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多モードデバイスと一質点デバイスとの出力比較

第 4 章 多モードデバイスの強制加振実験

4.2 多モードデバイスと一質点デバイスとの出力比較

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表4.5 一質点システム同定実験条件

実験条件

加振軸 鉛直方向(Z軸) 入力信号 M系列信号(周期255) 入力振幅 0.2 [V]

加振時間 2.04 [s](1020サンプル:4周期分) サンプリング時間 2 [ms]

同定条件

同定モデル ARXモデル 次数決定法 クロスバリデーション 同定入力信号1 ベース加速度uz [m/s2] 同定出力信号1 自由端加速度u1 [m/s2] 同定出力信号3 PZT出力電圧 PZT1[V]

図4.5 一質点システム同定結果

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一質点デバイスが多モードの共振を有していると、多モードデバイスと比較できないた め、より質点近似に近い一質点デバイスを作成した。新たに作成した一質点デバイスを図 4.6に示す。デバイスのパラメータは表4.4と同一である。錘を横に配置し、高さを抑える ことにより、重心位置を低くし質点近似に近づけている。本デバイスに対してシステム同 定実験を行った。実験条件は表4.5と同一である。システム同定結果を図4.7に示す。図よ り、高次モードの共振が無くなり、共振周波数が41Hzの一次モードのみになったことがわ かる。加速度特性、PZT出力特性ともに41Hzで最大となっている。また、図4.5の同定結 果と比較し、共振周波数が高くなっていることが確認できる。この結果から、錘の大きさ や重心位置によってデバイスの振動特性が変化してしまうことが確認できた。

図4.6 質点近似一質点デバイス

図4.7 質点近似一質点デバイスに対するシステム同定結果

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4.2.2 多モードデバイス (質点近似モデル)に対するシステム同定

前節より、錘を質点近似に近づけた一質点デバイスを作成した。その一質点デバイスと の実験比較を正規化するために、本節では多モードデバイスも同様に質点近似モデルでの 作成を行った。今回作成した多モードデバイス(質点近似モデル)と、従来の多モードデバイ スの比較図を図4.8に示す。質点近似モデルに対してシステム同定実験を行った。デバイス パラメータは表4.1と同一である。また実験条件は表4.2と同一である。システム同定結果 を図4.9に示す。図より、多モードの共振が確認できる。図4.1の従来モデルの同定結果と 比較すると、165Hzの共振が無くなっている。質点近似に近づいたことで、分布定数系の影 響がなくなったと考えられる。このことから、165Hzの共振はねじれモードと言える。

図4.8 多モードデバイス (左)従来モデル (右)質点近似モデル

図4.9 質点近似モデル同定結果(左)加速度特性(右)PZT出力特性

- 51 - 4.2.3 両デバイスに対する強制加振実験

4.2.1節、4.2.2節にて、一質点デバイスの質点近似モデル、多モードデバイスの質点近似

モデルを作成し、同定実験を行った。本節では、作成した両デバイスに対して、強制加振 実験を行い、最大電力、エネルギー評価を行う。本実験では、共振周波数の正弦波の他に、

異周期正弦波の和を入力信号として用いる。これは、自動車振動のような複数の振動周波 数を持つ振動が印加されたときの特性を検証するためである。実験条件を表4.6に示す。異 周期正弦波和の入力信号は、多モードデバイスに対しては2つの共振周波数の和を入力す る。一質点デバイスに対しては、共振周波数である41Hzに加え、200Hzの正弦波を入力す る。200Hzの選定理由は、多モードデバイスの入力周波数比に合わせたからである。49Hz と、49Hzの4.9倍の240Hzを入力としているので、一質点デバイスに対しても41Hzの4.9

倍の200Hzを入力周波数とした。また、負荷抵抗は、同定結果より最大出力が確認できた

共振周波数相当の整合抵抗値をそれぞれ負荷している。

表4.6 強制加振実験の実験条件

一質点デバイスに対する実験条件 加振軸 鉛直方向(Z軸) 入力信号 正弦波(41Hz、200Hz)

異周期正弦波和(41Hz+200Hzの正弦波の和) 入力振幅 ベース加速度が0.6Gとなるよう調整

加振時間 10s

サンプリング時間 0.1ms 負荷抵抗 170kΩ(41Hz相当)

