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リハビリテーション教育現場教育に対する課題

ドキュメント内 untitled (ページ 76-80)

理学療法士、作業療法士を養成する専門学校は、3 年制と 4 年制があり、1 年の違いでカリキュラ ムに差が生じる。ましてや、言語聴覚士を養成する専門学校には、入学時点で高校卒業程度と 4 年制大学卒業という条件の違いはあるにせよ、4 年制と2年制の差は大きい。 

最終目標が国家試験の合格であるために、指定の期間に試験合格の実力を身につけなければな らない。当然 1 年間もしくは2年間の余裕がある学校とは大きな差になってくる。 

これまで見てきたように、医療系療法士は現場でさまざまなコンピテンシーが要求され、その育成 に当たってはさまざまな教育訓練がなされなければならない。しかし試験合格が重要視されるため に、コンピテンシーの教育面がどうしても二義的になってしまう可能性が大であると思われる。  そ の結果実習などの場でかなり厳しい状況に置かれているのが現状ではないだろうか。 

また一定期間、学校からはなれて病院へ実習に行く場合に、学校からの定期的な教育、サポート が途切れてしまうという問題もある。結局実習に行く前に、現場の状況に近い形で事前訓練を行う ようなカリキュラムが規定されていないために、学生が実習の現場でかなり辛い立場になることも多 いようである。 

① IDの必要性

学ぶことが医学知識を始め非常に多岐にわたり、かつ人間心理の理解やコミュ ニケーション能力の醸成など課題が非常に多い中で、なんとかeラーニングなど の手法がリハビリ教育において効果的に用いられる可能性はないのだろうか。

特にこれまで、ID(Instructional Design)手法を使ったカリキュラムの策定などの 作業が、日本ではあまり積極的に行われてこなかったために、教授独自のカリキ ュラム開発、教授法などが主に執り行われており、確固とした教育方法論による 教材開発などが不十分であると考えられるのではないだろうか。

小・中・高校とは違って、専門学校、大学で教える場合には、教育方法論・教材 開発などの手法を習得する場が不足しているのが原因であると思われる。

 

② 時間などのリソース限界

教育現場では、教える教員の数、教える時間、限られた実習環境などで充分に 実習時間がなかったり、かつ個別の指導が行き届かない場合が多い。現実的に すべてのシラバスを吸収できるほどの時間的余裕がないのが現状である。

 

③ 人を対象にしたサービス

仕事相手が人でありかつ精神的にいろいろな問題をもかかえているケースの多 い人間であるために、その対応には非常に気を使い、かつPT・ST・OTにも高い 人間性が要求されるであろう。

またチームワークを中心として、コミュニケーションが重要な仕事のひとつになる 場合、単に本を読んで知識を吸収する教育では現場にでて全く困ってしまうペ ーパードライバーを育成するようなことにつながってしまう。

このような理由から、機能的・知識的な学習だけでなく、人との関わりの中で仕事 をしていくために、医療人としてのありかた、考え方を身につけさせることに苦労 している。したがって、このような人間性のところを単にeラーニングで教育のす べてをサポートしようとすると限界があるはずである。

ただし限定的であれば、現在の問題である教育時間が足りないとか、紙の資料 だけでは理解しにくいなどの問題を解決する手段として、コンピュータを使った 教育が必要であると思われる。

 

④ 医療現場の不在

在学中に病院に実習に行くとは言っても、PT・ST・OTとして習得できるには充分 な時間とは言えない。また付属病院を有しない専門学校は、学校が臨床現場か ら離れているために、学生だけでなく、教員までもが現場の雰囲気や現状を伝 えられないケースが増えているということである。

現場の状況を言葉で伝えてもなかなかイメージしにくいこともあって、学生にとっ ては非常に理解しがたい内容のようである。

この問題は卒業したら即現場に配属される学生たちにとっては、大きな試練・変 化であると考えられる。

 

⑤ 卒業後の教育体制

卒業後 PT・ST・OT として就労するのが一般的であるが、卒業時期に国家試験

があるために在学中の勉強は試験に合格することに重要度が置かれている。そ のため現場に出てからの実践的な能力開発まで手が回らない状況であろうと考

零細企業に就職するとほとんど研修の機会は与えられず現場で先輩に教わりな がら習得するしかないのである。

しかし技術進歩が激しい業界では(リハビリテーションも IT 利用により益々高度 化している)、卒業後教育訓練されなければ、あっという間に使えない人材となっ てしまうのである。

このため、学校は卒後も卒業生をサポートし継続的に教育を受けさせるサービス を展開すべきかもしれない。その意味ではeラーニングという媒体を使い、場所 や時間の制限なしに学べるような環境を整備することにより、学校は生涯にわた り療法士のスキルアップを図ることは大切な役割・機会となるはずである。

   

第 第 3 3 章 章

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3 インストラクショナルデザインの調査・分析とリハビリテーション

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