育成系統全体の食味が向上している今日,わずかな食味の差を検出することが必要 になっている.したがって,基準品種のコシヒカリ(総合評価値0)とコチヒビキ(総 合評価値-2)の差だけではなく,あきたこまちなど,コシヒカリよりもやや食味が落
第6表 食味試験項目の評価. 試験1試験2試験3試験4試験5 自由度 SS MS F値自由度 SS MS F値自由度 SS MS F値自由度 SS MS F値自由度 SS MS F値 合計259190.2309185.2299182.8309198309223 品種935.223.9137.22**`925.682.8535.93**940.074.45210.12**924.762.7515.324**930.53.3896.417** 反復2533.021.3212.436**3029.80.9932.067**2927.940.9632.19**3033.651.1222.171**3049.891.6633.149** 誤差2251220.542270129.70.48261114.80.44270139.50.517270142.60.528 lsd=0.4060.350.3410.3630.367 r=11111 合計259155.6309143.6299138.2309121.6309120.9 品種916.171.7974.51**912.841.4274.61**920.562.2856.797**910.741.1934.09**911.451.2724.258** 反復2549.751.994.996**3047.251.5755.089**2929.91.0313.067**3032.141.0713.673**3028.770.9593.21** 誤差22589.630.39827083.560.30926187.740.33627078.760.29227080.650.299 lsd=0.3480.2810.2980.2730.276 r=0.82**0.622ns0.827**0.899**0.82** 合計259145.3309128.3299108.6309123309110.4 品種916.111.794.313**97.3190.8132.61**94.6970.5221.797ns96.6320.7372.494*94.5320.5041.698ns 反復2535.81.4323.45**3037.451.2484.038**2928.10.9693.336**3036.621.2214.132**3025.840.8612.904** 誤差22593.390.41527083.480.30926175.80.2927079.770.29527080.070.297 lsd=0.3560.2810.2770.2750.275 r=0.801**0.861**0.772**0.681*0.776** 合計259176.4309172.4299143309159.8309183.2 品種920.712.3014.376**918.032.0034.839**922.962.5516.717**911.991.3323.553**915.821.7584.041** 反復2537.41.4962.845**3042.581.4193.429**2920.90.7211.897**3046.591.5534.143**3049.881.6633.821** 誤差225118.30.526270111.80.41426199.140.38270101.20.375270117.50.435 lsd=0.40.3250.3170.3090.333 r=0.99**0.94**0.977**0.924**0.941** 合計259176309219.1299167.9309149.3309166.9 品種919.142.1264.308**918.582.0653.879**919.812.2015.805**911.51.2773.342**910.061.1182.602** 反復2545.781.8313.71**3056.81.8933.557**2949.151.6954.468**3034.641.1553.02**3040.771.3593.162** 誤差225111.10.494270143.70.53226198.990.379270103.20.3822701160.43 lsd=0.3880.3690.3160.3130.331 r=0.826**0.817**0.917**0.746*0.89** 合計259175.3309240.5299201.8309197.8309237.7 品種925.112.795.197**938.314.2577.454**933.253.6956.95**932.23.5776.812**936.774.0866.964** 反復2529.41.1762.191**3047.971.5992.8**2929.791.0271.932**3023.840.7951.513ns3042.481.4162.413** 誤差225120.80.537270154.20.571261138.70.532270141.80.525270158.40.587 lsd=0.4040.3820.3750.3660.387 r=-0.59ns-0.46ns-0.18ns-0.45ns-0.62ns lsd;品種間差についての最小有意差(5%値). r;総合評価値との相関係数. **,*;1%,5%の有意水準を示す. ns;5%水準の有意性がないことを示す.
第 7表 食 味 項 目 の 重 回 帰分 析 の 結 果 .
試験1試験2試験3 外観香りうま味粘り硬さ外観香りうま味粘り硬さ外観香りうま味粘り硬さ 係数0.2240.3040.9020.0330.01-0.06-0.180.9210.0130.2370.161-0.420.8030.612-0.04 有意性#****** R2 =0.996**0.843*0.979** 試験4試験5 外観香りうま味粘り硬さ外観香りうま味粘り硬さ 係数0.6560.5390.711-0.150.0390.504-0.910.9360.255-0.36 有意性##*# R2 =0.952**0.976** **,*,#;1%,5%,10%の有意水準を示す.ちる品種を安定的に評価できることが求められている.本節では,食味が既知の品種
(コシヒカリ:極良食味,あきたこまち:良食味,コチヒビキ:並食味)のパネル員 の識別能力と精度の関係について検討する.
材料と方法
コシヒカリ,あきたこまち,コチヒビキを供試品種に共通に含む3 回の食味試験に ついて解析した.3 回の試験すべてに参加したパネル員は22名であった.各パネル員 別に,測定日を反復として,これら3品種を要因とした分散分析を行った . さら に,
同一試験の他の品種も含めた10 品種について,各パネル員の評価値と全体の評価値 平均との相関を計算し,3 試験の平均をとった.各パネル員の分散分析の F値を品種 の識別能力とし,全員の平均値との相関係数を精度とした.
結果と考察
分散分析のF値(識別能力)と相関(精度)の関係を第14 図に示した.分散分析 のF値が高い(識別能力の高い)パネル員は相関(精度)が高かった.逆に相関が低 い(精度が低い)パネル員のF 値は低く,これらの品種の差が検出できていなかった.
また,パネル員22名のうち,F値が5%水準以上で有意 (F値の5%有意水準値は6.94) であったのは6名であった.このように,識別能力が高いパネル員は全体が平均的に 良い,または不良と判定した品種を,同様に良い,または不良と判定し,嗜好性が全 体の傾向と一致した.識別能力が高いパネル員の嗜好性が全体の傾向と一致すること は松江 (1992),大里ら(1998)の報告と同様であった.一方,嗜好性が全体の傾向 と離れ,しかも識別能力が高いパネル員,つまりコシヒカリよりもあきたこまちやコ チヒビキを好むパネル員は存在しないことが分かった.これは,パネル員がコシヒカ リ型の粘りが強く柔らかいものを好む,もしくはコシヒカリ型の食味を良食味とする という前提がパネル員に周知していることを示すものである.したがってコシヒカリ