ヨーロッパにおける景観保護の長い伝統とヨーロッパ諸国 による保全の取組によって、景観に関連する多くの法規が欧 州評議会の枠組みのなかで作成されてきた。
参考文献等
欧州評議会のウェブサイトを参照。
http://www.coe.int/
持続可能な景観を支援する政策実施、教育、最先端の 科学を融合させた景観評価および計画、管理を専門と する国立研究所の学際的なネットワークであるランド スケープ・ヨーロッパなど、ほかの組織のウェブサイ トを参照のこと。
http://www.landscape-europe.net/
Europe’s living Landscapes. Essays exploring our identity in the countryside (2007) ed. by B. Pedroli, A. van Doorn, G.
de Blust, M.L. Paracchini, D. Wascher & F. Bunce, KNNV Publishing (The Netherlands) , Landscape Europe (共同刊 行), 432 pages.
汎ヨーロッパ生物的・景観的多様性戦略
欧州環境大臣は、1995年10月に、生物多様性に関する条 約を実施する手段として、汎ヨーロッパ生物的・景観的多様 性戦略を採択し、ヨーロッパ全土において景観を位置づけた。
それは、ヨーロッパの景観およびそれをとりまく開発圧力に 関する詳細な検討に基づくものであった。景観価値という概 念が出現してきたのは、ヨーロッパ人に共有されるアイデン ティティの感覚が成長してきたからであり、また、配慮に欠 けた土地利用と開発、維持の放棄、汚染や資源乱獲によって 各国の景観に生じていたヨーロッパ全土に共通する脅威に呼 応してきたためでもあった。
参考文献等
Stanners, D., and P. Bordeau (eds.), 1995. Europe’s Environment: The Dobris assessment, Copenhagen, European Environment Agency.
欧州景観条約
欧州景観条約は、具体的な課題として景観を扱う唯一の国 際文書である。したがって、それは、両条約(欧州景観条約 および世界遺産条約)の締約国における世界遺産の文化的景
観に関連する課題が示されたより広い文脈に基づくものであ る。
本条約は、2000年10月に、フィレンツェ(イタリア)で 欧州評議会によって採択された。条約において、景観とは、
人びとの環境の不可欠な要素であると理解されている。地域 文化の形成に寄与し、ヨーロッパの自然および文化遺産の基 礎的要素であり、人類の福利およびヨーロッパの固有性の強 化に寄与するものである。
本条約は、地元や地域、国、そして国際的なレベルにおいて、
政策や措置を採択する公的機関がヨーロッパ全域にわたって 景観を保護、管理、計画することの促進を目的としている。
それはすべての景観、すなわち、傑出したものからありふれ たものまで、また、田園景観や郊外景観、都市景観も含めて、
人びとの生活環境の質を決定するすべての景観を対象として いる。条約の条文には、保護、管理、改善を通じて厳格に保 全を図るものから新たな景観を計画的に創造するものに至る まで、さまざまなタイプの行動を求める景観の特質に応じて 柔軟なアプローチが提示されている。
本条約は、「景観政策」を形成し、地方政府と中央政府の あいだの対話のみならず、景観保護に関して国境を越えた協 力体制の構築を推進することを目指して、国内的および国際 的なレベルでの法的、財政的措置の確立を求めている。そこ には、ニーズに応じて各国が適用できるさまざまな解決策が 示されている。条文に位置づけられている欧州評議会景観賞 は、景観を保護、管理、計画する模範的かつ永続可能な政策 や手段を示した地元や地域の公的機関、あるいはNGOに対 して授与される。
本条約では、農林業、鉱工業の生産技術並びに都市計画、
交通、都市基盤、観光およびレクリエーションの発展、一般 的に世界経済の変化が、往々にして景観の変容を継続的に促 進する効果があることを指摘している。また、条約には、市 民が、景観の発展において積極的な役割を担い、そのことに よって質の高い景観を享受することへの期待が示されてい る。言い換えれば、景観は個人的かつ社会福利の鍵となる要 素であり、かつ、その保全はすべての人びとにとって権利お よび義務であるとの認識である。 2008年6月の時点で、欧 州景観条約は、29のヨーロッパ諸国で発効しており、ほかに 6ヶ国が署名済であるが現在のところ批准していない。
参考文献等
欧州景観条約の全条文は、以下のウェブサイトにて参 照できる。
http://conventions.coe.int
IUCN Commission on Environmental Law, 2000.
Landscape Conservation Law: Present Trends and Perspectives in International and Comparative Law, IUCN Environmental Policy and Law paper No.39, Gland (Switzerland), and Cambridge (UK), IUCN.
Naturopa, no. 86, 1998, Landscapes: the setting for our lives; no. 95, 2001. European rural heritage.
Dirk M. Wascher (ed.), 2000. The Face of Europe, Policy Perspectives for European Landscapes, Tilburg, European Centre for Nature Conservation.
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世界遺産の文化的景観 ― 保全・管理のためのハンドブック
http://www.ecnc.nl/
Agnoletti, Mauro (ed.), 2006. The Conservation of Cultural Landscapes, Wallingford, CABI, & Cambridge, M.
A.
文化的景観管理の枠組み
ビニャーレス渓谷(キューバ)©UNESCO/Herman van Hooff
文化的景観管理の枠組み 2
文化的景観管理の枠組み