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サーボ制御系とディスク構造

第 4 章 ホログラフィック光相関システムの安定化 53

4.2 サーボ制御系とディスク構造

4.2.1 サーボ制御系

前述のように,コアキシャル型の光学系配置を採用した光相関システムは光学系が シンプルであることや従来の光ディスクの技術を利用しやすい等の利点をもつ.対物 レンズを板バネによってアクチュエータに保持し,コイルに電流を流すことによって レンズをディスクのラジアル方向と光軸方向の2方向にそれぞれ動かすことが可能 なディスク制御系が一般的である.ここで,本光相関システムはHVDのホログラム メモリシステムに倣い,ホログラムの記録と光相関演算のための緑色レーザーに加え

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4.2サーボ制御系とディスク構造

てフォーカシングサーボとトラッキングサーボ技術を実現するための赤色レーザーを 搭載していることも前述した.また,非点収差法に基づくフォーカシング制御とプッ シュプル法に基づくトラッキング制御を実現するためにサーボ制御系のディテクタに 4チャンネルディテクタを採用した.この非点収差法とプッシュプル法はCDやDVD 等の制御技術として広く利用されている技術である[112, 113].非点収差法は非点収 差のある光学系で結像した点像のひずみを検出することで光軸方向の変位を非接触で 測定する手法であり,フォーカシング制御に用いられる.一般に,ディスクからサー ボ用ディテクタまでの戻り光路中にシリンドリカルレンズを挿入する事によって実現 可能である.光軸上の距離に依存して発生する非点収差によって縦長楕円,円形,横 長楕円に変化するビームの形状を面内に45度回転した4分割ディステクタで検出して 2つの対角成分を合算し,その差をフォーカスエラー信号とすることによりフォーカ シング制御を実現できる.一方,プッシュプル法はディスクの反射面で反射されて再 び対物レンズに戻った光の強度分布が集光スポットとグルーブの相対的な位置により 回折光の位相が変化することを利用する方法である.集光スポットとグルーブの中心 位置が一致するとグルーブに直行する方向に左右の回折光の位相が等しくなるため,

左右に等しい強度分布となり,位置関係がずれると左右異なった強度分布となる.つ まり光の強度分布をトラック方向にそって左右2分割されたディテクタを搭載するこ とでトラッキングエラー信号が取得可能である.ここで,非点収差法とプッシュプル 法の2つで同時にフォーカシングとトラッキングを制御するための条件を整理すると 以下の3点になる.

1. サーボ光学系にグルーブ溝に対して45度回転した方向に非点収差の発生するレ ンズを搭載すること.

2. グルーブ溝に対して上下左右の位置関係となる4チャンネルのディテクタを搭 載すること.

3. ディスク基盤にトラッキングの案内の機能をするグルーブ溝が刻まれており,十 分な大きさのトラッキングエラー信号が得られるグルーブ溝の幅と深さになっ ていること.

第4章 ホログラフィック光相関システムの安定化

いる.LDから出射された光は,コリメータレンズで平行光となり,アナモルフィッ クレンズでビーム径が広げられた後にPBSを通過し,λ/4波長板で円偏光に変換,ア クチュエータに搭載された対物レンズによって,光ディスク上に集光される.集光さ れた光は,光ディスク面上で反射し,再びλ/4波長板を通過することでs偏光に変換 され,PBSで反射される.シリンドリカルレンズを通過して4チャンネル光検出器に 入り,光信号から電気信号に変換され,フォーカシングエラー信号とトラッキングエ ラー信号が得られる.

M: Mirror, A: Aperture PBS: Polarizing Beam Splitter BS: Beam Splitter, LD: Laser Diode L: Lens, CL: Collimator lens AL: Anamorphic Lens APC: Auto Power Control

M

1/4

L

PBS 650 nm

1/2

Objective Lens Holographic Disc

A

CL AL BS

M

Detector

PD LD

APC Circuit LD Driver

Cylindrical Lens

図4.1: サーボシステム.

4.2.2 HVDフォーマット基板

図4.2はコアキシャル型のホログラフィックメモリ用のディスク構造として提案され たHVD (Holographic Versatile Disc)の断面図を示す.HVDディスクはガラス基板,

グルーブ層+反射膜,ギャップ層,ダイクロイック層,ギャップ層,ホログラム層,

AR膜層カバー層(ガラス基板)からなる.ダイクロイック層は,ホログラムを記録再 生する際にトラッキングやアドレスのためのプリフォーマットによって信号品質が劣 化してしまうのを防ぐために導入された層である.しかしながら,ダイクロイック層 を導入することでディスクが高価になってしまう課題がある.

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