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Uリブ・横リブ交差部のひずみ

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4.4 SFRC舗装施工前の試験結果

4.4.7 Uリブ・横リブ交差部のひずみ

ここでは、Uリブ内の密閉ダイヤフラムの有無に着目し、Uリブ・横リブ交差部の計測結果をまとめる。

密閉ダイヤフラムは、2本ある板厚 6mmUリブのうち主桁寄りのR4の内部に1箇所設けており、横リブ からはD断面の方向に200mmの位置である。横リブウェブに貼付した3軸ひずみゲージの計測結果は主応 力値で示し、A断面側を表面、D断面側を裏面と呼ぶ(主応力図は、A断面側から透視して示すものとする)。

(1) 横リブウェブの応力

1) 上側スカラップのデッキプレートとのまわし溶接近傍

横リブウェブ面の主応力の横断方向影響線を図-4.4.21に示す。荷重は横リブ位置であるC断面を移動さ せた。ここでは、横軸の Ly は着目するUリブ中央からダブルタイヤ中心までの距離とした。密閉ダイヤフ ラムがあるR4と比較して、密閉ダイヤフラムのないR3での応力が大きい。R3ではダブルタイヤがUリ ブウェブを跨ぐ時に最も応力が大きくなる。この部位の応力は、デッキプレートの局部的な変形および横リ ブウェブ断面欠損部の横リブウェブの局部的なせん断変形により発生するが、横リブウェブ近傍に密閉ダイ ヤフラムがある場合は、このデッキプレートの局部変形および横リブのせん断変形が抑制されるため、応力 が小さくなると考えられる。

横断方向には直近のUリブウェブを跨ぎ、橋軸方向には横リブ直上に載荷した時の主応力図を図-4.4.22 に示す。横リブウェブの主応力図においては、スカラップの接線方向に引張応力が発生していることがわか る。表裏の応力差は小さいことから、面内応力が支配的であるといえる。密閉ダイヤフラムのあるR4に比 べて、密閉ダイヤフラムのないR3側の応力が大きいことがわかる。

2) 上側スカラップのUリブとの回し溶接近傍

横リブウェブ面の主応力の横断方向影響線を図-4.4.23に示す。荷重は横リブ位置であるC断面を移動さ せた。デッキプレートとの溶接部同様、密閉ダイヤフラムがあるR4と比較して、密閉ダイヤフラムのない R3側の応力が大きい。R3ではダブルタイヤがUリブウェブを跨ぐ時に応力が最も大きくなる。

横断方向には直近のUリブウェブを跨ぎ、橋軸方向には横リブ直上に載荷した時の主応力図を図-4.4.24 に示す。スカラップの接線方向に引張応力が、その直角方向に同程度の圧縮応力が発生しており、せん断変 形していることがわかる。デッキプレート側とは異なり、表裏の応力差も比較的大きく、面内応力に加えて 面外応力が発生している。密閉ダイヤフラムのあるR4に比べて、密閉ダイヤフラムのないR3側の応力が 大きい。

3) 下側スカラップのUリブとの回し溶接近傍

横リブウェブ面の主応力の横断方向影響線を図-4.4.25に示す。荷重は横リブ位置であるC断面を移動さ せた。最小主応力はR3とR4で同程度であり、隣接するUリブと対象Uリブの中央に載荷された時から直 上載荷まで同程度の圧縮応力が発生する。一方、最大主応力はR3と比べて密閉ダイヤフラムのあるR4側 が大きく、載荷位置によらず10N/mm2程度の応力が発生している。

直近のUリブウェブを跨ぎ、橋軸方向には横リブ直上に載荷した時の主応力図を図-4.4.26に示す。R3、

R4ともスカラップの接線方向に圧縮応力が発生しているが、その大きさ、方向ともR3とR4で大きな差 はない。その直角方向については、R3ではほとんど応力は発生していないが、R4では比較的大きな引張

56

-応力が発生している。この原因としてはダイヤフラムが影響していると考えられる。

(1) 表面

(2) 裏面 27.8 32.4

8.7

-30 -20 -10 0 10 20 30 40 50

-1760 -1260 -760 -260 240 740

Distance Ly (mm) Stress (N/mm2 )

R3(σ max)

R4(σ max)

R3(σ min)

R4(σ min)

31.5 41.0

13.7

-13.9 -30

-20 -10 0 10 20 30 40 50

-1760 -1260 -760 -260 240 740

Distance Ly (mm) Stress (N/mm2 )

R3(σ max)

R4(σ max)

R3(σ min)

R4(σ min)

R3 R2

R1

Load=60kN

R4 YR3LU

Section C

Ly

R2 R3 (YR4LU)

R3:密閉ダイヤなし R4:密閉ダイヤあり

図-4.4.21 Uリブ・横リブ交差部の横断方向応力影響線

(上側スカラップ部、デッキプレートとの溶接部)

図-4.4.22 Uリブ・横リブ交差部の主応力図(上側スカラップ部、デッキプレートとの溶接部)

