付録
「生物」教師用参考資料 84
1.2 細胞の微細構造
「2.2 真核細胞」および「2.3 原核細胞」を網羅しています。
2.3.4 原核生物と真核生物細胞を比較すること 2.3.5 植物細胞と動物細胞の違いを3つ述べること 2.3.6 細胞外成分の役割を2つ概説すること
上記3つは、明示されていませんが、構造の理解は、構造を比較する能力が前提になります。
他には、以下の違いがあります。
細胞の区画化の概念を具体的に述べていること 肝細胞ではなく膵外分泌細胞を例にしていること 葉の柵状葉肉細胞を例にしていること
電子顕微鏡と光学顕微鏡の解像度の比較を含んでいること 1.3 膜構造
トピック2.4 は、以前は同じトピック内で膜の構造と機能を網羅していました。2.4の内容 は、「1.3 膜構造」および「1.4 膜輸送」に分割されています。
ダニエリ‐ダブソンモデルの提案につながった電子顕微鏡からの証拠の分析 シンガー‐ニコルソンモデルにつながったダニエリ‐ダブソンモデルの反証の分析 1.4 膜による輸送
ナトリウム‐カリウムポンプが、タンパク質ポンプの一例として詳細に述べられています。
医療処置で用いられる組織または器官は、浸透を防ぐために細胞質と同じ浸透圧の溶液中に 浸されなければならないことを理解します。
低張液および高張液にサンプルを浸すことによって組織の浸透圧を推定します。(実習2)
1.5 細胞の起源については、上記を参照してください。
1.6 細胞分裂
同名の以前のトピック「2.5 細胞分裂」を引き継いでいます。新しいトピックは、以下の 追加も含んでいます。
サイクリン(真核生物の細胞で細胞周期を制御するタンパク質の一種)が、細胞周期の制御 に関与すること
突然変異原、ガン遺伝子、転移が、原発腫瘍と二次性腫瘍の増殖に関与していること 喫煙とガンの発生の間の相関関係
顕微鏡写真から分裂指数を決定すること トピック2 ―― 分子生物学(21 時間のまま)
以前の「トピック3 ―― 生命の化学」の代わりです。
2.1 分子から代謝まで
カルシウムまたは硫黄など特定の物質の役割に関する情報は、もはや必要ありません(以前 はトピック3.1に含まれていました)。
代謝の基本原理がこのセクションに追加されています。
2.2 水
水の水素結合の重要性を理解する助けとして、水とメタンの熱特性の比較についての知識の 活用が追加されていることを除けば、「3.1 化学元素と水」からの実質的な変更はありません。
2.3 炭水化物と脂質(タンパク質は別のセクション:以下を参照)
食事の健康上の意義についての追加情報に加え、脂肪酸に関して、より詳細な情報が必要に なっています。
• 脂肪酸には、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、およびポリ不飽和脂肪酸があります。
• 不飽和脂肪酸は、シスまたはトランス異性体になり得ます。トリグリセリドは、3つの 脂肪酸と1つのグリセロールの縮合によって形成されます。
• 人間にとって、脂質は炭水化物よりも長期間エネルギーを蓄えるのに適しています。
• 脂質に関する栄養機能表示の証拠と、その証拠を得るために用いられた方法を評価します。
• セルロース、デンプン、グリコーゲンの比較のために、分子視覚化ソフトウェアを利用 します。
• 計算して、または計算図表を用いて、体格指数(BMI値)を決定します。
• デンプンの構造に、アミロースとアミロペクチンを含んでいなければなりません。
2.4 タンパク質
以前に必要だったものは、アミノ酸の特定だけでした。SL・HL共通項目で必要なさらな る詳細は以下の通りです。
• リボソームで合成されるポリペプチドには20種の異なるアミノ酸があること
• アミノ酸は、任意の配列で結合されて、非常に多くの種類のポリペプチドを形成すること
• ポリペプチドのアミノ酸配列は、遺伝子によってコードされていること
• タンパク質は、単一のポリペプチドまたは互いに結合した2つ以上のポリペプチドから 構成されること
• アミノ酸配列が、タンパク質の3次元構造を決定すること
• 生物は、さまざまな機能を持つ多くの異なるタンパク質を合成すること
• 個体ごとに独自のプロテオーム(ある生物が生産するタンパク質の総体)をもっている こと
• ルビスコ、インシュリン、免疫グロブリン、ロドプシン、コラーゲン、クモの糸など が、タンパク質の機能の幅の例であること
• 熱によって、または最適pHからずれることによって、タンパク質が変性すること 2.5 酵素
このトピックは、「3.6 酵素」で以前に網羅されていた情報と以下の追加を扱っています。
• 酵素触媒反応は、分子運動、および、基質と活性部位との衝突を伴うこと
• 固定化酵素が、幅広く産業に用いられていること 2.6 DNAおよびRNAの構造
DNAとRNAが1つのトピックにまとめられていることを除けば、以前の3.3の学習項目 すべてを網羅しています。したがって、DNAとRNAの比較(以前は、3.5.1)もここに含 まれます。
2.7 DNA複製、転写、および翻訳
このトピックは、以前は、トピック3.4と3.5で扱われていました。さらに、以下も含みます。
• ポリメラーゼ連鎖反応(PCRは以前は遺伝子工学に含まれていました)によって高速 でDNAの多数のコピーを生成するために、TaqDNAポリメラーゼを用いること
