185. コミュニケーションを戦略的組織管理の中心に据えることは、
国連の継続的な再活性化にとって重要である。この再活性化の目 標を明確に理解させるためには、国連全体にコミュニケーション 文化を浸透させなければならない。こうした文化を対応する制度 的取極によって支援すれば、国連は世界の人々と、より一貫した 力強いコミュニケーションを図ることができよう。
186. 私が昨年任命したハイレベル・タスクフォースは、新たなコミュ ニケーション戦略を提案しているが、その実施を指導するのが広 報局である。この戦略は、国連、メディア、および、市民社会の 幅広い部門の間の連携強化を主眼としている。この戦略を実施す る上では、国連の話を伝え、その成功にスポットを当てる、新た な方法の模索が必要となる。これを目指して、広報局とその他の 事務局部局は共同で、国連活動のニュースになる側面を重視した 情報キャンペーンを企画・実施している。広報局内には、戦略的コ ミュニケーション計画グループが設置され、目標と戦略の設定、
ならびに、メディア、非政府機関、学術機関、財界および青少年 との接触に関し、担当事務次長を援助している。
187. あらゆるメディア関連活動にはスピードが要求されることか ら、国連の全世界的パートナーシップを強化する上で、インター ネットは不可欠なツールとなっている。インターネットはまた、
多くの新たな聴衆にもアクセスを提供している。今後、国連のウ ェブ・サイトでは、ラジオ・ニュース速報を含め、より多くの視 聴覚資料が搭載され、国連の専門家とのオンライン討論も行われ るほか、国連の刊行物および資料の販売・マーケッティングも促 進されることになっている。
188. その内容と使いやすさにより、数多くの専門家賞を受賞してい る国連ウェブ・サイト(www.un.org)は、公用6 カ 国語すべてをカ バーするように拡大されている。1997年に4,000万件を越えたウ ェブ・サイトへのアクセスは、1998年にはさらに2倍以上に増え る見込みである。最近ローマで開催された「国際刑事裁判所設立 に関する国連会議」に関して設置されたウェブ・サイトは、メデ ィア、および、この問題を詳しくフォローしていたその他の人々 に対し、即座にニュースおよび映像資料を提供した。最初の2週 間で、ウェブ・サイトへのアクセスは38万件を越えている。
189. 国連活動のあらゆる側面で高度な通信・電子出版技術を活用す る努力の一環として、国連広報センターおよび広報サービスは、
事務局とはもちろん、相互にも接続されており、国連のニュース、
文書および参考資料への安価な即時アクセスが可能になってい る。広報センターの中には、地元の利用者向けに、独自のウェ ブ・サイトを創設しているものもある。その一方で、広報センタ ーのUNDP現地事務所との統合も進んでいる。
190. 広報局の印刷物と視聴覚資料は、内容、スタイルおよび発行時
期の点で、メディア配給者のニーズの変化に対応できるようにな っている。これもまた、国連ウェブ・サイトでのラジオ・テレビ 番組の提供と、全世界的な国連活動のデジタル写真および印刷物 の迅速な掲示に負うところが大きい。現在は、国際ラジオ放送サ ービス創設の可能性が検討中であるが、これが実現すれば、国連 システム全体で、特に平和維持活動および緊急人道援助活動を支 援する、費用効果的な情報伝達が可能となろう。
191. インターネットは膨大な機会を提供するものではあるが、思想 と意見を広めるためにもっとも影響力のある媒体は、依然として 印刷物である。広報局の刊行物については、読者アンケートを通 じ、恒常的な見直しと改善が行われている。具体的には、『国際 連合の基礎知識 (Basic Facts about the United Nations)』が読者に 読みやすいように改訂されたほか、『UN Chronicle』は、重大な ニュースの伝達だけでなく、活発な意見交換と討論の場として生 まれ変わった。また、『Development Business』は、世界銀行と の協力により、『Development Business Online』を発足させた。
国連刊行物の売り上げは増大を続け、国連活動の中でも稼ぎ頭と なっている。
192. 若者の関心を喚起することは、国連の存在意義を確保し続ける 上で不可欠である。広報局は、教育と若者を特に重視し、ガイ ド・ツアー、刊行物および教員・学生向けのワークショップに加 え、「国連学生デー(Students Day at the United Nations)」、人権デ ーにおける若者指向のプログラムなどの特別イベントを行ってい る。広報局のオンライン教育プロジェクト「サイバースクールバ ス」は、60カ国以上の数千人の学生に利用されており、国連ウェ ブ・サイトの中でもっとも人気のあるサイトとなっている。
193. 国連に対する世界的世論の支持を高めるため、広報局は、非政
府機関と密接に協力している。同局はまた、研究・学術機関、民 間セクター、青少年団体および世界のコミュニケーションリーダ ーとの接触も拡大させている。国連と非政府機関のパートナーシ ップ樹立50周年を記念して1997年9月に開かれた、毎年恒例の広 報局・NGO会議の際には、61カ国から1,800人以上の参加者が国連 本部に集まった。1997年11月の第2回「国連世界テレビ・フォー ラム(United Nations World Television Forum)」には、著名なテレ ビ出演者も数多く参加し、実りある専門的対話の機会が生まれた。