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ビームドリフトを考慮した微調整プログラムの提案

第 3 章 Scanning Electron Microscope の解析とビームドリフト低減手法

3.5 ビームドリフトを考慮した微調整プログラムの提案

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図3.15 順番を変えた場合の微調整プログラムとドリフト量の関係

ドリフト量を減らすプログラムの改善案を図 3.15に示す。従来の手法からマッチングの 順番を移動後に移動させることで、テンプレートマッチング 3 回分の時間、ドリフト量が 軽減できる。どの程度減らすことができるかを調べるためにまずドリフト量が増加する時 間を求める。動作は全てソフトウェアで行われており直接それぞれの時間を調べることが できないため、図3.12、3.13より50 m移動ループと240 m移動ループの1ループにかか る時間の1例から、各動作にかかる時間を算出する。1 m移動にかかる時間をx、スキャ ンとマッチングそれぞれ5回にかかる時間をyとすると、50 m移動ループでの総移動距離

は400 m、240 m移動ループでは1920であることから連立方程式は以下のようになる。

50 m時:400𝑥 + 𝑦 = 171 [s] ⋯ (3.11) 240 m時:1920𝑥 + 𝑦 = 194 [s] ⋯ (3.12) 右辺の171と194はそれぞれの1ループ当たりの時間である。この方程式を解くとx = 0.015

[s]、y = 165 [s]となる。これより1ループ中で移動以外(5回のスキャンとマッチング+誤差

計算)にかかる時間が 165 秒であると求められた。なお、誤差計算にかかる時間を確認す るために移動+スキャン+マッチングの時間比率を調べた。すると、中央から左に行き右に 移動する直前までの時間と、上に移動してから中央に移動する前までの時間がほぼ等しく、

誤差計算にかかる時間は非常に少ないとわかったため、以降の計算では無視する。1ループ 中ではスキャン+マッチングを1セットとすると、それを5回行っているため、1セットで は5分の1の33秒かかる。

このことがわかった上で、マッチングの順番をずらすことによるドリフト量の変化を考 える。図3.14から、順番を変える前だと移動時間にスキャン3回、マッチング3回を行う までの時間がドリフト量に影響する。一方で図 3.15のように順番を変えると移動時間にス キャン 3 回分だけになり、マッチング3 回分の時間ドリフト量を減らすことができると考 えられる。現在はスキャンとマッチングが1セットで33秒であり、個々の時間については

64 判明していないため理論値を示す。

仮にスキャンに時間がほとんどかからず、マッチングに33秒かかっていたとする。その 場合の50 m移動時の最大短縮時間を図3.16に示す。ドリフトの最大短縮時間は33秒×3 回で99秒となる。99秒とは50 m移動では1ループの内でドリフト量に関わる時間の95 % にあたり、240 m移動では80 %を占める。逆に、スキャンにほとんどの時間がかかってい たとすれば、最小短縮時間は 0 秒であり、ドリフト量を減らすことはできないということ になる。つまり、50 m移動では0 %~95 %ドリフト量を減らすことができ、240 m移動

では0 %~80 %ドリフト量を減らすことができると推測できる。

図3.16 50 m移動時の最大短縮時間

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