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公共施設を管理運営する際、今までは設備の機能が十分果たされることを重視しており、省エネル ギーを図るためのシステムを構築してきませんでした。また、施設の管理についてはそれを所管する 部署が行っており、省エネルギーの視点を持った横断的な管理標準はありませんでした。今後の管理 運営においては、温暖化対策、経費削減、「もったいない」プロジェクトの観点も加味した取り組み を進めていきます。

管理運営の基本的な考え方について、比較的身近な例として室内温度の管理を参考に、市の今後の 取り組み例を示します。

なお、管理運営における省エネルギーの取り組みは、市の環境配慮指針に反映させています。

● 現状把握:省エネ診断を全公共施設に対して行うことで、現状の把握に努めます。

○ 温度状態における課題

・実際に執務している職員や、訪れる市民が感じる高さで、適正温度となってない。

・室内の温度分布がばらばらになっている。

○ 室温管理、機器運転における課題

・温度計測を実施してない施設がある。

・施設により冷暖房機器の運転制御を行うための室温測定場所が異なる。

・自動で運転制御できない空調機器がある。

・冷暖房機器を適正に運転・管理していない施設がある。

・適切な温度に設定していない施設がある。

○ 気流状態等の課題

・温度センサーが、吹き出し口近く、部屋の高い(あるいは低い)位置、窓の近くなど室内の特 異な場所に設置されている場合、室内環境を正確に反映しない。

・上記を風量、温度で補正しようとすると更に空気バランスを損ねる

● 対策方向性

・公共施設での省エネルギー診断の実施

・夏期、冬期の温度設定条件の広報

・温度計測場所の設定(執務している職員や、訪れる市民の高さ、室内複数場所での温度計測)

・温度計測を実施していない施設での測定実施と記録

・設定温度、計測した温度に伴う冷暖房機の運転、停止の励行および記録

● 確認事項

・温度管理に伴う業務量の把握

・自動化に関する手法の検討

将来的には業務の効率化を推進する段階で、自動的に省エネルギーになるシステムを選択すること が理想と言えますが、当面の取り組みは、上記のように職員の行動によるものが考えられます。まだ、

技術的手法、体制、予算など検討すべき内容はあるものの、施設を利用する側で行える取り組みにつ いては積極的に実施します。

近年、施設管理する際求められることは、「建物のチューニング」であると言われています。上記 に例示した温度管理はチューニング項目の一部であり、市の環境配慮指針の中にも反映しており、実

建物は竣工時、試運転調整がおこなわれ施主に引き渡されますが、このときの調整は設計条件によ るピーク負荷を想定し設定されています。多くの建物では竣工時の調整のままで運転されていること が多いようです。

建物のもつ特性は個々の利用方法などにより違っています。これらの特性は竣工後、運用管理され 使い込まれているうちに徐々に明らかになるものです。またテナントなどの要求事項も年々変化し、

実際の使用人員、OA 機器による室内発熱など現実のビルの特性を把握することで、無駄のない調 整・運転が見えてきます。建物の特性を把握し、これに合わせて自分たちが使いやすいように設備機 器・システムを調整することが必要です。

省エネを主体とした自前調整「省エネチューニング」が建物の運用・管理に求められています(省 エネルギーセンター)。市の施設においてもOA化や市のサービスの変化、増改築やレイアウトの変 更など竣工時と現在の状況では、大きく異なっているものと考えられます。既存の建物、施設におい てチューニングの重要性を再認識し、建物の運用実情を最も把握している施設管理者が主体となり、

建物毎の省エネルギー実行組織を作ると共に省エネルギー運転の実現を目指していきます。

参考にエネルギー対策メニューの例と、公共施設用途別との適合性を表 7-1以降に整理しました。

表  7‑ 1 建物特性と導入設備の関係(例)1 

建物用途 建物規模 設備老朽度

特性区分 対象公共施設 省エネメニュー

庁舎 学校 公民館

福祉 施設

体育館

文化 施設

大 小

更新 時期

新しい

ガスコージェネレーションの採用 △ △ ○ ○ △ △ −

熱源機器の台数制御の採用 ○ −

熱回収システムの採用 ○ ○ △

外気冷房システムの採用

全熱交換器の採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

高効率熱源機の導入 ○

空冷コンデンサーへの水噴霧 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

熱 源 シ ス テム

蒸気バルブの保温 − − − − ○ − ○ ○ ○ ○

搬送用動力機器の最適容量の選定 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

搬送用動力機器の台数制御の採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

VAV(変風量)方式の採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

VWV(変流量)方式の採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

搬 送 シ ス テム

大温度差方式の採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

表  7‑ 2 建物特性と導入設備の関係(例)2 

建物用途 建物規模 設備老朽度

特性区分 対象公共施設 省エネメニュー

庁舎 学校 公民館 福祉 施設

体育館 文化 施設

大 小 更新

時期

新しい

高効率型照明器具、ランプの採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

センサ付き照明の採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

照 明 設備

照度制御システムの採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

超高効率変圧器の採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

力率改善コンデンサの採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

電 気 設備

デマンドコントロールシステムの採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

高効率温水器の採用 ○ ○ ○

給 湯 シ ス テム

中央給湯方式から局所給湯方式への変 更

○ ○

節水コマの採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

トイレの擬音装置の採用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

給 排 水 設 備

雨水・中水利用システムの採用 ○ ○ ○ ○

太陽エネルギー利用設備の採用 ○ ○ ○ ○

新 エ ネ ル

表  7‑ 3  チューニング項目(1) 

