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県内の過去の記録やタンポポの標本の見直し。山本(1978)が県内の記録として報告しているホ ソバウスギタンポポT.albofimbricatum、シコクミヤマタンポポ T.imaizumii、シコクタンポポなど

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397 100.00  2014年・2015年調査

全区画数の 30. 9%であり、件数・区画数とももっとも多い。また痩果が熟していないため「外来種(不 明) 」とされた 1637 件には多くのセイヨウタンポポが含まれていることから、全体の 40%近くが本種

② 県内の過去の記録やタンポポの標本の見直し。山本(1978)が県内の記録として報告しているホ ソバウスギタンポポT.albofimbricatum、シコクミヤマタンポポ T.imaizumii、シコクタンポポなど

についても検討が必要であり、過去の標本との比較検討が望まれる。

参考文献

山本四郎、1978.愛媛産植物の種類.愛媛植物研究会.

Siro Kitamura.1933.Compositae Novae Japonicae Ⅴ. 植物分類・地理 2(2) :118‐129.

4

セイヨウタンポポとアカミタンポポの出現したメッシュの平均標高分布

17) 高知県

田邉由紀・藤川和美(高知県立牧野植物園)、坂本彰(高知県自然観察指導員連絡会)

(1) 調査への取り組み

高知県では

2

回目の取り組みとなる「タンポポ 調査・西日本

2015

」が

2014

3

月に開始された。

調査へ取り組む前に、高知県植物誌調査時の調査 ボランティアのリーダーやタンポポ調査

2010

で 主軸を担った調査員をメンバーとする実行委員会 を

2014

2

月に設置し、県下全域を網羅し、広 く県民が参加出来るように体制の整備に努めた。

実行委員会では、高知県独自の目標として在来種 6種と雑種と推定される在来総苞型外来種の分布 域を把握することを定めた。また、目標を実現する

ために、実行委員は調査を担当する地区を決めて中心的な役割を果たすこととし、事務局が調査状況 を常に把握して空白地域を作らないようにした。事務局員は牧野植物園職員と短期雇用職員、ボラン ティアで構成し、送られてきたサンプルの同定、集計などの業務を担当した。

市民が調査へ参加しやすい仕組みづくりとしては、タンポポをフィールドで見分けて調査を楽しめ るように高知県に分布するタンポポ見分け方(各形態の比較表)の資料を配布し、研修会を年2回開 催した。トラブルを防ぎ安全・安心して調査が行なえるようにするために腕章を配布し、ボランティ ア活動保険への加入をした。調査参加者へのフィードバックとして、各自が採集した個体の同定結果 の送付や「高知県実行委員会ニュースレター」を発行した(

3

回、図

1

)。また、牧野植物園ホームペ ージにタンポポ調査専用のページを作り、研修会の告知や高知県実行委員会ニュースレター、高知県 調査報告書

2010

を掲載した。調査結果の最終的なとりまとめをして、「高知県豊かな環境づくり総合 支援事業補助金」を受け、高知県版の報告書の発行と報告会を開催した。

(2) 結果の概要

① 調査参加者数、採集されたタンポポの数、採集された地点

2014

年予備調査では、

166

名の参加があり、

1382

メッシュで

3,491

個のサンプルが収集された。

2015

年本調査では、

144

名が参加し、

1683

メッシュで

4,174

個のサンプルが収集された。2年間 では

282

名の参加で、

2312

メッシュから

13

種類、

7,665

個のサンプルが集まり、うちタンポポ調査

西日本事務局で扱う有効サンプル数は

7,548

個とな った。調査参加者は前回調査の

275

名から7名増え、

調査メッシュは

106

箇所、サンプルは約

1,500

個増 えた。これは一人で

3,174

個のサンプルを採集した 調査員の活躍に負うところが大きい。

② 高知県に生育する種とその比率

高知県に生育するタンポポの種類は

12

種類であった。

なお、牧野植物園内には自生地から採取された種子からの

播種によりエゾタンポポが園地管理下で生えており、これを含めると

13

種類になるが、分布・生 図1.ニュースレターと比較表

2

.タンポポが採集された地点

育する種数には含めない。また、前回の調査でオオズタンポポ(仮称)としたタンポポは、その後 の調査でトウカイタンポポと同種であることが判明したため,トウカイタンポポとして取り扱った。

