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3.1  ジョブネットワークの階層構造

3.1.1  ユニット

それぞれのユニットについて説明します。

(1) ジョブ

業務を構成するユニットの最小単位をジョブといいます。JP1/AJS3 では,幾つかの処理に実行順序を付 けて一つの業務を定義しますが,その一つ一つの処理がジョブに当たります。

一つ一つのジョブは,次の図のように実行順に並べて順序づけをします。

図 3‒3 先行ジョブと後続ジョブ

このとき,ジョブ A をジョブ B の先行ジョブといいます。また,ジョブ C をジョブ B の後続ジョブとい います。ジョブの順序づけについては,「3.1.4 ジョブフローの作成方法」を参照してください。

ジョブには,保留,種別,実行先サービス,打ち切り時間,終了遅延監視,所有者,JP1 資源グループ,

実行ユーザー種別などの属性情報を定義できます。ここでは,保留,種別,実行先サービス,打ち切り時 間,および終了遅延監視について説明します。所有者,JP1 資源グループ,および実行ユーザー種別につ いては,「8.2 ユニットへのアクセスを制限するための設定」を参照してください。

• 保留

ジョブの実行を保留するように,あらかじめ設定しておくことができます。保留するように設定した ジョブは,保留解除することで実行開始できます。

• 種別

ユニットをリカバリーユニットにするかどうかを設定できます。ユニットの種別は[通常]または[リ カバリ]から選択します。デフォルトは[通常]です。

種別に[リカバリ]を設定したジョブのことをリカバリージョブといい,先行するユニットが異常終了 したときに実行されます。また,種別に[リカバリ]を設定したジョブネットのことをリカバリージョ ブネットといいます。リカバリージョブとリカバリージョブネットのことを合わせてリカバリーユニッ トといいます。

• 実行先サービス

ジョブの実行先サービスを選択できます。選択できる種類は[標準]または[キューレス]です。デ フォルトは[標準]です。実行先サービスに[キューレス]を指定するキューレスジョブでは,実行 エージェントや実行エージェントグループなどが使用できないため,通常は実行先サービスを[標準]

のまま使用してください。

実行エージェントの詳細については,「5. ジョブの実行環境」を参照してください。また,キューレス ジョブについては,「10.6 キューレスジョブ」を参照してください。

• 打ち切り時間

ジョブの打ち切り時間を設定し,ジョブの実行が開始されてからの経過時間によってジョブの実行を打 ち切ることができます。例えば,打ち切り時間を「10 分」と設定した場合,ジョブが実行開始してか

ら 10 分を経過しても終了しないときに,そのジョブの実行を打ち切ります。打ち切り時間は,1〜

1,440(単位:分)の範囲内で設定します。

• 終了遅延監視

ジョブの実行所要時間を設定し,ジョブの実行が開始されてからの経過時間によって終了遅延を監視で きます。実行所要時間は,1〜1,440(単位:分)の範囲内で設定します。例えば,実行所要時間を「10 分」とした場合,ジョブが実行開始してから 10 分を経過しても終了しないときに終了遅延を検知しま す。遅延が検出されたジョブは「実行中(遅延)」状態になります。終了すると「正常終了(遅延)」な どになります。また,遅延を検出したタイミングでメッセージ KAVS0248-I が出力されます。メッセー ジの内容については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 メッセージ 1 2.3 KAVS で始まるメッセージ(スケジューラーおよび共通処理に関するメッセージ)」を参照してくださ い。メッセージの出力先と出力条件については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 メッセージ 1 1.3.3 KAVS で始まるメッセージの出力先」を参照してください。

終了遅延監視は,OR ジョブ,判定ジョブ,およびシナリオ管理グループ配下のジョブには指定できま せん。

なお,ジョブの終了遅延監視の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 5.1.1(3) ジョブの実行所要時間による終了遅延監視」を参照し てください。

ジョブにはさまざまな種類があり,処理の形態に合わせて定義するジョブを選べます。ジョブの種類には,

次のものがあります。

• 標準ジョブ

• OR ジョブ

• 判定ジョブ

• イベントジョブ

• アクションジョブ

• カスタムジョブ

• 引き継ぎ情報設定ジョブ

それぞれのジョブの特性について,次に説明します。

(a) 標準ジョブ

標準ジョブとは,実行ファイルと実行先のホスト名などを指定して処理を実行させるジョブです。標準ジョ ブには次の 3 種類があります。

• UNIX ジョブ

• PC ジョブ

• QUEUE ジョブ

それぞれのジョブの内容と定義できる処理(指定できる実行ファイル)を,次の表に示します。

表 3‒1 標準ジョブの内容と定義できる処理

項番 ジョブの種類 ジョブの内容 定義できる処理

1 UNIX ジョブ UNIX ホストで処理を実行させる。 • 実行ファイル

• シェルスクリプト 2 PC ジョブ Windows ホストで処理を実行させる。 • .exe ファイル

• .com ファイル

• .cmd ファイル

• .bat ファイル

• .spt ファイル(JP1/Script で作成したスクリ プトファイル)

