第 4 章 日韓肥料産業の比較
4.3 コスト試算
1)コスト試算は韓国で最大のメーカーである南海化学を想定して行った。
2)日本で代表的な廉価版高度化成の 14-14-14 で基本的なコスト推算を行い日本の販売価格と 比較した。しかしこの銘柄は韓国で流通してないようなので韓国肥料メーカーのコスト構造の検 討を行うために、韓国での入札で数量の多い 16 号~20 号までの 5 肥種についてコスト推算を 行った。
3)各原料の価格
図4.3.1 原料の韓国への輸入価格 (2011年)
(ドル/トン)
リン鉱石 塩化カリ 尿素 アンモニア 182.8 461.2 445.3 551.6
また国内生産原料は前年(2010 年)の通関統計の輸出価格を用いた。
表4.3.2 韓国国内生産原料価格
(ドル/トン)
硫酸 硫安
30.1 88.6
炉前価格としては滞船料を含む荷揚げ費用として、個体のものは 10 ドル/トン、液体高圧ガス のアンモニアは、5 ドル/トンを加算し、輸出している原料は船積費用として液物の硫酸は 1.5 ド ル/トン、個体の硫安は 10 ドル/トンを減じた。
4)リン鉱石の品質については、今回直接の情報は得られてないが、2000 年に韓国で輸入リン鉱石 の平均品位と大きな変化はないものとして、BPL67.1、P2O5 31.17% CaO/P2O5=1.44 とした。
鉱石組成と一般的な燐酸の助剤 UTT を採用した。
表4.3.3 リン酸製造変動費
(ドル/T-P2O5)
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は燐酸の規模を 500T/D 程度と推定し、2000 年当時一般的な燐酸の固定費を 0.6 乗則で規模 を修正し、固定費の価格変動はないものとして 75 ドル/トンとした。
したがって燐酸の製造コストは、757.5 ドル/トンとなる。石膏・フッ化物等の副産品は公害防止 が主目的であり、無評価とした。
5)14-14-14-のコスト試算
表4.3.4 14-14-14コスト推算(韓国)
(ドル/トン)
原単位 酸不純
物
Dry mater
歩留ま
り 単価 原単価
燐酸 143 0.12 228.8 145.9 682.5 99.6 NH3 65.9 65.9 67.3 556.6 37.4 硫安 443.6 443.6 452.7 106.9 48.4 塩 化 カ
リ 238.3 238.3 243.2 471.2 114.6
防結材 10 10 10.0 300 3.0
一貫変動費 323.0
一貫固定費 38.2
包装・包材費 100
推定工場原価 461.3
日本国内価格との比較のため、韓国では行われていない余裕成分 0.3%を乗せ、歩留まりも 2%
乗せた。固定費は使用量見合で推算した。
燐酸の固定費と、スラリー式プラントとして巨大な規模を考慮し、一般的な固定費の半分程度を 乗せた。包材費は 2000 年の実績から石油価格アップを 3 倍程度とみなし、包装・包材費で 100 ド ル/トンとした。工場原価で 461 ドル/t であるがこれに販売直接費と一般管理費が上乗せになるが、
日本に比べれば相当安いとおもわれる。
日本では日本で最も安い大規模小売店であるジョイフル本田の店頭で 1450 円/20kg(906$/t:
為替 80 円/$)、農家向けネット販売価格は最多価格帯が 1,900 円(1,188 $/t)と、販売経費を 100$/t 上乗せしても半値近いことが推定される。
6)韓国銘柄のコスト試算
韓国で入札制度になってからの申込数量の多い配合 16~20 号を同様な手法で試算してみた。
ただし、14-14-14 と異なり韓国銘柄なので、成分設計上余裕成分や歩留まりロスは、考慮しない。
表4.3.5 韓国の銘柄別コスト推算 配 合 16
号
配合 17 号 配 合 18 号
配合 19 号 配 合 20 号
肥料銘柄 (N%-P%-K%)
原単位 (20-10-8) (20-16-10) (21-13-9) (20-10-11) (19-10-8) 燐酸(kg-P2O5/トン) 100 160 130 100 100
NH3(kg/トン) 46.1 73.7 54.9 46.1 46.1 硫安(kg/トン) 510.0 272.5 376.0 413.0 451.0 尿素(kg/トン) 130.4 206.0 186.0 172.0 134.0 塩化カリ(kg/トン) 133.3 166.7 150.0 188.3 133.3 一貫変動費(ドル/トン) 334.6 374.8 340.7 325.8 289.0
一貫固定費(ドル/トン) 35.0 39.5 37.3 35 35
包装・包材費(ドル/トン) 100 100 100 100 100
推定工場原価(ドル/トン) 469.6 514.3 478.0 460.8 424.0 2010年購入価格(ドル/トン) 524.1 585.8 552.8 544.7 507.2 2011年購入価格(ドル/トン) 415.7 463.5 433.1 419.7 383.1 2011年販売価格(ドル/トン) 462.1 513.5 480.0 464.4 426.4
2011年補助金 (ドル/トン) 49.1 49.1 49.1 49.1 49.1
韓国の農協の購入価格は非常に厳しく、2010 年から 2011 年で殆んどの原料が値上がりしてい るが、逆に購入価格は大幅に下がっている。
値上がりした原料をベースにしたら、2010 年の購入価格でも 20%の販直費を乗せれば赤字にな る情況であり、2011 年の購入価格は、工場原価の段階で 50$/t 程度の赤字である。
最大の南海化学を想定してのコストで、この状態であり、輸入原料は通関ベース+荷揚げ費用 で評価しているので、国内原料の硫安の評価が大きく異ならない限り、採算性はないと考えられ る。
補助金は農家に供給され、その分だけ農家の購入価格が下がる仕組みであり配合 16 号を例と
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