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デジタル方式映像TSL .1 審議の背景

ドキュメント内 Microsoft Word - ★070903 修正 報告案.doc (ページ 32-45)

テレビジョン放送事業者は放送番組制作のため、番組素材の伝送を行う手段とし て、主として SHF 帯を使用する無線回線FPU/TSL を使用している。

放送するための番組素材は、現場の中継車等からFPUで近隣の受信基地局に伝 送される。この回線は、現場が不特定で広域に渡り、また移動することから SHF 帯で の伝送が必須となっている。受信基地局は、山頂等光ファイバ回線の敷設がない場 所に設置することが多く、放送番組素材は演奏所まで TSL により伝送される。

都市部等では TSL に光ファイバ回線を使用している例もあるが大災害時において も確実に回線を確保する必要性から、SHF 帯を使用する無線回線が多いのが現状 である(図 1-2)。地上デジタルテレビジョン放送(DTV)は、より豊かな国民生活の実 現に貢献するものとしての普及が進んでいる。これまで、「番組中継用デジタル回線 の技術的条件(諮問第 110 号)」について審議が行われ平成 14 年 1 月 28 日に答申 を行った。これによりデジタル方式 FPU/TSL/STL/TTL の運用が開始されたが、放 送事業用の B 帯、C 帯及び D 帯は、アナログサイマル放送及び DTV の普及に伴い 逼迫状態となった。

本報告は、国の施策により、映像 TSL について、A 帯から他の放送事業用周波数 帯への周波数移行を進めるにあたり、移行先の無線局配置形態の違いを考慮して 新たに M・N 帯も利用可能とする「デジタル方式映像 TSL の技術的条件」について審 議を行った結果を取りまとめたものである。

図 1-2 映像 TSL の例

2.2 審議に際しての考え方 2.2.1 基本的考え方

A 帯映像 TSL は雨や霧による影響が少ないため中・長距離の映像伝送等に適し、

使用されている。この実態を踏まえて M・N 帯へ移行する場合に考慮すべき事項を以 下に示す。

・ M・N 帯で使用されている既存回線との親和性を図る。

・ 現行 A 帯は、50km を超える伝送を行っているケースもあるため、移行後もでき る限り伝送距離等現行の運用に即した規格であることが望ましい。

・ 既存 TSL に関する電波法関係審査基準を基に検討する。

・ 周波数有効利用の観点から垂直/水平偏波を使用したコチャネル伝送につい ても検討する。また、この場合水平偏波と垂直偏波で伝送する信号は非同期で も可能とする。

2.2.2 周波数の有効利用

映像TSLの周波数間隔は、放送事業用周波数において 18MHz であるが、周波数 有効利用の観点及び M・N 帯の既存業務の回線との親和性から周波数間隔は現行 既存業務用大容量方式と同じ周波数間隔とすることが適当である。また、コチャネル

伝送も導入し、より周波数の有効利用に貢献することとした。

2.2.3 検討対象方式

変調方式としては、既存放送事業用の映像 TSL と同様に多値変調方式が適当で ある。

2.3 デジタル方式映像TSLの技術的条件 2.3.1 対象周波数帯

「平成18年度電波の利用状況調査の評価結果の概要」(平成19年3月14日公表)

により、A帯に使用されている映像TSLについては、第4世代移動通信システム等が 円滑に導入できるよう、周波数の使用期限を早期に設定することと6GHz帯以上の周 波数帯への周波数移行が必要であるとされている。このため、B帯、C帯、D帯及び M・N帯は逼迫状態にあるものの、既にデジタル方式映像TSL回線が構築可能なB 帯、C帯、D帯に加え、無線局配置形態の違い等から新たな回線を構築できる可能 性のあるM帯(6,570MHz~6,870MHz)及びN帯(7,425MHz~7,750MHz)を検討周波 数帯とすることが適当である。

2.3.2 通信方式

映像TSLは放送局演奏所への映像番組素材伝送に使用されるので、単向通信方 式とすることが適当である。

2.3.3 周波数配置

M・N帯における周波数配置については、既存業務用回線との親和性を図ることが 必要である。映像TSLは広帯域伝送システムであるため、これに最も近い方式であ る既存業務用大容量方式(104Mbps)に合わせ、20MHzの周波数間隔と周波数配置 とすることが望ましい。従って、別紙12に示す周波数配置が適当である。

また、周波数の有効利用の観点からコチャネル伝送も可能とする。

なお、デジタル方式映像TSLに割り当てられているB帯、C帯及びD帯においても同 様に周波数の有効利用の観点からコチャネル伝送を可能とすることが適当である。

2.3.4 変調方式

映像番組はHDTVが標準的となっており、映像素材伝送のためには2.3.6項に示す 伝送容量を確保する必要があり、現行のデジタル方式映像TSLにおいて運用されて いる多値変調方式の64QAM方式が適当である。

