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2.5 臨床に関する概括評価

2.5.6 ベネフィットとリスクに関する結論

2.5.6.1 ベネフィット

2.5.6.1.1 配合剤として適切な有効成分の組み合わせであり、両有効成分の有効性を

十分発揮できるように種々検討し、工夫した製剤であり、かつ室温保存可 能な水性点眼液である

緑内障薬物治療において、単剤での効果が不十分であるときには併用療法が行われるが、

同じ薬理作用の薬剤を併用すべきではないとされている(1)。DE-111点眼液は、経ぶどう膜強 膜流出を増加させるタフルプロストと、房水産生抑制作用を有するチモロールマレイン酸塩 の組み合わせからなる配合点眼液であり、各有効成分による相加的な眼圧下降効果が期待で きる。

また、各単剤 は、タプロス®点眼液0.0015%は であり、チモプトール®点 眼液0.5%は である。タフルプロストの

。一方、チモロールは、 。そこで、

DE-111点眼液の 、両有効成分の有効性を十分発揮できることを目指して、タフ

ルプロストの チモロールの 低下しないように を検討 し、さらに、室温保存が可能となるよう、 タフルプロストの を 考慮して、 に設定した (2.3.p.2.2.1) 。

2.5.6.1.2 利便性の向上に寄与する

緑内障薬物治療において、PG関連薬やβ遮断薬が優れた眼圧下降効果と良好な忍容性に より第一選択薬として使用されている。しかし、単剤ですべての患者に対して十分な眼圧下 降を達成できない場合も多く、2剤以上の薬剤が併用されている患者も少なくない。2剤併用 される薬剤としてはPG関連薬を含む組み合わせが中心であり、PG関連薬とβ遮断薬の併用

が58.6%で過半数を占めているとの報告(8)がある。この併用においては点眼回数が最大で1

日3回必要となるが、薬剤数と点眼回数の増加を負担に感じる患者は多いと考えられる。

DE-111点眼液は併用ニーズが最も高いPG関連薬とβ遮断薬の組み合わせとなるタフルプ

ロストを0.0015%、チモロール0.5%相当量のチモロールマレイン酸塩を含有する配合点眼液

であり、点眼回数は1日1回である。DE-111点眼液の使用により併用の効果を保ったまま薬 剤数及び点眼回数が減ることから患者の利便性が向上すると考えられる。

2.5.6.1.3 アドヒアランスとQOLの向上に寄与する

一般に、緑内障はきわめて慢性に経過する進行性の疾患であり、長期間の点眼が必要であ るが、視野障害が高度に進行した段階や急性緑内障発作を起こしている状態以外は自覚症状

が乏しく、治療の成功にはアドヒアランスが良好に維持されることが重要である。しかしな がら、1日1回の単剤点眼における患者アドヒアランスは約70%であったとの報告(28)もあり、

併用治療においてはさらに多くの患者が指示された点眼を遵守できていないと考えられる。

アドヒアランス不良は、緑内障性視神経症が進行する重要な要因であり、アドヒアランスを 改善するポイントの一つとして最小限の治療とすることが日本緑内障学会緑内障診療ガイド ライン(第3版)で指摘されている。また、多剤併用時のアドヒアランス向上を目的として 配合点眼薬を選択することも推奨されており、点眼回数の減少等により、より適正な点眼を 促し、ひいては治療効果並びにQOLの向上に寄与することができると考えられる。

2.5.6.1.4 併用による洗い流し効果を回避できる

2剤以上の点眼剤を同一時間帯に併用する場合、最初に点眼された点眼剤の有効成分が眼 表面から吸収あるいは消失する前に次の点眼を行うと、最初の点眼剤の有効成分が希釈され たり洗い流されたりするために、薬効の低下が懸念される。非臨床試験で、正常眼圧サルに チモロール点眼液0.5%とタフルプロスト点眼液0.0015%を間隔をあけずに連続点眼した結果、

