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ドナー胚 の凍結保存が核移 植卵 の発生能 に及ぼす影 響

最 近 、Nagashimaeta1.(1995)は 、 ブ タ 受 精 卵 細 胞 質 か ら脂 肪 滴 を 除 去 す る と 、 凍 結 融 解 後 の 生 存 性 が 向 上 す る こ と を 報 告 し た 。 一・方 、 ウ シ 卵 子 の 核 移 植 に は 、 コ ン パ ク シ ョ ン 前 の 初 期 胚 が 使 用 さ れ て い る(Prathereta1.,

1987;Robletal.,1987)が 、 コ ン パ ク シ ョ ン 前 の 初 期 胚 の 耐 凍 性 は 、 コ ン パ ク シ ョ ン 後 の 桑 実 胚 〜 胚 盤 胞 期 胚 に 比 べ て 低 い こ と が 報 告 さ れ て い る (Wilmuteta1.,1975;MohrandTrounson,1981)。 そ こ で 本 実 験 で は 、 1)脂 肪 滴 の 除 去 が コ ン パ ク シ ョ ン 前 の ウ シ 胚 の 凍 結 保 存 に 有 効 か 否 か 、2) 脂 肪 滴 を 除 去 し た 凍 結 ウ シ 胚 が 核 移 植 の た め の ド ナ ー 胚 と し て 使 用 可 能 か 否 か

を 検 討 し た 。

第1節 材料 と方法

1.体 外受精 と脂肪 滴の除去

体 外受精 は第2章 の方 法 に従 って行 った。す なわち、屠殺場 由来卵巣か ら採 取 し た卵 胞 卵 を体 外 で24時 間 成 熟 培 養 後 、 あ らか じめ 受 精 能 獲 得 を誘 起 した 精 子 浮 遊 液 に導 入 して5時 間 媒 精 した 。 媒 精 開始 後10〜12時 間 目 に150

00×g、3分 問 、20℃ で 遠 心 し、 脂 肪 滴 を偏 らせ た 後 、7.5μg/m1

サ イ トカ ラ シ ンB添 加PBS液 中で マ イ ク ロ マ ニ ブ レー ター を用 い て 脂 肪 滴 を 除 去 した(Nagashimaetal.,1995)。 脂 肪 滴 除 去 卵 は 、5%CS加CRla

a液 で4〜6日 間 卵 丘 細 胞 と共 培 養 した 後 、凍 結 保 存 に供 試 した 。 また 、対 照 と して は 脂 肪 滴 の 除 去 を 行 わ ず に 培 養 して 得 ら れ た4〜6日 齢 胚 を 凍 結 保 存 し た も のを 使 用 した 。

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2.ド ナ ー 胚 の凍 結 保 存

耐凍 剤 に は 、1.5Mの エ チ レ ン グ リコー ル を使 用 した(V㏄1kelandHu,

1992)。 す な わ ち 、 体 外 受 精 後4〜6日 目の胚 を、15分 間1.5Mの エ チ レ ング リコー ル で 平 衡 後 凍 結 用0.25mIス トロー に封 入 した 。 ス トロー は 一6 .5℃ に設 定 した プ ロ グ ラム フ リー ザ ー のエ タ ノー ル バ ス に投 入後 、植 氷 した。 つ い で 、 毎 分0.3℃ の 速 度 でT35.0℃ まで 冷却 した 後 、 液 体 窒 素 に投 入 して保 存 した 。 融解 は液 体 窒 素 か ら取 り出 した ス トロー を空 気 中 で10 秒 間保 持 した 後 、37℃ の微 温 湯 に10秒 間浸 漬 して 行 い 、20%CS加PB

S液 を用 い て耐 凍剤 を1段 階 で 除去 した 。凍 結 ・融 解 胚 は、5%CS加CRl

aa液 で12〜48時 間培 養 後 、 形態 を検 査 した 。核 移 植 の た め の ドナ ー 胚 は 、体 外 受 精 後5日 目の胚 を使 用 し、 凍結 ・融 解 後12時 間 目の検 査 で 形 態 的 に正 常 な 胚 を使 用 した 。

