第 3 章 自動撮影カメラのデータを用いた奄美大島に生息するノネコの生息状況およ

3.3 結果

3.3.2 ノネコの個体数推定

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また、これら4 種とノネコの生息がどのように重なり合っているのかを把握するた め、撮影および混獲が確認されたメッシュを地図上に示した(図 3‐4 から 7)。餌動 物4種に共通して、瀬戸内町ではノネコが撮影されていないメッシュが目立つことが 地図からも明らかとなった。アマミノクロウサギの生息分布においては、龍郷町では 1 つを除くすべての生息メッシュもしくはその隣接メッシュでノネコの撮影が確認さ れていた(図 3‐4)。奄美市住用および大和村の内陸部においてはノネコの確認が無 いメッシュが連なる場所が数カ所あるが、龍郷町同様にアマミノクロウサギとノネコ の生息メッシュは密接している。ケナガネズミの生息メッシュは、龍郷町では一部ノ ネコの生息が確認されていない場所があるが、龍郷町から奄美市名瀬にかけて続く生 息地の全てでノネコが確認されていた(図 3‐5)。奄美市住用、大和村、および宇検 村の内陸部でも、ケナガネズミとノネコの生息メッシュは重なり合うか隣接する箇所 が多い結果となっている。アマミトゲネズミの生息メッシュは奄美市住用、大和村、

宇検村および瀬戸内町の内陸部に密集し、それらのメッシュの多くがノネコ生息メッ シュと重なり合うか隣接していた(図 3‐6)。クマネズミは、これら 3 種の希少哺乳 類とは異なり奄美市住用、大和村および宇検村の内陸部での生息メッシュが少なく、

奄美市名瀬および龍郷町に集中して生息が確認された(図 3‐7)。クマネズミの生息 メッシュにおけるノネコの確認は、奄美市名瀬および龍郷町では連続してほぼ全ての メッシュで認められ、奄美市住用、大和村および宇検村でも多くの範囲で重なり合う か隣接したメッシュでみられる結果となった。

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図 3-4.2011 年度から

2013

年度に自動撮影カメラでアマミノクロウサギの生 息が確認されたメッシュとその中でノネコの生息が確認されたメッシュの分布

図 3-5.2011 年度から

2013

年度に自動撮影カメラでケナガネズミの生息が確 認されたメッシュとその中でノネコの生息が確認されたメッシュの分布

奄美市笠利

龍郷町 奄美市名瀬

奄美市住用 大和村

宇検村

瀬戸内町

奄美市笠利

龍郷町 奄美市名瀬

奄美市住用 大和村

宇検村

瀬戸内町

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図 3-6.2011 年度から

2013

年度に自動撮影カメラでアマミトゲネズミの生息 が確認されたメッシュとその中でノネコの生息が確認されたメッシュの分布

図 3-7.2011 年度から

2013

年度に自動撮影カメラでクマネズミの生息が確認 されたメッシュとその中でノネコの生息が確認されたメッシュの分布

奄美市笠利

龍郷町 奄美市名瀬

奄美市住用 大和村

宇検村

瀬戸内町

奄美市笠利

龍郷町 奄美市名瀬

奄美市住用 大和村

宇検村

瀬戸内町

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表 3-6.SPACECAP を用いて推定した奄美大島におけるノネコの生息数密度

(頭/km)

調査地区 平均密度

(頭/km²) 標準偏差

95%信頼区間 下限密度

(頭/km²)

上限密度 (頭/km²) 龍郷

名瀬

1.62 1.11

0.28 0.07

1.31 1.07

2.10 1.31 両地域の平均 1.37 0.18 1.19 1.71

この結果から奄美大島におけるノネコの生息数の推定を試みた。このとき、ノネコ は主に山中に生息するものとし、加計呂麻島とその他離島を除く奄美大島の面積

712km²に占める森林面積の割合85.4%(鹿児島県 2012)から、608km²をノネコ生

息面積とした。その結果、奄美大島の山中に生息するノネコの個体数は、95%信頼区 間651頭‐1277頭であると推定された(表3-7)。

ドキュメント内 奄美大島における外来種としてのイエネコが希少在来哺乳類に 及ぼす影響と希少種保全を目的とした対策についての研究 塩野﨑和美 2016 年 (Page 56-59)