示した。
また、図5‑9に、 111rpmで撹祥処理した試料の引張強さ増加率と初品面積 率との関係を示したが、初晶面積率(Ds)77 %のものは、 111rpmで撹排すると、
無撹祥の場合より引張強さが約25%増加し、 Ds65%のものでは引張強さは約 15 %増加した。
300 280 260
e
代J240思弐 220
,t十
士、
ト 200
180 160
C,% Si,日 CE o 2.25 2.07 2.94 口2.55 2.04 3.23 t::. 3.23 2.03 3.91 O 3.33 .199 4.00
100 150 30
25
撹枠試料 (CE2.94, 111rpm)の冷却曲線上での 試料の採取位置
撹枠開始 13500C
、
←初日品出開始温度 │
同140C Tp 1321
T
~視枠12700C
慌作停止 12450C)
15 時
J七日1綬回開始温度
〆 Te11450C 11400C
⑦
60 30 45
問,min 13300C
1300
ν
回 1200
1000
図5‑11 1400
n u
nH U
‑‑
提
(3)撹 祥 停 止 温 度12450Cで 急 冷凝固した試料④には、 d図 に 示 す よ う に 、 微 細 化 し た 初 晶 が 試 料 全 体 に ほ ぼ 均 一 に 分 布 し て い た 。 試 料 の 検 鏡 面 で こ れ ら 初 品のフェレ(Feret)径117)、 す な わ ち 初 品 粒 子 を 一 定 方 向 の2本 の 平 行 線 で は さんだときの平行線問の距離を測定すると、平均306μmであった。なお、こ
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の時点、までに試料には70%の 初 晶 が 晶 出 し て い た 。 本 実 験 条 件 で は 、 こ の 温 度 以 下 に な る と 、 粘 性 が き わ め て 高 く な り 、 撹 祥 が 機 械 的 に 困 難 に な る た め
こ の 試 料 の 断 面 の 所 定 位 置 を 一 定 深 さ ま で パ フ 研 磨 し 、 倍 率 100倍 で 写 真 本実験ではこの温度で撹枠を止めた。
撮 影 す る こ と を 繰 り 返 し て 得 ら れ た 顕 微 鏡 組 織 写 真 の 初 品 部 分 を 切 り 、 これ
500μm
t一一‑‑J
図5‑12 撹枠試料(CE2.94, 111rpm)の急冷凝固組織
(a)初晶晶出開始前に急冷綴回したもの(3%ナイタール腐食), (b)初品品出開 始直後に急冷磁回したもの(3%ナイタール腐食), (c)初品凝固途中(1270"C)
まで捜枠し直ちに急冷凝固したもの(3%ナイタール腐食), (d)初品凝固途中 (1245 "C)まで撹枠し直ちに急冷凝固したもの(3%ナイタール腐食), (e)初晶 凝固途中(1245 "C)まで撹枠しそのまま炉冷し共晶凝固開始直前(11500
C)で 急冷凝固したもの(3%ナイタール腐食), (f)初晶凝固途中(12450C)まで撹祥
後,そのまま炉冷し共晶凝固終了後(1140 "C)で急冷したもの を11慎 に 貼 り 重 ね る こ と に よ り 初 晶 の 立 体 模 型 を 作 製 し た 。 図5‑13に、作製
し た 模 型 の 写 真 を 示 し た が 、 初 晶 は 細 か く 各 個 分 離 し 、 そ れ ぞ れ 複 雑 な 形 状 になっていることを認めた。
(4) 12450Cで 携 祥 を 止 め 、 そ の ま ま 一 定 条 件 で 炉 冷 し 、 共 品 凝 固 開 始 直 前 で 急 冷凝固させた試料⑤の組織を図5‑12(e)に示したが、初品のフェレ径は、平
'i
司EA
唱' A
こ れ ら が 互 い に 接 触 し た 均399μmと先の試料④に比べて、初品が成長し、
‑110‑
図5‑13初品凝固途中まで回転損枠し直ちに急冷凝固した 低CE値鋳鉄の初品7の立体模型(図5‑12 (d)試料
(CE 2.94, 11lrpmで撹件)を使用)
図5‑14 初品凝回途中まで回転撹枠処理した低CE値ねずみ鋳鉄の 初晶7の立体模型(左肩の写真は低倍率で真上より撮影)
(CE 2.94試料をl11rpmで撹枠処理したもの)
状態になった部分が多くなっていることが認められた。なお、この場合凝固 中に晶出する初晶量の97%が晶出していた。
(5) さらに冷却を進め、共品凝固終了後(1140
O C )
で急冷した試料⑥では、図5‑12(0のように初晶は互いにつながり合った状態になっていた。