多モードデバイスに対する実験条件 加振軸 鉛直方向(Z軸) 入力信号 正弦波(49Hz、240Hz)

異周期正弦波和(49Hz+240Hzの正弦波の和) 入力振幅 ベース加速度が0.6Gとなるよう調整

加振時間 10s

サンプリング時間 0.1ms 負荷抵抗 150kΩ(49Hz相当)

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一質点デバイスを41Hz+200Hzの正弦波和で強制加振したときの時間応答波形を図4.10 に示す。図より入力電圧に41Hzの成分と200Hzの成分が確認できる。ベース加速度はノイ ズが乗っているが、41Hzと200Hzを含んだ振動をしていることがわかる。それに対し、自 由端加速度、PZT出力電圧の時間応答は41Hzの正弦波波形となっており、200Hzの振動が 含まれていないことがわかる。このことから、一質点デバイスは共振周波数のみで出力が 高くなり、それ以外の周波数域では出力が見込めないことがわかる。

(a)時間応答波形 (上)入力電圧 (下)ベース加速度

(b)時間応答波形 (上)自由端加速度 (下)PZT出力電圧

図4.10 41+200Hz加振時の時間応答波形

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一質点デバイスの各周波数に対する最大電力、エネルギーを表4.7に示す。最大電力、エネ ルギーの導出式は4.1節と同様であり、エネルギー評価時間も同様に1周期分としている。

41Hz+200Hzの正弦波和に対しては、41Hzの1周期分で算出している。表より、41Hz加振

時が、最大電力、エネルギーともに最大となることが確認できる。200Hz加振時は、ほぼ出 力が見られない。また、41Hz+200Hz加振時の出力は、41Hz加振時と200Hz加振時の出力 の和とはならないことがわかった。最大電力、エネルギーからも、一質点デバイスでは、

共振周波数以外の周波数では、ほぼ発電できず、また多モードの振動に対しても出力が低 下することが確認できた。

表4.7 一質点デバイスの各周波数に対する最大電力、エネルギー

Output

Forced vibration

1st layer Max Power[10-9W]

1st layer Energy[10-12J]

41Hz 2860 34500

200Hz 2 2

41Hz+200Hz 2700 33500

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多モードデバイスを49Hz+240Hzの正弦波和で強制加振したときの時間応答波形を図4.11 に示す。一質点デバイスのときと同様に、入力電圧は49Hzと240Hzの正弦波を足し合わせ た波形となっており、ベース加速度も49Hzと240Hzを含んだ加速度が確認できた。加速度、

PZT出力の時間応答波形から、一質点デバイスとは異なり、49Hzの振動成分に加え、240Hz の振動成分も確認できる。このことから、多モードデバイスは、1つの共振周波数だけでは なく、デバイスの持つ全ての共振周波数で発電できることがわかった。

(a)時間応答波形 (上)入力電圧 (下)ベース加速度

(b)時間応答波形 (上)1層、2層加速度 (下)1層、2層PZT出力電圧

図4.11 49+240Hz加振時の時間応答波形

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多モードデバイスの各周波数に対する最大電力、エネルギーを表4.8に示す。一質点デバイ スと同様の最大電力、エネルギー導出式を用い、エネルギーの評価時間も1周期分として いる。49Hz+240Hzの正弦波和に対しては49Hzの1周期分で算出している。表より、

49Hz+240Hz加振時が最大電力、エネルギーともに最大となった。このことから、多モード

デバイスでは、デバイスの持つ全ての共振周波数で発電でき、複数の振動モードを持つ入 力に対しても効率的に発電できることがわかった。また、全入力において、1層より2層側 の最大電力、エネルギーが大きい結果となった。一質点デバイスと比較すると、49Hz+240Hz 加振時の最大電力、エネルギーが最大となったこと、また2層側の出力が非常に大きくな ったため、結果として総出力が一質点より大きくなったことが挙げられる。

表4.8 多モードデバイスの各周波数に対する最大電力、エネルギー

Output

Forced vibration

1st layer Max Power[10-9W]

2nd layer Max Power[10-9W]

1st layer Energy[10-12J]

2nd layer Energy[10-12J]

Sum of Energy[10-12J]

49Hz 124 9450 1130 97500 98630

240Hz 5 55 4 99 103

49Hz+240Hz 148 10600 1190 99100 100290

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