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ページの調査票の 3 ページを占め、これは「A.動力源と原動機」

ドキュメント内 第7章 1872 年ドイツ帝国営業調査の構想 (ページ 80-93)

第9章 1882 年ドイツ帝国職業=営業調査の成立

機械と器具に関する調査は全 4 ページの調査票の 3 ページを占め、これは「A.動力源と原動機」

と「B.作業機と器具」に分かれ、A では各種の動力源とそれと結びついた原動機械、また調査紙と 同様にとくに蒸気機関と蒸気罐に関しての詳しい調査となっている。

B

では、調査紙の場合と異なり、

12 工業生産グループ別にそれぞれに特有な作業機・作業器具・装置の現存について該当する機種を 226

調査票、

小規模経営にはそれを簡略化した調査紙を配布するという方針が採択されている。問題は経

営の大/小区分の基準をどこに置くかであり、これは最終会期にまでもち越された難問となる。営業 経営すべてに同一の調査用紙をもって臨むべしとする原則論も残ってはいたが、議論は就業者何人以 下をもって小経営とすべきかをめぐって錯綜する。当初の2人以下という基準ではあまりにも低すぎ、

10 人以下とすべしという見解も出てくる。最終的には営業所有者を除いて就業者5人以下の営業を

小経営とみなし、それには調査紙ないしは調査当局による(表式調査用)リストでもって簡略化する

という妥協案が通る。調査用紙の具体案は調査紙と調査票ごとに会議の最後まで審議の対象となり、

前者は文字通り 1

枚の用紙の表裏を使って経営の人的構成と物的側面(動力源・原動機)を調べる簡 易調査用紙である。

後者の調査票は①経営形態と人員関係、

②機械と器具に分かれた

4

ページにまた

がる大掛りな調査用紙となる。とくに②は高度の専門知識を応用した詳細を極めた動力源と原動機、

ならびに使用機械と道具に関する申告を要求している。そこには調査側の意気込みが感じられるが、

反面では被調査者側の負担の大きさが予想されるところである。

さらに第Ⅳ会期では、

残された課題であった営業分類図式と業種名のアルファベット順索引、

地方

官庁のための集計表とそれをもとにして作成・公表される全体結果の総括表、そして照査・点検用の

事前リスト書式、これらの審議を済ませた後、最終会議(第81

回)で議会に提出される「営業統計

に関する報告」5)(報告・第18

号)の推敲と仕上をエンゲルに委ねることを承認し、1871 年 8

月19

日に審議終了を迎えた。これは同時に関税同盟統計拡充委員会の終了解散を告げるものでもあった。

4.拡充委員会で構想された営業統計調査は市民社会で初めて可能になる統計に大きく近づいたも のと評価できる。とくに調査様式をみればそのことは歴然としている。そこでは調査が一般行財政の

副次的業務としてではなく、統計そのものの獲得を固有の目的にした独立の営為と捉えられている。

これまで営業表の資料源をなしていた税務記録は営業経営体の所在を確認する事前(=照査)リスト 作成のための一材料として利用されるだけであり、統計そのものは独立した調査によって直接に獲得 される。独立営為であることから調査委員会の設立と任意の調査員の導入が最大限必要とされる。

町村当局のみならず、調査委員会と調査員に対しては調査に関する事前の説明と理解、また実施要領 の周知徹底方を計り、

個票の点検作業を義務づけ、他方で被調査者にも理解・協力を要請しながら記

入済み調査用紙の秘密保護(=密封形式)にも配慮が払われている。事前のリスト作成-調査用紙配 布・

回収-集計表作成-総括表作成と公表、こうした調査の実務過程全体を一貫するプランも立てら

れている。これらはいずれも自計方式にもとづく近代的レベルでの統計調査を実施する上で直面する 問題であり、営業表段階には出てこなかったものといえる。

では、この営業統計の構想で十全かといえば否であり、構想自体に少なからざる後進性を残さざる をえない。近代化はさらにいくつかの段階を踏むことなしには達成不可能である。問題の第1は営業

概念が狭く捉えられていることにある。営業を広く解釈し、それを産業統計に膨らませるようとした

関税同盟で当初に考えられた案は断念される。すなわち、営業から農林業、牧畜・漁業・狩猟が取り 除かれ、また採鉱・製錬・製塩業や鉄道・郵便・電信経営に関しては営業統計とは別の資料作成に委

ねられ、 保険業や行商営業も直接調査からは除外されている。さらに非営利的部門(公務・軍務、宗 教・教育、文化・芸術関連分野)は営業経営とは無関係とみなされることになった。こうした点で営

業表にあった旧来の狭義の営業概念に制約されることになる。これまで同様に営業活動が狭く捉えら れ、従い、産業統計としても、また職業統計としても該当分野全体を包摂するものとはなっていない。

第2に、営業経営体が単に技術的単位としてのみ捉えられ、広く有機的関連の中に組み入れられた経 済的単位としてそれを把握しようとする観点はない。すなわち、経営体はあくまで一区画で営利活動 を行なっている点的存在であり、それら点を結ぶ経営体の縦横の関係(多角的経営関係、複合的組織 関係、支配系列関係)は不問にされている。しかも、同一営業体にある個々の作業場が部分経営とし て分離され、それぞれが営業調査の独自対象とされる。営業経営が二重の意味で技術的単位としての み取り上げられることになる。

