membraneH+‑ATPaseの解析 2・1緒言
1章において、LPT細胞の細胞膜上におけるクエン酸輸送には、クエン酸 選択性を有する可能性のあるアニオンチャネル、及びクエン酸放出と同時にH+
を放出しているPMH+・ATPaseが関与していることを示した。H+の放出に関し ては、Whitelupinの報告にはないクエン酸放出との定量的な結果を得ることも
でき、またWT細胞とは明らかに放出パターンが異なることから変異が起きて
いる可能性は非常に高いと考えられた。生理学的に細胞膜上におけるタンパク 質の特性を調べるには高純度の細胞膜を単離する必要があり、それには水性二 層分配法が適している(Fig.13)。水性二層分配法は、POlyethyleneglycol層(PEG層)とdextran層からなる水性二層分配液を利用しノ、生体膜の表面電荷 や疎水性により各層へ分配する方法である。表層に強い陰性の電荷を持つ right・Side outの細胞膜のみがPEG層へ、inside‑Outの細胞膜及び液胞膜やミ
トコンドリア膜等その他の膜画分は全てdextran層へ特異的に分配される(吉
の報告が行われており、知見の広い遺伝子である。PM H+・ATPase遺伝子は SuPer・gene払milyを形成し、Amム物見由tbalibDaで12個(Palmgren2001)、
仇γ詔Sativaで9個(Arangoetal.2003)、入物由DaPIzLmbagit2戯由で9個 (Perezetal.1992,Moriauetal.1993,Oufattoleetal.2000)と非常に多くの isoformが単離されており、2もしくは5種類のsub払milyに分類される
(Ou払ttoleetal.2000,DamblyandBoutry2001,Palmgren2001,Arangoet al.2003)。分子量は約100kDaであり、N末端側からactuatorドメイン、ATP 結合ドメイン、リン酸化ドメイン、活性調節ドメインとなっており、通常10個 の膜貫通ドメインを持つ(木下,島崎2003)。耐性品種獲得への有用遺伝子と
して確立する為に、これらの知見を元にLPT細胞からPM H+・ATPase遺伝子 を単離して一連の分子生物学的解析を行うことによりWT■細胞との相違点を見 い出すこと、及びアンチセンス組換え体を作製することによりクエン酸放出に 対する必須性を証明することを目指した。
Micro$Omal fraction
0
00●●
。㍉。帰・●
000●●
●
Polyethyleneglyc0l Phase
Dextran Phase
Ultracentrifuge
l
Pla$mamembranal fraction
●:Right‑$ideoutPMve$icle$
2・2実験材料及び実験方法
2‑2・1細胞膜画分の単離
WT及びLPT細胞からの細胞膜画分は、吉田らの方法(吉田,上村1987, Ybshidaetal.1986,%shidaandUemura1986)を若干改良した方法により単
離した。新鮮重約30gのニンジン培養細胞を、約3倍量(Ⅴ価)の細胞破砕用 緩衝液(0.25Mmannitol,0.1%【w/v]BSA,1.5%【w/v]pvRlmMDTT;2mM EGTA,2mMEDTA‑2Na,25mMpotassiumphosphatebu脆rpH7.8)に懸
濁し、あらかじめ氷冷した乳鉢を用いて、適当量の石英砂を加え氷上で完全に 破砕した。この細胞破砕液を4重のガーゼで濾過後、濾液を0℃にて13,000×g、
20分間遠心した(①SAKUMA50A‑ⅠⅤ)。その後、上清を0℃にて170,000×g、
35分間遠心し(②HITACHICP70G)、得られた沈殿は洗浄の為に懸濁液Dl (0.25Msorbitol,1mMDTT,10mMpotassiumphosphatebu鮎rpH7.8)に
テフロンホモジナイザーを用いて懸濁した。0℃にて170,000×g、35分間の遠心 を行い(②)、沈殿を再び2mlの懸濁液Dlにテフロンホモジナイザーを用いて 懸濁した。尚、この時点で懸濁液Dlではなく懸濁液C(保存用;0.25Msorbitol, 25mMHEPES,2mMDTT;BTPを加えpH7.2に調整)を用いたものを粗膜
画分とした。
2mlの懸濁液Dlに懸濁したものを約20ml(25g系)の水性二層分配液 (6.4%【w/v]pEG3350,6.4%【w/v]dextranT‑500,0.25Msorbitol,1mMDTT, 30mMNaCl,10mMpotassiumphosphatebu鮎rpH7.8)に加え、手で反転
して撹拝後、0℃で30分放置してから、0℃にて750×g、4分間遠心した(①)。
