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ドキュメント内 吉岡竜巳吉岡竜巳 (ページ 70-76)

また、単独小学校 3~5) では、本章で扱う複合化小学校と同様の調査記録が残る単独小学校

6校 14クラスにおける回避率とフロア認知率の関係は、図 3.18のようになり、全体フロア 認知率との間に相関がみられた。

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現象が説明出来る。

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小の場合平面的にはわかりやすい構成で空間認知率は高いと予想され るが、階段を選択する判断力に欠ける結果となっている。

3)その他 :N小の 2年生と 4・6年生とでは明らかな回避率の差がみられる。 2年生では 教室直下の職員室を火災室と想定しており、日常的に使用頻度の高い昇降口に近い階段を 選択する傾向が強く、適切な避難経路の選択がなされなかった。逆に 4年生以上では空間 認知の高さが、適切な経路選択に結びついていると考えられる。

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小での回避率の良さは、

日常利用する階段が安全な階段と重なっていることで説明出来る。

また既往研究4)において、単独小学校で、は児童には無意識に日常経路を選択するような不 適切な避難経路選択傾向があることから 2方向避難の意味や日頃使わない非常階段等の所 在や重要性を認識させるべきと指摘している。

3 . 6  

まとめ

本章では、児童の火災避難に関する防火教育上の課題を明らかにするために、東京都内

の 5 層以上の学校複合化施設の児童生徒を対象に調査を行い、また一般的な小学校 3~5) での

同様の調査と比較をした。

東京区部の小中学校で、は、

6 0

年代より他の公共施設を同一敷地内に併設する事例がみ られ、 80年代以降、同一建物で5層以上の学校複合化施設が出現し始める。

複合化小学校においては、火災時の窓の開閉に関しては、どの学年も約

20%

の正解率 にとどまる。煙流動に関しては小学

2

年生が

30%

程度、学年が上がっても

60%

程度 で頭打ちとなり知識の獲得が十分ではない。

複合化小学校と一般的な小学校の児童では特に6年生において正答率に差がみられる が、これは複合化小学校としづ校舎形態に起因するものか、東京と名古屋という調査 地域での防火教育に起因するものかは判断が出来ない。ただし、どちらの調査結果で

も正答率が高いわけではなく、正しい避難時の対応を教育する必要がある。

複合化小学校と一般的な小学校いずれにおいても、火災時の単独避難行動については、

「学校からの指示待ち」の児童が最も多いものの、他の児童は様々な行動(

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待機せ ず即時に避難を開始するん「教室に一且集合するJ等)をとる可能性がある。

複合化施設については、その施設と児童たちの日常動線との関係、設置されるフロア

が適切な経路選択につながる。

一般的な小学校では学校全体のフロア認知率と回避率に相関関係がみられたが、いず れにしても、建物の空間認知率と回避率の聞には関係牲があり、空間認知は安全な避 難をするための重要な要因のーっといえる。

以上のように、学校護合化施設では学校空間の全体像が認知されにくいこと、複合化小 学校、一般的な小学校ともに火災知識の浸透が十分ではないこと、安全な避難経路選択に 関して個別の事情が影響している。

第4章 避 難 シ ミ ュ レ ー タ の 開 発 と そ の 検 証 4.1  はじめに

4.1.1 研究背景

本研究の目的の一つは児童の火災時の避難行動における問題点を把握することである。

実際の火災時における児童の避難行動を実験において把握することは、当然危険性が伴う

ために不可能である。そのため既往研究 3~5) および本研究の第 3 章においては個人の災害

対応能力を把握する目的でイメージマップを用いた質問紙法(4.1.3に後述、以下、経路マッ プ調査と記す)による調査を行ってきた。しかし経路マップ調査は、児童の平面図を読み書 きする能力が回答を左右する場合があり、回答に現実の避難行動ではありえない空間的矛 盾を生じさせることもあった。このように紙面上の調査は、児童に平面図の理解や描画能 力を求める点で避難行動を的確に把握するには、調査方法として不十分であると考えられ た。また、 4.4.3において後述するが、初動時の誤った避難行動も経路の書き直しが出来る ことによって十分に把握しきれていない場面も考えられた。そこで、経路マップ調査の問 題点を補い、さらに詳細に児童の火災時の行動を探ることが出来る方法として、小学校に おいて火災時の煙効果を演出し火災を擬似体験させる避難シミュレータを開発することが 有効であると考えた。また防火教育は学校における防災計画の中で大きな位置を占め、第2 章で明らかにしたように避難訓練の内容や回数が限定される中において、体験型である本 避難シミュレータは体験を通した防火教育等にも役立つものと考える。特に、避難訓練は 集団指導により行われるため、児童個人が自らの災害対応能力を伸ばしていくためには、

個人を対象とした避難シミュレータによる防火教育が有効で、あると考えられる。

4.1.2 研究目的

本章は小学校における火災を仮想的に体験出来る避難シミュレータを開発することを目 的とする。あわせて紙面上で行う経路マップ調査と避難シミュレータ実験の比較によって、

それぞれの長所・短所の確認を行いシミュレータの特徴を把握する。さらに、シミュレー タを用いて児童の避難経路の選択傾向を探る。また、防火教育へ応用するための基礎調査 として児童による評価を調査する。

4.1.3 研究方法

研究内容は以下のようなものであり、図 4.1のような流れで、実験を行った。

①避難シミュレータ実験

児童の火災時の避難経路選択傾向を避難シミュレータによって把握する。シミュレータ の操作性、理解度等のフィードバックアンケートもあわせて行う。

②経路マップ調査

シミュレータ実験の結果と比較するため、経路マップ調査の全統制法に従い、校舎の配 置平面図を記載した調査用紙により、紙面上での避難経路の選択傾向を把握する。同時 に各部屋の認知状況についても把握する。全統制法とは、室名、階段の位置等を削除し た校舎の白地図に、被験者の空間認知力を探るために室名を書き込ませる方法である。

また、避難経路選択を知るために同時に避難経路を記入してもらうものである。

③意識・知識・行動に関するアンケート調査

質問紙法により火災に関する意識・知識・行動を把握する。この結果は、グ、ルーフ。間に 能力の差が存在するかどうかを検討する材料として使用する。

4 . 1

調査・実験と被験者グ、ループ。の組み合わせ

対 象 火 災 意 識a知識・行動に関す 避 難 シ ミ ュ レ 経路マップ調査

るアンケート ータ実験

Aグループ。

。 。

Bグルーフ。

。 。

※Aグループ:避難シミュレータ実験被験者 6年生児童20人

※Bグ、ノレープ:経路マップ調査被験者 6年生児童35人

研究目的:火災を仮想的に体験出来る避難シミュレータの開発

避難シミュレータ制作 ーーーーー

‑ + 1

実験調査 トーーーーーーーーーーーー

1 . ̲ . ̲ . ‑

アンケート調査

火災に対する意識・知識・行動についてのアンケート

経路マップ調査

シミュレータ実験後アンケート

4.1.4 調査対象

被験者は、理解力が高く、ある程度学校全体を把握している小学 6年生を対象とした。

対象校は名古屋市内にある

NY

小学校で、ある。この小学校は片廊下型ではあるが、丘陵地 に建ち複雑な平面、断面をしている。校舎は 3棟から構成されており、それぞれの棟のフ ロアラインは高さが違う 防犯対策として、普段から鍵のかかっている出入り口が数箇所 みられた(表4.2・図4.2)。

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