• 検索結果がありません。

バイオマス資源活用事業の担い手

  第2章では、バイオマス資源活用事業として、バイオマスを原材料とした工業製品や農作物工 場の事例を取りあげた。一方、近年、中山間地域においては過疎化が進んでおり、バイオマス資 源活用事業の実施にあたっては、その担い手の確保が重要となる。

  このような背景のもと、近年、特区制度をはじめとした農業の規制緩和が進められており、農 業生産法人以外の異業種からの参入要件が大幅に緩和されている。その結果、最近では建設事業 者や食品事業者等の異業種から農業等に参入する事例が増加している。

 

  第3章では、バイオマス資源活用事業のうち農作物工場等の農業について、その事業の新たな 担い手の候補として建設事業者を取り上げ、参入の可能性について調査した。具体的には、農業 の規制緩和の動向、それに伴う建設事業者等の異業種からの農業参入事例を整理した。これを踏 まえ、中国地域における建設事業者について、農業等のバイオマス資源活用事業への参入意向に ついて、アンケート調査により把握した。

3.1  農業参入に係る規制緩和の動向 

 

3.1節では、行政の動きとして農業参入に係る規制緩和の動向を整理した。異業種参入の観 点から農業の規制緩和を取り巻く現状について、図 3.1-1 に整理し、個別の内容については、以 降に記述した。

第3章  バイオマス資源活用事業の担い手 

  第2章では、バイオマス資源活用事業として、バイオマスを原材料とした工業製品や農作物工 場の事例を取りあげた。一方、近年、中山間地域においては過疎化が進んでおり、バイオマス資 源活用事業の実施にあたっては、その担い手の確保が重要となる。

  このような背景のもと、近年、特区制度をはじめとした農業の規制緩和が進められており、農 業生産法人以外の異業種からの参入要件が大幅に緩和されている。その結果、最近では建設事業 者や食品事業者等の異業種から農業等に参入する事例が増加している。

 

  第3章では、バイオマス資源活用事業のうち農作物工場等の農業について、その事業の新たな 担い手の候補として建設事業者を取り上げ、参入の可能性について調査した。具体的には、農業 の規制緩和の動向、それに伴う建設事業者等の異業種からの農業参入事例を整理した。これを踏 まえ、中国地域における建設事業者について、農業等のバイオマス資源活用事業への参入意向に ついて、アンケート調査により把握した。

3.1  農業参入に係る規制緩和の動向 

 

3.1節では、行政の動きとして農業参入に係る規制緩和の動向を整理した。異業種参入の観 点から農業の規制緩和を取り巻く現状について、図 3.1-1 に整理し、個別の内容については、以 降に記述した。

3.1.1  異業種の農業参入に対する規制緩和の動き   

近年、農業の担い手の高齢化や農業後継者の不足といった要因により、耕作されずに放置され ている農地(遊休農地)が増加し大きな問題になっていることから、2001 年 3 月に農地法が改正 され、農地制度の改革が推進されているところである。 

 

3.1.1項では、農地制度の改革のうち、異業種からの農業参入に対する施策について、構 造改革特別区域法の施行によるリース特区制度の実施から、平成 17 年度の農業経営基盤強化促進 法の改正によりリース特区の全国展開までの流れを整理した。 

 

(1)構造改革特別区域法の施行(平成 15 年 4 月)によるリース特区制度の実施 

 

平成 15 年 4 月に構造改革特別区域法が施行され、農地の遊休化が深刻な市町村等においては、

内閣総理大臣の認定を受けて構造改革特別区域(構造改革特区)を設定し、規制の特定措置が認 められるようになった。 

構造改革特区では、市町村や農地保有合理化法人(農地の仲介を行う公的機関)が、一般の株 式会社やNPO法人といった農業生産法人(農地法上、農地を買ったり借りたりすることが認め られている法人)以外の法人に対して農地の貸付け(リース)を行う、という特別措置が認めら れるようになった。 

 

このリース特区制度を活用し、地場の建設業者が余剰労働力を有効活用し、経営の多角化の一 環として農業に参入する事例や、食品事業者が製品の原料農作物の生産から食品製造、販売まで を一貫して行う事例をはじめとして、平成 17 年 5 月 1 日現在で農業生産法人以外の 107 法人が農 業経営に参入している。構造改革特区において農業経営に参入している法人の状況(組織形態・

業種別)、構造改革特区において農業経営に参入している法人の状況(作物別)を、それぞれ表 3.1-1、表 3.1-2 に示した。 

業種別に見ると、最も多く参入しているのが建設業 35 法人、次いで食品業 29 法人となってい る。最も多い作物は、そ菜であり 36 法人、付いで果樹 20 法人となっている。 

 

表 3.1-1  構造改革特区において農業経営に参入している法人の状況(組織形態・業種別) 

