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シミュレーション

ドキュメント内 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド (ページ 166-171)

4.4  実行予定の確認

4.4.2  シミュレーション

実行予定,または未来世代数指定による確定実行登録で指定した世代数分の実行予定は○(丸)で表示さ れます。

スケジュールエリアの灰色の部分にあるユニットのスケジュールを選択すると実行結果または実行状況の 詳細情報を,白色の部分にあるユニットのスケジュールを選択すると実行予定の詳細情報を,実行結果リ ストで確認できます。ただし,実行 ID のない世代は表示されません。

実行結果リストに表示される各ユニットの実行予定には,ユニットごとの開始日時と終了日時が表示され ます。ここに表示される開始日時と終了日時については,「4.4.2(2) 実行シミュレーション」を参照してく ださい。

このとき,計画実行登録の場合と,未来世代数指定による確定実行登録の場合には,スケジュール確定し ていない実行予定があります。これは,ジョブネットのスケジュール定義に基づいたシミュレーションに よって算出された仮のスケジュールです。これを擬似予定といいます。ジョブネットのスケジュール定義 に基づいて実行予定をシミュレートすることを,スケジュールシミュレーションといいます。

計画実行登録されたジョブネットのスケジュールシミュレーションの例を,次の図に示します。

図 4‒22 計画実行登録されたジョブネットのスケジュールシミュレーション例

この例では,8/9 の次回実行予定がスケジュール確定されてデータベースに格納されたスケジュールで,

8/10 以降の実行予定がスケジュールシミュレーションによって生成された擬似予定となります。

ajsshow

コマンドで実行する場合の例を次に示します。なお,コマンドを実行する時刻を,2009/08/09

08:00 とします。/Net の開始予定時刻は 12:00 とし,計画実行登録されているものとします。

(例)

ajsshow -i "start=%BB type=%ii %JJ" -b 2009/8/9 -e 2009/8/11 /Net start=2009/08/09 12:00 type=計画登録 /Net

start=2009/08/10 12:00 type=擬似予定 /Net start=2009/08/11 12:00 type=擬似予定 /Net

擬似予定がスケジュールされない場合

擬似予定とは,スケジュールとして確定していない実行予定のことです。

計画実行登録では,ジョブネットの実行開始時に次回の実行予定が確定します。そのため,次のような 場合にジョブネットの次回実行予定が「開始時刻待ち」状態や「保留中」状態のまま実行されないで,

擬似予定として算出されていた時刻を過ぎると,擬似予定はスケジュールされません。

• JP1/AJS3 のサービス停止

• ジョブ,ジョブネットの保留

擬似予定がスケジュールされない例を,次の図に示します。

図 4‒23 擬似予定がスケジュールされない例

この例の場合,8:00 に実行予定のジョブネットは,8:00 の段階で JP1/AJS3 サービスが停止中のた め,JP1/AJS3 サービスが起動されるのを待ってから実行開始されます。

なお,次の方法で JP1/AJS3 サービスを起動した場合にだけ,JP1/AJS3 サービス起動後のジョブが「実 行中」状態になります。

• ホットスタートした場合

• スケジューラーサービスの起動より前に実行を予定していたジョブネットがスケジューラーサービ スの起動と同時に開始されるように設定し,ウォームスタートした場合

スケジューラーサービスの起動より前に実行を予定していたジョブネットがスケジューラーサービ スの起動と同時に開始されるように設定するには,環境設定パラメーター

OVERSCHEDULE

に「

exec

(デフォルト値)を指定します。「

exec

」以外を指定した場合は,「繰り越し未実行」状態になります。

9:00 の実行開始予定(擬似予定)は,8:00 にジョブネットが実行開始されればスケジュールが確定し ますが,9:00 を過ぎても実行されなければ,スケジュールされません。

擬似予定については,「3.3.3(2) スケジューリング方式」および「4.5.3(4) 擬似予定よりあとの日時に 変更する場合」もあわせて参照してください。

(2) 実行シミュレーション

スケジュールシミュレーションとは別に,ジョブネットの開始予定時刻やジョブネットに定義されたジョ ブ同士の順序性などから,ジョブネットの開始時刻,終了時刻を算出するシミュレーションがあります。

これを実行シミュレーションといいます。

実行シミュレーションは,現在時刻,ジョブネットの開始予定時刻,実行状態,過去の実行時間,ユニッ トの順序性やユニットの種別など,さまざまな情報を基に,より実運用に近い形でジョブネットやジョブ の開始予定時刻,終了予定時刻をシミュレートします。まだ一度も実行されていないジョブネットの場合 は,[環境設定]ダイアログボックスの[初回実行時間]に設定されている時間(単位:秒)(

ajsshow

マンドの場合は 60(単位:秒))をジョブネットの最初に定義されているジョブの実行所要時間として計 算し,ジョブネットおよびその下位のユニットの開始予定時刻や終了予定時刻をシミュレートします。