• アプリケーションに関連づけられているファイ ルタイプ(拡張子)を持つデータファイル 3 QUEUE ジョブ 特定のキューにジョブを送って処理を

実行させる。

JP1/NQSEXEC や JP1/OJE など,他 システムと連携する場合に使用する。

• 実行ファイル

• シェルスクリプト

• .exe ファイル

• .com ファイル

• .cmd ファイル

• .bat ファイル

• .spt ファイル(JP1/Script で作成したスクリ プトファイル)

• アプリケーションに関連づけられているファイ ルタイプ(拡張子)を持つデータファイル

注※

.spt ファイルを指定した場合,実行先ホスト側にも JP1/Script がインストールされていないと実行さ れません。

なお,標準ジョブを使用したジョブネット定義については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 2.4.1 ファイルを指定して処理を実行する(標準ジョブを使った ジョブネットの定義例)」を参照してください。

(b) OR ジョブ

OR ジョブとは,事象の発生を監視するジョブ(イベントジョブ)を先行ジョブとして複数定義しておき,

それらが監視する事象が一つでも発生した場合に後続ジョブを実行させるジョブです。OR ジョブの先行 ジョブとして定義できるジョブは,イベントジョブだけです。

OR ジョブを使用したジョブネット例を,次の図に示します。

図 3‒4 OR ジョブを使用したジョブネット例

複数定義したイベントジョブのうち,最初に事象が発生したジョブが終了すると,それ以外のイベントジョ ブは「計画未実行」状態となって事象発生の監視を打ち切ります。

なお,OR ジョブを使用したジョブネット定義については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 2.4.2 複数の条件のうち一つが成立したら処理を実行する(OR ジョブを使ったジョブネットの定義例)」を参照してください。

(c) 判定ジョブ

判定ジョブとは,実行する条件に合致しているか,していないかを判定するジョブです。判定ジョブの判 定によって実行されるジョブを従属ジョブといいます。複数の従属ジョブを実行する場合は,ネストジョ ブネットとして定義します。これを従属ジョブネットといいます。従属ジョブと従属ジョブネットを合わ せて従属ユニットといいます。判定ジョブには,従属ユニットを実行させるための判定条件を設定します。

条件が成立した場合は従属ユニットが実行され,そのあとに後続ユニットが実行されます。条件に合致し ない場合は,従属ユニットを実行しないでそのまま後続ユニットを実行します。ただし,従属ユニットが 異常終了した場合,後続ユニットは実行されません。

判定ジョブを使用したジョブネット例を,次の図に示します。

図 3‒5 判定ジョブを使用したジョブネット例 1

また,複数の判定ジョブを並列で実行することもできます。複数の判定ジョブで条件が合致した場合は,

それぞれの従属ユニットが実行されます。

図 3‒6 判定ジョブを使用したジョブネット例 2

判定ジョブによる判定条件には,次の三つがあります。

• 先行ジョブの終了コードによる判定

判定値を設定し,先行ジョブの終了コード(戻り値)と比較した結果がどのような場合に従属ユニット を実行させるかを定義します。

設定できる条件は,次のとおりです。

• 終了コードが判定値より大きい

• 終了コードが判定値以上

• 終了コードが判定値より小さい

• 終了コードが判定値以下

• 終了コードが判定値と等しい

• 終了コードが判定値と等しくない

• 終了コードが判定値の範囲内

• 終了コードが判定値の範囲外

• ファイルの有無による判定

ファイル名を指定し,指定したファイルがマネージャーホストにあるか,ないかによって従属ユニット を実行させるかどうかを定義します。

設定できる条件は,次のとおりです。

• ファイルが存在する

ファイルがある場合に,従属ユニットを実行する。

• ファイルが存在しない

ファイルがない場合に,従属ユニットを実行する。

指定したファイルがネットワークファイルの場合は,次の条件のファイルを指定したときだけファイル の有無による判定ができます。

Windows の場合

JP1/AJS3 サービスのアカウントをユーザーアカウントに設定し,UNC で参照できるファイル。

UNIX の場合

NFS などの,ネットワークを介したファイルシステムへのマウントで参照できるファイル。

ドキュメント内 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド (ページ 49-67)