• 遺伝子コードの普遍性が種間での遺伝子導入を可能にする一例として、バクテリアでの ヒトインスリンの産生
付録
「生物」教師用参考資料 86
• メセルソンとスタールの結果を分析して、DNAの半保存的複製の理論の支持を得ること
• 1遺伝子と1ポリペプチドの関係は詳細に述べられませんが、他の学習項目の理解にお いて示唆されています。
2.8 細胞呼吸
以前の3.7と同じ学習項目が、以下の追加とともに含まれています。
細胞呼吸の代謝経路の詳細は必要ないが、基質と最終老廃物は知っておくべきです。
具体的な例が提示されています。
• 筋収縮の力を最大化するために嫌気呼吸を行う時のヒトにおける乳酸産生。呼吸計を用 いた発芽種子や無脊椎動物の呼吸速度の測定を含む実験の結果の分析。これは、IB認 定校における動物の取り扱いのガイドラインについて議論する機会です。
2.9 光合成
• クロロフィルのクロマトグラフィーが必須の実習であることを除いては、以前のトピッ ク3.8と基本的には同じです。
トピック3 ―― 遺伝学(15時間のまま)
3.1 遺伝子
このトピックの学習項目は、染色体、対立遺伝子、突然変異とともに、以前は4.1に含まれ ていました。さらに、以下を含みます。
• 知識の活用:他の生物種(植物1種と細菌1種を含むこと)とヒトの遺伝子の数の比較
• データベースを用いて2種の遺伝子の塩基配列の違いを決定すること 3.2 染色体
このトピックの学習項目は、遺伝子、対立遺伝子、突然変異とともに、以前は4.1に含まれ ていました。さらに、以下を含みます。
• 原核生物と真核生物の染色体の比較とプラスミドへの言及
• カリオグラム(染色体の数と形態を撮影し、観察用に表したもの)と核型を区別すること
• ゲノムサイズを比較すること
• データベースを用いて、ヒトの遺伝子の遺伝子座とそのポリペプチド産物を同定すること 3.3 減数分裂(以前はトピック4.2)
内容は同じですが、変異の発生に焦点を当てています。染色体不分離の頻度に両親の年齢が 影響するという概念が紹介されています。
3.4 遺伝的形質
以前は、トピック4.3で扱っていました。検定交雑は削除されていますが、具体的な言及が あります。
• 嚢胞性線維症とハンチントン病の遺伝
• 広島の原子爆弾投下およびチェルノブイリ原発事故後の放射線の影響 3.5 遺伝子組み換えとバイオテクノロジー
このトピックは、遺伝子工学ではなく遺伝子組み換えと名前を変えています。以前は、ト ピック4.4で扱っていました。3.1ですでに述べているのでヒトのゲノムは含みません。
トピック4 ―― 生態学(現在は12時間、以前は16時間)
進化は別のトピックにあります。
個体群生態学は割愛しています。以前は、生態学とともにトピック5に含まれていました。
エネルギー論は、別のセクション「4.2 エネルギーの流れ」にあります。
4.1 種、群集、生態系
以前の「5.1 群集および生態系」の学習項目に加えて、このセクションは以下を含みます。
• 持続可能性の実証を試みるための閉鎖系メソコスム(海洋や湖沼の現場の生態系構成要 素を取り込んだ実験生態系)の設置(実習5)
• コドラートサンプリング(方形区法)によって得られたデータでカイ二乗検定を用いて 2種間の相関関係を検証すること
• 統計的有意性の理解と解釈 4.2 エネルギーの流れ
基本的な概要は、以前の5.1と同じですが、理解においてより明確に概説しています。作用 中のプロセス・エネルギーの動き(つまり、光合成とエネルギー変換)を支えるプロセスに 焦点をあてています。
4.3 炭素循環
炭素循環と温室効果は、以前は1つのセクション(「5.2 温室効果」)でしたが、2つのセ クションに分けられました。
内容は概して同じですが、炭素循環に寄与する要因について詳述および説明されています。
追加は以下のとおりです。
• 炭素循環の過程による炭素フラックス(大気、海洋、森林等の炭素を貯蔵する炭素プー ル間の炭素の移動量)の推定
• 年変動を説明するために大気モニタリングステーションからのデータを分析すること 4.4 気候変動
「温室効果」を「気候変動」というタイトルに置き換えました。温室効果の本質が詳細に述 べられ、新たな知識の活用によって、さらに包括的なトピックになることが期待されます。
• 溶存二酸化炭素濃度の上昇によるサンゴ礁への脅威
• 世界の気温と地球上の二酸化炭素濃度の間の相関関係
• 人間活動は気候変動の原因ではないという主張の評価 トピック5 ―― 進化と生物多様性(12時間)
以前の「指導の手引き」では、進化は生態学に含まれていました。新しい「指導の手引き」
では、進化は生態学から独立し、分岐分類学に関する新しいトピックとともに生物多様性に 追加されています。以前の「指導の手引き」では、進化と分類は、合計でおよそ6時間でし た。より多くの学習項目を含めるために、割りあて時間を倍増しました。
5.1 進化の証拠
このセクションの学習項目は、以前は5.4で扱われていたもので、以下が追加されています。
• 種の個体群は、進化によって別の種へと漸進的に分岐する可能性があります。
• 関連する個体群の地理的分布にわたる連続的な変異が、漸進的分岐の概念に適合します。
5.2 自然選択
自然選択の例が、1例ではなく以下の2例になっていることを除けば、内容は以前のガイド と同じです。
• ダフネ・メジャー島のフィンチのくちばしの変化