外来種(雑種を含む)はセイヨウタンポポとアカミタンポポの

2

種で、外来種不明は、痩果がなか ったものや総苞片のそり返りが在来種に近いものが含まれる。種類別サンプル数、比率とメッシュ 数は表

1

の通りである。

各種ごとの分布状況を見ると最も多くのメッシュで確認されたのはセイヨウタンポポで

1438

メ ッシュ、次いでシロバナタンポポで

1398

メッシュ、アカミタンポポが

325

メッシュとなった。全 サンプル数に占める種別の比率では、セイヨウタンポポが約

35

%と最も高く、次いでシロバナタ ンポポが約

34

%(うちキバナシロタンポポは

4.6%

)、アカミタンポポが約

8 %

、クシバタンポポが 約2%、その他の在来種は

1%

未満であった。

サンプル数 比率(%) メッシュ数 サンプル数 比率(%) メッシュ数

カンサイタンポポ

48 0.8 29 51 0.67 29 0

トウカイタンポポ

12 0.2 8 14 0.18 8 0

シナノタンポポ

9 0.15 3 10 0.13 4 1

クシバタンポポ

105 1.74 62 161 2.1 81 19

ヤマザトタンポポ

9 0.15 6 7 0.09 6 0

ツクシタンポポ

3 0.05 3 11 0.14 7 4

エゾタンポポ

0 0 0 2 0.03 1 1

キビシロタンポポ

16 0.27 12 20 0.26 12 0

シロバナタンポポ

2357 39.04 1427 2636 34.42 1398 -29

(うちキバナシロタンポポ)

(93) (1.54) (88) (120) (1.57) (84) (-4)

セイヨウタンポポ

2021 33.48 1342 2655 34.67 1438 96

アカミタンポポ

405 6.71 309 639 8.34 325 16

外来種(不明)

1050 17.39 758 1341 17.51 938 180

2 0.03 7 111 1.45 88 81

6037 3966 7658 4335 369

2010のオオズはトウカイとしてカウント

黄色で塗りつぶしのセルは2010報告書のデータと数が合わないもの 雑種を含む 外

来種

不明タンポポ

種類

2010年

白花型在来種

2015年 2010年調査とのメッ

シュ数増減

在来種二倍体

黄花型在来種 倍数体

合計

③ タンポポ各種の分布

高知県

34

市町村における各種の分布は次のとおりである。

a.

二倍体在来種

高知県に分布する二倍体在来種のうちカンサイタンポポは、河川の堤防などに生育するものは人 為的な持ち込みであることが多く、自然分布は一時的なものも含むと考えられ、トウカイタンポポ、

シナノタンポポは人為的な持ち込みである(藤川・坂本編

2011

)。今回の調査でカンサイタンポポ は

12

市町村

29

メッシュ、トウカイタンポポは

3

市町村

8

メッシュ、シナノタンポポは

3

市町村4 メッシュで確認された。今回の調査で新たに高知市にシナノタンポポの分布が確認されたが、生育 場所は神社の緑地でこれまで確認された場所と同様、人為的な持ち込みと考えられる。

b.

