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ラジオの心理相談番組における相談の談話の構造

ドキュメント内 機能文型に基づく相談の談話の構造分析 (ページ 155-196)

5.1 ラジオの心理相談番組における「談話」と「大話段」

本研究の心理相談3資料【資料4】【資料5】【資料6】の発話総数は 5,779 発話である。

心理相談の3資料の発話総数等の詳細は,【表3-4】の通りである。

【表3-4】 心理相談の談話資料の基礎情報

談話資料 【資料4】 【資料5】 【資料6】 心理相談 心理相談 放送日時 2001.9.20 2001.10.18 2001.11.2 の の

司会者 A.K A.K A.K 発話総数 平均発話数

アナウンサー アナウンサー アナウンサー 回答者 UM病院院長 心理カウンセ

ラー 児童精神科医

S.T氏 U.R氏 S.E氏

発話総数 2,016発話 2,151発話 1,612発話 5,779発話 1926.3発話

相談件数 4 3 2

9

相談件数平均

 祖母からの相談 4 0 0

4 3件

 母親からの相談    0 2 2

4

 本人からの相談 0 1 0

1

相談者不参加の相談 0 0 0

0

3資料は,すべて医療相談と同じアナウンサーによるものであり,回答者は,カウンセ ラーや,精神科医である。3資料の平均発話数は,1926,3発話,また,電話相談の相談件 数の平均は,3件である。

本章での「談話」も,医療相談と同じく,ラジオの放送1回分とする。また,「大話段」

は,ラジオの放送1回分の「談話」が「開始」し,「展開」し,「終了」するという構造を 主軸に置いて認定した,以下の5類6種である。医療相談と比較すると,心理相談もラジ オの番組であるということから,「Ⅰ.番組開始の大話段」,「Ⅱ.番組展開の大話段」,「Ⅲ.

番組継続の大話段」「Ⅳ.番組終了の大話段」「Ⅴ.ニュース・音楽の大話段」が全てに現 れていることが共通している。

しかし,心理相談には,「Ⅱ-2.電話相談の補足解説の大話段」が見られない。心理相談 は,相談者の相談内容が個別であることから,「Ⅱ-1.電話相談の談話」で,各相談者との 電話相談が終了したあとは,次の「Ⅱ-1.電話相談の談話」へ移るか,「Ⅲ.番組継続の大

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話段」「Ⅴ.ニュース・音楽の大話段」「Ⅳ.番組終了の大話段」へ展開する。

Ⅰ.番組開始の大話段

Ⅰ-1.番組案内の大話段

Ⅰ-2.番組のテーマに関わる一般的解説の大話段

Ⅱ.番組展開の大話段 Ⅱ-1.電話相談の談話 Ⅲ.番組継続の大話段

Ⅳ.番組終了の大話段

Ⅴ.ニュース・音楽の大話段

【表5-1】は,心理相談の3資料における大話段の展開を示したものである。また,

【表5-2】は各大話段における参加者別発話数を資料別に示したものである。

医療相談と同じく,「Ⅰ-1.番組開始の大話段」,「Ⅲ.番組継続の大話段」「Ⅳ.番組終 了の大話段」は,司会者による発話がほとんどである。まれに回答者の発話が数発話見ら れるが,あいづちを打つか,司会者の挨拶に対して,挨拶を返すのみの発話である。