3。 核 移 植 お よ び 核 移 植 卵 の培 養

ドナー 割 球 は 、12時 間 培 養 した凍 結融 解 胚 の割 球 を第2章 の 方 法 に従 っ て 単離 した もの を用 いた 。 レ シ ピエ ン ト卵細 胞 質 は 、 卵 胞 卵 を20〜24時 間 体 外 成 熟 培 養 後 、 染 色 体 を除 去 した 後 、20V/mm、20μsec、2回 の 直 流 電 流 を15分 間 隔 で3回 与 え て活 性 化 した もの を用 い た。 つ い で 、10μg /m1シ ク ロヘ キ シ ミ ド加TCM199液 で9時 間 培 養 後 、 ドナ ー 割 球 を注 入

し100V/m1、50μsecの 直 流 パ ル ス を与 えて 融 合 を誘 起 した 。 融 合 卵 は 、5%CS加CRlaa液 で10日 間 卵 丘 細 胞 と共 培養 し、 発 生 能 を検 討

した 。

第2節 実験結果

表8に 示 すよ うに、遠心処置 、遠 心処置 と脂肪 滴除去 を行 った体 外受 精卵 の

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分割 率 、8細 胞 期 な らび に胚 盤 胞 へ の 発 生 率 は 、 無 処 置 胚 と比 べ て い ず れ も差 が み られ な か った(分 割;83と86対80%、8細 胞 期;59と61対5

8%、 胚盤 胞;30と34対39%)。

ま た 、 体 外 受 精 卵 の 耐 凍 性 にお よ ぼす 脂 肪 滴 除去 の影 響 を表9に 示 した 。 融 解 直後 に正 常 な 形 態 を示 した 卵 子 の割 合 は 、 いず れ の 日齢 で 凍 結 した 場 合 で も

脂肪 滴 除 去 の 有 無 に よ っ て 大差 み られ な か った 。 これ らの 正 常 胚 を培 養 した と ころ 、4な らび に5日 齢 胚 で は24時 間 目に お い て 対 照 区 の脂 肪 的 除 去 を行 わ な か った 区 で変 性 退行 す る 胚 が 多 い一 方 で 、 脂 肪 滴 除 去 区 にお い て は そ れ ぞ れ 75%と78%が 正 常 な 形 態 を維 持 して い た 。 さ らに 、培 養48時 間 後 対 照 区 で は 全 て の胚 が変 性 した の に対 して 、 脂 肪 滴 除 去 区で は4日 齢 胚 で25%、5

日齢 胚 で43%が 正 常 な 形 態 を維 持 して お り、5日 齢 胚 で は胚 盤 胞 へ の 発 生 も 観 察 され た(3/23、13%)。6日 齢 胚 で は、 脂 肪 滴 除去 の有 無 に か か わ

らず 正 常 な 形 態 を示 す 胚 の 割 合 は72お よ び63%と 高 か っ た 。

表10に 示 す よ う に 、核 移 植 に 用 い た ドナ ー 胚 の融 解 直 後 の 形 態 的 正 常 率 は、 対 照 区 お よび 脂 肪 的 除 去 区 でそ れ ぞ れ55%(12/22)お よ び63%

(12/19)で あ っ た 。 また 、12時 間 培 養 後 の形 態 的 正 常 率 は 、 そ れ ぞ れ 36%お よ び58%で あ り、 正 常 な割 球 数 は無 処 理 区 で 平 均18.8個 、脂 肪 滴 除 去 区 で20個 で あ った 。 これ らの 割 球 を ドナ ー核 と して用 い た 核 移 植 成 績 を、 表11に 示 した 。 脂 肪 滴 除 去 区 の 胚 を用 い た 場 合 の融 合 率(83%)は 、 除 去 せ ず に 凍 結 した 区(74%〉 お よ び脂 肪 滴 除 去 も凍 結 も行 わ な い 区(80

%)の 融 合 率 と差 が認 め られ な か った 。 ま た 、 分 割 率 お よ び8細 胞 期 へ の 発 生 率 も これ ら3区 間 で 差 は 認 め られ な か っ た(分 割 率;63〜70%、8細 胞 期;21〜38%)。 しか し な が ら、 胚 盤 胞 へ の 発 生 は 脂 肪 滴 除 去 区 で 観 察 さ れ た(6%、5/81)が 、 新 鮮 胚 を ドナ ー 割 球 と して 用 い た 場 合 の 発 生 率

(16%)に 比 べ る と有 意 に低 か っ た 。

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