営農を開始した法人 

組織形態別  業種別 

合計 

株式会社  有限会社 NPO等 建設業  食品関係  その他  107 

(100%) 

53  (49.5%) 

28  (26.2%) 

26  (24.3%) 

35  (32.7%) 

29  (27.1%) 

43  (40.2%)    (出典)農地制度の改正について(平成 17 年 9 月1日農林水産省) 

 

表 3.1-2  構造改革特区において農業経営に参入している法人の状況(作物別) 

営農を開始した法人数 

合計  米麦  そ菜  果樹  畜産  花き  工芸作物 複合  107 

(100%)  22  (21%) 

36  (33%) 

20  (19%) 

(4%) 

(3%) 

(3%) 

18  (17%) 

(出典)農地制度の改正について(平成 17 年 9 月1日農林水産省) 

 

(2)農業経営基盤強化促進法の改正(平成 17 年 6 月)によるリース特区の全国展開(特定 法人貸付事業の実施) 

 

①で示したリース特区制度を、構造改革特区内に限ることなく全国において実施するため、平 成 17 年 6 月に、農業経営基盤強化促進法(平成 15 年 9 月施行)が改正された。これに伴い、農 地法等の改正も行われた。 

  農業経営基盤強化促進法の一部改正による農地制度の改正の概要について、下図に示した。 

 

(現状) 

〇担い手への利用集積の遅れ 

・平成 16 年 3 月末の集積実績:225 万 ha(農地面積 48%) 

このうち水田は 92 万 ha であり(水田面積の 36%)、特に集積が遅れている。 

    ・高齢化等の進展による担い手不足 

〇耕作放棄地の増加 

・  この 15 年間で 21 万 ha 増(S60 年 13 万 ha→H12 34 万 ha) 

〇虫食い的な農地転用の発生   

 

(対応方向) 

〇農地の利用集積の加速化 

・農用地利用規定の充実(集落営農の組織化、集落合意による利用集積の促進) 

〇農地保有合理化事業の拡充 

・農地の仲介機能強化、農地保有合理化法人の数の増加 

〇リース特区の全国展開 

・リース特区を市町村基本構想に位置付け 

〇体系的耕作放棄地対策の整備 

・  農業の構造改革計画である都道府県基本方針、市町村基本構想に耕作放棄地対策を追加 

・  指導に従わない所有者の耕作放棄地について、都道府県知事の裁定により賃借権の設定 を可能にする。また、市町村長による措置命令を可能にする。 

〇農業振興地域制度の透明性の確保 

新たな制度では、市町村が自ら、耕作放棄地等が相当程度存在する区域のうち、農業生産法人 以外の法人に対して農地の貸付け(リース)を行うことができる区域を設定することが可能にな った。その区域で農業に参入する法人(特定法人と呼ばれる)は、市町村と協定を締結し、市町 村や農地法湯合理化法人から農地の貸付けを受けることで、農業経営を行うことができる。ただ し、仮に参入法人が協定に違反して農業を継続しなかった場合は、リース契約を解除する仕組み となっている。

3.1.2  異業種の農業への参入方式のよる違い 

 

建設事業者等の異業種が農業参入する場合、農業生産法人として参入する方法と、3.1.1 項で示した特定法人貸付事業(農地のリース特区の全国展開)を利用して参入する方法が考えら れる。 

 

農業生産法人と、特定法人貸付事業(農地のリース特区の全国展開)による(農外企業の)農 業参入について、主な特徴と要件緩和の動向を以下に示した。 

 

〇  農業生産法人 

  元々は、農家が1戸又は複数戸集まって、共同経営あるいは経営の合理化を図るために設けら れた制度である。 

  近年は、農外企業の経営者がこの農業生産法人制度を活用し農業に参入する事例が増えてきて いる。 

  農業生産法人制度の大きな特徴としては個別農家と同様に、法人が農地の取得や賃借、利用権 設定が出来ることである。 

  なお、農業生産法人の要件については、例えば、構成員要件が農地等を提供した個人あるいは 法人の事業に常時従事する者であったが、当該法人から物資の供給や役務の提供を受ける者が追 加されるなど、時代の要請に応じ、事業要件や法人形態要件、構成員要件等も適宜見直されてき ている。 

   

〇  特定法人としての農業参入 

  農地の効率的利用を促進し農業の新たな担い手を確保する目的で、平成15年度より構造改革 特区で一般企業の農業への直接参入が行えることとなった。 

  この、企業の農業への直接参入を全国展開するために農業経営基盤強化促進法が改正され、平 成17年9月1日から一般企業の農業への直接参入が可能となった。 

  なお、農業生産法人との主な相違点は、農地の取得は認められていないことである。 

   

  農業生産法人及び特定法人貸付事業(農地のリース特区の全国展開)による農外企業の農業参 入の要件等の違いについて、表 3.1-3 に示した。 

関連したドキュメント