第2部 事例編
5 ジャステック
5.5 プロジェクト実績の蓄積と活用(~テストプロセスの計測およびフィードバック
5.4.3 再テスト見積もり
(1)設計・実装工程完了時の再テスト見積もり
5.4.2 項に記載する「工程進行中の評価」によって、設計・実装工程後の残存欠陥を推定し、テ ストの観点およびテスト技法ならびにテスト網羅率などの目標値を再設定して、テスト工程の再見 積りを実施する。
・設計後の残存欠陥が減少していれば(表 5.9 ①に該当する場合)、低下した残存欠陥リスクを 特定してテスト量を削減する。
・設計後の残存欠陥が増加していれば(表 5.9 ③および④に該当する場合)、設計の再レビュー などの品質強化を行う一方、増加した残存欠陥リスクを特定してテスト量を増加する。
(2)テスト進行中の再テスト見積もり
テスト進行中の再テスト見積りの契機として、次の3点を考慮している。
①前工程の品質目標未達
表 5.10 の③に該当し、前工程から品質強化策の申し送りがある場合
②品質レベルの偏りの是正
表 5.10 の②~④に該当する場合 ③欠陥除去目標未達
実施しているテストの網羅性が疑わしい場合は、機能毎のテスト完了付近でランダムテスト などを追加して、信頼度成長曲線の収束状況をチェックして、追加テストの要否を判断する。
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かった欠陥件数の占める比率であり、当該工程の設計レビューあるいはテスト工程の欠陥検出能力 として利用している(値が小さい程欠陥の検出能力は高い)。また、工程独自欠陥残存率は、当該工 程完了時の残存欠陥の密度(=工程独自欠陥混入密度-レビュー指摘密度)であり、各工程におい てソフトウェアに欠陥を作り込む特性として利用している(値が小さい程欠陥を作り込む確率は低 い)。この 2 つ特性に焦点を当てて、図 5.7 に示すとおりプロセスの改善可能性を分析してプロセス の改善案を作成し、改善を施した結果を推定しマトリクスに整理する。
改善後のマトリクスからは、各工程で作りこむ欠陥の密度(工程独自欠陥混入密度)、レビューで 摘発できる欠陥の密度(レビュー指摘密度)およびテストで検出できる欠陥の密度(検出欠陥密度)
が導出されるので、これを見積りの基準値にフィードバックして、次のプロジェクトの見積りに適 用する。
<プロジェクトの実績(As-Is)>
<プロジェクトの実績(To-be)>
図 5.7 プロセス改善へのプロジェクト実績の利用例 5.6 当該取り組みの課題
(1)システムテストにおける妥当なテスト網羅率の設定
既に、5.3.2 項(2)で新規開発および改造型開発のテスト量(テスト項目数)の見積り方法を述べ ている。現在は、単体テストについてはホワイトボックステストでC0,C1,C2 カバレッジを尺度とし、
統合テストについてはオールペア法に基づく 2 因子間の網羅率 100%を尺度としてユーザに提案して いる。但し、システムテストに関してもオールペア法を基準としているが、さらに、各種仕様記述
(ユースケース図、状態遷移図、ディシジョンテーブル、運用マニュアルなど)からテスト項目を 追加する必要があり、テスト量と品質リスクとの(15)の観点から見た妥当なテスト網羅率を設定する
(15) 合理的に削減されたテスト量によるテストコストと、その残存欠陥がソフトウェア製品の品質
改善可能性分析 ・設計プロセス
・レビュープロセス
・テストプロセス 見積基準値
・工程独自欠陥混入密度 ・レビュー指摘密度 ・検出欠陥密度
- 30 30 30 30
-2 52 0 50 2 2 50 0 52 2
0 105 0 105 0 0 0 5 100 0 105 5 5 26 0 21 3 2 0 1 20 5 0 0 26 26 6 11 0 5 5 1 0 0 2 8 1 0 0 0 11 11 13 224 0 5 26 109 52 32 35 83 106 0 0 0 224 44 欠陥見逃し数→ - - 5 4 2 2 5 33 6 0 - - ←工程独自欠陥残存数 欠陥見逃し率→ - - 19% 4% 4% 6% 14% 40% 6% - - - ←工程独自欠陥残存率
ST 合計 非対角合計 非対角合計/合計
BD PK MK CT
要件 変更 合計非対
角 合計 検出した工程
PK MK CT ST BD 検出すべき
工程 混入 工程 BD CT MK PK
非対 角 合計
合計 要件 変更ST
- 30 30 30 30
-2 42 0 40 2 2 40 0 42 2
0 103 0 103 0 0 0 1 102 0 103 1
3 15 0 12 2 1 0 1 10 4 0 0 15 15
1 4 0 3 1 0 0 0 2 2 0 0 0 0 4 4
6 194 0 3 13 105 41 32 35 53 106 0 0 0 194 22
欠陥見逃し数→ - - 1 2 1 2 5 13 4 0 - - ←工程独自欠陥残存数 欠陥見逃し率→ - - 8% 2% 2% 6% 14% 25% 4% - - - ←工程独自欠陥残存率
合計 非対角合計 非対角合計/合計
PK MK CT ST
合計 非対
角 合計 検出した工程
BD
MK IT ST 要件 変更 検出すべき
工程 混入 工程 BD PK IT MK PK BD
非対 角 合計
合計 要件 変更 ST
テスト方法論が課題となっている。
(2)非機能要件の確認テストの見積り
弊社では非機能要求(品質特性‘JIS X0129 ’)の多寡によるテスト量の変動を吸収するパラメー タとして「環境変数」(5.3.1 項を参照)を導入し、品質特性 ‘JIS X0129 ’とテスト量(テスト項 目数)との定量的な関係の把握を行なっている。しかし、非機能要求の測定項目については、さら なる充実が課題となっている。現在、ユーザ(日本情報システム・ユーザ協会‘JUAS’など)の協 力を得て、課題への取り組みを開始している。
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