• 検索結果がありません。

前駆体クラスターの形成 前駆体クラスターの形成 前駆体クラスターの形成 前駆体クラスターの形成

Fig.3.2に触媒金属Niを加えた系(条件3)の,0 – 5000 ps における時間履歴のセルの様子を、

Fig. 3.3 にそのセル内における炭素原子の結合数変化の時間履歴をグラフで表したものである.

Fig. 3.2 Snapshots of the clustering process in the C & Ni system.

0 2000 4000 6000

0 1000 2000

Time (ps)

Number of Carbon A toms

(a) No Bond (b) 1 Bond (c) 2 Bonds (d) 3 Bonds

(a)

(b) (c) (d) Ni25inC2500

Fig. 3.3 Time change of number of carbon Atoms with specific coordination number in the C & Ni system.

図中,炭素どうしの原子間距離が 1.8Å よりも短いものについて結合を表示し,その結合数を 配位数とし,その結合の数に従い各原子を,白(結合なし),赤(結合1),黄(結合2),緑(結 合3),紫(結合4)と色分けした(以下,この表記法で統一する).Fig. 3.2から,時間の経過と ともに炭素原子のクラスタリングが進行していることが観察できる.Fig. 3.3 で結合数の変化を詳 細に追うと,時間の経過とともに結合を持たない炭素の数(a)が減少し,それにともない,結合数 1の炭素の数(b)が増加,t = 1000 psあたりで飽和し,結合数2の炭素の数(c)が(b)を追い越す.さ らにこのあたりから結合数3の炭素の数(d)が増加しはじめ,t = 3000 ps 近辺で,ついに(d)が(c) を追い越し,t = 6000 ps では全体の4/5が(c)の炭素である.またこの条件だと結合数4の炭素(sp3) はほとんど観察されることはなかった.

  Fig. 3.4 に他の2条件での炭素原子の結合数変化の時間履歴をグラフで示す.他の2条件でも結

合数の変化の傾向は変わらないことがグラフより分かるが,(c)と(d)の交差する時間に注目すると,

Laを含む系の場合,Niを含む系に比べて 500 ps も早くなっている.このことはLaが存在する ことでクラスタリングが促進されていることを示唆している.またCだけの系とNiを含む系で比 較すると,Niが存在することにより(c)と(d)の交差する点が,若干遅くなっているがこの範囲では 目立った傾向を見いだすことは難しい.

0 2000 4000 6000

0 1000 2000

Time (ps)

Number of Cabon Atoms

(a)

(b)

(c) (d)

(a) No Bond (b) 1 Bond (c) 2 Bonds (d) 3 Bonds

La25inC2500

0 2000 4000 6000

0 1000 2000

Time (ps)

Number of Carbon Atoms

(a)

(b) (c) (d)

(a) No Bond (b) 1 Bond (c) 2 Bonds (d) 3 Bonds

C2500

Fig. 3.4. Time change of number of carbon Atoms with specific coordination number

このように金属触媒がセル全体に及ぼす影響について考察してきたが,次に各条件のセル内で形 成した個々のクラスターの形に注目する.Fig. 3.5 –3.7 はt = 6000 psにおける各セルの様子と代表 的なクラスターの構造である.

Fig. 3.5. Snapshots of clustering process at 6000 ps in the C & Ni system.

Fig. 3.6. Snapshots of clustering process at 6000 ps in the C & La system

Fig. 3.7. Snapshots of clustering process at 6000 ps in the C system

  各条件ともt = 6000 ps ではケージ状の三次元構造をもつクラスターが多数存在する.またこれ らの多くが結合数3(sp2)の炭素で構成されていることが確認できるが,結合数2のダングリング ボンドを持っており,安定な構造に落ち着くためのアニールがまだ不十分な段階であると考えら れる.Laを加えた系では,ほとんどのLa原子がケージ状炭素クラスターの内側に入っているか,

平面状の炭素クラスターを強く引きつけてケージ状クラスター生成の核の役割を果たしていると 考えられる(Fig 3.8(a)).一方,Ni原子を加えた系では,Laのように平面状の炭素クラスターと結 合している場合でも,その平面構造を曲げるほど強く炭素クラスターに作用していない(Fig 3.8(b)).

またケージ状クラスターを見ると,Niが中に入っているものの他に,外側や表面にいる状態のも のも多く観測され,ケージ状の内側がNiにとって最も安定な場所ではないことが予想される.

(a) La (b)Ni

Fig. 3.8. Interaction between metal atom and flat carbon cluster.

関連したドキュメント