また、常温まで冷却した試料⑦の組織に基づいて、先の場合と同様の手法 により作製した初晶の立体模型の写真を図5‑14に示したが、初晶がつなが
り合って、きわめて連続性の高い形態になっていることを確認した。
以上の観察結果から、初晶晶出量の多い低炭素組成(低CE値)の鋳鉄溶湯を初 晶凝固途中すなわち凝固が進行して撹祥が機械的に困難になる直前までlllrpm で回転撹祥(それぞれの試料で70%の初品が品出するまで撹祥)した場合、撹祥 により初晶は微細化し、試料全体にほぼ均一に分布し、捜祥停止後の冷却凝固 過程でこの均一に分布した初晶は再び成長し、互いに接触し結合して、最終的
には全体として連続性に富んだ複雑な形態になることを認めた。
5. 3. 3 試料の破壊過程の観察(実験 III)
本実験条件で回転撹祥処理すると、ねずみ鋳鉄(D型黒鉛組織、パーライト地) の引張強さが上昇し、この傾向は低炭素組成(低CE値)のものほど大きくなるこ とを認めた。この強度上昇の原因を究明するため、とくに初晶晶出量の多い低 CE値の試料に曲げ荷重や引張荷重を加えた場合の破壊過程や破壊の進行経路お
よび破断面を観察した。
5. 3. 3. 1 曲げ荷重および引張荷重を加えた場合の破壊の経路
同一CE値の無撹祥および撹祥処理した試料に曲げ荷重を加えた場合の荷重の 増加に伴う破壊の進行状態を観察すると、いずれの試料も破壊は引張応力を最 も受け易い切欠き部付近の黒鉛片内部および黒鉛と基地との境界で発生し、主 に黒鉛の存在する共品部を進行したが、撹祥処理したものの方が無援祥のもの に比べ、破壊が初晶を切断する頻度すなわち初品内部を進行する部分が多くな っていた。
つ 釘
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可i っδ可a A1EA
図5‑15に、同一CE値の無撹祥および111rpmで回転携祥処理した試料に 引張荷重を加えた場合の破壊過程を示す。いずれも試料のCE値は2.94で、 a図 は破断後の状態、 b図は負荷前の組織写真にa図を基にして破壊の経路を記入し たもので、破壊が初晶を切断して進行した部分は白丸で示した。曲げ破壊の場 合と同様、破壊は主に黒鉛の存在する共品部を進行しているが、初品を切断す
る頻度は撹祥処理したものの方が多いことを認めた。
5. 3. 3. 2 破断面の観察結果
図5‑16に、 111rpmで回転携祥処理したCE2.94の試料に引張荷重を加え た場合の破断面の走査電子顕微鏡による組織例を示したが、破面は、先の第4章 4. 1節のねずみ鋳鉄の場合と同様であった。
1.無撹枠試料
図5‑16 初品凝固途中まで回転撹枠処理した低CE値ねずみ鋳鉄の 引張破面(走査電子顕微鏡による観察)
(CE 2.94試料をll1rpmで撹枠処理したもの) 1mm
」 一 一 」
図5‑15 無撹作および損枠試料(CE2.94)に引張荷重を加えた局合の 破墳の経路((a)は破断後の状態, (b)は負荷前の組織写真に (a)の破墳の経路を記入したもの.白丸は破壊が初品内部を進行
した部分を示す)
5.3.4 試料の初品形態と破壊の経路および引張強さの相互関係
上述したように、捜祥処理した低炭素組成(低CE値)のねずみ鋳鉄(D型黒鉛 組織、パーライト地)に曲げ荷重や引張荷重を加えた場合の破壊過程をみると、
‑114‑ RU
可i
可E4
先の初晶凝固中の冷却速度を速くして初晶デンドライトアームを微細化した場 合(第4章4.1節)と同様、破壊が初晶を切断して進行する頻度が多かった。
また、本実験試料でも、第4章の図4‑7と同様に、破壊の先端が初品デンド ライトに遭遇する場合、初晶をはさんだ前後の共品部を破壊が進行していても、
初品部はなかなか破断されず、黒鉛の存在する共品部と比較して破壊の進行に 対し大きな抵抗体となっていた。
それゆえ、破壊が黒鉛の存在しない初晶を切断すなわち初晶内部を進行する 確率が高くなると、黒鉛を縫う場合より外力に対する抵抗が大きくなり、その 結果、鋳鉄の強度が上昇するという前章の考察がこの場合もそのまま適用され
わらず、破断線の全長Lはほぼ等しいが、破断線に占める初品部の比率Dpは撹 祥処理したものの方が大きかった。この傾向は図5‑17に示すように、撹祥羽 根の回転速度が速く、 CE値の低い方が大きいことを認めた。
50
その結果を表5‑2に示したが、同一CE値のものは、撹祥処理の有無にかか
次
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る。
そこで、初晶品出量の多い低
CE
値(CE
2.94および3.23)のものを対象に、引 張破壊した試料の破壊の経路(破断線)に占める初品部を切断した長さの総和(~Lpi )を実測し、その比率 (Dp%)を求めてみた。