ラジオの相談番組で,最も中心的な大話段は,「Ⅱ.番組展開の大話段」である。また,

「Ⅱ-1.電話相談の談話」は,唯一相談者が参加する大話段であり,相談者と回答者のや りとりが行われるため,「大話段」ではなく,「談話」とみなす。

(例5-1)「Ⅰ-1.番組開始の大話段」

1 司 では、ここから、2時台にかけて、

2 司 「暮らしの電話相談」です。

3 司 毎週木曜日は、「子どもの心相談」をしています。

4 司 今日、皆さんからの相談にお答え頂くのは、東京都立梅が丘病院院長の、ST先 生です。

5 司 ST先生、どうぞよろしくお願い致//しまーす。

6 回 あっ、よろしくお願いしまーす。

7 司 えーっと、この時間も、皆さんからの相談の受付をしています。

8 司 受付電話番号は、03、3485888です。 【資料4】

【資料4】 【資料5】 【資料6】

Ⅰ.番組開始の大話段 Ⅰ.番組開始の大話段 Ⅰ.番組開始の大話段

 Ⅰ-1.番組案内の大話段  Ⅰ-1.番組案内の大話段  Ⅰ-1.番組案内の大話段

Ⅱ-①.番組展開の大話段 Ⅱ-①.番組展開の大話段 Ⅱ-①.番組展開の大話段

 Ⅱ-1-1.電話相談の談話  Ⅱ-1-1.電話相談の談話  Ⅱ-1-1.電話相談の談話

【資料4-1】 【資料5-1】 【資料6-1】

 Ⅱ-1-2.電話相談の談話  Ⅱ-1-2.電話相談の談話

【資料4-2】 【資料5-2】

Ⅱ-②.番組展開の大話段 Ⅱ-②.番組展開の大話段 Ⅱ-②.番組展開の大話段

 Ⅱ-2-3.電話相談の談話  Ⅱ-2-3.電話相談の談話  Ⅱ-2-2.電話相談の談話

【資料4-3】 【資料4-3】 【資料6-2】

 Ⅱ-2-4.電話相談の談話

【資料4-4】

(注)大話段の「Ⅰ.番組開始の大話段」,「Ⅱ.番組展開の大話段」,「Ⅲ.番組継続の大話段」,

「Ⅳ.番組終了の大話段」のうち,「Ⅱ.番組展開の大話段」,「Ⅲ.番組継続の大話段」は,複数 回現れるため,出現回数を丸数字の枝番で示した。

【表5-1】心理相談の談話における大話段の展開

Ⅰ-2.番組のテーマに関わる 一般的解説の大話段

Ⅰ-2.番組のテーマに関わる 一般的解説の大話段

Ⅲ-1.番組継続の大話段

Ⅳ.番組終了の大話段 Ⅳ.番組終了の大話段

Ⅲ-2.番組継続の大話段 Ⅲ-2.番組継続の大話段 Ⅴ-2.別番組{ニュース・音楽}

Ⅴ-2.別番組{ニュース・音楽}

Ⅲ-2.番組継続の大話段

Ⅲ-3.番組継続の大話段 Ⅰ-2.番組のテーマに関わる

一般的解説の大話段

Ⅲ-1.番組継続の大話段

Ⅴ-1.別番組{ニュース・音楽}

Ⅴ-2.別番組{ニュース・音楽}

Ⅲ-1.番組継続の大話段

Ⅴ-1.別番組{ニュース・音楽} Ⅴ-1.別番組{ニュース・音楽}

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大話段 司会者 回答者 相談者 沈黙 合計

(資料別)発話 総数に対する

割合

479 535 0 0 1014 17.6%

47.2% 52.8% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料4】 181 169 0 0 350 17.4%

51.7% 48.3% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料5】 184 179 0 0 363 16.9%

50.7% 49.3% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料6】 114 187 0 0 301 18.7%

37.9% 62.1% 0.0% 0.0% 100.0%

88 11 0 0 99 1.7%

88.9% 11.1% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料4】 24 3 0 0 27 1.3%

88.9% 11.1% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料5】 38 4 0 0 42 2.0%

90.5% 9.5% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料6】 26 4 0 0 30 1.9%

86.7% 13.3% 0.0% 0.0% 100.0%

391 524 0 0 915 15.9%

42.7% 57.3% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料4】 157 166 0 0 323 16.1%

48.6% 51.4% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料5】 146 175 0 0 321 14.9%

45.5% 54.5% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料6】 88 183 0 0 271 16.8%

