3-1. 4次元時空間とその不変量
・通常の3次元空間の世界では、x2+y2+z2 は座標系を回転させても不変量 (棒は回転させても長さは同じ)
・特殊相対性理論 … 4次元時空間における座標の対応
時間と空間は分けることのできないもの。
光速度不変の原理から座標系を取り替えても、
(ct)2-x2-y2-z2=(ctʼ)2-xʼ2-yʼ2-zʼ2 となるので、この量は不変。
ローレンツ変換は4次元時空間における
回転のようなものとみなせる。
しかし、以下簡単のため、
二次元時空間 (ct,x) で話を進める。
その場合 (ct)x軸 2-x2=(ctʼ)2-xʼ2 が不変量。
y軸
xʼ軸 yʼ軸
x y
xʼ yʼ
O
赤い棒の長さは
!x2 + y2 = !
x!2 + y!2
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3-2 何が問題か?
・ニュートンの運動方程式は F=ma 日本語で書くと、(力)=(質量) (加速度) (加速度)=(速度変化) / (時間) = Δv/Δt
例. 2秒間で 1 m/s から 3 m/s になったら、
加速度は、 (3m/s - 1 m/s)/ (2 s)=1m/s 2
・但し、特殊相対性理論では時間は見る人 (座標系) によって変わってしまう。
ニュートン力学を相対論に合わせるためには、
ローレンツ変換で変わらない、時間っぽい量が必要。
・二次元時空間における短い間隔を (cΔt, Δx) とすると、
相対性理論の作り方から、(cΔt)2-(Δx)2 はローレンツ変換で変わらない量。
これを (cΔτ)2と書き、Δτを固有時間と呼ぶ。
(cΔτ)2 =(cΔt)2-(Δx)2 (τ(タウ, tau)は英語の t に相当するギリシャ文字)
Δx = 0 (座標系中で静止) とすると、Δτ=Δt なので、
Δτ は座標系で静止している時計の役割。
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3-3. 4元速度、4元運動量 (運動量とエネルギー)
・(cΔτ)2 =(cΔt)2-(Δx)2 の両辺を(cΔt)2 で割る。
すると、(Δτ/Δt)2=1-[(1/c)(Δx/Δt)]2 =1- (v/c)2 =1-β2
従って、
また、(cΔτ)2 =(cΔt)2-(Δx)2 の両辺を(Δτ)2 で割ると、
… (※)となるので、
u=(cγ,cβγ) はローレンツ変換の際、(cΔt,Δx)と同じように変換される この を 4 元速度と呼ぶ (相対論的速度)。
・ニュートン力学での (運動量 p)=(質量 m) (速度 v) は 4 元運動量 mu=(mcγ, mcβγ) と拡張される。
2番目の量は (3元) 運動量 p と呼ぶ。
また、4元運動量の1番目の量 mcγ を用いて、
E/c = mcγとして相対論的エネルギーが導入される。従って、E=mc2γ
c2 =
!c∆t
∆τ
"2
−
!∆x
∆τ
"2
= (cγ)2 − (cβγ)2
c∆t
∆τ = c
!1 − β2 = cγ ∆x
∆τ = ∆x
∆t
∆t
∆τ = vγ = cβγ
u =
!
c ∆t
∆τ , ∆x
∆τ
"
= (cγ, cβγ)
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E=mc
2(前ページの続き)
・(非相対論的近似) 日常の世界では v は cに比べて極めて小さいので、
β をほぼ 0, βc = v, γをほぼ 1 として構わない。
4元速度 u = (cγ, cβγ) は非相対論では u=(c, v) 4元運動量 mu =(mcγ, mcβγ)=(E/c, p) は非相対論では (mc, mv)
・前ページの相対論的なエネルギーの式
を v が c に比べ小さい時に計算すると、
(詳細は大学の数学の知識が必要)、
E=mc2+(1/2)mv2 + (小さな項) となる。
最初の項は速度 v=0 の時でも出てくる。
mc2 を静止エネルギーと呼ぶ。 m を静止質量と呼ぶこともある。
次の (1/2)mv2は、非相対論 (ニュートン力学) での運動エネルギーである。
・より一般的には、前ページの(※)式をm2倍。
(mcγ)2-(mcβγ)2=(E/c)2-p2=m2c2 (ローレンツ変換における普遍量)
c2を両辺にかけて整理すると、 E2=m2c4+p2c2
E = mc2γ = mc2 1
!1 − β2 = mc2 1
"
1 −
#v c
$2
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E=mc2 (続き)
物質は止まっていても、E=mc2 のエネルギーを持っている。
E=mc2 は物理学史上最も知られた式の一つ。
この式は、質量が実はエネルギーの形を変えたものであったことを表す。
原子核反応(太陽エネルギー、原子爆弾、原子力発電)によるものが有名 原子核が変わることによって、質量が消え (質量欠損)、
代わりにエネルギーが生み出される。
例. 一円玉 1g = 0.001 kg の質量は、
E=mc2= 0.001 kg (3.0 108)2 = 9.0 1013 [J] のエネルギーと同じ
([J]=[kg・m2/s2] [Joule, ジュール] はエネルギーの単位
[W] [Watt, ワット]は 1秒あたりに放出されたジュール数を表す)
広島や長崎に投下された原子爆弾のエネルギーとほぼ同じレベル 福島原発では事故前は 46 万kW の出力を保っていた。
大体 1 日に原子爆弾の 235U 1.5 発分に相当する放射性物質が 核分裂を起こしているこことになる。
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原子から宇宙まで
第11回 (12/8) 相対性理論 (3)、原子説 (1) 1. ニュートン力学の変更 (E=mc2)
2. その他の話題 (速度の合成、タキオン、双子のパラドックス) 3. 古代の原子説
第12回 (12/15) 原子説(2) 元素から、原子、原子核へ 1. 19世紀の原子説 ̶ 周期表ができるまで
(ボイル、ラボアジェ、ドルトン、アボガドロ、メンデレーエフ等) 2. 電子の発見 (J.J. トムソン)、電気素量の測定 (ミリカン)
3. 原子模型 (J.J. トムソン、長岡半太郎)
4. 原子核の発見(ラザフォード)、中性子の発見 (チャドウィック) この後の予定
第13回 (12/22)前期量子論 (プランク、アインシュタイン、ボーア等) 第14回 (1/12) 原子核物理概論
第15回 (1/19) 試験
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前回の復習
世界線 相対論的な物体の動きを可視化
ローレンツ変換 光速度不変の原理を仮定→ ct 軸が傾けば、x軸も傾く。
x軸 (ct=0) ct軸
(x=0) ctʼ軸 (xʼ=0)
S系 (黒)を基準とした時の Sʼ系の座標軸 xʼ軸 (ct'=0) 光の世界線
x ct ctʼ
xʼ
立場によって「同時な現象」が異なる。
数学的には、x2 - (ct)2= xʼ2 - (ctʼ)2 を満たす座標の取り替え。
xʼ = γx -βγ(ct), ctʼ= -βγ x +γ(ct)
ただし、β=v/c,
あるいは、その逆の変換 x = γxʼ +βγ(ctʼ),
ct= βγ xʼ +γ(ctʼ) がよく使われる。
γ = 1
!1 − β2 (> 1)
ローレンツ収縮、時間の伸び (ウラシマ効果)などは ローレンツ変換の効果として説明出来る。
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