この上層(PEG層)を、新しい分配液の下層(dextran層)のみの溶液に重層 し、再び撹拝して0℃、30分放置後、。遠心して上層を得た。もう一度繰り返し、
計3回水性二層分配を行った後、上層を洗浄の為懸濁液C(洗浄用;0.25M、
SOrbitol,25mM HEPES,BTPを加えpH7.2に調整後滅菌フィルターに通し
た)に加え、0℃にて170,000×g、35分間遠心を行った(②)。この洗浄を60 分でもう一度繰り返し、得られた沈殿を1mlの懸濁液C(保存用)に懸濁して、
これを細胞膜画分とした。粗膜画分溶液、及び細胞膜画分溶液の保存はエツペ ンドルフチューブに分注後、・80℃で保存した。
2‑2‑2マーカー酵素活性の測定
単離した細胞膜画分の純度を検定する為に、粗膜画分、細胞膜画分におい て以下のマーカー酵素活性を測定した。tOtalATPase 活性のうち vanadate・SenSitiveATPase、nitrate・SenSitiveATPase活性を細胞膜マーカー
酵素、液胞膜マーカー酵素とした。つまり、Vanadate‑SenSitiveATPase活性が PMH+‑ATPase活性に値する。また、NADHCyt・Creductaseを小胞体膜、Cyt・C oxidaseをミトコンドリア膜のマーカー酵素とした。
ATPaseの活性は、UemuraandSteponkus(1989)の方法に従い行った。
(wル)TritonX・100 30plと2.5%(w/v)モリブデン酸アンモニウム 300plの 添加により白濁させ、室温にて20分後660nmの吸光度(HImCHIU・2000)
を測定することにより定量した。尚、細胞膜マーカーATPase として0.1mM Na・Orthovanadateを、液胞膜マーカーATPaseとして100mMKNO3を終濃度
でそれぞれ添加した。
antimycinAinsensitiveNADHCytLCreductase、Cyt・COXidaseの活性は、
Uemura and Ybshida(1983)、Ybshida ら(1983)の方法に従い行った。
antimycinAinsensitiveNADHCyt・Creductaseの活性は、1.5mlの反応系(50
mMpotassiumphosphatebu鮎rpH7.4,405pgoxi・Cyt・ら264pgNaN3,0.1
mMantimycinA)に膜画分溶液を15pl、10mMNADHを50pl加え、550nm
での吸光度変化を追跡することにより測定した。Cyt・COXidaseの活性は、膜画 分溶液50plに1%(w/v)TritonXrlOOを15pl加え、室温で5分後1.5mlの50
mMpotassiumphosphatebu鮎r(pH7.4)と100plred・Cyt・Cにより、550nm での吸光度変化を追跡することにより測定した。
2・2‑3タンパク質の定量
タンパク質の定量は、Bradford(1976)の方法に従いBSAを標準タンパ ク質として595nmの吸光度(HITACHIU・2000)を測定して行った。
2‑2・4totalRNAの単離
totalRNAの単離はacid guanidinium phenoIchloroform(AGPC)法 (ChomczynSkiandSacchi1987)及びNa沈殿(MackeyandChomczynSki
1995)により行った。・80℃で保存しておいた培養細胞0.5gを、液体窒素で冷
却した乳鉢と乳棒により磨砕し、2.5mlのextraction bu鮎r(50% k/v]
guanidinethiocyanate,25mMNa‑Citrate,5%♭/v]2・merCaPtOethanol,0.5%
k/v]sarkosyl,0.1%b/v]antifoam)に懸濁した。0.5mlずつ2mlチューブに 分注し、0.05mlの2MNaOAc(pH4.0)と0.5mlのwater・Saturatedphenol
を加えて混合した。0.25mlのchloroform/isoamylalcohol(24:1)混和物を添加 し、氷上で15分放置後、20,000×g、4℃、15分間遠心した(KUBOTA1720)。
(以下はRNasefreeで操作)水層0.4mlを1.5mlチューブにとり、0.2mlの 1.2MNaCl、0.8MNa・Citrate混和物と0.2mlのisopropanolを加えて混合し た。室温で10分放置後、20,000×g、4℃、15分間遠心し沈殿を得た。75%(Ⅴ/v) EtOHで洗浄後、風乾して20plのRNasefreeH20に60℃で加温して溶解し た。
2・2‑5RNAの純度及び濃度測定