32.5% 67.5% 0.0% 0.0% 100.0%

848 1626 2265 18 4757 82.4%

17.8% 34.2% 47.6% 0.4% 100.0%

【資料4】 353 505 802 2 1662 82.6%

21.2% 30.4% 48.3% 0.1% 100.0%

【資料5】 382 528 875 1 1786 83.1%

21.4% 29.6% 49.0% 0.1% 1

【資料6】 113 593 588 15 1309 81.3%

8.6% 45.3% 44.9% 1.1% 1

848 1626 2265 18 4757 82.4%

17.8% 34.2% 47.6% 0.4% 100.0%

【資料4】 353 505 802 2 1662 82.6%

21.2% 30.4% 48.3% 0.1% 100.0%

【資料5】 382 528 875 1 1786 83.1%

21.4% 29.6% 49.0% 0.1% 100.0%

【資料6】 113 593 588 15 1309 81.3%

8.6% 45.3% 44.9% 1.1% 100.0%

52 4 0 0 56 1.0%

92.9% 7.1% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料4】 16 2 0 0 18 0.9%

88.9% 11.1% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料5】 20 1 0 0 21 1.0%

95.2% 4.8% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料6】 16 1 0 0 17 1.1%

94.1% 5.9% 0.0% 0.0% 100.0%

12 2 0 0 14 0.2%

85.7% 14.3% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料4】 0 0 0 0 0 0.0%

0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00%

【資料5】 9 1 0 0 10 0.5%

90.0% 10.0% 0.0% 0.0% 100.0%

【資料6】 3 1 0 0 4 0.2%

75.0% 25.0% 0.0% 0.0% 100.0%

0 0 0 0 0 0.0%

0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

【資料4】 0 0 0 0 0 0

0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

【資料5】 0 0 0 0 0 0

0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

【資料6】 0 0 0 0 0 0

0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

参加者別発話数合計 1327 2161 2265 18 5771 100.0%

発話総数に対する割合 23.0% 37.4% 39.2% 0.31% 100.00%

各大話段は太字で示す。

各大話段の下段に,各大話段の合計に対する割合を示す。

表右欄に,発話総数1576発話に対する,各大話段の合計の割合を示す。

参加者別の発話数を見るために,本表では,参加者別の発話数合計には,「Ⅴ.別番組の大話段」に付した2発話 は含まない。

ニュースや音楽に付した発話数を含めると,発話総数は,5777発話である。

Ⅱ.番組展開の大話段

 Ⅱ-1.電話相談の談話

Ⅴ.別番組{ニュース,音 楽}

Ⅲ.番組継続の大話段

Ⅳ.番組終了の大話段

「Ⅰ.番組開始の大話段」における「Ⅰ-1.番組開始の大話段」「Ⅰ-2.番組のテーマに関わる一般的解説の大 話段」,および,「Ⅱ.番組展開の大話段」における「Ⅱ-1.電話相談の談話」「Ⅱ-2.電話相談の補足解説の大 話段」の割合は,資料別の発話総数に対する割合を示す.