50 100 150
償祥羽取回転速度,rpm
表5‑2 引張荷重を加えたねずみ鋳鉄試料の破断線の全長(L)と
破断線に占める初晶部の長さ(IZlLPi)およびその比率 (Dp) 図5‑17 引張荷重を加えた試料の破断線に占める初品部の比率と 撹枠羽恨の回転速度との関係(黒鉛形態 :D型,黒鉛片 長さ:10"‑' 15μm,基地組織:パーライト)
破断線 破断線に占める初品部 試 料 CE 値 撹枠羽根の
の全長 長 さ 全長に対する比率 回転速度
(ZlLPI)
(Dp) No. (C+Si/ 3) (L)
rpm (zppi/L)×l
∞ . %
ロ1ロ1 ロ1ロ1
O 19.2 3.5 18.3 2 28 19.4 5.1 21.5 K020‑3 2.94
74 18.4 5.1 28.0 4 111 18.2 5.8 32.4 O 20.1 1.4 6.9 2 28 19.8 1.9 9.5 K021‑3 3.23
74 20.2 2.6 12.9 4 111 19.4 3.3 17.3
また、比率 (Dp%)と引張強さ (σkgf/mm2)との聞には、図5‑18に示すよ うに直線関係が認められ、この関係を最小二乗法により求めると、次式で表す ことができた。
Dp
=
2.913a ‑
48.097 (5・1)(5・1)式の相関係数rは0.997であり、きわめて高い相関があることを認め た。また、
( 5
・1)式より次式が得られ、比率Dpに比例して引張強さが上昇することが明らかになった。
p o
‑ ‑ A
噌EA ‑117‑
この初品は撹祥停止後の凝固過程で再び成長し、互いに接触し結合する 布し、
これらがつながり合って全体として連続性の高い ことによって最終段階では、
そしてこのような初晶形態の鋳鉄はデンドラ 複雑な形態になることを認めた。
イト状に成長した初晶を含有したものに比べ、機械的強度、とくに引張強さが 上昇した。
次に撹持処理した低炭素組成(低CE値)のねずみ鋳鉄(D型黒鉛組織、パーラ イト地)の引張強さを上昇させた原因について考察してみようo
試料の初晶はすべてパーライト地なので、初晶部の引張強さは
8 0 " " " ' 9 0 k g f / m m
2CE 2.94 3. 2 3
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i.% 2.07 2.04日
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だが89)、微細な黒鉛片が存在する共品部は
1 7
,......1 8 k g f / mm
2であり、初品部は 共晶部の数倍の強度を持っと考えられる。先の破壊過程の観察結果から、試料 3028 22 24 26
引張強さ(σ). kgf!m m2 20
18
に外力を加えた場合の破壊の進行は捜祥処理の有無による初晶形態の相違によ り図5‑19のようになると考えた。撹祥しない場合すなわち普通に凝固させた 引張荷重を加えた試料の破断線に占める初品部の比率と
引張強さとの関係(黒鉛形態 :D型.黒鉛片長さ:
10‑‑‑‑‑15μm.基地組織:ノぞーライト) 図5‑18
場合は、初晶は粗大なデンドライトに成長し、
a
図のようにデンドライトは分離 独立して存在し、相互の間隔も隔っているので、破壊は主に強度の低い共品部 を進行し易いが、本来デンドライト状に晶出すべき初晶が撹祥により破壊され (5・2)σ
= 0.343Dp+ 1 6 . 5 1 1
これらの結果から、初品凝固途中まで回転撹祥
(70%
の初晶が晶出するまで携 祥)を行った低炭素組成(低CE値)のねずみ鋳鉄 (D型黒鉛組織、パーライト地)この比率が高くなると では、破壊の経路に占める初品部の比率は大きくなり、
このような現象は先に行った初晶凝固中の 冷却速度を速くして初晶デンドライトアームを微細化させた場合と同じ傾向で ある。
5. 3. 5 初晶凝固過程で機械的回転概持した低CE値ねずみ鋳鉄の強度について 引張強さも上昇することを認めた。
初品品出量の多い低炭素組成(低CE値)の亜共品鋳鉄溶湯中に携祥羽根を挿入
初品凝固途中まで回転撹伴処FTIして初品形態のみを変化させた 低CE値ねずみ鋳鉄に外力を加えた場合の破域過程の説明図 ((a)は無撹作試料の場合.(b)は撹作(111rpm)試料の場合を示す) 図5‑19
これを回転させて初晶凝固途中まで携祥
(70%
の初晶が品出するまで携祥) し、Qd
唱EA1i
すると、本来デンドライト状に晶出すべき初晶が破壊され微細化し、均一に分
QU
可E E
‑
‑i