RNAの純度は、10mMTris・HCl(pH7.5)に希釈して200nm〜310nmを 波長スキャンし、A260:A230=2.2〜2.5:1、A260:A280=1.8〜2.0:1となる時 高純度であると判断した。また、濃度はH20に希釈後、A260を測定しA260が1 の時40pg/mlであることを利用して算出した。
て01igo(dT)20Primerを添加し、70℃、10分処理後bu飴r(TOYOBO)、dNTPs (TOYOBO)、RNaseInhibitor(ThKaRa)、reVerSetranSCriptase(TOYOBO) を加えて42℃、60、分;70℃、15分のRT反応を行った。合成されたsinglestrAnd CDNA(sscDNA)をtemplateとし、Amb軸点由tba血Da(Harperetal.1989)、
ゑamqys(JinandBennetzen1994,P6rez・Casti丘eriaetal.1995)、a:ア甜 Satin(Wadaetal・1992,00kuraetal.1994)、Nh,tib
(Perezetal.1992)の4種類の植物、6種類のPMH・・ATPaseの保存された
アミノ酸配列を元に設計した2組のde・generate Primer:丘rstforward,
5'・GA払/G]GA払/G]AA【c/T]AA【C/T]GCIGGIAA【c/T]GC・3,;secondforward, 5'・GAhJG]GCIGTIGTIATh/C/T]GCIACIGG・3,;firstreverse,5,・TC[G/T]TT・
ITCICC[G/T]TCICCIGTC・3,;second reverse,5,・CCIGCCCAIGGCCAIGG・3,
(Ⅰ:inosine)により丘rst、SeCOndPCRを行った。得られたcDNA断片をDNA LigationKitⅥr・2(TaKaRa)を用いてpT7BlueT・VeCtOr(Novagen)にTA Cloningし、EcoH(ⅩL・1BlueMRF')(Stratagene)にtransformationした。
QIAprepSpinMiniprepKit(QIAGEN)によりplasmidを調製し、BigDye Tbrminatorv3・1CycleSequencingKit(AppliedBiosystems)によるdideoxy 法とABIPRISM377DNASequencer(AppliedBiosystems)により塩基配列
を決定して、DNASequencingSoftware(AppliedBiosystems)、BIJASTdata bank及びCLUSTALW(www.genome.ad.jp)により解析を行った。3,端の塩
基配列は、これにより決定した配列を元にspecificprimerl、2を設計し、01igo (dT)20Primerのadaptor primer とのPCRによる 3,RACE(rapid amplificationofcDNAends)により行った。5,端の決定もまたRACE法により
行った。まずspeci丘c primer3によりRT反応を行い、3,側へのdC・tailing反 応をした。その後、SPeCificprimer4、5とoligo・dGabridgedanchorprimer によるPCR反応により断片を得た。
2‑2‑7膜貫通領域予測及び系統樹の作製
mucusmmtaH+・ATPase(DcPA)の膜貫通領域予測は、コンピューター アルゴリズムのSOSUI(Hirokawaetal.1998)により行った。また、推測さ
れるアミノ酸配列孝元にした分子系統樹は、DDBJ(www.ddbj.nig.ac.jp)で公
表されているCLUSTALWプログラムにより作製した。
2‑2‑8Dcml抗体の作製
DcPAl抗体は、QIAexpress恥peATGKit(QIAGEN)により精製した smal1loop(132aa‑239aa)を抗原として作製した。forward,5,・GGGG・
CCjmGAAAAACAAAGGTTCTTAGG・3,(下線はjVboIsite);reverse,
5,・GGGAGATCTCTTCTGGAAATGGCCAAC・3,(下線は#IIsite)の2種類
のprimerによりsma11loopの断片を増幅し、肋Ⅰ・邸IIsiteで制限酵素処 理したpQE・60(QIAGEN)に1igationした(Fig.14)。Eの〟(ⅩL・1BlueMRF') (Stratagene)にtransformation後、QIAprepSpinMiniprepKit(QIAGEN)(A)
PQE・60
(B)
PQ∈‑60
EcoRI/RB$ 〟coI 8amHIβgJⅡ 6×Hiさ
CCATGGGAGGATCCAGATCT
亡CORIJRB$ 〟¢○Ⅰ
句仰
CCATG $ma‖100P A(;ATCT
〃加dⅡ ち