濃度依存性とよく対応するものであり, 水溶性コラーゲンであってもHEMA との相 互作用は不溶性コラーゲン と本質的に同じであるといえる. つま り3 熱分析から HEMA-コラーゲン 相互作用を考察する場合には3水溶性コラーゲンであるSCSCを象 牙質コラーゲンのモデルとして扱うことに大きな問題はないと考えられる. BDC,

BTCについて考察したのと同様に, SCSC についても上記の変性挙動のHEMA 濃度 依存性には, コラーゲン高次構造の不安定化と安定化の措抗する作用が関与している とみられる.

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4-3-2ゲ、ル滅過クロマトグラフィー

GPCの検出器として紫外検出器と示唆屈折計を用いたが,前者の方がベースライン の安定性と感度および再現性に優れていた. 以下は紫外検出器を用いて得られた クロ マトグラムについての分析結果 である. 示唆屈折計による モニターは紫外検出器の結 果に異常がなし1か確認する程度の用途にとどめている.

残基 モル濃度がlmMのSCSCについては, GPCのクロマトグラムに3つの明瞭な バンドが現れた(図4-4 ). 第1ピーク(図4-4, Pl)の溶出体積に=4.0 mlはカラ ムの空保持体積Voに相当することから,その成分は SCSCの高度凝集体に対応したも のであると思われるが, 会合数についての情報は得られない. また, に= 6.3 mlに現 れる第2ピーク(図4-4, P2)は幅が広く, 二つもしくはそれ以上の成分から 成っ ていると考えられる. に = 6.9 mlに位置する幅の狭い第3のバンド(図4-4, P3) は, 3つの成分の中で 溶出が最も遅いことから, この試料中で 検出される最もサイズ の小さい 成分 で, 単量体のSCSC 分子に対応すると考えられる .

H.EMAが共存する場合には, SCSC の溶出パターンはH.EMA 濃度に依存して変化 する. HEMA 濃度の増加につれて Plのピーク強度が 小さくなっていき, 0.020/0以上 で消失した(図4-5 a ) . このH.EMA濃度は, H.EMA/SCSC残基のモル比rに換算す ると約r=2に相当し, 前節のDSC測定実験で20 % HEMAを作用させた状態に対応 する. さらにH.EMA濃度が増すと, P3が主ピークとなるとともに, その溶出位置が 6. 9 mlから7.6 mlまでシフトした(図4-5 b). これに対してP2のには, HEMA濃 度0.05 0/0まで変わらなかった. HEMA濃度が 0.01 0/0を越えると, 第4のピーク(P4) が現れ, これはHEMA濃度が 増加するにつれて 明瞭になってきた. P4の溶出位置は

HEMA濃度にほとんど依らずには約7 ml でほぼ一定であった(図4-5 b).

P1 P2

a

P3

e

b

f

C

o 2 4 6 8 10 0 2 4 6 8 10

九(ml) 九(ml)

図4 -4 SCSCのゲ、ノレろ過クロマトグラム. Cscsc

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1 mM,

溶離液;蒸留水(中性pH), 0.5 ml min-1•

ピーク強度に関しては, P3, P4はHEMA濃度0.02 0/0を除いて, P2, P4は0.03 %を 除いて, 単純な濃度依存性を示している(図4-5a). 異常点である0.02"-'0.03 %の 濃度領域(r = 2"-'3)は, コラーゲンの変性温度, 変性エンタルピ一変化が極小をと る領域と一致している.

4-3 - 3 HEMAの作用によるコラーゲン構造への影響

GPCにおいてHEMA濃度の増加に伴い, SCSCの凝集体に相当すると考えられる Plのピーク強度が減少し, それに対応して SCSC単量体と考えられるP3ピーク強度

が増大するのは, HEMAの作用により凝集体の解離が進むことを示唆している.

また, P3の溶出体積がHEMA濃度の増加とともに大きくなっていくのは, 見かけ の体積が 小さくなっていることに対応し3 これはHEMAが SCSC の本来の三重らせ ん構造に影響を与えていることを意味する. 未変性のコラーゲン分子の三重らせん体 は主軸方向に伸張した剛直な構造で3 同ーの分子量を持つ他の形態に比べると回転半 径が非常に大きく, 等価球体の体積が大きくなる. 一方, この実験では溶出速度を0.5 ml min-1と, 比較的遅い 流速に設定しているので, 棒状の溶出物が流速方向に配向す るとは考えにくく,重心周りに回転して等価の球体として運動しているとみなした.

HEMAの作用によってその等価球体のサイズが小さくなったことは,構造の末端間距 離が減少したこと, すなわち, 分子の剛直性が失われるような構造変化がSCSCに生 じたか HEMAの脱水作用によって収縮し,軸および径方向の寸法が減少した可能性 が高い(図4 -5). しなしながら, 三重らせん構造が完全に 失われるまでの構造変化 は起こっていないと考えてよい. なぜならば, 前節で示したように, 広範な範囲にわ たってHEMA濃度を変化させて行ったDSC測定では九やムHの低下はあってもp

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