4.5 ケーススタディ公開後の情報伝播効果の調査と考察
4.5.3 ユーザコメントが誘発した情報伝播
本小節では,ユーザのコメントが情報伝播に与える影響を分析する.
ユーザのコメントが記録されたタイムラインのスクリーンショットを図9に示す.調 査期間中に55件のコメントが得られた.また,得られたコメントの一部を図10に挙げ る.なお,資料そのものに対する不適切なコメントや,本発信手法に対する否定的な コメントは得られなかった.以得られたコメントは,以下の5つのタイプであった.
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図9: ユーザのコメントが記録されたタイムライン
(ア)「読んでほしい」といったケーススタディの紹介 (イ)「紹介/手法への感想」といった発信手法への評価 (ウ)「フォローしました」という報告
(エ)非公式リツイート(RTを付けて資料を再投稿) (オ)資料に対する感想とメッセージ
ここでは,得られたコメントのうち,(ア)(イ)(ウ)をケーススタディの取り組みに関 するコメント,(エ)(オ)を証言資料に関するコメントと位置付ける.コメントがユーザ の情報伝播に与える影響について分析する.
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・ぜひ読んで欲しい→@AshiyuBot被災地で足湯のボランティアをしている方が,ほろりと漏れる 被災者の本音をツイートしている.忘れてしまいがちな被災者への悼みがリアルに蘇った
・何日か前にTLで知った足湯のつぶやきBOT @AshiyuBot
・被災地で足湯をやるボランティアをしてるひとたちが現地で,足湯に浸かってるひとからふと漏 れた言葉をbotで流してる@AshiyuBotがすごくよい.なんというか,発言のライブ感が決してテ レビカメラ向けたインタビューとかでは出ないものがある.
・足湯のつぶやきBOT(@AshiyuBot)というのがありまして.忘れそうだなーとかどんなこと 思ってたのかなーとか気になる人はフォローしてみるといいかも?見る人によるかもしれないけど,
ちょっとだけでも理解が進むかな,なんて.
・RT @AshiyuBot: 私は1歩3歩の差で助かったの,本当に.私の前言ってた人は波にのまれて,
私は横に逃げたから助かったの.もう四つ足(よつんばい)で逃げたの.波が信号の上からカーテ ンみたいに来て.着たままで(逃げた)これしか持ってない.(4/19陸前高田70代女性)
・切ない…. @AshiyuBot: 津波で仲良かった友達が一人流されちゃった.その子にはバレンタイ ンにチョコもらったけど,お返しできなかった.だからお葬式の時にチョコを作って行ったんだ.
その子とはお互いに好き同士だったんだよ.(5/11大槌10代男性)
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図10: 得られたコメントの一部
調査期間に得られた55件のコメントのうち25件はケーススタディに対するものであ り,30件は資料を対象とするものであった.そのうち,13件のケーススタディの取り 組みを対象とするコメントと,12件の資料を対象とするコメントが,新たな情報伝播 を促していた.
コメントが誘発した総伝播数を表6に示す.これより,ユーザのコメントは,公式 RTに比べてコメントの対象に関わらず他ユーザによってリツイートされやすいことが わかる.一方,公式RTのほうがユーザのコメントに比べてお気に入り登録されやすい ことがわかった.これより,ユーザコメントには,ユーザによる情報拡散を活性化す る効果があるといえる.
また,表6の括弧()内の数値は,インフルエンサ9である特定ユーザの1件のコメン トに付与されたリツイートとお気に入り登録数である.このユーザのフォロワー数は
13291人であり,Twitterネットワークのハブとして日常的な情報発信を行っている.
この事例より,Twitterは,影響力があるインフルエンサを介すことで爆発的な情報伝 播がされる可能性を持つことがわかる.
9インフルエンサ(Influencer):世間に大きな影響力をもつ人や事物を表す.具体的には,好感度の高いタレントやファッショ ンモデル,スポーツ選手や,特定分野に詳しい専門家や知識人,インターネット上で強い影響力を持つ個人ブロガーなどが挙げら れるが,マーケティング会社のブルーカレント・ジャパンでは,「コミュニケーション力」「信頼獲得力」「情報伝播力」をすべて 備えた消費者と定義している.[67]
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表 6: コメントから派生した情報伝播 種別 リツイート[%] お気に入り登録[%]
発信手法 150(+231[回]) 76(+105[回])
証言資料 96 97
公式RT 18 230