なお,実行シミュレーションは,[環境設定]ダイアログボックスでシミュレーションするか,しないかを 設定します。[環境設定]ダイアログボックスでの設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 15.3.42 [環境設定]ダイアログボックス」を参照してください。

ajsshow

コマンドの場合は,[環境設定]ダイアログボックスの設定は関係しません。

シミュレーションしない場合は,ジョブネットのスケジュールルールに基づいて開始予定時刻が表示され,

ジョブネットの終了予定時刻については[環境設定]ダイアログボックスの[初回実行時間]を実行所要 時間として算出します。ただし,その下位の個々のユニットはシミュレーションされないで,ジョブネッ トと同じ時刻が表示されます。シミュレーションする場合としない場合の,開始予定時刻と終了予定時刻 の違いを次の図に示します。

図 4‒24 実行シミュレーションの有無による開始予定時刻と終了予定時刻の違い

この例では,[環境設定]ダイアログボックスの[初回実行時間]に「1,200 秒(デフォルト)」が設定さ れているものとします。また,実行登録後にまだ一度もジョブネットが実行されていないものとします。

実行シミュレーションする場合は,Job1,Job2 の順にジョブが実行されるように定義されているため,

Job1 の終了時刻が Job2 の開始時刻になります。個々のユニットは[初回実行時間]で所要時間(1,200 秒=20 分)がシミュレートされるため,Job1 は 12:00〜12:20,Job2 は 12:20〜12:40 となります。し たがって,Job1,Job2 が定義されているジョブネット Net の実行時間は 12:00〜12:40 になります。

シミュレーションしない場合は,ジョブネット Net は[初回実行時間]に設定されている値で終了時刻が 算出されますが,その下位に定義されている個々のユニットはシミュレーションされないため,ジョブネッ ト Net,Job1,Job2 はすべて 12:00〜12:20 と表示されます。

ajsshow

コマンドに

-b

および

-e

オプション

または

-v

および

-w

オプションを指定した場合,常に実行シ ミュレーションします。

-B

オプションまたは実行 ID を指定した場合,実行シミュレーションしません。

指定するオプションによる出力の違いを,次の図に示します。

図 4‒25 ajsshow コマンドに指定するオプションによる出力の違い

この例では,実行登録後にまだ一度もジョブネットが実行されていないものとします。

ajsshow

コマンド に

-b

および

-e

オプション

または

-v

および

-w

オプションを指定した場合,Job1,Job2 の順にジョブが 実行されるように定義されているため,Job1 の終了時刻が Job2 の開始時刻になります。個々のユニット の初回実行時間は所要時間(60 秒=1 分)でシミュレートされるため,Job1 は 12:00〜12:01,Job2 は 12:01〜12:02 となります。したがって,Job1,Job2 が定義されているジョブネット Net の実行時間は 12:00〜12:02 になります。

ajsshow

コマンドの使用例を次に示します。コマンドを実行する時刻を 2009/08/09 08:00 とします。

(例 1)

ajsshow -i "start=%BB end=%OO %JJ" -b 2009/8/9 -e 2009/8/9 -R /Net start=2009/08/09 12:00 end=2009/08/09 12:02 /Net

start=2009/08/09 12:00 end=2009/08/09 12:01 /Net/Job1 start=2009/08/09 12:01 end=2009/08/09 12:02 /Net/Job2

ajsshow

コマンドに

-B

オプションまたは実行 ID を指定した場合は,ジョブネット Net の初回実行時間は

所要時間(60 秒=1 分)で終了時刻が算出されますが,その下位に定義されている個々のユニットはシミュ レーションされないため,ジョブネット Net,Job1,Job2 はすべて 12:00〜12:01 と表示されます。

(例 2)

ajsshow -i "start=%BB end=%OO %JJ" -B 20090809001 -R /Net start=2009/08/09 12:00 end=2009/08/09 12:01 /Net

start=2009/08/09 12:00 end=2009/08/09 12:01 /Net/Job1 start=2009/08/09 12:00 end=2009/08/09 12:01 /Net/Job2

補足事項

• 実行シミュレーションしている場合は,ジョブネットが「異常終了」または「異常検出実行中」状 態の場合,その後続ユニットは実行されないものとしてスケジュール表示されます。実行シミュレー ションしていない場合は,後続ユニットも実行されるものとしてスケジュール表示されます。

• スケジューリング方式(スケジュールスキップ,多重スケジュール)についての実行シミュレーショ ンはされません。

• 起動条件が設定されているジョブネットで,まだ生成されていない「起動条件待ち」世代について の実行シミュレーションはされません。

• 未登録ユニットについての実行シミュレーションはされません。詳細については,マニュアル「JP1/

Automatic Job Management System 3 操作ガイド 6.4 定義したスケジュールの確認」を参照し てください。

• 実行シミュレーションする場合でホストリンクジョブネットが「異常検出実行中」のとき,後続ユ ニットは実行されるものとして表示されます。

• ジョブネットコネクタを使用したジョブネットの場合,ジョブネットコネクタの実行シミュレーショ ンはそれ自身の統計情報を基にシミュレーションされます。統計情報は登録解除すると削除される ため,ジョブネットコネクタ側のルートジョブネットまたは接続先のジョブネットのどちらか一方 だけを登録解除した場合,そのあとの実行シミュレーションにずれが生じることがあります。

ドキュメント内 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド (ページ 166-171)