ン分布においては,その平均と分散が一致するので,突発的な損傷発生数の平均と分散は,次のよ うに表現される。
[
i | i]
iE y x =
µ
, Var y x[
i| i]
=µ
i (5.4.3) このような平均と分散が一致する条件は,ポアソン分布を仮定したことによるものである。負の2 項分布を仮定すると,分散が平均より大きい条件を表現するモデルに拡張することが可能である。限られたデータのもとでは,ポアソン分布を仮定する範囲の分析が適切である。
以上のようなポアソン回帰モデルを定式化し,その平均・分散パラメータを推定し,突発的な損 傷発生数を分析することとする。
(2)推定方法,尤度関数の最大化
対象とするn単位の港湾構造物において,突発的な損傷は相互に独立に発生すると仮定する。厳 密には,隣接する構造物の間で影響し合う複合劣化の場合があり得るが,現場の複数の港湾構造物 を対象とする場合に実際的であり,推定の便宜上,扱いやすい利点もある。このとき,対象とする 港湾構造物において,突発的な損傷が発生する事象を尤度関数により表現する。
1
exp( )
!
yi
n
i i
i i
L y
µ µ
=
= ∏ −
(5.4.4) これは,n単位の港湾構造物を対象とする場合は,平均・分散µ
iのポアソン分布のもとで発生数y
iとなる確率項のn個の積となっている。対数尤度関数は,次式で表される。
1
exp( )
log log
!
yi
n
i i
i i
L y
µ µ
=
⎛ − ⎞
= ⎜ ⎟
⎝ ⎠
∑
[ ] [ ]
1 1
log( ) log( !) exp( ) log( !)
n n
i i i i i i i i
i i
y y x y x y
µ µ β β
= =
′ ′
= ∑ − + − = ∑ − + −
(5.4.5) ここで,対数尤度関数を最大化するような平均・分散パラメータβ
を探索する。この式は1階条件 を解析的に解くことができないため,ブロイデン法やブレント法等の準ニュートン法による数値計 算を行えば,平均・分散パラメータを求めることが可能である。
(3)損傷の発生確率の期待値,劣化要因に関する損傷発生の感度分析
以上のようにして求めた平均・分散パラメータ
β ˆ
を用いて,各港湾構造物の劣化要因属性を考慮 した突発的な損傷発生数の期待値は,次式によって算定することが可能である。[
i|
i] exp(
iˆ ), 1,...,
E y x = x ′ β i = n
(5.4.6) また,突発的損傷発生数の期待値が劣化要因属性の変化によって,どの程度増減するかの感度分析 を行うことが可能である。[ | ] ˆ ˆ
exp( ), 1,..., ; 1,...,
i i
j i
ij
E y x
x i n j k
x β β
∂ = ′ = =
∂
(5.4.7)この式は,式(5.4.6)の両辺を
j
番目の劣化要因属性x
ijにより微分することで得られた。以上のよう に,ポアソン回帰モデルから求めた平均・分散パラメータを活用して,突発的な損傷発生数の期待 値算定や劣化要因属性の感度分析を行うことが可能である。
ドキュメント内
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