DE-111点眼液より眼圧下降効果が有意に減弱することが示された〔2.6.2.2.1 (3)〕。またラッ

トにおいて、チモロール点眼液0.5%とタフルプロスト点眼液0.0015%を連続点眼した結果、

チモロールの房水中濃度は、5分間隔をあけて点眼した場合より低下した〔2.6.4.4.1 (2)〕。

このような薬効低下の懸念から、臨床現場では1剤目と2剤目は5分以上の間隔をあけて点 眼するように患者へ点眼指示されているが、長期間にわたって毎日これを遵守することは患 者にとって大きな負担となり、実臨床では、約30%の患者が1分以内に2剤目を投与してい たとの報告(10)もある。しかし、DE-111点眼液を使用すれば、このような洗い流し効果は回 避でき、治療効果軽減の懸念が払拭できる。

2.5.6.1.5 防腐剤の曝露量を大きく軽減できる

点眼剤で防腐剤として活用されているベンザルコニウム塩化物は、眼表面の角膜細胞や結 膜細胞への障害性を有することが報告されており(11)、緑内障における多剤併用療法は単剤治 療と比較して角結膜がベンザルコニウム塩化物に曝露される機会が増加し、上皮障害の出現 頻度が高くなることが懸念される。DE-111点眼液は、ベンザルコニウム塩化物の濃度を最適 化し、タプロス®点眼液0.0015%と同じ ppmに設定した。この結果、チモプトール®点眼液 0.5%(ベンザルコニウム塩化物 ppm含有)の1日2回点眼とタプロス®点眼液0.0015%(ベ ンザルコニウム塩化物 ppm含有)の1日1回点眼を併用する場合に比し、ベンザルコニ ウム塩化物の1日曝露量が低減され、眼表面安全性の向上による臨床的メリットが期待され る。

2.5.6.1.6 優れた眼圧下降効果による治療効果が期待できる

2.5.6.1.6.1 タフルプロスト点眼液0.0015%よりも有意に優れた眼圧下降効果

01111004試験で、タフルプロスト点眼液0.0015%を導入期として4週点眼後、DE-111点眼

液に切り替えて治療期として4週点眼した群の治療期0週からの平均日中眼圧変化量(平均 値±標準偏差)は-2.6±1.8 mmHgであり、タフルプロスト点眼液0.0015%を継続した群

(-0.9±1.7 mmHg) に比較して、有意に優れた眼圧下降効果を示した。また、治療期4週時の

朝点眼前、点眼2時間後、点眼8時間後のいずれの眼圧測定ポイントにおいてもDE-111点 眼液に切り替えた群はタフルプロスト点眼液0.0015%を継続した群に比べて、有意に優れた 眼圧下降効果を示した。

2.5.6.1.6.2 チモロール点眼液0.5%よりも有意に優れた眼圧下降効果

01111005試験で、チモロール点眼液0.5%を導入期として4週点眼後、DE-111点眼液に切

り替えて治療期として4週点眼した群の治療期0週からの平均日中眼圧変化量(平均値±標 準偏差)は-3.2±2.1 mmHgであり、チモロール点眼液0.5%を継続した群 (-1.7±2.1 mmHg) に 比較して、有意に優れた眼圧下降効果を示した。また、治療期4週時の朝点眼前、点眼2時 間後、点眼8時間後のいずれの眼圧測定ポイントにおいてもDE-111点眼液に切り替えた群 はチモロール点眼液0.5%を継続した群に比べて、有意に優れた眼圧下降効果を示した。

2.5.6.1.6.3 タフルプロスト点眼液0.0015%(1日1回)とチモロール点眼液0.5%

(1日2回)の併用に劣らない眼圧下降効果

01111004試験で、タフルプロスト点眼液0.0015%を導入期として4週点眼後、DE-111点眼

液に切り替えて治療期として4週点眼した群の治療期0週からの平均日中眼圧変化量(平均 値±標準偏差)は-2.6±1.8 mmHgであり、タフルプロスト点眼液0.0015%とチモロール点眼液 0.5%(1日2回点眼)の併用へ切り替えた群は-2.2±1.8 mmHgであった。変化量の群間差

