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Modular V の新モジュールについて

7.1.11 ボード・フリケンシー・シフター

ボード・フリケンシー・シフターはモーグ・シンセサイザーのヘビー・ユーザーから最も切望されていたモジュールのひとつ です。当時全世界で 10 台ほどしか販売されず、一般的にはよく知られていませんが、とても複雑な音色作成を可能にしま す。

ボード・フリケンシー・シフター

それでは、以下に簡単な使用例を紹介しますので、音色を作成してみましょう:

7.1.11.1 広がり(ステレオ感)のある音色

少しだけ音色の位相をずらすことによりステレオ感を得ることができます。最初に« Factory » バンクのサブ・バンク « Basses » から « Bode_Bass »を選択してください。

この音色は非常にシンプルな構成になっています。オシレーター1 の sawtooth(ノコギリ波)出力からボート・フリケンシー・

シフターのオーディオ入力にケーブルが接続されています。

► オーディオ・アウトプットA と B は出力VCA1 と 2 へ直接出力されます。ステレオ感を演出するため、出力VCA1 のパンを 左側、出力 2 のパンを右側に設定してください。

► 次に、ボード・フリケンシー・シフターの « amount of shift » を 0,000Hz(真ん中)、« Scale » を 5 に設定してください(

この設定ではゆっくりと変調がかかります)。さらに、« Mixture » を真ん中に設定しましょう(この音色ではオーディオ・ア ウトプットAとBのバランス調整はおこないません)。

► LFO の Sin(サイン波)を利用してボード・フリケンシー・シフターの周波数をゆっくりと変調させることができます。

オーディオ・アウトプットAとオーディオ・アウトプットBの変調の過程を反対にすることで、左右の入力信号間に自然な位相 のずれを作りだすことができます。

モジュレーション・レイト(変調の深さ)を低くするとショート・リバーブ効果、逆に高くするとコーラス効果を得ることができま す。

“Bode-Bass” のパッチング例

7.1.11.2 エレクトリック・パーカッシブ・シーケンス

► ボード・フリケンシー・シフターとシンプルなメロディック・シーケンスを使用してパーカッシブなシーケンスを作成してみま しょう。ここでは、シーケンサーのライン 1 と 2 を利用してボード・フリケンシー・シフターの周波数を変調させます。

► 最初に « Factory » バンクのサブ・バンク « Sequences » から « Bode_Seq »を選択してください。

モジュールの構成は先程の音色とそれほど変わりません。この音色ではフィルター2 にローパス・フィルターが追加され、

ボード・フリケンシー・シフターのミックス・アウトプットからローパス・フィルターを経由して出力VCAに接続しています。

► シーケンサーのライン 1 と 2 の出力をボード・フリケンシー・シフターのモジュレーション入力に接続し、モジュレーション 入力のジャックで変調量を設定します(ライン 1 は 0,3247、ライン 2 は 0,4588 あたりに設定するとよいでしょう)。この 2 つ シーケンス・ラインは、それぞれボード・フリケンシー・シフターの « amount of shift » パラメーターを変調します。

► ボード・フリケンシー・シフターの仕組みは、金属的なサウンドを作りだすリング・モジュレーターに似ています。また、この 音色においてはローパス・フィルターを使用して高周波数帶の成分を抑えることができます。

ボード・フリケンシー・シフターによる強いフィルタリングを望まない場合、ハーモニクスを多く含まない三角波をオシレーターで選択するとよいでしょう。

The “Bode-Seq” patch

ボード・フリケンシー・シフターの周波数設定はシーケンサーだけでなく、LFO やキー・フォローを使用して変調させることも 可能です。