【C断面】

57

-(1) 表面

(2) 裏面

26.3 20.9

12.2

-19.8 -11.4 -30

-20 -10 0 10 20 30 40 50

-1760 -1260 -760 -260 240 740

Distance Ly (mm) Stress (N/mm2 )

R3(σ max) R4(σ max)

R3(σ min) R4(σ min)

23.9 28.1

8.7

-19.2 -30

-20 -10 0 10 20 30 40 50

-1760 -1260 -760 -260 240 740

Distance Ly (mm) Stress (N/mm2 )

R3(σ max) R4(σ max)

R3(σ min) R4(σ min)

R3 R2

R1

Load=60kN

YR3LM (R4)

Section C

Ly

(R2) (R3) (YR4LM)

R3:密閉ダイヤなし R4:密閉ダイヤあり

図-4.4.23 Uリブ・横リブ交差部の横断方向応力影響線(上側スカラップ部、Uリブとの溶接部)

図-4.4.24 Uリブ・横リブ交差部の主応力図(上側スカラップ部、Uリブとの溶接部)

【C断面】

58

-(1) 表面

(2) 裏面

-21.2 -23.7

-50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30

-1760 -1260 -760 -260 240 740

Distance Ly (mm) Stress (N/mm2 )

R3(σ max)

R4(σ max)

R3(σ min)

R4(σ min)

-20.7

-50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30

-1760 -1260 -760 -260 240 740

Distance Ly (mm) Stress (N/mm2 )

R3(σ max)

R4(σ max)

R3(σ min)

R4(σ min)

R3 R2

R1

Load=60kN

R4 YR3LL

Section C

Ly

R2 R3 (YR4LL)

R3:密閉ダイヤなし R4:密閉ダイヤあり

図-4.4.25 Uリブ・横リブ交差部の横断方向応力影響線(下側スカラップ部、Uリブとの溶接部)

図-4.4.26 Uリブ・横リブ交差部の主応力図(下側スカラップ部、Uリブとの溶接部)

【C断面】

59 -(2) 交差部のUリブのひずみ

1) 上側スカラップのデッキプレートとの溶接近傍

Uリブウェブ面のUリブ周方向ひずみの横断方向影響線を図-4.4.27に示す。荷重は横リブ位置であるC 断面を移動させた。着目Uリブのウェブをダブルタイヤが跨ぐ時、ひずみが大きくなる。R3とR4を比較 すると、密閉ダイヤフラムのないR3側が若干大きい。

応力集中ゲージで計測したデッキプレートとUリブの溶接部のUリブ側ひずみの分布を図-4.4.28に示す。

橋軸方向の載荷位置は横リブ直上である。溶接部に向かってひずみ分布の勾配が大きい。スカラップ内のU リブウェブが局部的に面外変形していることが原因であると考えられるが、溶接止端部ではさらに大きなひ ずみが発生しているものと考えられる。R3とR4を比較すると、密閉ダイヤフラムのないR3のひずみが 若干大きい。

2) 下側スカラップの横リブとの回し溶接近傍

ウェブの下側スカラップ部、横リブウェブとUリブの溶接部のUリブ側ひずみの横断方向影響線を図-

4.4.29に示す。荷重は横リブ位置であるC断面を移動させた。この計測位置においては、密閉ダイヤフラム

のないR3と密閉ダイヤフラムのあるR4でひずみに大きな差が見られ、R4側のひずみが大きい。R4側 では、R3とR4の中間にダブルタイヤが載荷される時にひずみが最大となるが、その影響幅は大きく、着 目リブの2つ隣りのR2に載荷された場合においても比較的大きなひずみが発生する。R3側では、ダブル タイヤが着目リブ直上に載荷された場合にひずみが最大となり、隣接リブに載荷された時にはひずみの符号 が反転する。

図-4.4.29と同じひずみゲージによる橋軸方向影響線を図-4.4.30に示す。横断方向の載荷位置は、着目

リブと隣接リブの中央にダブルタイヤが載荷される位置であり、R4側のひずみが最大となる。密閉ダイヤ フラムのないR3では、Uリブ支間中央載荷付近で引張ひずみが最大となる。これはUリブのたわみを横リ ブが拘束するためである。一方、密閉ダイヤフラムのあるR4では、ダイヤフラムのある側の支間の横リブ

から625mm位置に載荷された時に、最大のひずみ353×10-6が発生する。これはダイヤフラムのない支間

側に載荷された時の2.3倍にあたる。図-3.1.3に示したとおり、密閉ダイヤフラムがUリブ断面の変形を拘 束し、Uリブが剛体回転するためと考えられる。

R4の溶接部のUリブ側に最大ひずみを発生させる横リブから625mm位置(Uリブ支間1/4点)に載 荷したときのひずみ分布を図-4.4.31に示す。溶接止端から10mmのひずみはR3側とR4側で同程度であ るが、密閉ダイヤフラムのあるR4側ではひずみ分布の傾きが大きく、溶接止端部から2mmの位置ではR 4側のひずみはR3側の4倍程度となる。その傾きから、溶接止端部ではさらに大きなひずみになると考え られる。

