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ドキュメント内 胡 浩 (ページ 44-74)

資 源 の 採 取

材 料・ 燃 料 等 の 製 造

機 器 等 の 生 産

流 通

・ 使 用

・ 消 費

廃 棄

・ リ サ イ ク ル 機器

建設 運用・保守

撤去・

リサイクル

環境への排出

廃棄物 廃熱

など 大気への排出物 水域への排出物 土壌への排出物

音・振動・臭気

環 境 影 響

人体影響 地球環境 生態影響 労働環境 空間消費 景観変更など 資源・エネルギーの投入 プラント

技術のライフサイクル

人間の健康 生態系の健全性 持続的発展 環 境 目 標

投入

定量評価

排出

枯渇性資源・

エネルギー 更新性資源・

エネルギー 無尽蔵資源・

エネルギー 再生資源・

エネルギー

図2.2 TLCA の概念

2.2.2 BAS評価における全体のフロー

図 2.4 に示すように、BAS 評価ソフトは、現状の一般廃棄物処理システムに 対応したごみ質の設定、分別・収集区分の設定を行った上で、中間処理、最終 処分・リサイクルの評価を行う流れとなっている。評価結果を保存し、分別・

収集区分の変更や処理方式の変更等を行った場合の環境負荷と経済性(コスト)

との比較を行うことが可能なケーススタディ機能を有している。さまざまな一 般廃棄物の分別区分に対応した設定が可能となるよう配慮していること、処理 技術の組み合わせを選択する方式によってさまざまな処理方式を評価可能とし ていること、デフォルト値によって評価に必要なデータが不足している場合に も評価可能としていること等の特長がある。

タイトル・ガイダンス ユーザー情報の登録 現状システムの評価

ケーススタディ

現状システムの評価結果(ELP・コスト)

収集評価

中間処理評価

収集設定 可燃物処理 不燃物処理 粗大ごみ処理

資源物処理

輸送評価 輸送設定

埋立評価 最終処分場

評価結果の保存

施設選択

・焼却施設

・ガス化溶融施設

ごみ質・分別区分・収集・処理方式等の設定 例)

図2.4 BAS評価における全体のフロー 2.3 統合化指標 ELP の活用

環境問題への認識については、多方面における全体的な視点で捉えることが 重要であり、LCA の統合化手法の開発が行われている。統合評価の方法は、大 きく 3 つに分類される。すなわち、基準値換算法(Distance to Target)、費用換 算法(Manetarization)およびアンケート法(Panel Method)である。

基準値換算法とは、科学的あるいは政治的な環境上の目標に対する乖離度に 応じて環境問題の優先順位を決定しようする方法であり、その代表例としてオ

ランダの Eco-indicator 法 2-20)、スイスのEco-point 法 2-21)が挙げられる。

費用換算法とは、環境影響として発生する全てのインパクトカテゴリーへの 寄与を通貨単位で表現し、統合化を行うものである。支払い意思額による評価 が一般的であるが、①対策の実施に最大いくら払うか(Willing to Pay)、対策が 実施されないときいくらの保証が必要か(Willing to Accept)という観点から評 価 す る 。 ス ウ ェ ー デ ン で 開 発 さ れ た EPS(Environment Priority Strategies for Product Design)2-22)の考え方を導入している。

アンケート法は、環境への影響を改善する優先順位をアンケート調査を基に 相対的に決定する手法である。早稲田大学永田研究室では 9 つのインパクトカ テゴリー(エネルギー枯渇、地球温暖化、オゾン層破壊、酸性雤等)を設定し、

本手法によりカテゴリー間のウェイト付けを行い、統合化指標 ELP として統合 化している。本研究では、環境面での評価においてはこの統合化指標 ELP を導 入して、BAS 評価手法の開発を行う。統合化指標 ELP の算出方法の概略を以下 に説明し、詳細についてはアペンディックスを参照する。

この手法においては特性解析段階での重み付けに表2.1の係数を用いている。

また、ELP は図 2.5 に示す式で表される。カテゴリー重要度に加えて、個別環 境項目ごとの年間投入・排出量をカテゴリー間の重み付けに用いる方法である 。 したがって、扱うことのできる個別環境項目が限定されるが、評価対象が単独 でも統合化指標が得られ、全く異なる分野のものでも比較評価するのに適して いる。ELP では、インパクトカテゴリーとして、エネルギー枯渇、地球温暖化、

オゾン層破壊、酸性雤、資源消費、大気汚染、海洋・水質汚染、廃棄物処理問 題、生態系への影響の 9つを取り上げている。関連文献等を参考に、CO2、NOx、 BOD や重金属等の各個別環境項目に対する各カテゴリー内の重み 付け係数を 整理し、これを用いて各カテゴリーの指標値を得る「特性解析」を行う 。

さらに、この「特性解析」の結果にアンケート調査より得たカテゴリー重要

度(図 2.6)2-23)を乗じ合算することで、統合化指標 ELP が求められる。なお、

この際、規準化には日本の年間総投入・排出量を用いている。すなわち、はじ めにカテゴリーj ごとの各個別環境項目 k の重み付け係数(Cjk)に、原油、

石炭などの年間総投入量および CO2、NOx などの年間総排出量(TQk:世界値 と日本値を設定したが今回は日本値を使用)を乗じ合算する。この値をカテゴ リーごとの年間総負荷(Aj)とする。次に各個別項目の投入・排出量(Qik) に重み付け係数(Cjk)を掛け、年間総負荷(Aj)で割り、カテゴリーごとの 指標(CPij)、すなわち「特性解析」を行う(i は対象とする製品や事象を意味 する)。カテゴリーごとの指標(CPjk)にアンケートから得られたカテゴリー 重要度(Wj)を掛け ELPi を算出する。なお、同じ物質でも複数のカテゴリー に存在する場合(例えば、SOx は酸性雤と大気汚染に存在する)は、両者にお いて考慮する。そして、インベントリー分析からの投入・排出量を掛け合算す ることで ELP を算出する。