対応者

設備等 チューニング項目 内容

効 果

備考

使用者 管理者 所有者 室内温度条件の緩和

(冷房時) 温度設定の変更 ◎

テナント了解要 室内温度分布に配慮

○ ○

室内温度条件の緩和

(暖房時) 温度設定の変更 ○

同上

外周 部と内部が 別系統の場合 、 温度設定に注意

○ ○

冷房時除湿制御の取止め 除湿・再熱運転停止 ○ 冷却に伴う除湿で対応可能 ○ 在 室 者 に 合 わ せ 外 気 量 の 削

外気ダンパーの調整(絞る) ◎

室内環境に注意

CO2 制御がない場合は基準値以 下になるよう調整

外気冷房 外気ダンパーの調整(開く) ◎ 主に冬期、中間期 ○

起動時の外気導入制御 ○

自動 装置がない 場合は毎日の 作 業が発生

○ ○

ミキシングロスの防止

冷房 期の温水運 転停止、暖房 期 の冷水運転停止

中間 期から暖房 期にかけて早 め の冷房停止

冷暖 自動切換え ユニットは冷 暖 どち らかに設定 、冷暖温度設 定 の差を大きくする

4管式配管システム

外周部と内部が別系統の場合 冷暖自動切替えユニットの場合

○ ○

全熱交換器の運転停止(手動 制御

外気 エンタルピ が室内条件を 下 回る場合に適用

○ 回転式の場合は間欠運転を行う ○ ポンプ、ファンのインバータ

採用による流量調整

バル ブ、ダンパ ーの流量調整 を インバーターに変更

○ ○

負 荷 の 低 減

空調 負荷 ( 建 物 及 び 機 器)

照 明 器 具 に イ ン バ ー タ 安 定 器採用

Hfタイプ蛍光灯と併用でより効 果的

照明 電力の低減 で夏季冷房負 荷 の低減

○ ○

表  7‑ 4  チューニング項目(2) 

対応者

設備等 チューニング項目 内容

効 果

備考

使用者 管理者 所有者 燃焼機器の空気比調整 空気比を1.2〜1.3に調整 ○ 専門技術者により調整 ○

台数制御の最 適運転(設定値 の 変更/機 種・ 容量 が違 う場 合 の ロ ー テ ー シ ョ ン の 見 な おし等)

ビルの負荷特性に合わせ再調整

メーカーの協力必要 ○ ○

手動によるこまめな調整

ビル の負荷特性 に合わせた手 動 運転等

○ 冷水出口温度設定の変更

(大負荷時・部分負荷時) 中間期に設定温度を上げる

○ 温水出口温度設定の変更

(大負荷時・部分負荷時) 冬期に設定温度を下げる

温まりすぎ防止に効果あり ○

熱 源 機 器 の 効 率 運 転

熱源 設備 ターボ ガス 吸収式 DHC 等

冷却水温制御の設定値変更 中間期に設定温度を下げる ○ 冷却塔との関連注意 ○ 冷温水量の変 更(可能 な範囲

での大温度差化) 水量/温度差

○ ○

台数制御の効率運転 ビルの負荷特性に合わせ再調整

全台数運転の必要性をチェック ○ ○ ポ ン プ

冷却水量変更 中間期に冷却水量を絞る

◎ 最低水量の確保が必要 メーカーの協力必要

○ ○

送風量変更 空調機の送風量の削減

◎ 外周はユニット機器、内部 AHU の場合採用可能

空気分布に注意

VAV 方式の場合の送風温度 の変更

最低送風量の設定の変更 送風温度設定を下げる

○ テナ ントの暑い ・寒いクレー ム の少ないこと

CO2 濃度に影響のないシステム

○ 搬

送 動 力 の 節

約 空調機 送風機

表  7‑ 5  チューニング項目(3) 

対応者

設備等 チューニング項目 内容

効 果

備考

使用者 管理者 所有者 立ち上がり時間の短縮

機器 の運転開始 時間を現状よ り 遅くする

立ち 上り時の室 温測定間隔を 短 くして様子を確認する

○ ○

残 業 運 転 の 短 縮 ま た は 取 り やめ

○ ○

在 室 者 の 状 況 に 合 わ せ て 間 欠運転または停止

○ 未利 用室、在室 者が少ない場 合 には採用可能

○ ○

ナイトパージ 外気系統の夜間運転

△ 立上 り時の運転 に連動させる と 効果的

○ ○

空調 設備

空気分布の適正化

室内温度ムラの是正 ○

可能な個所の換気中止

○ ○

換気 設備

間欠運転

◎ 駐車場の場合は CO/CO2濃度を 測定しておく

○ ○

給湯時間・範囲の制限

○ ○

給湯温度の設定変更 設定温度を下げる ○

○ ○

給水・給 湯 設備

節水器具の採用

○ 節水 コマ、節水 器具、擬音装 置 等

高効率照明器具の使用 ○ ○

照度の適正化

不必 要と思われ る高照度の室 等 の照明器具を消灯する

窓面などへの昼光利用も含む ○ ○ 水 銀 灯 安 定 器 ラ ン プ の 高 効

率化

誘導灯の高輝度化 ○ 24時間点灯器具 ○

自動点滅化 昼光や人感センサーによる ○ ○

運 用 管 理

電気 設備

変圧器容量の見直し 電力負荷により統廃合する

○ 容量 の平準化に よるバンク構 成 の見直

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