60 -146.9

115.6

-100 -50 0 50 100 150 200

-1760 -1260 -760 -260 240 740

Distance Ly (mm) Strain (×10-6 )

CR3LU-C1 (R3) CR4LU-C1 (R4)

R3 R2

R1

Load=60kN

R4

Section C

Ly

R2 R3

R3:密閉ダイヤなし R4:密閉ダイヤあり

CR3LU (CR4LU)

図-4.4.27 Uリブ・横リブ交差部の横断方向影響線

(上側スカラップ部、デッキプレートとUリブ溶接部のUリブ側のひずみ:応力集中ゲージの第一ゲージ)

0 2 4 6 8 10 12

-50 0

50 100 150

200

Strain [×10-6]

止端からの[mm]

R3 R4

CR3LU R3 Load=60kN

R3 R4

t=6mm (密閉ダイヤ) CR4LU

R4

Load=60kN

54321

図-4.4.28 Uリブ・横リブ交差部のひずみ分布

(上側スカラップ部、デッキプレートとUリブ溶接部のUリブ側のひずみ)

【C断面】

61

-33.3 164.6

-50 0 50 100 150 200

-1760 -1260 -760 -260 240 740

Distance Ly (mm) Strain (×10-6 )

CR3LL-C1 (R3) CR4LL-C1 (R4)

R3 R2

R1

Load=60kN

R4

Section C

Ly

R2 R3

R3:密閉ダイヤなし R4:密閉ダイヤあり

CR3LL (CR4LL)

図-4.4.29 Uリブ・横リブ交差部の横断方向影響線

(下側スカラップ部、横リブウェブとUリブ溶接部のUリブ側のひずみ:応力集中ゲージの第一ゲージ)

127.3 119.5

150.9

352.7

0 50 100 150 200 250 300 350 400

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 Distance Lx (mm)

Strain (×10-6 ) CR3LL-C1 (R3)

CR4LL-C1 (R4) Lx

Load=60kN

Trough Rib

Lateral Rib-R1 R2 R3

図-4.4.30 Uリブ・横リブ交差部の橋軸方向影響線

(下側スカラップ部、横リブウェブとUリブ溶接部のUリブ側のひずみ:応力集中ゲージの第一ゲージ)

200mm

密閉ダイヤフラム

【C断面】

62 -0 2 4 6 8 10 12 0 100

200 300

400

Strain[×10-6]

止端からの距離[mm]

R3 R4

54321

CR3LU R3 Load=60kN

R3 R4

t=6mm (密閉ダイヤ) CR4LU

R4

Load=60kN 橋軸方向位置は

横リブから625mm

橋軸方向位置は 横リブから625mm

図-4.4.31 Uリブ・横リブ交差部のひずみ分布

(下側スカラップ部、横リブウェブとUリブ溶接部のUリブ側のひずみ)

63 -(3) 密閉ダイヤフラム側載荷時の横リブウェブの応力

前述のように、密閉ダイヤフラムがある場合、ダイヤフラムのある支間上に載荷すると下側スカラップ部 のUリブ面でひずみが大きくなった。最大ひずみを与えるのは横リブからD断面方向に625mm位置に載荷 した時である。その載荷位置とした時の横リブウェブの応力を以下に示す。横断方向載荷位置は着目Uリブ と隣接Uリブの中央である。

1) 上側スカラップのデッキプレートとの回し溶接近傍

主応力図を図-4.4.32に示す。横リブ直上載荷と同様に、密閉ダイヤフラムのないR3に比べて密閉ダイ ヤフラムのあるR4側の応力が小さい。また、横リブより625mm離れた位置での載荷であるため、横リブ 直上載荷の図-4.4.22より小さい応力である。

2) 上側スカラップのUリブとの回し溶接近傍

主応力図を図-4.4.33に示す。これも密閉ダイヤフラムのないR3に比べて密閉ダイヤフラムのあるR4 側の応力が小さくなった。また、横リブ直上載荷の図-4.4.24より小さい応力である。

3) 下側スカラップのUリブとの回し溶接近傍

主応力図を図-4.4.34に示す。下側スカラップ近傍については、最小主応力についてはR3とR4で同程 度である。R3、R4ともに表裏の応力値に差が見られ、面外曲げが発生していることがわかる。載荷は密 閉ダイヤフラムのあるD断面側であるが、Uリブたわみによるたわみ角により横リブウェブが面外に変形さ せられるためである。最大主応力についてはR3側は小さいが、R4側は25 N/mm2程度の比較的大きな値 が見られる。図-3.1.3に示したダイヤフラムの剛体回転により発生する応力である。表裏の応力値は同程度 であり、面内成分が支配的である。

図-4.4.32 Uリブ・横リブ交差部の主応力図(上側スカラップ部、デッキプレートとの溶接部)

密閉ダイヤフラム支間側(D断面側)載荷時

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