 Ⅰ-2.番組のテーマに関 わる一般的解説  Ⅰ-1.番組案内の大

話段

【表5-2】 心理相談の大話段における参加者別発話数

Ⅰ.番組開始の大話段

「Ⅲ.番組継続の大話段」は,5発話未満の短いものである。

(例5-2)は,333~341 司,「Ⅴ.別番組の大話段」をはさみ,343~349 司がそれぞ れ「Ⅲ.番組継続の大話段」である。

(例5-2)「Ⅲ.番組継続の大話段」,「Ⅴ.別番組の大話段」

333 司 さあ、今日は、//「子どもの心相談」を致します。

334 回 はい。

335 司 お答え頂くのは、東京都立梅が丘病院、院長の回T先生です。

336 司 この時間も、皆さんからの相談の受付をしています。

337 司 受付電話番号は、03、34858888。

338 司 03の34858888番です。

339 司 えー、8が四つです。

340 司 番号のお間違えのないように、お願い致します。

341 司 時刻は、1時55分になります。

342- 《各地のニュース、全国のニュース》

343 司 2時10分を過ぎています。

344 司 「ラジオホッとタイム」、今週は、有江活子がご案内役です。

345 司 では、この時間は、「子どもの心相談」を致します。

346 司 お答え頂くのは、東京都立梅ヶ丘病院院長のST先生です。

347 司 ST先生、よろしく//お願い致します。

348 回 はい、あっ、よろしくお願いします。

349 司 はい。 【資料4】

「Ⅳ.番組終了の大話段」は,司会者が番組を終了する旨を聴取者に伝え,回答者を再 度,最後に紹介し,回答者へ礼を述べる大話段である。回答者の発話が3資料ともに1発 話ずつあるのは,司会者の礼に答える儀礼的な発話である。

「Ⅳ.番組終了の大話段」も 10 発話以内の短い大話段である。【資料5】では,2146 司 から,明日の電話相談番組のテーマの予告もしている。

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(例5-3)「Ⅳ.番組終了の大話段」

2142 司 えー、この時間は、「子どもの心相談」を致しました。

2143 司 スタジオのアドバイザーは、心理カウンセラーのURさんでした。

2144 司 ありがとうございま//した。

2145 回 どうも失礼致しましたー。

2146 司 明日のこの時間、1時、えー、1時45分から2時台にかけての、「暮らしの電 話相談」は、「余暇を楽しく」庭木についての電話相談を致します。

2147 司 明日も、皆さんからの相談の受付、1時から始めます。

2148 司 午後1時から始めます。

2149 司 受付電話番号は、03、34858888。

2150 司 03の34858888番です。

2151 司 2時55分になります。 【資料5】

「Ⅰ.番組開始の大話段」の中の「Ⅰ-2.番組のテーマに関わる一般的解説の大話段」

は,回答者が聴取者に向けて,番組のテーマに関連する解説を行う大話段で,心理相談の 場合も,司会者と回答者の対話である。まず,司会者が回答者に,質問をし,解説を促し,

回答者の解説が開始する。司会者は,あいづちを打ちながら聞いたり,質問をしたりして 展開する。

【資料4】では「子どもの心身症について」,【資料5】では「よい子の落とし穴」,【資 料6】では「トラウマについて」の一般的な解説が行われる。

(例5-4)は,10 司から「Ⅰ-2.番組のテーマに関わる一般的解説の大話段」が開始 する。12 司で,「なにか、最近は、子どもたちの間にも、「心身症」が増えているのだそう ですねー。」と問題の提示をした後,

20

司「一体、子どもの、えー、子どもたちの心とか、

体の中に、どういうことが起きているんでしょうか。」という質問をし,21 回から回答者 の解説が始まる。

(例5-4)

10

司 皆さんからの相談にお答え頂く前に、

11

司 少し先生に、お話を伺いたいと思います。

12

司 なにか、最近は、子どもたちの間にも「心身症」が増えているのだそうですねー。

13

回 はい。

14

司 ええ。

(略)

20

司 一体、子どもの、えー、子どもたちの心とか、体の中に、どういうことが起きて いるんでしょうか。

21

回 はい。

22

回 そうですねー、あのー、人間は生きてますと、

23

回 子どもさんたちもそうですけども、

24

司 ええ。

25

回 生きてますと、

26

回 あのー、まず、おうちの中の悩みとか、

27

司 はい。

28

回 それから、学校の悩みとか、

29

司 ええ。

30

回 あるいは、ご、ご自身ー、ご自身の悩みとか、

31

司 うーん。

32

回 あるいは、その地域とか、まあ、たくさんの悩みがあって、

(略)

38

回 あのー、幼いお子さんですと、

39

回 その、悩みを悩みと感じられないということと、

40

司 ええ。

41

回 それが、これがお母さん、これが辛いんだよーっというふうに、

42

回 表現ができないという、

43

司 あーー。

44

回 未発達の部分があるので、

45

司 はい。

46

回 あのー、体で表現をするという//ことが、もう、しばしば見られますね。

47

司 ええ。

48

司 はい。【資料4】

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