気象条件によって伝搬路条件が劣悪になり64QAM方式による回線の確保が困難 な場合であっても映像素材を伝送するために、他回線への干渉量を増加させないこ とを条件として、伝送容量を低減させた32QAM方式、16QAM方式又は4PSK方式に よる伝送も必要となる。

従って、変調方式は64QAM方式のほか、32QAM、16QAM 及び4PSKの各方式を 備えることも可とする。64QAM方式以外の方式は、伝搬路状況等により回線断を生 じる可能性がある場合に他回線への干渉量を増加させない限りにおいて使用するこ とができるとすることが適当である。

2.3.5 復調方式

変調方式としてQAM方式を採用することから、QAM系の復調方式としては、遅延 検波方式及び同期検波方式が考えられる。遅延検波方式では遅延された搬送波を 検波の基準波とするため、復調に使用する基準搬送波には受信C/Nの劣化分が含 まれる。一方、同期検波方式では受信側で再生した搬送波を基準として復調するた め基準信号には受信C/Nの劣化分が含まれないので遅延検波方式より優れている。

従って、復調方式としては同期検波方式とすることが適当である。

2.3.6 伝送容量

伝送容量は、現行のデジタル方式映像TSLと整合を取る必要がある。従って、伝 送容量は、現行のデジタル方式映像TSLと同じ1キャリア当たり84Mbps以下とするこ とが適当である。

2.3.7 クロック周波数

クロック周波数は、現行のデジタル方式映像TSLと整合を取る必要がある。従って、

クロック周波数は14MHz以下とすることが適当である。

2.3.8 空中線電力の最大値

他の既存業務用回線や現行のデジタル方式映像STL/TTLと周波数共用すること になるので、既存の他方式との親和性を図ることが必要である。従って、空中線電力 の最大値は1キャリア当たり2Wとすることが適当である。

2.3.9 偏波

現行の放送事業用、既存業務用回線との共存が前提であり、M・N帯での偏波が 原則として垂直偏波であることから、偏波は垂直偏波を原則とした直線偏波とするこ とが適当である。

なお、水平偏波を用いることにより周波数の有効利用を図ることができる場合は、

水平偏波を選定できるとすることが適当である。

2.3.10 占有周波数帯幅の許容値

B帯~G帯デジタル方式映像TSLの占有周波数帯幅と同じとすることが要求される。

また、B帯~G帯デジタル方式映像TSLの占有周波数帯幅は16.2MHz以下でありM・

N帯における既存業務用の大容量方式(104Mbps)周波数間隔の20MHz以内となっ ている。従って、16.2MHzとすることが適当である。

2.3.11 補助信号の伝送方式

現行のデジタル方式映像TSLの補助信号は主信号であるTS信号に時分割多重し て伝送している。従って、TS信号に時分割多重することが適当である。

2.3.12 自動等化器(波形歪補償)

多値QAM方式においては、安定した伝送品質を確保するために自動等化器を使 用することが一般的であり、現行のデジタル方式映像TSLにも使用されている。従っ て、自動等化器による波形歪補償機能を有することが適当である。

2.3.13 交差偏波干渉補償器(XPIC)

コチャネル伝送を行う場合にはXPICにより交差偏波干渉量の改善を図ることが一 般的である。従って、M・N帯を使用する映像TSLにおいてコチャネル配置を行う場合

は、交差偏波干渉補償器(XPIC)を用いることとし、XPICによる改善効果は18dB以 上とするとすることが適当である。ただし、XPICを用いなくても回線品質を満足する 場合はこの限りではない。

なお、B帯、C帯及びD帯を使用するデジタル方式映像TSLについても周波数の有 効利用の観点からコチャネル伝送を行う場合には同様とすることが適当である。

2.3.14 誤り訂正機能

装置の残留符号誤りの低減等回線品質向上のためは、現行のデジタル方式映像 TSLと同じく、誤り訂正機能を有することが適当である。

2.3.15 中継方式

既存業務用回線と同様に、検波再生中継方式とすることが適当である。ただし、検 波再生方式によることが置局条件等により困難と認められる場合には、回線設計及 び回線品質を満足する範囲において、非再生中継方式も使用することができるとす ることが適当である。

2.3.16 無給電中継方式

周波数の有効利用と回線の信頼度を十分確保するためには、無線局の集中する 地域では原則として無給電中継装置を使用しないことが適当である。

ただし、電力供給が困難である等の相当の理由がある場合には、回線設計や回 線品質を満足する場合は使用できるとすることが適当である。

2.3.17 スペースダイバーシチ

他回線との干渉軽減及び周波数有効利用を図るためにも、海上伝搬等フェージン グの厳しい区間において、他回線との干渉を軽減する等周波数の有効利用が図れ る場合には原則としてスペースダイバーシチを使用することが適当である。

2.3.18 回線設計(受信入力)

受信入力の値は標準的な回線において所定の回線品質を確保できるような値で あり、かつ、他の回線との干渉条件が同等となる値となることが必要である。

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