営業表の枠組みを取り払い営業調査をセンサス様式の下で提示したこの構想であるが、しかしそこ に完全を期すことは無理であろう。営業統計こそは社会構成体の深部により迫りうる資料提供の可能 性を秘め、またそれだけにその獲得には他にはない難問を抱えた統計であった。人口統計を越えたこ うした経済統計の分野で、なるほど一部にはこれまでの様式の痕跡を残してはいるが、基本的な点で は一気に近代統計調査レベルに達し旧来の営業統計調査の桎梏から脱しえた、このことの意義の方が

評価されるべきであろう。

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マークするようになっている。これは近年の工業での機械化の著しい進展によってどのような結果が 引き起されたか、これを地域別と業種別分類における機械設備の分布から窺うことはできないかとい うものである。このような目論見の下、営業調査としては物的設備面に大きく傾いた調査票となって 現われてきている。この調査書式設計には当時の著名な技術的専門家の参加が得られた。

報告にある課題の④に関して、営業経営者が支払った年間賃金総額(含、現物給付の換金額)が任 意項目として問われている。これまでの営業調査では経営の資本額や生産高、販売額や利潤量、また

賃金額について触れることはなかった。そもそもの資料源である税務記録には営業経営の内面に深入

りしたこのような項目についての記載がなかったからである。それらのひとつ賃金額に統計調査が踏 み込んだ最初の事例である。とはいえ、

労働(作業)時間や価格水準と対になって賃金総額が賃金統

計としての意味をもってくるわけで、ここでは総額によって経営の生産高について間接的報知を得よ うとする意図が隠されている。

課題の③に関しては、アンケート形式の特別の調査用紙が別途に添付されている。ここでは労働者 のための制度の有無とその種類が4 項目に渡り問われ、進歩的福祉制度のドイツ国内での伝播を知る ことが目的とされている。

2.これまでの営業表を縛ってきた二分法、さらにそれにもとづいた3部門分割を克服するために は、産業全体を網羅した統一的分類図式=営業経営分類が必須なものとなる。この営業分類には可能 な限りの整合性が求められる。これは経済活動と製品の面からみて同種的な業種をまとめ配列するこ とである。関税同盟統計拡充委員会の営業統計部門責任者エンゲルを初めとして多くの論者によって 整合性をもった分類図式が不可欠とされてきた。旧営業表では職業分類と営業分類が混在していた。

72 年調査では個々人の就業とは離れ、営業経営それぞれの活動の特徴にもとづいたグループ分けの 必要性が確認された。このためには、国際的レベルで検討の始まった工業分類や産業分類、工業製品 カタログに関する研究が基礎に置かれる。結果として 17グループ/77クラス/445 細目を容れた「営 業経営の体系的分類」が用意された。また、拡充委員会終了まぎわにはアルファベット順索引も作成 され、集計・総括に際しての業種帰属がスムースに運ばれるよう配慮されている。

この営業分類からは農林業などの粗生産部門や非営利的部門は排除されている。また、

鉄道

・郵便・

電信経営といった公益分野も除かれている。さらに採鉱・

製錬・製塩分野は鉱山監督業務からの資料

によって営業統計とは別に定期的な統計報告書が出されている。いくつかの点で全般的産業分類には 届いていない。こうした欠陥をもちながらも最初の営業分類が提示され、これによってともかくも手 工業/工場/商業・その他としてきた営業表の偏狭な枠組みから抜け出す足場が築かれたとはいえよ う。 営業調査で次に考えなくてはならないのは副経営の問題である。これに関しては、まず小経営に多 い農業経営の併存を調査紙で問い、さらに調査紙と調査票の双方で主営業と併行して営まれている副 営業が挙げられることになっている。

副業経営の大きな特徴はそれが主営業休暇中に営まれる暫時的

または短期間の営業ということにあるが、それをも取り上げることは調査に混乱をもち込むものとみ なされ、今回の調査範囲からは外されることになった。ただし、こうした主営業の休業中に営まれる

副営業の大部分は家内工業に属するとして、調査紙と調査票のいずれにもこの家内工業の実態を把握

する目的の下で質問項目が設定されている。これは先述の通りである。これによってたとえ一時的副 業であっても、それらは家内工業の質問枠で把握可能というのが拡充委員会の見解である。また、家 内工業への質問の主目的はとりわけ織物業で広範にみられる問屋制システムを把握するところにあ る。営業表の枠組みではこうした農村家内工業に潜伏している零細小経営の実態が析出できなかった。

この反省に立って、72 年調査では調査紙において問屋商人に組み込まれた営業経営者を、調査票に おいて傘下に組み入れた業務区域以外の営業経営者=家内工業経営者を調べ出そうとしている。プロ イセンやザクセンに多くみられる木綿や亜麻の織物業でのこうした農村家内工業を汲み上げること の重要性を主張してきたのが他ならぬエンゲルでもあった。6)

3.関税同盟の資料獲得(=調査)方法に抜本的改革を施そうというのが拡充委員会の趣旨であっ た。これはいち早く人口調査において世帯に対する個票を介したセンサス様式の調査として構想され ている。すなわち、全世帯構成員の記名の下で世帯主による世帯票への「自己記入」=自計方式が定 められ、すでに71 年 12 月の第1

回人口調査では実際にその方式が採用されている。これを人口調査

よりもより複雑な営業調査にも適用しようとするわけである。被調査者たる個々の営業経営者は自分 の営業経営の内容に知悉し質問の意味を理解し、かれらから正確な回答を期待できるとするが委員会 の判断である。とはいえ、既述のように原則は自計式とはしながらも一部他計式も許されていた。本

ドキュメント内 第7章 1872 年ドイツ帝国営業調査の構想 (ページ 80-93)