黄花型在来種倍数体

黄花型倍数体在来種では、クシバタンポポ、ヤマザトタンポポ、ツクシタンポポ、エゾタンポポ の5種が確認された。このうち、エゾタンポポは高知県立牧野植物園で採集されたもので、前述の 通り人為的な持ち込みである。クシバタンポポは、

2010

年調査と同様、香美市物部町と大豊町を 中心に

5

市町村の山間部の開けた場所で確認されており、前回調査の

62

メッシュから

81

メッシュ と確認されたメッシュが3割増えた。なお、今回の調査で香南市香我美町の福祉施設内で採集され

表1.高知県における種別サンプル数・比率・メッシュ数

た個体は、人為的な持ち込みの可能性が高いが、総苞外片や葉の形態からクシバタンポポと同定さ れた。ヤマザトタンポポは標高

200m

以上の人里・山里の路傍周辺に生育し、前回確認されていた 檮原町・いの町(旧吾北村)に加え、今回新たに四万十町窪川で採集され、

3

市町村6メッシュで 確認された。愛媛県では中予から南予にかけて広く分布しているため(タンポポ調査・西日本

2010

実行委員会編

2011

)、高知県中西部の県境近くを重点的に調査したが、高知県内では新たな生育地 は確認されなかった。ツクシタンポポは檮原町から津野町にかけての県境近くの標高

900m~1,100m

域に分布している。今回、詳細な分布域を把握するため愛媛県と合同調査を行い、

県境近くの

7

メッシュで生育が確認された。また、本種はこれまで明るい草地に生育すると思われ ていたが、今回の調査で灌木帯やブナ林の林床でも確認され、多様な環境で生育する種であること が明らかにされた。

c.

白花型在来種

白花型在来種はキビシロタンポポとシロバナタンポポ(キバナシロタンポポを含む)が分布する。

キビシロタンポポは

2010

年の調査で新たに確認された種で(藤川・坂本編

2011

)、花色は白に近 いクリーム色で大豊町の山間の人里周辺に生育する。高知県に生育するキビシロタンポポはこれま で痩果は黒褐色のものが確認されていたが、今回の調査で茶褐色のものも確認された。愛媛県の生 育地に近い高知県西部での発見を期待し調査を行なったが、新たな分布域は確認できなかった。今 回の調査では

1

市町村

12

メッシュで確認された。シロバナタンポポは低地を中心に全県的に広く 分布しており、

34

の全市町村で確認された。サンプル数では

2010

年調査の

2,357

個から

279

個増 えているものの、メッシュ数では前回の調査から

29

メッシュ減り

1398

メッシュで確認された。シ ロバナタンポポの黄花品であるキバナシロタンポポは全県的に点在しており、

18

市町村

84

メッシ ュで確認された。今回の調査で集団で分布するものとして、越知町で開花個体数約

260

株の大きな 群落が新たに確認された。

d.

外来種

外来種(雑種を含む)は市街地や国道沿いに多く生育しており、セイヨウタンポポは県内全域の

34

市町村

1438

メッシュ、アカミタンポポは本山町・土佐町・大川村・馬路村・三原村を除く

29

市町村

325

メッシュで確認された。雑種と思われる在来総苞型外来種は馬路村を除く

33

市町村

348

メッシュで採集され、重点目標に定めたこともあり、ほぼ高知県全域で確認された。

④ タンポポの生育環境

図3にタンポポの生育環境の比率を示す。在来種(シロバナタンポポを除く)は、車道沿いや分 離帯で最も多く採集されている。川の堤防や川原での比率がシロバナタンポポや外来種と比べて高 いのは、カンサイタンポポが四万十川・仁淀川・物部川のそれぞれ河川の堤防に生育していること が影響しているものと考えられる。また、林や林のそばで比率はツクシタンポポの生育地によるも のと思われ、車道沿いや都市的緑地での比率は、シナノタンポポやトウカイタンポポの生育地が影 響したものと考えられる。シロバナタンポポは田畑や果樹園などで最も多く採集されており、次い で車道沿い・分離帯で多く採集された。シロバナタンポポは在来種や外来種と比較すると、田畑や 果樹園などの農地の環境に生育する傾向が見られた。外来種は車道沿いや分離帯で最も多く採集さ れており、次いで公園など都市的緑地、駐車場や造成地と続き、土地の改変の度合いが高いところ で多く採集される結果となった。

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