(DE-111群-併用群、平均値±標準誤差)は-0.3±0.2 mmHg、95%信頼区間は-0.7~0.1 mmHg であり、その上限値は事前に規定した非劣性マージンを超えなかった。また、治療期4週時 の朝点眼前、点眼2時間後、点眼8時間後のいずれの眼圧測定ポイントにおいてもDE-111 点眼液に切り替えた群はタフルプロスト点眼液0.0015%とチモロール点眼液0.5%(1日2回 点眼)の併用へ切り替えた群よりも、数値的に上回る眼圧下降効果を示した。

なお、PG関連薬とβ遮断薬の配合点眼薬において、有効成分の併用との非劣性を国内臨 床試験によって検証したものはDE-111点眼液が初めてであり、これまでPG関連薬とβ遮断 薬の配合点眼液におけるエビデンスのない日本人緑内障・高眼圧症患者において非劣性が検 証されたことはDE-111点眼液の臨床上のメリットをより明確に示すものと考える。

2.5.6.1.6.4 長期にわたり安定した眼圧下降効果

01111006試験で、タフルプロスト点眼液0.0015%、チモロール点眼液0.5%、又はタフルプ

ロスト点眼液0.0015%とチモロール点眼液0.5%の併用に無作為に割付けを行い導入期として 4週点眼後、DE-111点眼液に切り替えて治療期として52週点眼した結果、治療期52週にお ける治療期0週からの眼圧変化量(平均値±標準偏差)は、-1.8±2.2 mmHgであり、有意な眼 圧下降効果を示した。また、タフルプロスト点眼液0.0015%からDE-111点眼液に切り替えた 群では-2.2±1.7 mmHg、チモロール点眼液0.5%から切り替えた群では-2.7±2.2 mmHg、タフル プロスト点眼液0.0015%とチモロール点眼液0.5%の併用から切り替えた群では-0.4±2.3 mmHgであり、単剤からの切り替えにおいてDE-111点眼液は有意に優れた眼圧効果を示し、

併用からの切り替えにおいては眼圧下降効果が安定して維持された。

2.5.6.1.6.5 非高齢者及び高齢者での優れた眼圧下降効果

緑内障有病率は高齢者で高いことが知られているが、DE-111点眼液は65歳以上の高齢者 においても、65歳未満の非高齢者と同様の良好な眼圧下降効果を示した。

2.5.6.1.7 優れた安全性である

2.5.6.1.7.1 配合による安全性に特段の懸念は認められない

タフルプロスト点眼液0.0015%、チモロール点眼液0.5%、又はタフルプロスト点眼液

0.0015%とチモロール点眼液0.5%併用からDE-111点眼液に切り替えた場合の安全性プロフ

ァイルに問題は認められなかった。発現した有害事象は総じてタフルプロスト点眼液

0.0015%、チモロール点眼液0.5%を単剤で点眼したとき、あるいはタフルプロスト点眼液

0.0015%とチモロール点眼液0.5%併用した安全性プロファイルの範囲内であった。発現頻度

の高い有害事象は点状角膜炎及び結膜充血であったが、いずれも軽度であり、忍容性に問題 は認められなかった。

2.5.6.1.7.2 長期投与での優れた安全性

DE-111点眼液を52週点眼した際の安全性プロファイルに問題は認められなかった。52週

投与で最も高頻度に認められた副作用は「睫毛の成長」であったが、いずれも軽度であり、

忍容性に問題は認められなかった。また、DE-111点眼液の各有効成分の安全性プロファイル と特記すべき相違を認めず、忍容性及び安全性に問題はなかった。

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