この方法によって、評価される製品(もの)ごとに統合化された指標が得ら れることから、全く機能単位が異なるもの同士(例:自動車と PET ボトル)を 評価する上ではこの方法が有効となる。

表2.1 ELP におけるインパクトカテゴリーと重み付け係数

インパクトカテゴリー 重み付け係数 対象項目数

エネルギー枯渇 低発熱量/可採年数 (原油=1) 5

地球温暖化 GWP  (CO =1) 38

オゾン層破壊 ODP (CFC-11=1) 24 酸性雨 AP [酸性化ポテンシャル] (SOx=1) 7

資源の消費 1/可採年数 (鉄鉱石=1) 32

大気汚染 1/環境基準 (SOx=1) 10

海洋・水質汚染 1/環境基準 (BOD=1) 37

廃棄物処理問題 1 [重量換算] 1

生態系への影響 ECA [水圏生態毒性定量化ファクター] (Cr=1) 32

*1 IPCCの最新データより  *2 括弧内の項目を1として相対化

*3 原油の消費を含まず

*1

*2

*3

*2

*2

*2

*2

*2

*2

*2

100 2

:製品あるいは事象

:製品あるいは事象

:製品あるいは事象

:製品あるいは事象

:インパクトカテゴリー

:インパクトカテゴリー

:インパクトカテゴリー

:インパクトカテゴリー

:個別環境項目

:個別環境項目

:個別環境項目

:個別環境項目

〔 ELP 〕 〕 〕 〕

Aj ==== ΣΣΣΣ (((( Cj , k ×××× TQk ))))

k

ELFk ==== ΣΣΣΣ (((( Cj , k ×××× Wj A j )))×××1010101016161616

j

ELPi === Σ= ΣΣΣ (((( ELFk ×××× Qi , k ))))

k

ELP i::::i製品あるいは事象の統合化指標製品あるいは事象の統合化指標製品あるいは事象の統合化指標製品あるいは事象の統合化指標 A j ::::jカテゴリーごとの年間総負荷カテゴリーごとの年間総負荷カテゴリーごとの年間総負荷カテゴリーごとの年間総負荷

C j , k ::::jカテゴリー内のカテゴリー内のカテゴリー内のカテゴリー内のk項目の重み付け係数項目の重み付け係数項目の重み付け係数項目の重み付け係数 TQ k ::::k項目の年間投入・排出量(kg)項目の年間投入・排出量(kg)項目の年間投入・排出量(kg)項目の年間投入・排出量(kg)****

W j ::::jカテゴリーの重要度カテゴリーの重要度カテゴリーの重要度カテゴリーの重要度

ELF k ::::k項目の統合化係数(ELP/kg)項目の統合化係数(ELP/kg)項目の統合化係数(ELP/kg)項目の統合化係数(ELP/kg)

Q i , k ::::i製品あるいは事象における製品あるいは事象における製品あるいは事象における製品あるいは事象におけるk項目の投入・排出量(kg)項目の投入・排出量(kg)項目の投入・排出量(kg)項目の投入・排出量(kg) 添字添字添字

添字 i j k

*年間投入・排出量は日本値,世界値を設定

*年間投入・排出量は日本値,世界値を設定

*年間投入・排出量は日本値,世界値を設定

*年間投入・排出量は日本値,世界値を設定

図2.5 ELP の算出方法

0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25

エネルギー枯渇

地球温暖化

オゾン層破壊

酸性雨

資源の消費 大気汚染

海洋・水質汚染 廃棄物処理問題

生態系への影響

LCA専門家 企業内環境専門家 環境科学者

ヨーロッパ環境科学者 化学系学会会員 環境一般 早大理工 学生 大妻女子大 学生 釜山水産大 学生 アムステルダム大 学生

図2.6 統合化指標 ELP におけるカテゴリー重要度(AHP 階層法)

2.4 中間処理および最終処分・リサイクルの評価方法の確立

一般廃棄物処理システムの評価では、「中間処理および最終処分・リサイクル」

と「収集・回収」の評価に大別することができる。本節では、前者について具 体的な評価方法を記述し、後者については 2.5節で詳述する。

2.4.1 中間処理等における環境負荷・コストの算出方法

原則的には、対象となる中間処理の評価範囲について、環境負荷データおよ びコストデータに関する集計を行うことにより評価を行う。環境負荷に関して は、対象となる処理施設の LCI(Life Cycle Inventory)データを用いて前述の統 合化指標 ELP に換算して評価を行うこととなる。図 2.7 に示す投入・排出量お よびコストを集計することによって、ELPおよびコストを算出する。

ここで、焼却処理施設において、投入ごみの発熱量により施設でのエネルギ ー投入量および焼却発電量等が左右され、シミュレーションを正確に実施する ために、投入ごみの質と組成に関するデータを入力することが必要であり、ご み質・組成の正しい推測や設定方法の検討が必要である。また、環境負荷に関 するデータは、プラントメーカーによる設計・計画値にもとづいて集約されて おり、実測データがない場合でもシミュレーションできるように、あらかじめ デフォルト値の設定を行っている。

このような BAS 評価を実施することによって、現在施行している処理体系を 変更することで、環境負荷・コストがどれだけ変化するのかを示し、その結果

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